デミリン

デミリンとは

デミリンは幼虫成長制御剤(IGR剤:Insect Growth Regulator)の一種で、幼虫の脱皮を阻害することで殺虫効果を発揮する農薬です。主にコバエなどの幼虫の駆除に使われます。

コバエの幼虫は成長のために脱皮を繰り返し、その度に新しい表皮を形成します。デミリンはこの表皮形成を阻害する作用を持つため、幼虫はうまく脱皮することができず、成虫に成長することなく死に至ります。

デミリンは、一般の農薬に比べると作物にやさしく、幼苗期・萌芽期など薬害が出やすい時期でも使うことができるという長所がある一方、サナギや成虫には効かないため、散布時期を逸すると効果が出ないという留意点があります。 

デミリンの使用用途

デミリンは、コバエなど脱皮をする害虫の幼虫駆除に使われます。

デミリンには水和剤と発泡錠の2種類があります。発泡錠は、主にコバエなどの発生源が明確に分かっている排水溝・浄化槽・側溝などに投入して使用します。農作物の害虫駆除に使用されるのは水和剤です。

デミリン水和剤の適用対象は、りんご・なし・ももの害虫シンクイムシ類、メロン・スイカ・キュウリの害虫ミナミキイロアザミウマ、ネギの害虫タマネギバエ、しょうがの害虫アメノメイガ、樹木一般の害虫ケムシ類などです。 

スワルスキー

スワルスキーとは

スワルスキーは、農業害虫の駆除を目的として、その天敵である生物を利用した生物農薬・天敵殺虫剤の一種です。商品名はスワルスキーで、成分はスワルスキーカブリダニというダニです。

スワルスキーカブリダニは、雌成虫の体長が約0.3mmで、捕食対象はアザミウマ類・コナジラミ類・ホコリダニ類・ハダニ類などです。スワルスキーは多くの作物の花粉で増殖することができるため、害虫発生前から作物に定着させ、害虫予防に使うことができます。薬剤を使った殺虫剤と比べて、環境に対する影響、薬剤残留、人間に対する毒性の心配がないというメリットがあります。

スワルスキーの使用用途

スワルスキーは、露地栽培の野菜類・豆類・イモ類の害虫アザミウマ類の駆除、露地栽培のなす・ピーマン・キュウリなどの害虫チャノホコリダニの駆除に使われます。

また、スワルスキーは他の天敵殺虫剤に比べると比較的高温に強く、40℃程度の温度に耐えることができます。そのため、ハウス栽培の野菜類・豆類・イモ類の害虫アザミウマ類・コナジラミ類・チャノホコリダニの駆除、ハウス栽培柑橘類の害虫ミカンハダニの駆除、ハウス栽培イチゴの害虫チャノホコリダニの駆除、ハウス栽培マンゴーの害虫チャノキイロの駆除などにも使われます。

プラグトレー

プラグトレーとは

プラグトレー

プラグトレーとは、野菜や果物の発芽段階に使用する資材で、芽の生え方を整える容器です。発芽させた後で、庭やプランターへ定植するまでの生育期間に用いられます。プラグトレー内に培養土を敷き詰め、枠一つに付き、タネを一つ配置します。

トレー内の突起により、根が下方向に伸びることで根巻きがしにくくなり、根量も多くなります。トレイがたるみ易いと棚車に乗せた時に、下の苗にあたり、育成を阻害してしまうので四隅を鋭角にしています。購入時は複数のトレーが結合しているので、必要数に応じて切り離して使うことができます。

プラグトレーの使用用途

プラグトレーは、野菜や果物の苗の発育時に使用します。特に、苗の段階で害虫の被害に遭いやすい野菜の保護に用いられます。例えば、ピーマン、ナス、トマト、キュウリなどの実もの野菜が該当します。また、表皮が固いタネの野菜は外的環境に対する耐性が強い反面、発芽しにくい現状があります。

こういった野菜のタネを水に一晩漬けて膨潤させた後、プラグトレーに蒔くと発芽しやすくなります。例えば、オクラ、ホウレンソウ、エダマメ、インゲンなどの育成に適切です。

チェーンポット

チェーンポットとは

チェーンポットとは、紙製の鉢が数珠状(チェーン状)に連結した構造のもので、育苗に用いられます。

鉢の紙は特殊加工されており、底は付いていない構造ですが、根が張るため土抜けしません。このため、移植も簡便であり、また紙製のため、ポットは土中で分解するため、そのまま植え付けができ、作業の省力化が可能です。

また紙製であるため、育苗中にポット間で水や空気のやり取りができるため、均一な苗が作りやすくなります。

チェーンポットの使用用途

チェーンポットは育苗のために用いられます。従来は、主にネギ用として開発・販売されておりましたが、株間を広く調整した製品の販売により、多くの作物に適用できるようになりました。株と株の間が広い製品は、葉菜類や花卉類などの作物に使われます。

また、通常のチェーンポットは、そのまま紙のポットごと移植しますが、紙を剥がしながら裸の状態の苗を移植することのできるチェーンポットもあります。これは、キャベツやブロッコリーといった野菜に主に利用されております。

ホーリーシート

ホーリーシートとは

ホーリーシート

ホーリーシートとは、ポリエチレン製の農業用のマルチシートです。農業用マルチシートとは、作物を育てている畑のうねを覆う資材のことです。雑草が畑に生えることや、雨によって肥料や土壌が削られてしまうことを防ぐことができるので、多くの畑で利用されています。また、地温調節や耐久性に優れ劣化しにくいという特性もあります。

現在では、栽培する野菜などの品種に応じた多種類の製品が販売されております。例えば、玉ねぎ栽培用に穴の開いた製品があります。

ホーリーシートの使用用途

ホーリーシートは、主に野菜、花卉、陸稲、落花生などを栽培する畑で利用されます。

ホーリーシートを使用する目的としては、防草、肥料流出、害虫忌避、地温抑制といったことが挙げられます。

シートの色によって、得られる効果が異なります。黒色は主に防草目的や地温抑制など汎用的に様々な用途で用いられます。

透明なものは、地温上昇効果が高いため、冬場に用いられることが多いです。また、シルバーのものは光を散乱させるため、害虫忌避効果があります。

Uシート

Uシートとは

Uシートとは、ポリエチレン製で、周囲にポリプロピレン製のロープが組み込まれています。また、各所にハトメが施されており、必要に応じてロープを通し、固定することができます。

高強度で軽量、かつ防水性に優れているため、雨水にも耐えられます。一般的な材質であるため、経済的です。製品によっては、UVカット剤が含まれていることから、直射日光でも長期間強度を保持することができます。汚れが付着しても、水洗いで簡単に汚れが落ちてメンテナンスが簡単です。

Uシートの使用用途

Uシートの使用方法は、屋外に設置する資材や、機器の保護に用いられます。例えば、資材では、肥料、木材、鋼材、パイプ類などです。

機器では、トラクターやコンバインなどの農機具が該当します。その他、簡易倉庫や鶏舎などの小さな建物の屋根や、カーテンに用いられます。また、雨水を防ぐため、牧草の乾燥にも活用されています。外装に組込まれているロープで縛ったり、ハトメを利用して固定することで、強風の地域や季節でも強固に固定することができます。

マルチング材

マルチング材とはマルチング材

マルチング材とは、土の表面をカバーして湿度や温度を最適な状態に維持するための資材のことです。

マルチング材に用いられる被覆素材には、天然素材を使ったものや人工素材を利用したものがあります。

マルチング材の使用用途

天然素材のマルチング材は、街路樹や花壇に使用されるほか、観葉植物や植木鉢などの園芸資材として多用されています。人工素材のマルチング材は、主に畑やビニールハウス内、家庭菜園で使用されます。

マルチング材の特徴

長所

マルチング材の長所は、土の湿度や温度を維持し、乾燥の予防ができることです。また、雑草防止や霜除け、泥はねによる病気予防、土の流出予防も長所として挙げられます。プランターや鉢の見栄えもよくなるため、外観を重視したい方にもおすすめです。

短所

マルチング材の短所は、広範囲に使用する場合、購入時や廃棄時のコストがかかることです。また、土表面の状況を観察しにくいので、場合によってはカビや虫の発生に気が付かない可能性があることも、短所の1つとして挙げられます。

そのため、マルチング材の一部をめくり、土が乾燥していないか、カビていないかなど定期的な確認が必要です。

マルチング材の種類

主なマルチング材として、ウッドチップやバークチップなどの天然素材と、ポリエチレンなどの人工素材とに大別できます。

代表的なマルチング材の種類は、以下のとおりです。

1. 天然素材のマルチング材

天然素材を活用したマルチング材には、次のようなものがあります。

ウッドチップ
ヒノキやスギ、クスノキなどの木材をチップ状にしたもので、角張っています。香りによる防虫効果や消臭効果が期待できます。

バークチップ
赤松や黒松などの樹皮をチップ状にしたもので、丸みを帯びています。一粒が大きめのため、広範囲に敷き詰めるのに適しています。虫がつきやすく、劣化が早めなのがデメリットです。

ココヤシファイバー
ココナッツの細長い繊維が原料で、非常に乾燥しているのが特徴です。観葉植物や花などの鉢表面に敷き詰めることで、土の舞い上がりを防ぎおしゃれに見せることができます。

バーク堆肥
樹木の皮 (バーク) を発酵させたマルチング材で、土壌改良剤としても利用されています。肥料効果は低いものの、3~5cmほどの厚みで畑や庭土を覆うことで乾燥を防ぎ、雑草が生えにくくなる効果があります。


竹を細かく粉砕し発酵させたマルチング材です。プランターや鉢の表面に播くことで、病害虫の抑制も期待できます。果樹の収穫量が増え、おいしさも増すため、農業でも使われています。


マルチングストーンとも呼ばれており、白色系の玉石や化粧石が原料です。観葉植物をおしゃれに見せることができ、まくだけで薔薇の根本の泥はねを守ることができます。

腐葉土
落ち葉を完熟させたマルチング材です。家庭菜園だけでなく農業でも多用されており、保肥力や土の保水力を向上させ、土壌改善にも役立ちます。

土に表面に撒くだけと簡単ですが、強風で飛んでしまう可能性や、ダンゴムシやヨトウムシ、コガネムシなどの産卵場所となる場合があります。

2. 人工素材のマルチング材

ポリエチレンなど人工素材で作られたマルチング材は、家庭菜園や農業で利用されており、マルチングシート、マルチシートなどと呼ばれています。畝全体をマルチシートで覆うことで、土の保湿や虫からの被害を抑制する効果が期待できます。

また、色味は黒や透明、シルバーなどがあり、それぞれに特徴があります。

黒マルチシート (保温効果・遮光効果) 
黒色のマルチシートは太陽光を吸収しやすいため、土の温度を上げたい場合や、太陽熱による土壌殺菌を目的に用いられます。また、光を透しにくいことから、雑草対策に効果的です。

透明マルチシート (透光効果・保湿効果)
透明のマルチシートは、光を透しやすいのが特徴です。冬季、日中の地温上昇効果に優れており、土壌の水分を適度に保ちます。水やりの手間が削減できる一方で、雑草が生える可能性があります。

シルバーマルチシート (害虫予防効果)
シルバー色のマルチシートは、太陽光を反射する性質を持っています。保温・保湿効果を備えており、光の反射を嫌うアブラムシなどの害虫対策にも最適です。

マルチング材の選び方

マルチング材を選ぶ際は、カバーしたい樹木や植物、面積、目的、栽培環境、コストなどに着目します。バーク堆肥や竹、腐葉土は、室内で使用するマルチング材には向いていません。

石やココヤシファイバーなど、虫が発生しにくいマルチング材が最適です。なお、人工素材のマルチング材は自然界で分解されないので、廃棄する際は自治体に確認する必要があります。

発泡シート

発泡シートとは

発泡シート

発泡シートとは、包装や保護材料として使用される、軽量で柔軟な資材のことです。

ポリエチレンや難燃ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニールなどの樹脂を原料に製造され、内部に気泡構造を持っています。気泡構造により、発泡シートは耐衝撃性や断熱性に優れています。

また、加工性にも優れるため、さまざまな形で農業や建築、運送、自動車製造など幅広い産業で使用可能です。

発砲シートの使用用途

発泡シートは、主に、壊れやすく傷つきやすいガラス製品など物品の保護や包装、家電製品などの緩衝材、建物の断熱材などに使用されています。

1. 農業

農業では、果皮が傷つきやすい桃やブドウなどの農作物の梱包をはじめ、農業用フィルムとして育苗などで使用されており、生育の増進や収量増加などのメリットがあります。

2. 建築業

建築・住宅関連では、水道管の断熱カバー、冷凍庫の緩衝材、床下の防湿・防水断熱材など多様です。

発砲シートの特徴

長所

発泡シートの長所は、軽量であること、柔軟性があること、耐衝撃性が高いこと、断熱性があることなどが挙げられます。柔軟性により、特定の形状やサイズに合わせた包装や保護が可能です。簡単に切り抜いたり形状を変えたりなど、必要に応じた加工も容易にできます。

発泡シートは物品を包む際に優れたクッション性を提供し、商品の安全性を確保します。また、断熱性があるため、温度変化から保護する効果もあります。さらに、発泡シートは水や湿気に強いのが特徴です。湿度の高い環境や水に触れる場所でも、効果的に使用できます。

短所

発泡シートの短所は、厚みが薄くなるほどに耐久性が低下することです。発泡シートの製品によって異なるものの、長期間の使用や発泡シート単体で、重い物品の重量を支えることはできません。段ボール内の家電製品を固定する、家具などの表面を覆う、割れ物を包むなどの用途に向いています。

また、基本的に発泡シートは燃焼性が高い樹脂を原料に気泡構造を持つため、火気には注意が必要です。

発砲シートの種類

発泡シートは、さまざまな種類の樹脂原料から製造されます。主な樹脂原料の種類としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニールなどです。それぞれの原料には、異なる特性と用途があります。

1. 発泡ポリエチレン製シート

発泡ポリエチレン製シートは、ポリエチレン樹脂を原料に発泡させたシートです。発泡倍率が低いほど硬くなり、高いほど柔軟性が出ます。また、構造は2つに分かれ、気泡が独立した「独立気泡」と、連続性を持たせた「連続気泡」があります。

独立気泡は水を吸収しにくく音を遮断し、連続気泡は吸音性や緩衝性、耐薬品性などの特徴を持ちます。発泡倍率と構造の組み合わせにより、農業資材・生鮮食品・家電製品・電子部品などの緩衝材、箱の中仕切り板、プールのビート板、フローリング材、看板材、土木建築用目地板、家庭用品、玩具、救命胴衣の浮揚材など使用用途は幅広いです。

2. 発泡ポリプロピレン製シート

発泡ポリプロピレン製シートは、ポリプロピレン樹脂を低発泡させて製造されたシートです。軽量かつ高剛性、耐薬品性に優れます。また、滑らかさや熱可塑性を持ち、折り曲げても割れにくく断熱性も備えています。

主な利用用途は、合成畳や養生シート、トランクマットなどのほか、形状を変えて弁当や総菜容器としても活用されます。

3. 発泡PVC製シート

発泡PVC製シートは、塩化ビニール樹脂を低発泡させ、独立気泡構造を持つシートです。耐久性や柔軟性、緩衝性、浮力性、耐薬品性に優れるだけでなく、自己消化性により燃えない性質を備えます。

利用用途は幅広く、保護緩衝材やエアコン用断熱パッキン材、クーラーボックスの断熱材、オムツカバーの芯材や病院用シーツの裏生地、ランドセルの肩当など様々な分野で活用されています。

上記原料以外にも、植物由来のプラスチック素材を原料に製造し、水と二酸化炭素に分解する発泡シートも存在します。より環境に負荷をかけにくい発泡シートの選択も可能です。

発砲シートのその他情報

発砲シートの処分方法

発泡シートのゴミの捨て方は、基本的に自治体のルールに従います。一般家庭ではプラゴミとして扱う場合が多いですが、事業で発生した場合は事業系廃棄物として処分してください。

爆音機

爆音機とは

爆音機

爆音機とは、一定間隔で爆発音を発生させる装置です。

農作地に飛来する野鳥やイノシシ、シカなどの害獣から、農作物が食べられたり荒らされたりする被害を防ぐために使われます。燃料にカーバイドやプロパンガスを使い、爆発音を発生させる仕組みです。

爆音機は大音量の爆発音が定期的に発生するため、使用の際には周辺環境への配慮や周知を十分に行う必要があります。自治体によっては爆音機を利用する替わりに、防鳥ネットや電気柵などといった対策を推奨している場合もあるため、使用にあたっては事前に確認しておくと安心です。

爆音機の使用用途

爆音機は、果樹園や田畑等の農作地に設置して使用します。スズメやハト、ムクドリ、ヒヨドリ、カラスなどの野鳥や、シカやイノシシ、サルなどの害獣の侵入や農作物の食い荒らし被害の防止に効果的です。

また、牛舎等の畜舎や牧場、養殖場等においては鳥獣の浸入を防ぐ目的で使用されますが、空港での使用は航空機と鳥類との接触事故を防ぐのが目的です。

爆音機の特徴

長所

爆音機は野鳥や害獣の侵入や農作物の食い荒らし被害の予防に効果的です。また、防鳥ネットや電気柵など他の対策と併用できるため、組み合わせることでより高い効果が期待できます。

短所

爆音機は設置のタイミングなどにより、持続的に効果を発揮する場合もあれば、一時的にしか効果が得られない場合もあります。そのため、長期的に効果を持続するためには、連続して使用したり、他の対策を検討したりする必要があります。

また、周辺環境に配慮して爆音機を使用することはもちろん、自治体によっては爆音機以外の方法を推奨している場合があるため注意が必要です。爆音機の使用状況によっては、安眠妨害など、近隣住民の生活に支障をきたす可能性があるからです。

爆音機の代替策としては、防鳥ネットや電気柵などが挙げられます。爆音機を使用する場合には、事前に自治体の方針を確認し、その方針に従って可能な範囲で使用するようにしてください。

爆音機の種類

1. 設置方法による分類

爆音機は田畑等に直接設置するタイプが一般的ですが、木や竿などに吊るして設置するタイプもあります。吊り下げるタイプであれば持ち運びの負担も軽減されるため、移動しながら使いたい場合にも便利です。

2. 爆音の間隔による分類

爆音の間隔は、製品により様々です。野鳥や害獣が爆音機に慣れてしまうことを防ぐため、爆音の間隔を不定期にしたり、あえて間隔を長くして野鳥や害獣が忘れた頃に爆音を発生させたりするものもあります。

3. 爆音の種類による分類

爆音機には、電子爆音の種類を複数から選べるものがあります。具体的には、サイレンや猟犬の吠声、爆竹音、断末魔の悲鳴音などが挙げられます。

野鳥や害獣の種類によって苦手な音が異なるため、対象となる野鳥や害獣に合った音を出す爆音機を選ぶことが大切です。

4. 機能による分類

爆音機には、爆発音と同時に脅し羽根やボールなどを発射することで、視覚的にも威嚇する機能を搭載したものもあります。また、ソーラー式のものであれば電源を必要としないためコードが不要で持ち運びにも便利です。

さらに、害獣の侵入をセンサーで感知するものや発光機能付きのものであれば、夜間の防獣対策にも効果的です。

爆音機の選び方

爆音機を選ぶ際には、対象とする害鳥や害獣に効果的なものを選ぶことはもちろん、周辺環境への配慮も忘れず、自治体の方針を事前に確認しておくと安心です。爆音のみのものや、発光機能を備えたものなど、使用する時間帯によっても必要な性能が異なるため、事前によく検討しておくことが大切です。

爆音機の使い方

爆音機は、畑や果樹園などに設置して使用します。ダイヤル操作により爆発音の間隔を調整できるものが一般的です。

爆音機の使用にあたっては、住宅付近での使用や早朝及び夜間の使用を避けるなど、周辺住民へ配慮のある使い方をしてください。自治体によっては、爆音機の使い方について詳細に定められている場合があるため、使用前に確認しておくことも大切です。

プラスチック杭

プラスチック杭とは

プラスチック杭

プラスチック杭とは、軽量で耐久性を持つ、樹脂製の杭のことです。

測量・農業・園芸・道路・駐車場など様々な場所で利用されており、地中に打ち込んで使います。また、プラスチック杭は木製の杭のように腐敗しないため、水辺や田んぼなど湿度が高い場所でも使用可能です。

プラスチック杭の使用用途

1. 道路

高速道路杭や県道幅杭、ガス管理設標示杭として道路で使用されます。また、駐車場での使用や測量、地籍調査時に、土地の境界を示す境界杭として道路に埋め込んで使われます。

2. 農業

プラスチック杭は、農業でも頻繁に用いられる資材です。ビニールハウスやトンネルハウスの被覆資材を止めたり、田んぼの畦板波を固定したり、防草シートを固定したりなど、使用用途は多岐に渡ります。

3. 公園・施設

プラスチック杭は、公園や公共施設などでも使用されています。例えば、池などの立ち入り禁止エリアにプラスチック杭を打ち込み、ロープを張って使用します。

また、斜面などで土留めの板柵押さえとしても利用されています。そのほか、プラスチック製の階段を設置する際の押さえとしても使用可能です。

プラスチック杭の特徴

長所

1. 持ち運びや移動が簡単
プラスチック杭は片手で持てるほど軽量のため、一人での持ち運びや移動が容易にできます。また、重機を必要とせずハンマーで打ち込むだけなので、設置作業も簡単です。

2. 耐候性がある
プラスチック杭は耐候性があります。雨や日光、風などの自然環境の影響を受けにくく、長期間の使用に適しています。

3. 耐腐食性がある
プラスチック杭は、木製や金属杭、コンクリート杭と比較して、腐食しにくいのが特徴です。湿気や土壌の化学物質による腐食や劣化が少なく、長期的な安定性が期待できます。

4. 低コスト
プラスチック杭はホームセンターや通販サイトで販売されており、低コストで入手できます。材料の製造や加工コストが比較的安価であり、他の杭と比較して経済的です。

5. カラーバリエーションが豊富
一般的にプラスチック杭の色は黒が多いですが、白・赤・黄・茶などのカラーバリエーションがあります。また、頭の部分を交換できるプラスチック杭や、文字を書ける製品もあるので、視認性や特定の目的、環境に合わせて、適切なカラーの選択が可能です。

短所

1. 強度に制限がある
プラスチック杭は、一般的に金属杭よりも強度が劣ります。大きな負荷や強い衝撃で折れたり割れたりする可能性があります。

2. 引っ張りに制限がある
プラスチック杭に「返し」が付いていない製品の場合、強い力で引っ張ると抜けてしまうことがあるので注意が必要です。

プラスチック杭の種類

一見、単純な外観のプラスチック杭ですが、丸杭・角杭の違いや見た目の工夫、返しの有無など様々な種類があります。

1. 形状による分類

プラスチック杭には、筒状の丸杭と4面を持つ角杭があります。丸杭は、道路際や公園の花壇の仕切り、庭やエクステリアなどの造作に適しています。角杭は、板柵の押さえや看板の設置など、面や角が必要な場面に便利です。

2. 穴の有無による分類

プラスチック杭には、ロープなどを通せる穴ありと穴なしがあります。穴ありを選ぶ際は、ロープなどの直径と見合う製品を購入してください。

3. 返しの有無による分類

プラスチック杭には、返しが付いたものと付いていないものがあります。返しが付いている製品のほうが抜けにくいのが特徴です。ビニールトンネルなどの被覆資材をプラスチック杭に結び付ける際や、簡単に抜けては困る場所での使用は、返しありの種類を選んでください。

プラスチック杭のその他情報

1. 擬木杭

本物の木のような外観を持つ、プラスチック製の擬木 (ぎぼく) 杭は、園芸や庭園の装飾などに使用されます。杭の表面や色が樹木に似ているため、施工場所の雰囲気に溶け込みやすいのが特徴です。ロープやチェーンを通すための貫通穴を備える製品が多く販売されています。

2. 中空杭

中空構造のプラスチック杭は、中心部まで合成樹脂が詰まっておらず、軽量かつ強度を備える点が特徴です。コンクリート杭や木製杭と比較して、杭打ち作業がはかどります。