プレートシーラー

プレートシーラーとは

プレートシーラーとは、一般的に実験室などで使用されるプレートをシールするための装置です。

一度に全てのウェルをシールでき、内容物の保護のみならずデータのばらつき低減にも役立ちます。

プレートシーラーの使用用途

プレートシーラーは、保管やアッセイ中にプレート内容物の蒸発や飛散、汚染を防ぐために使用されます。

1.医薬品

主にスクリーニング分野で使用されています。化合物ライブラリーの保管では、内容物の蒸発や吸湿、汚染を防ぐことが求められます。自動式プレートシーラーによる確実なシールは、安定した保存と、自動化による作業効率の向上を同時に図れるため、欠かせないプロセスとなっています。

2.化学・生化学

基礎研究でも使用されています。温度変化を伴うPCRや免疫学的アッセイ、生物学的アッセイ時に内容物の蒸発や飛散、汚染を防止することで、データの信頼性や再現性の確保が期待されます。

3.食品・飲料・環境分析

リアルタイムPCR法を用いて遺伝子組み換え食品や品種鑑定などの検査や飲料、水、土壌などの微生物検査を行う場合に、プレートシーラーが使われています。

4.臨床検査

リアルタイムPCR法を用いた微生物・遺伝子検査の現場でも、プレートシーラーが使用されています。正確で再現性の高い結果の確保のみならず、試料の輸送や感染性サンプル廃棄時、作業者の安全性確保にも役立ちます。

5.産業・工業

全自動PCR検査装置にプレートシーラーが組み込まれていることも多く、核酸抽出からPCRまでのワークフローが自動化されています。正確で再現性の高い結果とラボの生産性向上が期待されます。

プレートシーラーの原理

プレートシーラーは、主に加圧式と加熱式に大別されます。

1. 加圧式

上から圧力をかけてプレートとシールを密着させます。装置は、主にシーリングブロックとプレートを乗せるキャリアトレイで構成され、モーターで圧をかけます。一般的に操作はスタンドアローンで行い、シール裏面に接着剤が塗布された粘着性シールを使用します。

2. 加熱式

熱と圧力を加えてプレートとシールを溶着させます。装置は、主に金属性のヒートブロックとプレート台で構成され、ヒーターでヒートブロックを加熱します。手動式では手で、自動式ではモーターと圧縮空気(コンプレッサー使用)で圧をかけます。シールには接着剤が塗布されていないヒートシールを使用し、主にプレートのリムを溶かしてシールとプレートを溶着します。

プレートシーラーの選び方

プレートシーラーを選ぶ際は、以下のような選定要素を考慮することが重要です。

1. 駆動源

手動プレートシーラーは作業者がシールをセットし、手動でシールします。少ないサンプル数や低予算の場合に有利です。
また、自動プレートシーラーはシールの供給、シール、切断などのプロセスを自動化します。大量のサンプルを効率的に処理する必要がある場合に有利です。サンプル量のみならず運用状況や保守にかかるコストなども考慮します。

2. プレートの種類とサイズ

プレートにはマイクロプレート、ディープウェルプレート、PCRプレートなどさまざまな種類があります。一般的にANSI/SBS規格(※プレートの国際的な標準規格のひとつ)に準拠したプレートはウェル数に関係なく使用できますが、プレートの高さやPCRプレートのスカート有無によっては使用できない場合もあり注意が必要です。

3. シーリング速度と再現性

自動化ではより高い処理能力と再現性が求められます。目的に合う速度を確認すると同時に、装置の安定性やシーリングの再現性も考慮します。

4. 操作の使いやすさ

レバーやボタン配置などストレスなく操作できるか、清拭消毒のしやすさなどを考慮します。自動プレートシーラーでは、条件設定のしやすさも重要な選定要素になるでしょう。

プレートシーラーのその他情報

プレートシーラーで使われるシールは粘着性シールとヒートシールに大別され、材質は主にアルミ製かフィルム製です。剥がせるタイプやニードルで貫通できるタイプなどさまざまな種類があります。目的や用途に応じてシールを選定します。

クリーンボトル

クリーンボトルとは

クリーンボトルとは、洗浄処理をされたボトルです。

クリーンボトルは、適切に管理された環境下でプラスチックボトルを超純水や薬液などで洗浄し、ボトルに残存するパーティクルやボトルからの溶出を低減させたものです。クリーンルーム内で使用されることも多いため、個包装や二重包装になっているものもあります。

クリーンボトルを使用することで、ボトルの洗浄にかける人的コストや洗浄に使用するコストや時間、洗浄時に使用する薬液を低減することができます。一定の条件下で洗浄されたクリーンボトルの使用は、プロセスの透明化を図ることにも繋がります。

クリーンボトルの使用用途

パーティクルや金属溶出が影響を与えるアプリケーションに使用されており、医薬品や半導体、電子材料など特に高い清浄度を必要とする溶液の保管や輸送に適しています。

【使用例】
・半導体や電子材料などのサンプルの保管・運搬
・微量分析用のサンプル保管

これらのアプリケーションでは、使用前のボトルを超純水や薬液などで洗浄することによりボトル内のパーティクルや溶出を低減させていますが、クリーンボトルを使用することによって、ボトルの洗浄にかける作業リソースや薬液の使用量減少、購入から廃棄までのコストを低減することにつながります。

クリーンボトルの原理

クリーンボトルは、適切に管理された環境下でプラスチックボトルを超純水や薬液などで洗浄し、パーティクルを除去しています。クリーンボトルは洗浄によりパーティクルは取り除かれていますが、滅菌されているわけではありません。滅菌の必要がある場合は、オートクレーブ滅菌や放射線滅菌など、材質に合わせた滅菌法を検討する必要があります。

クリーンボトルの種類

クリーンボトルは主にボトル本体の材質や形状の違いと、洗浄工程の違いで分けることができます。クリーンボトルにはプラスチックボトルによく使用されるポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)の他にも、薬品耐性の高いボトルなどもあります。

また、洗浄工程は、受入検査から始まり、洗浄、乾燥、包装という基本的な工程がありますが、超音波洗浄やジェット洗浄などの洗浄方法の違いは残存パーティクルやボトルからの溶出に影響を与えるので、アプリケーションに適した洗浄工程を選定する必要があります。

クリーンボトルの選び方

クリーンボトルを選定する際には、ボトルに保管する薬液に対する薬品耐性以外にも、容量や形など用途に応じて選定する必要があります。また、アプリケーションで求められる残存パーティクルや溶出の基準に合わせて選定をすることが重要となります。そのためにも、パーティクルや溶出データを参照し、また実際のサンプルなどを確認することが大切です。

【選定のポイント】
・ボトルに使用されている樹脂の薬品耐性
・洗浄工程や洗浄環境の妥当性
・残存パーティクルや溶出レベルと要求条件との適合性

CDMO

監修:ホビオン株式会社

CDMOとは

CDMOとは、医薬品の開発および製造にかかわるアウトソーシングサービスです。

Contract Development and Manufacturing Organizationの略であり、一般的に医薬品開発製造受託機関と訳されます。製薬会社の医薬品開発から製造業務までを請け負います。

CDMOの医薬品開発や製造プロセスの専門技術を活用することで、製薬会社は製品の市場投入までの時間を短縮し、企業の競争力を高めることができます。またCDMOの保有する研究開発設備や製造施設を利用することにより、自社で専用の設備を購入・維持する必要がなくなります。これにより大規模な設備投資や固定費を削減できるだけでなく、高品質な医薬品を安定的に量産する技術を享受できます。CDMOに開発から製造まで委託することで製薬会社は新薬開発に集中することができます。

CDMOの使用用途

CDMOの主な使用用途は医薬品の開発・製造および品質管理などです。以下はその使用用途一例です。

1. 原薬の製造

委託された候補化合物の合成条件をスクリーニングし、最適な製造プロセスを検討します。化学メーカから調達した原料を工場の反応釜で複数回化学合成し、原薬を製造します。

2. 製剤設計

原薬と医薬品添加剤 (賦形剤) を用いて適応疾患に応じた適切な剤形設計を行います。例えば固形剤 (錠剤、顆粒剤、カプセル剤) 、注射剤、吸入剤、点眼剤や点鼻剤など様々な剤形があります。その上で薬効を有効に発現させるために溶解性に応じた処方設計を行います。

3. スケールアップ

小スケールで開発してきた製造プロセスを治験薬、さらには商用で製造するためにはスケールアップが必要となります。各段階に応じた生産設備が求められるだけでなく、スケールアップ後も同品質でなければなりません。商用では生産効率を加味したプロセス検討も必要です。

4. 製剤の連続生産

連続生産では各工程ごとに生成物を取り出しかつ保管しておく必要がないため、保管コストが削減できるだけでなく、稼働時間単位の生産量調整も可能になります。またスケールアップが不要になることでリードタイムが短縮できます。

薬事関連業務のサポート

製造に関しての薬事申請業務や監査対応等のサポートを行います。

CDMOの特徴

CDMOに業務委託する主だったメリットを下記にあげます。

  1. 設備投資リスクを回避できる
  2. 既存の生産ラインを確保できる
  3. 自社にない専門的な技術を利用できる
  4. 医薬品の研究開発に経営資源を集中できる
  5. ジェネリック医薬品を委託することで、薬価が下がった際も利益を確保しやすい

CDMOの選び方

CDMOのサービスを選ぶ際には、以下のような選定要素を考慮することが重要です。

  • 化学合成医薬品 (低分子) 、核酸/ペプチド (中分子) 、バイオ医薬品 (高分子) とモダリティごとに開発方法が異なるため、CDMOが提供するサービスを確認します。
  • GMPに準拠していることは必須です。商用生産を見据えた生産拠点や生産能力及びスプレードライや固形製剤連続生産などの専門性の高い設備を保有しているかも確認が必要です。また、生産拠点が海外にある場合、日本オフィスがあり日本語対応のセールススタッフや薬事スタッフが常駐していると業務上の問合せ及び薬事申請も安心です。
  • 有望なCDMOは開発や製造で培った知識と経験を基に革新的な新技術を開発して積極的に導入しています。革新的な技術の導入は新薬開発の早期解決策にもつながるため気になるサービスがあれば問い合わせてみましょう。外部委託のハードルが高い場合は、まずは製剤処方設計などの初期検討サービスから利用してみてはいかがでしょうか。

本記事はCDMOを提供するホビオン株式会社様に監修を頂きました。

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粉粒体定量供給装置

粉粒体定量供給装置とは

粉粒体定量供給装置とは、予め設定した体積量の粉末を分注する装置であり、自動分注装置の一種です。

粉体ディスペンサー・粉末ディスペンサーと呼ばれる場合もあります。研究室用や製薬などに用いられ、ミリグラム単位などの比較的少ない粉末を分注することに用いられることが多いです。

粉粒体定量供給装置の使用用途

粉粒体定量供給装置は、主に、化学・生物学に関連して粉末の分注が必要になる分野で使用される装置です。試験・研究、製薬業、医療、化粧品産業、化学工業、食品産業などの用途で使用されています。ミリグラム単位やマイクロリットル単位の微量粉末を正確に分注することに用いられ、主に下記のような物質が取り扱われることが多いです。

  • 医薬品原料
  • 試薬や化成品原料 (樹脂や塩など)
  • 粉乳、豆乳などの食品原料
  • 食品添加物、調味料
  • 歯科用アマルガム粉末
  • 培地用寒天やガラスビーズなど生物学・生化学実験用の資材や試薬
  • シリカゲル 
  • 獣医用粉末
  • 魚飼料

装置にもよりますが、粉末、顆粒、ビーズなど多様な粒径の物質が取り扱われることが多いと言えます。

粉粒体定量供給装置の原理

粉粒体定量供給装置は、装置に充填された粉末を吐出することで正確な分注を行う機構が一般的です。その他には、メッシュプレートを用いて設定した体積用量の粉末を手動でマイクロプレートにふるい入れる機構の装置もあります。

 1. 粉末の充填

粉末を充填する方法は装置によって異なりますが、分注ヘッドに手動で充填する仕組みや、装置に粉体吸引を行う機能があるものなどがあります。分注ヘッド方式の装置では、分注ヘッドは交換可能であり、異なる用量の複数の材料を洗浄なしで迅速に処理し、クロスコンタミネーションを防ぐことが可能です。

2. 分注吐出

分注吐出は、体積単位で行う装置と質量単位で行う装置の2種類があり、手動式は基本的に体積単位で分注を行います。例えば、手動式の仕組みには先端のくぼみに粉体試薬を充填し、プランジャーで押し出すものなどがあります。電動式のものでは1回の分注にかかる時間が3秒前後と高速であり、連続して吐出を行うことも可能です。

3. 装置の形状

装置の形状はハンドヘルド方式やベンチトップ据え置き型などがあります。電動のベンチトップ据え置き型では、マイクロチューブやバイアル、ウェルプレートのラックを利用して自動分注を行うことができる装置もあります。

4. メッシュプレート方式

メッシュプレート方式のディスペンサーでは、ウェルプレートなどをメッシュプレートの下にセットし、メッシュプレートとウェルプレートの間にスライダーを挿入した状態で粉末をメッシュプレートへ充填します。余分な粉末をスクレーパーで除去するなどの方法でメッシュプレートへ規定量の粉末を充填した後、スライダーを引き抜くことで下のウェルプレートへ分注することができる仕組みです。

粉粒体定量供給装置の種類

粉粒体定量供給装置は、様々な種類があり、用途に合わせたものを選択することが必要です。体積単位で分注する装置は、5~1000μl の粉末体積に対応していることが一般的です。質量単位で分注する装置では、ミリグラム単位の微量秤量が主流ですが、5~300mgの範囲で分注できる装置や、最大25gまで分注できる装置などがあります。

また、電動の装置と手動の装置とがありますが、電動の装置では特に大量の分注を自動化することができるものもあります。また、装置によっては周辺機器と組み合わせて材料調合や試薬前処理、キャップの開閉などを自動化することも可能です。分注容器にはマイクロチューブやバイアル、ウェルプレートを用いることができますが、装置によって異なります。装置の中には専用容器のみが使用可能であるものもあるため、注意が必要です。

粉粒体定量供給装置の中にも、粉体だけに対応しているものの他、顆粒、ビーズなど様々な固形物に対応している装置があります。

デバイスプログラマ

監修:株式会社ノアリーディング

デバイスプログラマとは

デバイスプログラマとは、各種半導体メモリ (ROM) やプログラマブルデバイスに関してデータの読出し、書込み、消去などを⾏うことができる装置です。

別名では、ROMライターと呼ばれています。デバイスプログラマで書き込むことのできるデバイスとしては、フラッシュメモリ (NOR、NANDなど) 、シリアルフラッシュ、フラッシュマイコン、ロジックデバイスなどです。また、eMMCメモリ、UFSメモリに対応している装置もあります。

デバイスプログラマの使用用途

デバイスプログラマは、主に開発したデータをメモリ媒体 (ROM) に書き込むために⽤いられます。個⼈開発などにも使⽤されますが、産業⽤途でも多く使⽤されている装置です。⾃動化システムへ組み込んで⻑時間⼤量の書き込みを⾏うことに⽤いられる場合もあります。

また、書込み生産数量が大量でない場合にはデバイスプログラマを購⼊せずに、外部のROM書込みサービスを使い書込み作業を委託することもできます。

産業⽤途において量産書き込み使⽤される分野には下記のようなものが挙げられます。

  • アミューズメント業界デバイス
  • 民生機器、ホームオートメーション
  • 車載機器、インフォテインメント
  • 産業機器、工業的制御機器
  • 通信機器、事務機器、医療機器など

デバイスプログラマの原理

1. 概要

デバイスプログラマは、電気的にROMへデータの書き込み、消去などを⾏う装置です。PCを経由してROMへデータの書き込みなどを⾏う場合や、PCを経由せず単体 (スタンドアロン) でROMへ書込みを⾏う場合などがあります。

ROMへの書込みには、デバイス単体への書込みを行うデバイスプログラマ方式とデバイスが実装されたボードと専用線で接続しボード上のROMにリモートで書込みを行うオンボードプログラマ方式がありますがどちらも一般的には同じデバイスプログラマと呼びます。デバイス単体プログラマのことを別名でオフボードプログラマとかプリプログラマと呼ぶことがあります。

2. 主な機能

デバイスプログラマで可能な機能の例は下記の通りです。

  • マスターROMからバッファメモリへのデータコピー
  • データの消去 (イレーズ)
  • データ書込み
  • ROM書込み後読出しデータとバッフメモリデータとの⽐較 (ベリファイ)

デバイスプログラマの種類

デバイスプログラマは、様々な種類の製品が販売されています。製品ごとの違いを理解したうえで適切なものを選択することが必要です。

1. メモリ/マイコン品種への対応

デバイスプログラマは、1台で複数種類 (フラッシュメモリ、フラッシュマイコンなど) のメモリの書き込みが可能ですが、プログラマ毎に書込み可能な対象メーカ、品種、シリーズなどが異なります。デバイスプログラマを選択する際には、使用するROMの品種すべてに対応できることを確認します。通常一台のプログラマに対して、対象となる全てのROM品種に対応する専用プログラムとROMを載せるためのソケットを選択します。

2. ソケット (変換アダプタ)

ROMを接続するソケット部の数は、プログラマ製品によって異なります。複数個のソケットを持つ製品は、主に⽣産現場で複数個のROMに書き込みを⾏う場合に⽤いられる場合が多いです。卓上装置では、8個、16個、32個などがあります。

⼤型の全⾃動プログラミング装置では、デバイスプログラマを複数台搭載することで書込み生産能力を向上させ、最大で96ソケット~112ソケットまで搭載するものまで提供されています。

3. 書き込みメモリサイズ

デバイスプログラマでは、装置によって用途が異なるため書込み速度の違い (数MB/s~100MB/s以上) や同時に書込みできる最大メモリサイズの違い (バッファメモリ:1Gビット (128Mバイト) ~512Gバイト) があります。512Gバイトではインフォテインメント⽤途などの⼤量書き込みに適しており、1Gビット以下は小型民生機器の生産に適切です。

4. デバイス搬送用メディア (トレイ、テープ)

大量書込み生産をする際に、対象ROMを搬送する際に使用する搬送メディア (トレイ、テープまたはリール、チューブ) への対応が必要となります。一般的にはトレイでの搬送が主ですが、最近の小型デバイス (小型マイコン、フラッシュ) などではテープでの搬送の需要が高まっています。大型全自動書込み装置ではこのテープメディアへの対応が可能なものの要求が増しています。

本記事はデバイスプログラマを製造・販売する株式会社ノアリーディング様に監修を頂きました。

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AGV制御

AGV制御とは

AGV制御とは、工場などで稼働されているAGV、すなわち無人搬送車の安全かつ円滑な運行を管理するために用いられる、システムや装置などの製品です。

AGV(英: Automated Guided Vehicle ※)は、予め設定されたガイド (磁気テープ、ビーコン、バーコードなどにより、固定された経路) に従い、自動的に走行を行う車両です。ソフトウェアによって制御され、施設内での資材の運搬などに用いられます。経路上の障害物を検出して自動的に停止することは可能ですが、障害物を避けて自律走行することなどはできません。稼働台数が増えるとスムーズな運用を行うための課題が発生します。このような場合に、全体の運用を監視・管理・制御するため、AGV制御が利用されます。

AGV制御の利用用途

AGVは、工場や大型倉庫、病院における医療器材や、食事の配膳の搬送に用いられます。台車・フォークリフトやベルトコンベアに代わる資材搬送手段として利用されている技術です。予め設定した経路に沿って自動で走行するため、省力化や効率化の上でメリットがあります。

しかし、自動車工場や物流における大規模倉庫など、大規模な導入先では、稼働面積が広くなるとともに、稼働台数も増え、下記のような課題が発生します。

  • AGVの交差点、合流点が必要になり、運行管理が難しい
  • 稼働面積が広いため、遠隔地の監視が難しい
  • 稼働台数が多いため、全てのAGVの稼働状況を把握することが難しい
  • 軌道上の偏りや渋滞でスループットが低下する
  • シャッター、エレベーターなどの設備と連動が難しい
  • AGVが緊急停止した場所に所在地がすぐに分からない
  • 稼働状況の記録が難しい

これらの課題を解決し、円滑で安全な運用を行うための一連のシステムや装置などがAGV制御です。

AGV制御の原理

1. 制御システム型

稼働域内全体を制御するAGV制御システムは、無線環境と、無線通信を中心としたシステムを整備し、その中で無線子機を搭載したAGVを制御します。主な機能は下記の通りです。

  • 現在位置や走行速度・時間、バッテリーの蓄電量、センサーの異常検知などのリアルタイム監視
  • 停止・発進・稼働終了などの遠隔操作
  • 最短経路の自動生成と効率的な配車

また、蓄積された運行データを整理して、見える化表示や、解析ツールなどの別のアプリケーションと連携させることにより、業務改善に役立つというメリットもあります。

2. 個別装置型

全体を統括するシステムとは異なり、個々のAGVに取り付けることで制御を行うタイプのAGV制御もあります。

例えば、自動牽引装置では、台車など物流アイテムとAGVを接続することで、ワンタッチでの接続や自動切り離しなどが可能になります。また、レシーバーをAGVへ搭載し、リモコンで操作することや交差点制御を簡単に行うことができる装置もあります。

AGV制御の選び方

AGV制御には、上記の通り全体を制御するシステムや、個別装置をAGVへ搭載するなどの方法があります。システム型の方が全体の複雑な統括が可能ですが、地上設備や無線導入AGV自体の改造など、システム構築に準備が必要です。また、コストも高くなる傾向にあります。一方、個別装置を搭載する方法は、より簡素な機能ではありますが、コストも安価であり、導入も容易です。簡単な交差点制御や分岐合流コースの構築では個別装置型も有効に利用することができます。

システム構築型も、2.4MHz帯の無線LANではなく、920MHz帯のマルチホップ通信を利用することでコストダウンの工夫を行っている製品もあります。920MHz帯は2.4MHz帯よりも回り込み特性が良く、電波干渉が低く、消費電力も低いとされます。また、マルチホップ通信とは、バケツリレー式にデータを転送する無線方式です。1台の無線ユニットでは届かないような広い範囲でも、中継器や他の無線ユニットを経由させて通信を行うことができます。

これら各製品の特性を踏まえ、目的に合った適切な製品を選択することが重要です。

※Automatic Guided Vehicleと表記することもあります。国際標準やISOではAGVをAutomated Guided Vehicleとしていることからこの記事ではAutomated Guided Vehicleとしました。

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Suppressors for Ion Chromatography

What Is a Suppressor for Ion Chromatography?

A suppressor for ion chromatography is a crucial device utilized in ion chromatography to eliminate background noise-causing cations or anions from the eluent.

In ion chromatography, especially in conductivity detection methods, two main techniques prevail: non-suppressed and suppressed. By employing a suppressor, counter ions present in the mobile phase can be effectively removed, thereby diminishing the background concentration at the detector and enhancing the conductivity of the target ions through ion exchange. Consequently, a suppressor in ion chromatography significantly bolsters detection sensitivity, particularly in the analysis of anions.

Applications of Suppressors in Ion Chromatography

Suppressors find indispensable utility in suppressed ion chromatography to eradicate background ions in the eluent. Ion chromatography operates by leveraging ionic interactions, enabling the measurement of inorganic anions and cations, alongside certain organic acids and amines. Detectable ions encompass inorganic anions such as NO2-, NO3-, SO42-, PO43-, and halide ions, as well as alkali metal cations (e.g., Li+, Na+, K+) and alkaline earth metal cations (e.g., Mg2+, Ca2+, Ba2+). Amines like methylamine, dimethylamine, ethylamine, and ethanolamine can also be detected using the same apparatus employed for inorganic cations.

Diverse applications of ion chromatography include:

  • Assessing ion concentration in drinking water, groundwater, and industrial wastewater
  • Analyzing anions and cations in tap water
  • Examining NOx and SOx in exhaust gases
  • Evaluating anions in rainwater
  • Conducting trace ion analysis in ultrapure water
  • Measuring fluoride ions in industrial wastewater
  • Analyzing anions and organic acids in electroless nickel plating solutions
  • Investigating impurity ions in chemical products
  • Assessing anions and organic acids in biofuels
  • Determining polyphosphates in food
  • Analyzing amines in power plant process water
  • Evaluating ion concentration in gases
  • Conducting environmental assessments like water quality analysis
  • Performing fluoride analysis in juices and tea
  • Separating sugars in food samples

Principle of Suppressors for Ion Chromatography

Suppressors for ion chromatography harness ion exchange membranes or ion exchange materials (columnar, gel, fiber, etc.) to execute ion exchange. While certain ion exchange materials, such as gels, are discarded after single use, membrane dialysis types can be regenerated repeatedly by regenerating the ion exchange membrane while exchanging ions in the sample/eluent. Typically, they are interconnected between the column and the conductivity detector. Cation suppressors alleviate noise by substituting cations for hydrogen ions (H+), while anion suppressors perform the same by swapping anions for hydroxide ions (OH-).

Regeneration techniques for ion exchange membranes encompass chemical regeneration (utilizing sulfuric acid solution) and electrical regeneration (administering hydrogen ions produced by water electrolysis, etc.). Throughout the regeneration process, the system continuously furnishes hydrogen ions while exchanging ions in the sample/eluent to eliminate counter ions.

Types of Suppressors for Ion Chromatography

Suppressors for ion chromatography are primarily categorized into two types: cation (for positive ions) suppressors and anion (for negative ions) suppressors. As aforementioned, ion exchange within the suppressor can be achieved via ion exchange membrane technology or gel technology with hydrogen-type cation exchange resins.

Within ion exchange membrane suppressors, chemical regeneration variants necessitate a regenerant flow, whereas electrical regeneration suppressors can autonomously regenerate through the collaborative action of an electric field and ion exchange membrane. Moreover, compact models tailored for microbore and low-flow columns are available. Opting for the suitable suppressor hinges upon the specific application at hand.

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Chromatography Columns

What Is a Chromatography Column?

A chromatography column is a narrow, tube-shaped apparatus packed with a stationary phase, primarily employed in liquid chromatography.

While chromatography encompasses techniques such as High-Performance Liquid Chromatography (HPLC) and gas chromatography, products labeled as “chromatography columns” or “columns for chromatography” typically refer to liquid chromatography (open column/flash chromatography) or ion chromatography. These columns play a crucial role in chromatography by separating and purifying mixtures through solute adsorption and elution.

Applications of Chromatography Columns

Chromatography columns serve as essential tools in chromatography, a technique utilized for the separation and purification of mixtures across diverse fields including chemistry, fragrances, food, and pharmaceuticals. Noteworthy applications encompass:

  • Separating and purifying synthetic products in organic chemistry
  • Extracting active constituents from natural substances
  • Analyzing flavor components and food additives in the food industry
  • Detecting components in residual pesticides and toxin tests
  • Analyzing active pharmaceutical ingredients and identifying by-products upon ingestion
  • Facilitating quality control across industrial, pharmaceutical, and food sectors
  • Analyzing disinfection by-products
  • Conducting environmental assessments such as water quality analysis
  • Examining fluoride levels in juices and tea
  • Separating sugars in food samples

This analytical approach proves indispensable for quality control and component identification across a spectrum of domains, from fundamental research to industrial applications.

Principle of Chromatography Columns

Chromatography involves segregating and detecting mixtures by utilizing a gas or liquid as the mobile phase and exploiting the physicochemical interactions between the sample substances and the stationary phase housed in the column. Chromatography columns are either filled with a stationary phase for single-use or come prefilled. Typically, these columns find application in liquid chromatography.

1. Open Column/Flash Chromatography

Columns utilized in open or flash chromatography are cylindrical glass apparatuses not prepacked with a stationary phase. The top remains open, while a tap is situated at the bottom. The stationary and mobile phases are introduced from the top, and the tap regulates the eluting solvent flow. The process entails:

  • Placing cotton or a similar substance at the bottom to adjust the flow rate
  • Packing with a stationary phase
  • Loading the sample, dissolved in a small solvent volume, atop the stationary phase
  • Introducing the mobile phase (eluting solvent) for separation and purification

2. Ion Chromatography

Ion chromatography segregates and purifies using ionic interactions, capable of measuring inorganic anions and cations, along with certain organic acids and amines. The chromatography column’s stationary phase often comprises ion-exchange resins.

Given that ion chromatography necessitates pressurizing the electrolyte solution mobile phase via a pump, akin to HPLC, the columns are typically constructed from metal or resin and come prefilled with a stationary phase. They can be reused post-cleaning with a washing solvent.

Types of Chromatography Columns

Chromatography columns encompass glass apparatuses for open columns and metal or resin columns for ion chromatography.

Ion Chromatography Columns

Columns used in ion chromatography are tailored specifically for either cation chromatography (cation columns) or anion chromatography (anion columns), each packed with ion-exchange resins of opposite polarity.

There are various types of cation and anion columns, including specialized variants for specific applications. For instance, anion columns may specialize in analyzing polyphosphates in seafood or in the analysis of ions such as I- and SCN-.

Guard columns, capable of filtering insoluble solid particles, are employed to prevent column contamination.

スマートグラス

スマートグラスとは

スマートグラス (英:Smart Glasses) とは、頭部に装着してデジタル情報の取得と発信が可能なウェアラブル端末です。

ユーザーが視界を確保したまま両手を自由に動かせるため産業向けを中心に幅広い分野で活用が進んでいます。
スマートグラスはARグラスと混同されがちですが厳密には異なります。ARグラスは現実世界を認識してデジタル情報を重ねて仮想現実を表示する端末ですが、スマートグラスは頭部へ装着したウェアラブル端末に様々な機能を追加したものとなります。ARに対応したスマートグラスも一部あります。

スマートグラスは片目タイプと両目を覆うオーバーグラスタイプがあります。片目タイプは軽量で扱いやすいため産業分野で、両目タイプは迫力ある映像を大きく表示することができるためエンターテイメント分野で利用されています。

スマートグラスの使用用途

スマートグラスには様々な使用用途があります。以下はその一例です。

1. 製造業

スマートグラスの活用により、画面と音声によって作業情報の確認・データのやりとりなどが作業の手を止めずにハンズフリーで行うことができます。また作業の記録をデータとして保存することができるため製造現場におけるDX化を促進することができます。

2. メンテナンス業

メンテナンス作業員などがスマートグラスを使用することで、作業手順やマニュアルを表示し、作業の効率を向上させることが可能です。部品の識別や交換手順を表示したり、リアルタイムでメーカーとのビデオ通話を行いながら作業を行ったりすることができます。作業効率を上げるだけでなく、専門的な支援が必要な場合でも、遠隔から迅速に対応することが可能です。

3. 建設・土木

スマートグラスを活用することで遠隔で現場サポート、立ち合いや確認作業を行う遠隔臨場が可能となります。また監査員が安全チェックを行う安全パトロールも、現場へ出張することなく遠隔から行うことが可能です。現場と離れた場所から臨場を行うことで安全性の確保、コスト削減、人材不足の解消を行うことが可能です。

4. 医療分野

スマートグラスによって手術中に医師に必要な情報をリアルタイムで提供することが可能です。これにより、手術の効率性と安全性を向上させます。また訪問看護のおいて両手が使えるため患者の補助や診察を行いながら遠く離れた医師や専門医に的確に状況を伝えることが可能です。

5. 研修・教育

作業者目線の映像を取得することができるため熟練者の作業映像を記録して教育用として活用することができます。また若い人材や未経験者の目線映像を熟練者が遠隔地から作業研修を行うことが可能です。これにより熟練技術者の技術伝承、人材不足を解消することができます。

6. エンターテイメント

ARに対応したスマートグラスではARゲームのプラットフォームとして使用され、ユーザーは現実の世界で仮想キャラクターと対話しながら、ゲームをプレイすることができます。また、一部のスマートグラスはVRにも対応しており、仮想現実世界に没入しながら映画やゲームを楽しむことが可能です。

スマートグラスの原理

スマートグラスには一般的に小さなディスプレイが組み込まれています。このディスプレイはユーザーの視界に情報を表示するために使用されます。製品によってはヘッドアップディスプレイを採用しており、情報をユーザーの視界に投影することが可能です。

また、グラス内部に様々なセンサーを組み込まれることが多いです。加速度計やジャイロスコープまたは距離センサーなどがその一例です。これらのセンサーによってデバイスの位置や動きを検出し、それに応じてデバイスの動作を制御します。

スマートグラスは内蔵コンピューターを有し、ディスプレイに表示する情報を処理し、センサーデータを解析して適切な動作を行います。無線通信機能が組み込まれている製品も多く、インターネットに接続して外部のデータにアクセスすることが可能です。BluetoothやWi-Fiを介して他のデバイスと通信することもできる場合が多いです。動力源として内蔵のバッテリーが組み込まれており、必要な電力を供給します。一般的にスマートグラスのバッテリー寿命は、使用状況や機能の種類によって異なります。

また、スマートグラスとスマートフォンとのユーザーインターフェイスが異なる点が重要です。スマートフォンは画面に対して指によるタッチ操作が基本ですが、一般的なスマートグラスは声による音声操作が基本となり、両手で作業をしながらでも操作を可能とする点が大きく異なります。

スマートグラスの選び方

スマートグラスを選ぶ際は機能だけではなく使用する環境に応じた製品を選ぶことが重要です。以下はその一例です。

1. OS・アプリケーション

スマートグラスのOSは機能や対応アプリケーションに影響を与えます。主要なスマートグラスOSには、AndroidベースのOSやiOSベースのOSなどがあります。また、スマートグラスに付属するアプリケーションやサービスが、課題解決につながる機能を有しているか、初期設定や使い方が複雑ではないか、活用用途をイメージして製品を選ぶことが重要です。

2. 重量

スマートグラスの重量は装着感や快適性に影響を与えます。長時間の使用を考えると、特に頭部へ装着する機器は軽量であることが最も重要です。また、重量のバランスについても装着感に影響を与えるため、前後左右に対して均等な重量バランスである方が、長時間の装着には向いています。

3. 無線通信機能

無線通信機能を有する製品は、使い勝手や機能の拡張性が高まります。一般的にBluetoothやWi-Fiを搭載しているスマートグラスが多く、他のデバイスとの接続やインターネットアクセスが可能です。製品によってはLTEや5Gなどのモバイル通信機能を備えており、独立した通信がも可能です。

4. バッテリー寿命

スマートグラスのバッテリー寿命は使用時間に大きく影響します。長時間使用する場合や外出先で使用する場合は、バッテリーが長持ちするデバイスを選ぶことが重要です。また、バッテリーの交換が可能であるかも考慮する価値があります。

5. 利用環境

スマートグラスは精密機器であり、製品によっては衝撃耐性や防水耐性が十分でない可能性があります。特に屋外での利用に際しては、防塵防水耐性や衝撃試験等、利用する用途や場所に応じて必要な性能を備えているか、確認することが重要です。

小型電気温水器とは

小型電気温水器とは

小型電気温水器とは、比較的小さいサイズの電気給湯器です。

電気ヒーターを利用して、小型ながらも水を迅速に加熱し、必要なときに温水を供給する機能を持ちます。家庭用や商業施設、オフィスなどで利用されることがあります。比較的小さいサイズで設計されており、特に台所や洗面所など給湯が必要な場所の近くに設置することが可能なため、配管の長さが短くなっています。屋外に設置することの多い大型の電気温水器に比べ、屋内の小さいスペースでも設置ができるのが特徴です。

小型電気温水器には、その構造から貯湯タンクを持ち、お湯を貯めてから利用する貯湯式と呼ばれるタイプと、貯湯タンクを持たず瞬間的にお湯を沸かす瞬間式と呼ばれるタイプがあります。

小型電気温水器は一般的に設置や取り付けが簡単で、専門家の支援なしに自分で取り付けることが可能な場合もあります。

小型電気温水器の使用用途

小型電気温水器は様々な使用用途に適しています。以下はその使用用途一例です。

1. 一般家庭

小型電気温水器は台所での調理や食器の洗浄に使用されます。食器を洗う際に温水が必要な場合や、手を洗う際に快適な温水を利用する場合に便利です。また、洗面所で使用することも可能であり、寒い季節や朝の身支度の際に温かい水を使用できるため快適かつ衛生的です。

2. 商業施設

商業施設やオフィスでは、従業員や顧客が清潔な状態を保つために手洗い場が設置されることが一般的です。特にレストランやカフェなどでは、調理の前後や食事前に手を洗うことが重要です。こうした場所において小型電気温水器が手洗い場に設置され、温水を供給します。

また、コーヒーメーカーなどのように飲食用として水を加熱する際に、小型電気温水器の高温仕様モデルが使用される場合もあります。高温仕様であれば、コーヒーやお茶などを作ることが可能です。

3. 製造業

工場においても、作業員が清潔な状態を保つために手洗い場が設置されることがあります。また、食品や医薬品の製造工場においては清潔な状態を維持することが必須です。そのため、手洗い場や洗浄用のシンクに小型電気温水器が設置され、温水を供給することがあります。

また、工場内の一部の作業においては温水が必要な場合もあります。機械の洗浄や清掃作業などがその一例です。そのような場合、小型電気温水器によって温水を供給し、作業効率を向上させる役割を果たすことがあります。

小型電気温水器の選び方

小型電気温水器を選ぶ際には、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 設定可能温度

温水の設定可能な温度範囲は重要な要素です。用途によって、異なる温度が求められる場合があります。一般的には40°Cから75°C程度までの範囲を設定できるモデルが多く、より広い範囲を設定できたり、飲食用に高温設定や、手洗い用に低温設定できる製品も販売されています。

2. 寸法

小型電気温水器を設置するスペースの大きさに応じて、適切な寸法を選ぶことが重要です。設置場所のスペースに余裕がない場合には、よりコンパクトなモデルを選ぶ必要があります。また、設置場所の寸法に加えて、壁掛けや床置きなどの設置方法も考慮します。

3. 消費電力

消費電力は使用中に消費する電力量を表します。消費電力が高いほど素早く給湯することが可能です。ただし、省エネルギー性を重視する場合や、電気代を節約したい場合には、低消費電力のモデルを選ぶことが望ましいです。

4. 最大貯湯量

貯湯式の電気温水器の場合、最大貯湯量は温水を貯蔵できる量を表します。利用者の人数や使用量に応じて、必要な貯湯量を考慮します。多人数で使用する場合や、連続して温水を必要とする場合には、大きな貯湯タンクを有する製品や、瞬間式を検討することが必要です。