電源用IC

電源用ICとは

電源用IC

電源用IC(英語: Power supply integrated circuit)とは、電子機器を動作させる際に、安定した電源電圧が供給されるように制御を行う電子部品です。例えば、家庭用コンセントの交流100 Vを直流電圧に変換してさまざまな電子機器を使用する際に、電子機器の負荷が異なっても一定の出力電圧を維持するように制御します。また、使用中に負荷が変動したり温度などの使用環境の変化が生じても、安定した出力電圧を維持するように制御します。

電源用ICの使用用途

電源用ICは家電製品や携帯機器などさまざまな電子機器に使われています。最近の家電製品は電子制御されているものがほとんどで、その制御にさまざまな電子回路が搭載されています。また、携帯機器はディスプレイ、カメラ、センサなどさまざまな機能が搭載されています。それらを動作させるためには複数の電源電圧を安定して供給する必要があります。また、最近はリチウムイオン電池などの二次電池で動作する電子機器も増えてきており、安全に充電を行ったり安定した出力電圧を得るために電源用ICで制御を行っています。

電源用ICの原理

電源用ICには、リニアレギュレータ、DCDCコンバータACDCコンバータ、二次電池の充放電制御などさまざまな種類があります。基本的な動作原理として、入力と出力の間に制御素子があり、電源ICで出力電圧をモニタして、出力が一定電圧を維持するように制御素子の状態を制御します。制御素子にはパワーMOSFETIGBTなどのトランジスタ素子を用いることができます。

リニアレギュレータでは、出力電圧の変化に応じてトランジスタのゲートに印加する電圧を可変し、一定の出力電圧を維持するようにトランジスタの抵抗値を制御します。

DCDCコンバータやACDCコンバータでは、トランジスタをスイッチング素子として使い、出力電圧が一定になるようにトランジスタのオン/オフを制御します。また、ACDCコンバータでは力率を改善するための制御も行います。

また、二次電池の充電制御では電圧だけでなく電流や温度もモニタし、安全な範囲内でできるだけ充電電流を流して急速充電できるように制御をしています。

参考文献
https://club-z.zuken.co.jp/tech-column/20170831_r001.html
https://www.ablic.com/jp/semicon/products/power-management-ic/voltage-regulator-ldo/intro-2/
https://www.ablic.com/jp/semicon/products/power-management-ic/switching-regulator/intro-3/

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