フライス溝加工とは
フライス溝加工とは、固定した工作物に工具を回転させながら当てて、溝形状に削る加工方法です。主に溝フライスやエンドミルという工具を使います。
溝フライスは、外側に切れ刃が付いた円盤状の工具です。エンドミルは、ドリルと似た工具で外側と先端に切れ刃が付いています。この溝フライスをフライス盤に取り付けて、溝を掘っていきます。
フライス溝加工には、一般的な加工方法の他に「キー溝加工」「T溝加工」「アリ溝加工」「スリット加工」という4種類の加工方法があります。
フライス溝加工の使用用途
フライス溝加工は、材料の表面や内面に溝加工を施します。目的は、互いの部材を固定するため、動力を伝えるため、部品を通すために行います。
例えば、キー溝は、キーを差し込むために、ギアなどの内面に溝を付ける必要があります。ギアとシャフトなど、歯車と軸とを結合する際の滑り止めの目的として加工されます。
溝加工は、金属加工の中では、一般的な加工方法であるため「自動車」「航空機」「鉄道」をはじめとして、その他の製造業でも幅広く利用されています。
フライス溝加工の種類
フライス溝加工には、一般的な加工方法のほか、4種類の加工方法があります。
1. キー溝加工
加工物にキー溝を作るための加工方法です。部品をはめ込むための溝を作ります。長いシャフト部品にキー溝を加工します。
主な工具として、溝フライスやエンドミルを使用します。
2. T溝加工
Tスロッターと呼ばれるT字型の工具で底部分が幅広くなるように加工します。
マシニングセンタなど、工作機械のテーブル面のように、ボルトを通す溝として使われています。
エンドミルや側フライスを使って溝入れした後、T溝フライスという工具を使用し、T字型に仕上げていきます。
3. アリ溝加工
台形型のアリ溝を掘るための加工です。
シリンダや位置決めステージの案内機構として使用されます。
エンドミルや正面フライスを使って溝入れした後、アリ溝フライスを使用し、台形上に仕上げていきます。
4. スリット加工
浅いスリットや深い切り込みなどを入れるための加工方法です。
スリット加工をすることで制振や消音効果を得られます。
スリワリフライスやメタルソーなどの工具を使用します。