CDMO

監修:ホビオン株式会社

CDMOとは

CDMOとは、医薬品の開発および製造にかかわるアウトソーシングサービスです。

Contract Development and Manufacturing Organizationの略であり、一般的に医薬品開発製造受託機関と訳されます。製薬会社の医薬品開発から製造業務までを請け負います。

CDMOの医薬品開発や製造プロセスの専門技術を活用することで、製薬会社は製品の市場投入までの時間を短縮し、企業の競争力を高めることができます。またCDMOの保有する研究開発設備や製造施設を利用することにより、自社で専用の設備を購入・維持する必要がなくなります。これにより大規模な設備投資や固定費を削減できるだけでなく、高品質な医薬品を安定的に量産する技術を享受できます。CDMOに開発から製造まで委託することで製薬会社は新薬開発に集中することができます。

CDMOの使用用途

CDMOの主な使用用途は医薬品の開発・製造および品質管理などです。以下はその使用用途一例です。

1. 原薬の製造

委託された候補化合物の合成条件をスクリーニングし、最適な製造プロセスを検討します。化学メーカから調達した原料を工場の反応釜で複数回化学合成し、原薬を製造します。

2. 製剤設計

原薬と医薬品添加剤 (賦形剤) を用いて適応疾患に応じた適切な剤形設計を行います。例えば固形剤 (錠剤、顆粒剤、カプセル剤) 、注射剤、吸入剤、点眼剤や点鼻剤など様々な剤形があります。その上で薬効を有効に発現させるために溶解性に応じた処方設計を行います。

3. スケールアップ

小スケールで開発してきた製造プロセスを治験薬、さらには商用で製造するためにはスケールアップが必要となります。各段階に応じた生産設備が求められるだけでなく、スケールアップ後も同品質でなければなりません。商用では生産効率を加味したプロセス検討も必要です。

4. 製剤の連続生産

連続生産では各工程ごとに生成物を取り出しかつ保管しておく必要がないため、保管コストが削減できるだけでなく、稼働時間単位の生産量調整も可能になります。またスケールアップが不要になることでリードタイムが短縮できます。

薬事関連業務のサポート

製造に関しての薬事申請業務や監査対応等のサポートを行います。

CDMOの特徴

CDMOに業務委託する主だったメリットを下記にあげます。

  1. 設備投資リスクを回避できる
  2. 既存の生産ラインを確保できる
  3. 自社にない専門的な技術を利用できる
  4. 医薬品の研究開発に経営資源を集中できる
  5. ジェネリック医薬品を委託することで、薬価が下がった際も利益を確保しやすい

CDMOの選び方

CDMOのサービスを選ぶ際には、以下のような選定要素を考慮することが重要です。

  • 化学合成医薬品 (低分子) 、核酸/ペプチド (中分子) 、バイオ医薬品 (高分子) とモダリティごとに開発方法が異なるため、CDMOが提供するサービスを確認します。
  • GMPに準拠していることは必須です。商用生産を見据えた生産拠点や生産能力及びスプレードライや固形製剤連続生産などの専門性の高い設備を保有しているかも確認が必要です。また、生産拠点が海外にある場合、日本オフィスがあり日本語対応のセールススタッフや薬事スタッフが常駐していると業務上の問合せ及び薬事申請も安心です。
  • 有望なCDMOは開発や製造で培った知識と経験を基に革新的な新技術を開発して積極的に導入しています。革新的な技術の導入は新薬開発の早期解決策にもつながるため気になるサービスがあれば問い合わせてみましょう。外部委託のハードルが高い場合は、まずは製剤処方設計などの初期検討サービスから利用してみてはいかがでしょうか。

本記事はCDMOを提供するホビオン株式会社様に監修を頂きました。

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