ポンプとは
ポンプとは、圧力の作用を利用して、気体や液体 (以下、流体) を汲み上げたり、送り出す装置のことです。
用途としては、低い位置から高い位置へ汲み上げる、低い圧力を高い圧力にして機械的エネルギーに変換、もしくは放出するために使用されます。
ポンプの仕組み
地球上には大気圧があり、地上 (海抜0m) では常に1,013hPaがかかっています。その状態を1気圧と呼びますが、容器内の圧力が1気圧を下回った状態を負圧と呼びます。
流体は高い圧力から低い圧力へ流れる性質をもつため、ポンプ内に負圧を作ることで、大気圧のかかった流体がポンプ内に引き寄せられます。ポンプ内の流体を吸い込み、押し出して圧力を生み出し、1,013hPaを超えることで地上より高い場所へ汲み上げたり、機械的エネルギーに変換します。
油圧装置に使われるベーンポンプの場合、モーターに直結されたベーン (羽根) が、密閉されたポンプヘッド (吸い上げる部分) で回転すると、ポンプ内の流体は吐出口からポンプ外へと押し出されます。流体が押し出されることでポンプ内部は真空となり、負圧が発生します。
負圧が発生すると、タンク内の流体は給水口からポンプ内部へと吸い込まれ、またポンプ外へと押し出す動きを繰り返すことで圧力を生み出します。
ポンプの種類
ポンプの種類の分け方にはいくつかありますが、大きく分けて構造別、もしくは用途別の種類があります。
1. 構造の種類
ベーンポンプ
ベーンと呼ばれる放射状の羽根車を回転させ、吸い込み、吐出を行います。
渦巻ポンプ
渦巻き状の羽根車を回転させ、吸い込み、吐出を行います。
ギアポンプ
2つのギアを嚙み合わせ、互いに回転させることで、吸い込み、吐出を行います。
ピストンポンプ
ピストンを往復させることで、吸い込み、吐出を行います。
2. 用途の種類
水中ポンプ
防水性に優れ、タンクなどに浸水させて使われます。
高圧ポンプ
非常に高い圧力を生み出し、高い場所への汲み上げや洗浄機などに使われます。
真空ポンプ
真空を作り出すためのポンプで、液体の回収や減圧に使われます。