サージ対策とは
サージ対策とは、サージが発生したときに回路が壊れないように対策を施すことです。
サージとは、一般的には株価や物価などの急騰あるいは急上昇ですが、産業向けでは通常は電圧や電流の急騰あるいは急上昇を指しています。サージ対策としてはサージ対策部品を使用する事で対策を施します。そのような部品のことをサージアブソーバやサージプロテクタと呼ばれます。
サージ保護デバイスには大きく2つのタイプがあります。1つは半導体型であり、もう一つが放電管型です。半導体型の代表的なデバイスはバリスタ (ZnO) であり、Variable ResistorからバリをVariableから取り、そしてResistorからスタを取りバリスタと命名しています。機能的には、電圧に応じて抵抗値が変化する非直線性抵抗素子であります。
バリスタとはある一定電圧がかかると急に電流が流れだす性質をもつ素子とも言えます。そのほか半導体型にはPN接合を利用したダイオード型およびサイリスター型の合計3種類が存在します。一方、放電管型としてはアレスタ (避雷器) とよばれるものでありギャップアレスタとマイクロギャップ式があります。ガス入り放電管タイプはガスアレスタやガス入り放電管 (GDT) と呼ばれます。
サージ対策の種類
サージ対策はサージの種類に応じて対策が必要になります。サージのタイプについては大まかに分けると、雷サージ、開閉サージ、ロードダンプ、ESD (静電気放電) となります。 開閉サージとは、スイッチにより電流が急に遮断されたときのコイルによる逆起電力によるもので、ロードダンプとは自動車においてバッテリの遮断に起因して発生する大きなサージです。
サージ対策の例
半導体型の代表的なデバイスであるバリスタによるサージ対策としては、被保護回路と並列に接続することでサージによりその一定電圧以上の電圧がかかろうとした時、バリスタへ電流が流れるようにする事で被保護回路側が保護されます。つまりバイパス回路形成による保護回路であります。
放電管型はバリスタと比較すると耐久性に優れるとされていますが、「続流」といわれる放電管現象により電気を流し続けてしまう事があり放電管型単体で用いる事は難しく、バリスタとの組み合わせ回路として使われます。