マルチング材

マルチング材とはマルチング材

マルチング材とは、土の表面をカバーして湿度や温度を最適な状態に維持するための資材のことです。

マルチング材に用いられる被覆素材には、天然素材を使ったものや人工素材を利用したものがあります。

マルチング材の使用用途

天然素材のマルチング材は、街路樹や花壇に使用されるほか、観葉植物や植木鉢などの園芸資材として多用されています。人工素材のマルチング材は、主に畑やビニールハウス内、家庭菜園で使用されます。

マルチング材の特徴

長所

マルチング材の長所は、土の湿度や温度を維持し、乾燥の予防ができることです。また、雑草防止や霜除け、泥はねによる病気予防、土の流出予防も長所として挙げられます。プランターや鉢の見栄えもよくなるため、外観を重視したい方にもおすすめです。

短所

マルチング材の短所は、広範囲に使用する場合、購入時や廃棄時のコストがかかることです。また、土表面の状況を観察しにくいので、場合によってはカビや虫の発生に気が付かない可能性があることも、短所の1つとして挙げられます。

そのため、マルチング材の一部をめくり、土が乾燥していないか、カビていないかなど定期的な確認が必要です。

マルチング材の種類

主なマルチング材として、ウッドチップやバークチップなどの天然素材と、ポリエチレンなどの人工素材とに大別できます。

代表的なマルチング材の種類は、以下のとおりです。

1. 天然素材のマルチング材

天然素材を活用したマルチング材には、次のようなものがあります。

ウッドチップ
ヒノキやスギ、クスノキなどの木材をチップ状にしたもので、角張っています。香りによる防虫効果や消臭効果が期待できます。

バークチップ
赤松や黒松などの樹皮をチップ状にしたもので、丸みを帯びています。一粒が大きめのため、広範囲に敷き詰めるのに適しています。虫がつきやすく、劣化が早めなのがデメリットです。

ココヤシファイバー
ココナッツの細長い繊維が原料で、非常に乾燥しているのが特徴です。観葉植物や花などの鉢表面に敷き詰めることで、土の舞い上がりを防ぎおしゃれに見せることができます。

バーク堆肥
樹木の皮 (バーク) を発酵させたマルチング材で、土壌改良剤としても利用されています。肥料効果は低いものの、3~5cmほどの厚みで畑や庭土を覆うことで乾燥を防ぎ、雑草が生えにくくなる効果があります。


竹を細かく粉砕し発酵させたマルチング材です。プランターや鉢の表面に播くことで、病害虫の抑制も期待できます。果樹の収穫量が増え、おいしさも増すため、農業でも使われています。


マルチングストーンとも呼ばれており、白色系の玉石や化粧石が原料です。観葉植物をおしゃれに見せることができ、まくだけで薔薇の根本の泥はねを守ることができます。

腐葉土
落ち葉を完熟させたマルチング材です。家庭菜園だけでなく農業でも多用されており、保肥力や土の保水力を向上させ、土壌改善にも役立ちます。

土に表面に撒くだけと簡単ですが、強風で飛んでしまう可能性や、ダンゴムシやヨトウムシ、コガネムシなどの産卵場所となる場合があります。

2. 人工素材のマルチング材

ポリエチレンなど人工素材で作られたマルチング材は、家庭菜園や農業で利用されており、マルチングシート、マルチシートなどと呼ばれています。畝全体をマルチシートで覆うことで、土の保湿や虫からの被害を抑制する効果が期待できます。

また、色味は黒や透明、シルバーなどがあり、それぞれに特徴があります。

黒マルチシート (保温効果・遮光効果) 
黒色のマルチシートは太陽光を吸収しやすいため、土の温度を上げたい場合や、太陽熱による土壌殺菌を目的に用いられます。また、光を透しにくいことから、雑草対策に効果的です。

透明マルチシート (透光効果・保湿効果)
透明のマルチシートは、光を透しやすいのが特徴です。冬季、日中の地温上昇効果に優れており、土壌の水分を適度に保ちます。水やりの手間が削減できる一方で、雑草が生える可能性があります。

シルバーマルチシート (害虫予防効果)
シルバー色のマルチシートは、太陽光を反射する性質を持っています。保温・保湿効果を備えており、光の反射を嫌うアブラムシなどの害虫対策にも最適です。

マルチング材の選び方

マルチング材を選ぶ際は、カバーしたい樹木や植物、面積、目的、栽培環境、コストなどに着目します。バーク堆肥や竹、腐葉土は、室内で使用するマルチング材には向いていません。

石やココヤシファイバーなど、虫が発生しにくいマルチング材が最適です。なお、人工素材のマルチング材は自然界で分解されないので、廃棄する際は自治体に確認する必要があります。

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