セキュリティキャビネットとは
セキュリティキャビネットとは、重要な物品を物理的な脅威から保護するために設計された堅牢な収納庫です。
情報漏えい防止や盗難対策を目的として設計された点が特徴です。施錠方法には従来の鍵だけでなく、カード式や指紋認証式などの仕組みによって高い安全性を担保します。外装には鋼板などの丈夫な素材を使用し、こじ開けなどへの耐性を高めています。扉の蝶番やロック部分も弱点になりやすいため、目に見えにくい位置に配置したり、補強部材を追加する設計が取られます。
耐火性能を備えた製品も存在し、火災発生時も内部の温度上昇を抑えて内部に配置した貴重品の損傷を遅らせます。情報管理体制やリスク対策の一部として導入されることが多く、安全な保管方法を確保するための基盤となります。
セキュリティキャビネットの使用用途
セキュリティキャビネットは以下のような用途で使用されます。
1. 重要書類・機密情報の管理
企業や団体において、契約書や顧客の個人情報が記載されたリストなど、外部への漏洩が許されない情報が多数存在します。セキュリティキャビネットはこれらの書類を安全に保管するために使用します。施錠を厳格に行うことで、内部からの不正な持ち出しや部外者による盗み見を防止できます。
2. IT機器・データメディア
現代の業務において、ノートPCやタブレット端末は不可欠なツールですが、同時に情報漏洩のリスクも伴います。特にUSBメモリや外付けハードディスクといった可搬メディアは小型で持ち出しやすいため、紛失や盗難に細心の注意が必要です。セキュリティキャビネットは、これらのIT機器やデータメディアを不要時に保管する場所として便利です。
3. 貴重品
書類やデータ以外にも、厳重な管理が必要な物品は多くあります。施設全体のマスターキーやサーバールームの鍵など、重要区画へのアクセスキーはその一例です。また、研究所や病院などでは、一部の薬品や試薬を厳重に保管する必要があります。その他、高価な測定機器や小口現金などを盗難から守るためにも活用します。