監修:株式会社ノアリーディング
デバイスプログラマとは
デバイスプログラマとは、各種半導体メモリ (ROM) やプログラマブルデバイスに関してデータの読出し、書込み、消去などを⾏うことができる装置です。
別名では、ROMライターと呼ばれています。デバイスプログラマで書き込むことのできるデバイスとしては、フラッシュメモリ (NOR、NANDなど) 、シリアルフラッシュ、フラッシュマイコン、ロジックデバイスなどです。また、eMMCメモリ、UFSメモリに対応している装置もあります。
デバイスプログラマの使用用途
デバイスプログラマは、主に開発したデータをメモリ媒体 (ROM) に書き込むために⽤いられます。個⼈開発などにも使⽤されますが、産業⽤途でも多く使⽤されている装置です。⾃動化システムへ組み込んで⻑時間⼤量の書き込みを⾏うことに⽤いられる場合もあります。
また、書込み生産数量が大量でない場合にはデバイスプログラマを購⼊せずに、外部のROM書込みサービスを使い書込み作業を委託することもできます。
産業⽤途において量産書き込み使⽤される分野には下記のようなものが挙げられます。
- アミューズメント業界デバイス
- 民生機器、ホームオートメーション
- 車載機器、インフォテインメント
- 産業機器、工業的制御機器
- 通信機器、事務機器、医療機器など
デバイスプログラマの原理
1. 概要
デバイスプログラマは、電気的にROMへデータの書き込み、消去などを⾏う装置です。PCを経由してROMへデータの書き込みなどを⾏う場合や、PCを経由せず単体 (スタンドアロン) でROMへ書込みを⾏う場合などがあります。
ROMへの書込みには、デバイス単体への書込みを行うデバイスプログラマ方式とデバイスが実装されたボードと専用線で接続しボード上のROMにリモートで書込みを行うオンボードプログラマ方式がありますがどちらも一般的には同じデバイスプログラマと呼びます。デバイス単体プログラマのことを別名でオフボードプログラマとかプリプログラマと呼ぶことがあります。
2. 主な機能
デバイスプログラマで可能な機能の例は下記の通りです。
- マスターROMからバッファメモリへのデータコピー
- データの消去 (イレーズ)
- データ書込み
- ROM書込み後読出しデータとバッフメモリデータとの⽐較 (ベリファイ)
デバイスプログラマの種類
デバイスプログラマは、様々な種類の製品が販売されています。製品ごとの違いを理解したうえで適切なものを選択することが必要です。
1. メモリ/マイコン品種への対応
デバイスプログラマは、1台で複数種類 (フラッシュメモリ、フラッシュマイコンなど) のメモリの書き込みが可能ですが、プログラマ毎に書込み可能な対象メーカ、品種、シリーズなどが異なります。デバイスプログラマを選択する際には、使用するROMの品種すべてに対応できることを確認します。通常一台のプログラマに対して、対象となる全てのROM品種に対応する専用プログラムとROMを載せるためのソケットを選択します。
2. ソケット (変換アダプタ)
ROMを接続するソケット部の数は、プログラマ製品によって異なります。複数個のソケットを持つ製品は、主に⽣産現場で複数個のROMに書き込みを⾏う場合に⽤いられる場合が多いです。卓上装置では、8個、16個、32個などがあります。
⼤型の全⾃動プログラミング装置では、デバイスプログラマを複数台搭載することで書込み生産能力を向上させ、最大で96ソケット~112ソケットまで搭載するものまで提供されています。
3. 書き込みメモリサイズ
デバイスプログラマでは、装置によって用途が異なるため書込み速度の違い (数MB/s~100MB/s以上) や同時に書込みできる最大メモリサイズの違い (バッファメモリ:1Gビット (128Mバイト) ~512Gバイト) があります。512Gバイトではインフォテインメント⽤途などの⼤量書き込みに適しており、1Gビット以下は小型民生機器の生産に適切です。
4. デバイス搬送用メディア (トレイ、テープ)
大量書込み生産をする際に、対象ROMを搬送する際に使用する搬送メディア (トレイ、テープまたはリール、チューブ) への対応が必要となります。一般的にはトレイでの搬送が主ですが、最近の小型デバイス (小型マイコン、フラッシュ) などではテープでの搬送の需要が高まっています。大型全自動書込み装置ではこのテープメディアへの対応が可能なものの要求が増しています。
本記事はデバイスプログラマを製造・販売する株式会社ノアリーディング様に監修を頂きました。
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