発泡シートとは
発泡シートとは、包装や保護材料として使用される、軽量で柔軟な資材のことです。
ポリエチレンや難燃ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニールなどの樹脂を原料に製造され、内部に気泡構造を持っています。気泡構造により、発泡シートは耐衝撃性や断熱性に優れています。
また、加工性にも優れるため、さまざまな形で農業や建築、運送、自動車製造など幅広い産業で使用可能です。
発砲シートの使用用途
発泡シートは、主に、壊れやすく傷つきやすいガラス製品など物品の保護や包装、家電製品などの緩衝材、建物の断熱材などに使用されています。
1. 農業
農業では、果皮が傷つきやすい桃やブドウなどの農作物の梱包をはじめ、農業用フィルムとして育苗などで使用されており、生育の増進や収量増加などのメリットがあります。
2. 建築業
建築・住宅関連では、水道管の断熱カバー、冷凍庫の緩衝材、床下の防湿・防水断熱材など多様です。
発砲シートの特徴
長所
発泡シートの長所は、軽量であること、柔軟性があること、耐衝撃性が高いこと、断熱性があることなどが挙げられます。柔軟性により、特定の形状やサイズに合わせた包装や保護が可能です。簡単に切り抜いたり形状を変えたりなど、必要に応じた加工も容易にできます。
発泡シートは物品を包む際に優れたクッション性を提供し、商品の安全性を確保します。また、断熱性があるため、温度変化から保護する効果もあります。さらに、発泡シートは水や湿気に強いのが特徴です。湿度の高い環境や水に触れる場所でも、効果的に使用できます。
短所
発泡シートの短所は、厚みが薄くなるほどに耐久性が低下することです。発泡シートの製品によって異なるものの、長期間の使用や発泡シート単体で、重い物品の重量を支えることはできません。段ボール内の家電製品を固定する、家具などの表面を覆う、割れ物を包むなどの用途に向いています。
また、基本的に発泡シートは燃焼性が高い樹脂を原料に気泡構造を持つため、火気には注意が必要です。
発砲シートの種類
発泡シートは、さまざまな種類の樹脂原料から製造されます。主な樹脂原料の種類としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニールなどです。それぞれの原料には、異なる特性と用途があります。
1. 発泡ポリエチレン製シート
発泡ポリエチレン製シートは、ポリエチレン樹脂を原料に発泡させたシートです。発泡倍率が低いほど硬くなり、高いほど柔軟性が出ます。また、構造は2つに分かれ、気泡が独立した「独立気泡」と、連続性を持たせた「連続気泡」があります。
独立気泡は水を吸収しにくく音を遮断し、連続気泡は吸音性や緩衝性、耐薬品性などの特徴を持ちます。発泡倍率と構造の組み合わせにより、農業資材・生鮮食品・家電製品・電子部品などの緩衝材、箱の中仕切り板、プールのビート板、フローリング材、看板材、土木建築用目地板、家庭用品、玩具、救命胴衣の浮揚材など使用用途は幅広いです。
2. 発泡ポリプロピレン製シート
発泡ポリプロピレン製シートは、ポリプロピレン樹脂を低発泡させて製造されたシートです。軽量かつ高剛性、耐薬品性に優れます。また、滑らかさや熱可塑性を持ち、折り曲げても割れにくく断熱性も備えています。
主な利用用途は、合成畳や養生シート、トランクマットなどのほか、形状を変えて弁当や総菜容器としても活用されます。
3. 発泡PVC製シート
発泡PVC製シートは、塩化ビニール樹脂を低発泡させ、独立気泡構造を持つシートです。耐久性や柔軟性、緩衝性、浮力性、耐薬品性に優れるだけでなく、自己消化性により燃えない性質を備えます。
利用用途は幅広く、保護緩衝材やエアコン用断熱パッキン材、クーラーボックスの断熱材、オムツカバーの芯材や病院用シーツの裏生地、ランドセルの肩当など様々な分野で活用されています。
上記原料以外にも、植物由来のプラスチック素材を原料に製造し、水と二酸化炭素に分解する発泡シートも存在します。より環境に負荷をかけにくい発泡シートの選択も可能です。
発砲シートのその他情報
発砲シートの処分方法
発泡シートのゴミの捨て方は、基本的に自治体のルールに従います。一般家庭ではプラゴミとして扱う場合が多いですが、事業で発生した場合は事業系廃棄物として処分してください。