搬送システムとは
搬送システムは、商品や部品などを自動で移送するシステムです。人の手で移動するのが難しい重量物の搬送、搬送物が大量にある現場や搬送導線が複雑な現場での搬送などで効果を発揮します。
搬送システムには、ベルト式やチェーン式の搬送コンベア、天井搬送システム、昇降装置など、さまざまな形態の機器があります。さらに、搬送ロボット、無人搬送車(AGV)、ピッキング装置などを組み合わせることで搬送の自動化を進め、省力化・省人化によるコストダウンや搬送作業の効率化・品質向上を実現できます。
搬送システムの使用用途
搬送システムは、製造業や物流業界などで幅広く使われています。
物流業界では、倉庫に保管されている商品を出荷する現場で使われます。自動倉庫システム、仕分け装置、ピッキング装置などの周辺装置を組み合わせ、商品の特性や倉庫の環境などに合わせたシステムを実現しています。
製造業では、工場の工程間の部品、中間製品などの搬送、倉庫内での最終製品の物流などに使用されます。特に、自動車産業では、ボディやタイヤなどの大型パーツや製造中の中間製品の搬送に欠かせないシステムです。
搬送システムの特徴
搬送コンベアは、ベルトやチェーンがモーターによってゆっくり回転することでベルト上の荷物を搬送するタイプが主流です。
ベルトの材質は、ポリウレタンやテフロンなどの樹脂が使われることが多く、皮、織布、ゴム、スチールなども使われます。搬送ベルトには、搬送する荷物に応じて耐油性、耐熱性、帯電防止性などの性質が要求されます。
ベルトの形状は、搬送する荷物が砂、セメント、穀物、製造中の食品などバラで搬送する場合は平ベルトやメッシュベルトが使用され、箱や袋などパッケージされた状態で搬送する荷物の場合は、表面に凹凸のあるラフトップベルトやローラーベルトが使用されます。また、コンベアの傾斜角度がある場合は、搬送物が下方へ滑り落ちないよう、ヒレ付のベルトが使われます。
天井搬送システムは、天井に設置したレールを自動走行する搬送機器が、目標ポイントで上下に移動して荷物を搬送するシステムです。工場の空間を有効活用できるため、製造現場の部品・製品の搬送に使われます。