植木ハサミ

植木ハサミとは

植木ハサミ

草花や庭木用のハサミは、おおよそ「植木ハサミ」「剪定ハサミ」「刈り込みハサミ」に分けることができ、中でも植木ハサミは種類が多く、いろいろな用途に応じて使い分けます。

植木ハサミは木バサミともいい、一般的な植木ハサミの形状は、指を入れる柄の部分が左右対称で、大きな環状をしています。この環状の柄の部分は「わらび手」と呼ばれています。

植木ハサミに似たものに剪定ハサミがありますが、剪定ハサミは柄の部分にバネが付いており、刃の開く方向に常にテンションがかかっています。対して、植木ハサミはバネが付いておらず、切断時に余分な力を要しませんので、刃先のコントロールがしやすく、長時間の作業でも疲れません。

植木ハサミの使用用途

植木ハサミは、庭木の剪定作業に欠かせない道具で、主に10mm以下の細い枝を切断するのに適しており、刃の先端側で細い枝を、根元側で太めの枝を切るようにして使い分けます。10mmを超えるような太い枝には剪定ハサミが向いています。

植木ハサミは種類が多く、用途別に刃の長さや厚み、柄の形や大きさなどが違っています。庭木の剪定によく利用される一般的な植木ハサミは、わらび手と呼ばれる大きな柄が特徴で、枝を切断する際、他の枝を傷つけてしまわないように独特な形をしています。ハサミの産地による特色が、わらび手の形状に現れており、伝統的な型として「大久保型」「津島型」「佐助型」などが知られています。

防護マスク

防護マスクとは

防護マスク

防護マスクとは、有害なガスや粉じんが発生する作業下で使用する安全対策のためのマスクです。

形状や用途によって種類は様々で、マスク本体にフィルタを取り付けて使用する取替式防じんマスクや、マスクそのものがフィルタである使い捨て防じんマスクがあります。

一般的な取替式防じんマスクは、農薬の粉剤や液剤を散布する際に用いることが多く、使用する農薬の種類や性状に応じて吸収缶やフィルタを選定して用いることで、幅広い作業環境や目的に対応することが可能です。その他にも、ガス状の物質を扱う際に適した吸収缶交換式防毒マスク、空気感染源から守るための医療用N95防護マスクなどがあります。

どの防護マスクも一般的な不織布マスクとは違い、国家検定という厳格な規格が設けられています。作業においてマスクの使用をする場合は、必ず国家検定に合格したマスクを使用する必要があるため注意が必要です。

防護マスクの使用用途

防護マスクは、溶接や解体、粉体原料を取り扱う作業、農薬の散布時に使用します。

体内に有害な物質を扱う作業下である場合、誤って有害な物質を吸入することによる中毒を防止することができます。粉じんや有害ガスが発生する作業を行う場合、現場で働く人の健康を守るためには欠かせない存在です。

防護マスクの種類

防護マスクは、取り付けるフィルタや吸収缶によっても防じん性能やガス吸収性能が異なるため、作業環境において発生している物質や形状によって適切な防護マスクを選定する必要があります。

口鼻を覆うタイプのものから、フェイスガード付きの面体タイプのもの、吸収缶が面体から離れた位置にある隔離式と呼ばれる製品などが知られており、用途や危険性に応じて選定します。

1. 防じんマスク

防じんマスクは、放射性物質によって汚染される可能性がある場所や金属ヒュームが発散している場所での作業をはじめとする粉じん作業の際に使用します。

使い捨てと取り替え式の2種類があり、フィルターもメカニカルフィルター、静電フィルター、活性炭フィルターなどがあります。各フィルターによって除去できる物質が違うため、使用前に確認が必要です。

2. 防毒マスク

防毒マスクは、作業下において扱う有害ガスや濃度によって仕様が分かれています。面体に吸収缶が直接設置されている直結式、面体と吸収缶が連結管によって繋がれている隔離式の2つがあるだけでなく、形状にも違いがあります。

顔全体を覆うことのできる全面式と下顎から口までを覆う半面式があります。防じんマスクは粒子、防毒マスクはガスの吸い込みを防ぐためのものですが、防毒マスクの中には、防じん機能のあるフィルターを取り付けることで防じんと防毒を兼用することができます。

防護マスクのその他情報

防護マスクを使用する時に注意すべき点があります。健正しく装着ができていなければ効果がなく、種類によっても使用条件や装着方法が異なるため事前の確認が大切です。

1. 使用条件

防護マスクは、空気中の酸素濃度が18%以上の場所で使用しなければなりません。また、フィルタや吸収缶は濡れることによって性能が低下するものも多いため、作業状況に注意することや、設定された使用時間を厳守することなどが挙げられます。

万が一作業環境の状況が把握できない場合は、防護マスクではなく作業場所とは別の場所から清潔な空気を送ることができる送気マスク、又は持ち込んだボンベから空気を供給できる自給式呼吸器を使用する必要があります。

2. 装着方法

粒子の小さな粉じんや無色のガスは肉眼で見ることはできませんが、小さな隙間から体内へと侵入します。上下方向を守ってしめ紐を正しく装着することが重要です。大きすぎるサイズのものを使用すると隙間ができてしまうため、自分の顔のサイズに合うものを使用する必要があります。

ベニカスプレー

ベニカスプレーとは

ベニカスプレーとは住友化学園芸株式会社が製造販売しているスプレータイプの園芸用殺虫殺菌剤であり、ベニカXスプレー、ベニカXネクストスプレー、ベニカXファインスプレーなどの種類があります。種類によって有効成分が異なり、適用作物、適用病害虫が異なるため、目的に応じた製品を使用することが重要です。特に野菜などの農作物に対して使用する場合には、製品によっては使用可能な時期や収穫までの使用回数などは厳密に定められていることから、用法用量を守って適切に使用する必要があります。

ベニカスプレーの使用用途

ベニカスプレーの使用用途は種類によって様々ですが、農作物を含む植物に対する殺虫殺菌剤として主に使用されます。代表的な製品であるベニカXスプレーは草花・花木の害虫と病気に対して防除効果があり、主にバラや菊、観葉植物といった植物類に使用されます。これに対してベニカグリーンVスプレーは主に野菜類に広く適用が知られており、トマト、きゅうり、なすといった農作物のアブラムシ類や葉かび病、うどんこ病などに効果があります。その他、花や庭木、野菜類など広い適応作物と適用病害虫をカバーするベニカXネクストスプレーや、有効成分として食品である還元澱粉糖化物を用いたベニカマイルドスプレーなどが販売されています。

木タール

木タールとは

木タールとは、木材の乾留によって生成される黒い液体のことです。

タールは、石炭や木材を乾留すると生成される粘り気のある黒い油状の液体を指します。石炭の乾留によりできたものは、コールタールと呼びます。

なお、乾留とは、空気のない状況下で固体の有機化合物を熱分解することです。乾留を行うと、もとの有機化合物は揮発性物質と不揮発性物質に分離します。

木材を加熱したときに発生する煙を冷却すると、粗木酢液と呼ばれる液体が生成されます。この液体を時間をかけて静置しておくと、木酢液と木タールに分離します。

木タールの使用用途

木タールには強烈な独特のにおいがあり、このにおいを利用した忌避剤が害獣対策として用いられています。害獣から農作物を守る方法として、物理的な障害を設ける以外に、忌避資材を用いる方法があります。これは、動物の嫌うにおいによって農地から害獣を遠ざけようとするものです。

木材の加熱時の煙がもとになっている物質なので、木をいぶした時のようなにおいが特徴です。野生動物にとって、木タールのにおいは、山火事などの危険な状況を連想させるといわれています。

害獣は、木タールのにおいがする場所は危険であると認知し、近寄らなくなるわけです。木タールには殺菌作用があり、医薬の分野では木タールを精製して得られる「木クレオソート」を主成分とした薬が、古くから用いられています。

木タールの特徴

長所

木タールの最も大きな特徴としては、その独特な強い香りです。これによりヘビやモグラなどの害獣を寄せ付けず、農作物を守ることができます。膜用を調節することで、効果を強められます。

また、イノシシやヘビ、モグラ、シカなどの害獣の他に、鳥やアリ、ムカデなど幅広い生物に対して効果があるとされています。天然素材であることから、人や土壌への影響の心配がありません。

短所

大きな特徴である焦げたような香りがとても強く、体調に影響を及ぼす可能性があるため、屋内での使用はできません。また、素手で触れるとかぶれてしまう可能性があります。軍手などを使用し、素手で直接触れないようにすることが重要です。

そのほか、植物に接触すると生育阻害を起こすため、農耕地での使用も不可能です。

木タールの種類

木タールを作成する際に、同時に得られる木酢にも一部溶けています。これを軽木タールや可溶性木タールと呼び、下層に沈む木タールを重木タールや沈底木タールと呼びます。

市販の木タールを使用した忌避剤にはさまざまなタイプがあり、液体状のものの他に、撒きやすい粒状のものや扱いやすい固形のものがあり、用途や使用量にあわせて使い分けます。

木タールの選び方

木タールを使用した害獣忌避剤にはさまざまなタイプがあり、使用する場所や環境によって使い分けます。忌避剤のタイプや忌避したい対象の生き物によって使用量、使用間隔を調節し、使い分けることが大切です。

液体タイプは粘度が高く、雨による影響を受けにくいという特徴があります。反対に、固形タイプは雨により成分の流出が起こりやすいため、季節や地域の特性などに合わせ選択するようにします。

木タールの使い方

1. 液体タイプ

大さじ1杯程度を間隔をあけて置いていきます。この時の間隔は対策したい生き物によって変わり、多くの生き物は田畑の境界に2m程度の間隔をあけて置きます。

モグラは地下から入り込むため、畝間に2m程度の間隔をあけて置き、ムカデや小動物は住み着いていることの多い屋根裏や倉庫から徐々に範囲を広げていきます。

2. 固形タイプ

固形タイプは雨により成分が流出する可能性が高いため、容器の上に設置します。侵入を防ぎたい場所を囲むように配置します。

3. 粒状タイプ

粒状タイプはたくさん撒くほど効果が強くなります。散布量の目安は製品によって異なりますが、植物への影響もあるため周囲の状況には注意する必要があります。

土壌pH測定器

土壌pH測定器とは

土壌pH測定器

土壌pH測定器とは、土壌のpH値を測定するための計器です。

土壌酸度計とも呼ばれます。土壌pHとは、土が酸性かアルカリ性かを示す指標で、作物の種類によって適切なpH値が異なります。かつては、作物を長期にかけて作り続け、失敗を繰り返しながら、培われてきた勘を頼りに土壌改良を行ってきました。

近年ではこのような機器の発展により、土壌の状態を数値化し、土壌改良の一部を担うことが可能です。

土壌pH測定器の使用用途

土壌pH測定器は、土壌診断に使用されています。土壌のpHを測定し、そこから作物に適した土壌に改良するのが目的です。作物によって、生育に適した土壌のpH (好適土壌pH) は異なります。野菜では、ほとんどの種類がやや酸性(pH5.5~6.5)の土壌を好みます。

さらに、土壌pH測定器の種類によりますが、液体のpH測定が可能な製品もあり、肥料のpH確認にも転用することが可能です。

土壌pH測定器の特徴

長所

ホームセンターなどで簡単に入手可能で、農業従事者のみならず、家庭菜園やガーデニングのような、趣味でしている方でも手軽に測定できます。土壌を掘り返す必要もないため、作物を傷つける心配もありません。

短所

測定する場所が広くなるほど、計測箇所を増やす必要があります。また、簡単に計測できるものだと、正しい測定値が出ない場合が多いです。土壌サンプルを持ち帰って測定してもらえる機関に依頼すると正確な値が出るため、より適切な土壌改良の判断材料になります。

土壌pH測定器の種類

土壌pH測定器の中には、pHのみを測定するものから、照度、土壌水分量、土壌温度などを測定できるものもあります。

1. 表示方法による分類

表示はデジタルか、アナログで示すものが主になります。基本的にデジタル式は1分~数分で計測可能ですが、アナログ式の中には20分~30分近くかかるものもあります。

また、デジタルの場合は、使用しているうちに誤差が出てくるため、定期的に補正が必要です。それに対して、アナログは誤差がほとんどなく、比較的正確に計測が可能です。

2. メーターの向きによる分類

メーターの向きですが、上向きになっているタイプ、正面についているタイプなどさまざまです。上向きであれば、地面に挿しても上から確認でき便利な反面、メーター面が小さくなり細かい精度が低下します。正面のタイプは、メーター部を大きくできる反面、確認がしにくくなります。

土壌pH測定器の選び方

家庭菜園やガーデニングなど、家庭で楽しむといった場合はホームセンターなどで売っている簡単に計測できるもので問題ありません。収穫したものを市場に流通する場合は、収穫物にも差が出たり、施肥設計によって年間の作付計画に大きな影響が出たりするため、精度の高いものを選ぶことが重要です。

種類でも紹介したように、それぞれ特徴が異なるため自分に合った必要な機能を確認し、購入することをおすすめします。

土壌pH測定器の使い方

土壌pH測定器は種類にもよりますが、基本的に土壌にセンサー部を挿入し土壌のpHを測定します。計測する場所の土が乾燥している場合は、安定した値が計測できないので、水をよく含ませておきます。さらに、土と測定器が密着するよう、土を適度な硬さに踏み固めます。硬さは、泥団子が作れるような硬さが目安です。

測定部 (金属部分) を10cmくらいの深さで、土へできるだけ垂直に差し込みます。傾いていると指示計が傾いて正しい計測ができない可能性があります。土と計測器に隙間があると正しく計測できないので、再び踏み固めて隙間を埋めます。電源式の機種はスイッチを押して計測開始します。

同じ田畑でも、肥料分や土の乾燥具合など、場所によって条件が異なります。計測場所を何カ所かに分けて、平均値を求めることが大切です。アルカリ性である石灰などで施肥した土壌は、馴染むまで1~2週間ほどかかります。馴染んだ頃に酸度を計測します。使用後は測定部に付いた泥などの汚れを落とし、乾燥した場所での保管が必要です。

土壌消毒剤

土壌消毒剤とは

土壌消毒剤とは、土壌病原菌や土壌細菌に対する土壌消毒を実施する際に使用する薬剤の総称です。

土壌消毒剤は古くから用いられており、中でも臭化メチルが代表的です。しかし、オゾン層破壊物質への指定などにより現在は使用されておらず、クロルピクリンやD-Dといった薬剤に置き換わっています。

このように土壌消毒剤の種類は多岐におよび、薬剤によって適用が異なるため、目的に応じて選定する必要があります。また、土壌消毒剤は化学物質であり、使用方法を誤ると人体に害を及ぼしたり、臭気によって近隣環境に問題を与えたりする恐れがあります。

さらに、土壌に残留すれば薬害発生の原因ともなるため、使用方法・使用量を順守して使用することが重要です。

土壌消毒剤の使用用途

土壌消毒剤の使用用途として、連作障害の回避、土壌病害の軽減、土壌病害虫の防除が挙げられます。また、集中豪雨などによる冠水は病害菌などの病害を発生させる恐れもあることから、このような場合にも土壌消毒剤の使用が有効です。

土壌消毒の手法には、土壌消毒剤を用いる化学的防除のほかに、太陽熱消毒や熱水消毒などの物理的防除、除虫効果のある植物を育てることにより病害虫の発生を予防する生物的防除などがあります。なかでも土壌消毒剤を用いる方法は安定した効果が得られ、コスト面からも有利であることから、最も一般的な土壌消毒方法とされています。

土壌消毒剤の特徴

同じ作物を何年も同じ畑で栽培すると、特定の病原菌が増え連作障害という症状が起きます。土壌消毒は土壌中の病原菌を殺菌し、連作障害の発生を防ぐために使用されます。

長所

土壌消毒剤を使用することで連作が可能になるため、同じ作物を作る場合でも畑をローテーションする必要がなくなります。通常は同じ作物を連続して栽培できないため、別の作物を育てるか畑を休ませる必要があります。

また、土壌中の殺菌だけでなく雑草の発生を抑える土壌消毒剤もあり、除草作業の省力につながります。

短所

土壌消毒剤は病原菌だけでなく、作物にとって善い微生物も死滅させてしまいます。また、化学物質が周りの環境に及ぼす影響も考えて使用しなければなりません。周辺に民家があるなどの密集した環境では、特に配慮が必要です。

土壌消毒剤を使用した後の土壌は、有効成分も少ない状態です。この状態の時に病原菌に感染した苗などから病気を土壌に持ち込むと、土壌環境を悪化させてしまう可能性もあります。

土壌消毒剤の種類

土壌消毒剤の種類によって、適切な使用用途は異なります。代表的な土壌消毒剤は、以下の通りです。

1. D-D

戦中防除に使用し、施設栽培や露地栽培で使用できます。

2. ドロクロール、クロピク80

クロルピクリンを有効成分としている土壌消毒剤で、主に土壌病害防除に使用します。

3. ソイリーン、ダブルストッパー

D-Dとクロルピクリンを有効成分としており、線虫と土壌病害の防除に効果があります。

4. ガスタード微粒剤、バスアミド微粒剤

MITCを有効成分としており、土壌病害や苗床の殺草を目的にしようします。

5. トラベックサイド油剤、ディ・トラベックス油剤

D-DとMITCを有効成分としており、線虫と土壌病害が併発している場合に効果的です。

6. キルパー、NCS

MITCを有効成分としており、土壌障害や苗床の殺草対策にしようしますが、原液で使用することにより古株枯死対策にも効果があります。

登録農薬の有効期限は3年となっており、その後は再登録しなければ登録が失効します。登録が失効している農薬は製造や販売、使用ができなくなっているので、注意が必要です。

土壌消毒剤の選び方

使用する土壌消毒剤を選ぶ際は、有効成分がどの症状に効果があるのかを確認する必要があります。また、住宅などが密集している箇所で使用する際は、周りへの影響を考慮して土壌消毒剤を選ぶことが大切です。

土壌消毒剤の使い方

土壌消毒剤の効力を高めるために、前処理を行うのが理想的です。具体的には以下の手順で進めます。

  1. 作物残渣を土壌からきれいに取り除く
  2. 土壌はできるだけ深く耕うんし、土をできるだけ細かくする
  3. 土壌水分を、土を握って離すと割れ目ができる程度に調整する
  4. 防護マスク (吸収缶と面体からなるもの) 、防護眼鏡、ゴム手袋、防護服などを着用する

土壌消毒剤は大きく分けて、土壌注入するタイプと土壌混和するタイプがあります。使用後は被覆をして、ガスが空気中に逃げないようにします。

商品それぞれにくん蒸期間が設けられており、くん蒸期間は必ず守らなければなりません。くん蒸後は、ほとんどの商品でガス抜きが必要です。ガス抜きをしっかり行わないと、栽培する作物に悪影響を及ぼします。ガス抜きは、トラクタで土壌を耕うんして行います。

殺虫器

殺虫器とは殺虫器

殺虫器とは害虫を誘引し殺虫する機械の総称ですが、通常は紫外線を含んだ光で害虫を誘引し、電気ショックによって殺虫する、電撃殺虫器を指すことが一般的です。電撃殺虫器は主に虫を誘引する捕虫ランプと、電圧を印加した格子部分からなっています。虫は走光性と呼ばれる光の出す波長によって走性を示すことが知られており、捕虫ランプには特に虫の好む近紫外線を用いることで誘引を可能としています。格子部分には高電圧が印加されており、虫が接触することで感電を引き起こす仕組みとなっています。

殺虫器の使用用途

殺虫器の使用用途は、害虫を捕獲、殺虫することにより作業環境を向上させることにあります。一般的な殺虫方法としては薬剤を用いるものや、物理的に殺虫する方法などが知られていますが、電撃殺虫器の利点としては、薬剤を用いることなく、広範囲に殺虫効果をもたらすことが出来る点にあります。電撃殺虫器は様々な形状の製品が知られており、据え置き型や吊り下げ型の製品に加え、ラケットタイプの小型の製品も販売されています。また、屋内用、屋外用によっても防水性や耐候性などに違いがあることから、用途に応じた選定が必要です。

また多くの電撃殺虫器は誘因方法として紫外光を用いていることから、ゴキブリ、ハエ、カといった光誘引性が低い害虫には効果が薄いため、注意が必要です。

ジェットポンプ

ジェットポンプとは

ジェットポンプとは、ノズルから噴出する水や蒸気によって得られた負圧を、目的物の吸い込みに利用する方式のポンプです。

原理としては、アスピレーターやエゼクターと同様の機構を有しています。別名、噴流ポンプとも呼ばれ、特に蒸気の噴出によって揚水する方式のものをインゼクターと呼びます。

動作流体と同伴流体が混合して排出される機構のため、用途に一定の制限がありますが、一般的な渦巻きポンプなどと比較して流量は少ないものの高い圧力を得られることが特徴です。

ジェットポンプの使用用途

ジェットポンプの使用用途として、沸騰水型原子炉の再循環系や火力発電所のボイラ給水処理装置、水力発電所の非常用排水ポンプなどが挙げられます。また、最も一般的に用いられている用途は、井戸用ポンプへの使用です。。これはジェットポンプが比較的小型でありながら、高い圧力を得ることができるため、井戸に必要な揚程が得られやすいという特徴を活かしています。

井戸用ポンプとして用いる場合、通常は制御部を井戸外に設置し、ジェット部分を井戸内に設置することで井戸水を押し上げるような方式を取ります。井戸用ポンプとしては汎用性の高いポンプになりますが、水中ポンプと比較するとやや作動音が大きく、消費電力も多いのがデメリットです。

ジェットポンプの特徴

長所

ジェットポンプの長所は、渦巻ポンプと比較すると小さく吸水力が強いため、家庭用としても使用しやすいことです。井戸用ポンプとして多く用いられています。通常のポンプでは8メートル以上の深さから水を吸い上げることは難しいですが、ジェットポンプは最大20mまで吸い上げることができるため、使用用途が多岐に渡ります。

短所

ジェットポンプの短所は、ジェットを使用することから作動音がかなり大きく、使用する場所や時間帯に注意が必要なことです。また、作動時にエネルギーを多く使用するため、電気代が高くなりがちな点も短所として挙げられます。また、災害時の使用が難しいという点にも注意が必要です。

ジェットポンプの種類

ジェットポンプはさまざまな製品があり、製品によって吸い上げ可能な高さが異なります。浅深両用、深井戸用ポンプと組み合わせて使用し、12m、24m、30m、35mなど対応可能な高さの種類が細かく設定されています。

インジェクターは蒸気によって対象の液体を吸水し、吐出圧力が同伴流体の圧力より高くなるため、同伴流体を輸送する際に用いられます。

また、エジェクターは同伴流体だけでなく動作流体もガス、液体を問わず使用可能で、吐出圧力は2つの流体の圧力の間をとっており同伴流体を排出する際に用いられます。

ジェットポンプの選び方

1. 吸い上げ可能な高さ

ジェットポンプを選ぶ際に最も重要なのは、吸い上げ可能な高さです。製品によって高さが細かく設定されているため、使用する水面の高さに合わせた製品を選ぶ必要があります。

2. 作動音の大きさ

また、デメリットとして大きい作動音についても検討する必要があります。以前に比べ、ジェットポンプの作動音は小さいものが多くなって来ましたが、製品によって作動音の大きさもかなり変わります。静かな場所で使用する場合や、音を最小限に抑えたい場合は作動音に配慮したモデルを選択すると、より安心して使用できます。

3. 出力の大きさ

出力の大きさもさまざまで、最小のものは150W程度ですが出力の大きなものは1,500Wモデルもあり、水量によって使い分けることが大切です。家庭用としては、250W~400Wのものが多く使用されています。

ジェットポンプの使い方

ジェット単体での使用せず、浅深兼用又は深井戸用のポンプと組み合わせて接続することで使用できます。水面の深さが8m~20mの場所に使用することが多いですが、より汎用性に優れたものはより深い場所で使用することも可能です。

耐用年数はさまざまですが、ポンプ本体は10年~15年を目安にすると、効果的に使用し続けられます。ジェット部の様子を定期的に確認し、必要があればアキュームレータやスイッチなどを交換すると良いです。

結束テープ

結束テープとは

結束テープ

結束テープとは、販売や輸送時に、野菜や果物を束ねるために使用される製品です。

農業用途の他に、コードやケーブルを束ねることもあります。

結束テープの使用用途

結束テープは、野菜や果物を束ねて販売するために使用されることが多いです。その他、コードやケーブルを束ねたり、コードの識別ができるように巻き付けたりする場合もあります。

結束テープの特徴

長所

結束テープの長所として、物を簡単にまとめることができることが挙げられます。さまざまな業界において使用されている製品ですが、それぞれの物をまとめるための特性が備わっています。

また、簡単に切断できるため、作業の効率化につながります。1度巻き付けたとしても、糊残りしづらいテープが多く、作業もしやすいです。

短所

結束テープの短所として、剥がれる可能性があることが挙げられます。金具などを使用して留めることにはならないため、物の重さや数が多いと、テープが耐えきれずに切れることがあります。

しかし、正しく結束テープを使用すれば、テープが切れることはありません。正しい用途で、結束テープを使用することが大切です。

結束テープの種類

結束テープの種類として、野菜結束テープや、コード等を束ねるテープなどが挙げられます。

1. 野菜結束テープ

野菜結束テープは、野菜などをまとめて販売する時に使用されることが多いです。さまざまなデザインのテープがあり、果物や野菜の販売の時など多くの場面で使用できます。

製品自体は粘着剤が強いものの、糊残りがないように設計されているものもあります。食品衛生法に適合しているテープもあるため、選ぶときに1つの基準として考えると良いです。

2. 家電用コード・ケーブル結束テープ

家電用コード・ケーブル結束テープには、難燃性があることが多いです。理由として、家電や電子部品では、熱を持って、発火をする場合があることが挙げられます。難燃規格を満たしているテープであれば、燃え広がる可能性を少しでも低くすることができます。

また、多くのコードやケーブルが広がっていることも多いため、色で識別ができるように、さまざまな色が揃えられています。

3. 電線用結束テープ

電線用結束テープは、電気を通さない特性の結束テープが必要です。電気を通さないようにすることで、安全にコードやケーブルを配置できます。

また、家電用コード・ケーブル結束テープと同様に、多くのコードやケーブルがあるため、さまざまな色が揃えられています。

結束テープの選び方

結束テープは使用用途に応じて、選ぶことが大切です。

1. 野菜・果実用

野菜・果実用の結束テープとして販売されており、食品衛生法に適合していたり、糊残りがしづらかったりする製品が多いです。また、各種野菜や果実に合わせて、さまざまな幅やデザインが異なります。

2. 家電製品用

家電製品用の結束テープとして、難燃性を備えた結束テープがあります。難燃性は、火災の際に、燃え広がることを防止することができるため、家電製品だけではなく、工場や、電子部品において使用されることが多いです。

3. 電線用

電線用の結束テープとして、電気絶縁性が備えられた製品もあります。電線などをまとめる際は、電気絶縁性がないと、発火する可能性もあるため、専用の結束テープを使用することが大切です。

4. 建材用

例えば、アルミサッシなどの重量のある製品は、しっかり結束して輸送する必要があります。直接建材に貼り付けることができる上、貼ったあとの、糊残りがしにくい製品が好まれます。

結束テープの使い方

結束テープの使い方として、隙間なく、結束することが重要です。隙間があると、結束している製品が抜けてしまったり、落ちてしまったりすることがあるためです。

また、野菜や果実用の結束テープ用の結束機器を併用すると、安定して効率的に結束を行うことができます。

育苗ポット

育苗ポットとは

育苗ポット

育苗ポットとは、野菜の種などをポット内に播き、一定の大きさになるまで育てるための容器のことです。

材質はポリエチレン製が一般的で、別名ポリポットとも呼ばれます。育苗ポットは、あくまでも作物などの発芽・苗の成長を促進するための容器です。

種まき後に成長した苗は、畑や花壇などに植えて育てます。

育苗ポットの使用用途

育苗ポットは、主にトマト・ピーマン・ナスなどといった野菜類や花の育苗、水稲などの育苗に使われます。また、最初から育苗ポットで育苗するケースだけでなく、細かく仕切りがある育苗トレーを活用し、ある程度の大きさに成長した後に育苗ポットへと移植するケースもあります。

育苗ポットの特徴

長所

  • 苗の管理作業が軽減される
  • 苗を害虫や風雨から守れる
  • 安定した収穫が見込める
  • 育苗中に空いた畑を管理しやすい

広い畑に直接種播きするよりも育苗ポットで管理したほうが、水やりや雑草防除作業、間引きなどの労力を軽減できます。また、幼い苗が雨風にさらされて傷む心配もなく、ナメクジやアブラムシなどの病害虫被害からも守れます。

さらに、発芽のタイミングも揃いやすく生育スピードも均一なので、安定した収穫が期待できるのも長所です。さらに、苗を植える予定の畑の準備を同時進行で進められます。

短所

  • コストがかかる
  • 適切に移植する必要がある

育苗ポット自体は安価な製品が多いものの、育苗ポット用の培土を用意する必要があるため、若干のコストがかかります。また、苗が一定の大きさに成長したら、1つずつ畑などに移植する必要があり、適切なタイミングを見定めることが重要です。

育苗ポットの種類

育苗ポットには、さまざまな形状・素材・サイズがあり、色も黒や白、緑など、多様な製品が販売されています。

1. ポリポット

植木鉢状の育苗ポットで、ポリポットやビニールポットなどと呼ばれています。ポリポットタイプは、単独で野菜苗や花苗を育てるのに向いています。

黒色や白色のものが多いなか、赤色や黄色などカラフルなポリポットもあります。一般的にポリエチレン製素材のため、洗浄して保存すれば使い回しが可能です。

また、ポリポットタイプは、直径のサイズによって小型・中型・大型が用意されています。小型は直径6~8cm、中型は直径9~12 cm、大型は直径13.5~18 cmです。

2. トレータイプ

複数個のポットが連結しているトレー状の育苗ポットです。トレータイプは大量に育苗したい場合に向いており、野菜・花などの育苗に用いられます。

穴の数は16~49個の製品が多く、培土入れや育苗管理などの効率性が高まります。また、トレータイプには機械で植えられる製品もあり、大量の苗を短時間で植え付けることが可能です。

3. エコポット

数ヶ月で土に還るパルプ素材で作られており、種播き・育苗後は育苗ポットごとそのまま植えることができます。環境に優しく、植え付け時に苗の根を傷めにくいのが特徴です。

4. 苗木用大型ポット

果樹や植木、観葉植物などを育てるのに使われる大きな育苗ポットもあります。頑丈なポリプロピレン製のものが多く、直径は60cm前後の製品が販売されています。

育苗ポットの選び方

育苗ポットは、対象作物の生育や性質に応じたものを選ぶのが基本です。例えば、湿気に弱い作物や花であれば、スリットが多めに入ったタイプを選日ます。

また、ポリポットタイプの育苗ポットは、カラフルな色の製品を手軽に入手できるので、苗を区別したいときに便利です。

育苗ポットのその他情報

育苗ポットの代用

農業では難しいものの、家庭菜園においては「紙コップ」や「牛乳パック」「卵パック」などを育苗ポットの代用として使う場合もあります。その他、新聞紙を折りたたんで育苗ポット代わりに使うことも可能です。

紙コップなど代用ポットの底部にあらかじめ小さな穴を開けておき、土を入れてから種まき、水やりをします。柔らかい素材の代用品は移動時に破ける可能性があるため注意が必要です。

種まきした苗が一定の大きさに成長したら、プランターや花壇などに植え替えます。