駆動機構・部品とは
駆動とは、具体的には、モーターを回転させて動力として伝達し、コンベアを回転させるという動きをさせることを指します。
回転させるだけではなく、回転運動を直進運動に変換したり、逆に直進運動を回転運動に変換したりすることもできます。身近な例では自動車が挙げられます。自動車のエンジンの回転を、ギアに伝達してタイヤを回転させ、前進、後退などの動きに換えることも駆動になります。
本記事では駆動の仕組みを「駆動機構」、駆動させる部品を「駆動部品」と呼称します。
駆動部品の種類
駆動部品の違いによって、駆動機構は大きく性質が変わってくるため、先に駆動部品の代表的なものを紹介します。
1. ベルト
摩擦力を利用し、動力を伝達する部品です。ベルトの種類には、コンベアなど運搬に多く使用される「平ベルト」、位置決め精度に優れた「タイミングベルト」、高速回転に適した「Vベルト」などがあります。
2. 歯車
山と谷からできた歯を噛み合わせて、動力を伝達する部品です。歯車の種類には、円筒に平行な歯を切った「平歯車」、棒状のものに歯を切った「ラック」、傘のように斜めに歯を切った「かさ歯車」などがあります。
3. カム
回転する軸に曲線の混ざった円板を取り付けた「板カム」や、円筒に溝を切った「円筒カム」などがあります。
駆動機構の種類
駆動機構には以下の種類があります。
1. ベルト機構 (チェーン機構)
ベルト (またはチェーン) を使用して回転を伝達し、速度やトルクを変えて別の回転をさせる機構です。刃具や軸を回転させたり、物を運搬したりするのに用います。
2. 歯車機構
歯車を使用して回転を伝達し、歯車のギア比を変えて速度やトルクをかえたり、かさ歯車を使用して回転の向きをかえたり、ラックを使用して回転運動を直線運動に変換する機構です。
3. カム機構
回転を伝達し、往復運動や揺動運動に変換したり、逆に往復運動を回転運動に変換したりする機構です。
自動車のエンジンは、ガソリンの爆発で往復運動するピストンの動きを、クランクシャフトというカム軸に伝達し、回転運動に変換する機構になっています。