ICカード式キーボックス

ICカード式キーボックスとは

ICカード式キーボックスとは、ICカードを利用して鍵を保管する収納箱です。

従来の鍵管理ボックスは金属製の鍵やダイヤル錠を用いて扉を開閉する製品が一般的でした。対してICカード式は社員証などのICカードに埋め込まれた集積回路チップを読み取り機にかざすことで、電気的にロックを解除します。物理的な鍵を持ち歩く必要がなくなり、鍵自体の紛失リスクを軽減できる点が特徴です。

また、多くの機種ではボックスを開けた操作履歴を自動的に記録する機能を備えています。専用のソフトウェアやパソコンを通じて履歴を正確に確認できるため、厳格なセキュリティ管理が求められる環境で重宝されます。さらに、特定の人物のみに解錠権限を与えるような詳細な設定も可能であり、組織内部の統制強化に役立ちます。

ICカード式キーボックスの使用用途

ICカード式キーボックスは以下のような用途で使用します。

1. オフィス

企業の管理部門において、社用車の鍵や重要書類が入ったキャビネットの鍵など、複数の従業員が共有する物品を管理するために導入されます。社員証として使用するICカードをそのまま認証キーとして利用できる場合も多く、新たな解錠用カードを発行する手間がかかりません。利用履歴がデータとして明確に残るため、返却忘れや鍵の私物化を防ぐ抑止力となり、管理業務の効率向上に寄与します。

2. 不動産業・宿泊施設

賃貸物件を扱う不動産管理会社やホテル事業など、膨大な数の鍵を日常的に扱う業種でも広く活用されます。鍵をシステムで一元管理することで、鍵の貸し出し状況をリアルタイムに把握できます。特定のスタッフしか鍵を取り出せないように権限を設定すれば、内部関係者による不正な持ち出しによるセキュリティリスクも低減できます。

3. 医療機関・警備業

病院における劇薬保管庫や、警備会社が預かる顧客施設のマスターキーなど、高いセキュリティレベルが求められる現場でも利用します。トラブルが発生した際に操作ログを追跡することで、原因究明や責任の所在確認が迅速に行えます。24時間体制で稼働する現場の運用をサポートする備品の一つです。