はんだ付け

はんだ付けとははんだ付け

はんだ付けとは、はんだと呼ばれる合金を溶着させて金属材料などを接合する技術です。

事前に油などの不純物を取り除き、フラックスを塗ってはんだのノリを良くします。その後、接合界面を約300℃の高温とし、はんだを溶かして接着します。

はんだ付けの使用用途

はんだ付けは主に電気製品の回路上で使用されます。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • プリント基板の試作
  • 電気回路や電子回路の製作
  • 金属配管や銅管の接合
  • ステンドグラス作製
  • アクセサリーや模型の作製

主に産業の用途に使用される接合方法ですが、アクセサリーなどの製作に使用される場合もあります。ステンドグラスの作製にも古くから使用されています。

はんだ付けの原理

はんだ付けは、はんだを熱で溶かして材料を接着します。手作業の手はんだ付けには、はんだ、はんだごて、フラックスなどが使用されます。

1. はんだ

はんだは、スズなどの金属を使用する合金です。他の金属材料に比べて融点が低いことが特徴で、熱を加えると容易に融解します。

2. はんだごて

はんだごては、先端にヒーターを付属した専用工具です。ヒーターがはんだごて先端を温め、はんだを溶融させる温度とします。ヒーターの熱源には電気式製品とガス式製品があります。はんだごての先端は、長期間使用するとはんだが張り付いて焦げ付くため、定期交換ややすり掛けを要します。

3. フラックス

フラックスは、はんだ付け専用の促進剤です。材料表面の汚れを除去しつつ、はんだの広がり具合を良くするために使用されます。塩酸系の酸性材料が使われる場合もありますが、基本的には松脂や合成樹脂が材料です。材料表面の酸化を防止する役割もあります。

はんだ付けの種類

はんだ付けは、手はんだ付け以外にもさまざまな方法があります。用途が部品試作などの少量生産か、工業製品としての大量生産かによって、はんだ付け方法を選択します。

1. 手はんだ付け

原理の項で説明した通り、手作業ではんだ付けを行う方法です。主に基板の試作や実験に用いられています。温度管理の他にも作業注意点が多くあり、はんだ付け検定や電子機器組立て技能士などの資格が存在します。

2. ディップはんだ付け

電子部品やコネクターをプリント基板に装着後、ディップ槽と呼ばれる溶融はんだ槽内ではんだを基板下面から吹き上げる方法です。大量生産を行う場合に用いられています。

3. リフローはんだ付け

電子部品をプリント基板に装着後、クリームはんだを使用して熱ではんだ付けを行う方法です。クリームはんだとは細かいフラックスを混ぜ込んだはんだで、粘度が高いクリーム状です。あらかじめクリームはんだを基板へ塗布することが出来るため、接着精度が高いことが特徴です。

ディップはんだと同様に、電子回路などを大量生産する場合に用います。SMTと呼ばれる表面実装工程は、クリームはんだ塗布~チップ部品実装~リフロー炉通過までの一連の作業を連続で行うこと可能です。

はんだ付けのその他情報

1.  鉛フリーはんだ

はんだ材料には、低融点で接着金属となじみが良いことが求められます。古くから鉛とスズの合金が使用されてきましたが、鉛の有毒性が問題視されるようになりました。したがって、近年では自然環境保護の観点から鉛フリーはんだの開発が進められています。

特に、多く使用されているはんだ材料は、スズ-銀-銅系、またはスズ-ビスマス系などです。スズ-金系のはんだも存在します。ただし、鉛よりも希少な金属を使用するため高価となるのが欠点です。また、鉛を含有したはんだと比較して融点が高い材料が多く、より多くのエネルギーを必要とするのも欠点の一つです。

2. はんだ付けによる配管接続

はんだ付けは、銅管や水道管の接続に使用される場合があります。また、ろう付けも金属を溶融して配管を接着する技術です。2つの違いは接着温度です。

はんだ付けは450℃以下ではんだを接着しますが、ろう付けは450℃以上の温度で接着します。したがって、ろう付けにはや銀などの金属を使用します。

温度が低いために、はんだ付けではトーチなどで加熱しますが、ろう付けではガスバーナなどで加熱します。

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