土壌pH測定器

土壌pH測定器とは

土壌pH測定器

土壌pH測定器とは、土壌のpH値を測定するための計器です。

土壌酸度計とも呼ばれます。土壌pHとは、土が酸性かアルカリ性かを示す指標で、作物の種類によって適切なpH値が異なります。かつては、作物を長期にかけて作り続け、失敗を繰り返しながら、培われてきた勘を頼りに土壌改良を行ってきました。

近年ではこのような機器の発展により、土壌の状態を数値化し、土壌改良の一部を担うことが可能です。

土壌pH測定器の使用用途

土壌pH測定器は、土壌診断に使用されています。土壌のpHを測定し、そこから作物に適した土壌に改良するのが目的です。作物によって、生育に適した土壌のpH (好適土壌pH) は異なります。野菜では、ほとんどの種類がやや酸性(pH5.5~6.5)の土壌を好みます。

さらに、土壌pH測定器の種類によりますが、液体のpH測定が可能な製品もあり、肥料のpH確認にも転用することが可能です。

土壌pH測定器の特徴

長所

ホームセンターなどで簡単に入手可能で、農業従事者のみならず、家庭菜園やガーデニングのような、趣味でしている方でも手軽に測定できます。土壌を掘り返す必要もないため、作物を傷つける心配もありません。

短所

測定する場所が広くなるほど、計測箇所を増やす必要があります。また、簡単に計測できるものだと、正しい測定値が出ない場合が多いです。土壌サンプルを持ち帰って測定してもらえる機関に依頼すると正確な値が出るため、より適切な土壌改良の判断材料になります。

土壌pH測定器の種類

土壌pH測定器の中には、pHのみを測定するものから、照度、土壌水分量、土壌温度などを測定できるものもあります。

1. 表示方法による分類

表示はデジタルか、アナログで示すものが主になります。基本的にデジタル式は1分~数分で計測可能ですが、アナログ式の中には20分~30分近くかかるものもあります。

また、デジタルの場合は、使用しているうちに誤差が出てくるため、定期的に補正が必要です。それに対して、アナログは誤差がほとんどなく、比較的正確に計測が可能です。

2. メーターの向きによる分類

メーターの向きですが、上向きになっているタイプ、正面についているタイプなどさまざまです。上向きであれば、地面に挿しても上から確認でき便利な反面、メーター面が小さくなり細かい精度が低下します。正面のタイプは、メーター部を大きくできる反面、確認がしにくくなります。

土壌pH測定器の選び方

家庭菜園やガーデニングなど、家庭で楽しむといった場合はホームセンターなどで売っている簡単に計測できるもので問題ありません。収穫したものを市場に流通する場合は、収穫物にも差が出たり、施肥設計によって年間の作付計画に大きな影響が出たりするため、精度の高いものを選ぶことが重要です。

種類でも紹介したように、それぞれ特徴が異なるため自分に合った必要な機能を確認し、購入することをおすすめします。

土壌pH測定器の使い方

土壌pH測定器は種類にもよりますが、基本的に土壌にセンサー部を挿入し土壌のpHを測定します。計測する場所の土が乾燥している場合は、安定した値が計測できないので、水をよく含ませておきます。さらに、土と測定器が密着するよう、土を適度な硬さに踏み固めます。硬さは、泥団子が作れるような硬さが目安です。

測定部 (金属部分) を10cmくらいの深さで、土へできるだけ垂直に差し込みます。傾いていると指示計が傾いて正しい計測ができない可能性があります。土と計測器に隙間があると正しく計測できないので、再び踏み固めて隙間を埋めます。電源式の機種はスイッチを押して計測開始します。

同じ田畑でも、肥料分や土の乾燥具合など、場所によって条件が異なります。計測場所を何カ所かに分けて、平均値を求めることが大切です。アルカリ性である石灰などで施肥した土壌は、馴染むまで1~2週間ほどかかります。馴染んだ頃に酸度を計測します。使用後は測定部に付いた泥などの汚れを落とし、乾燥した場所での保管が必要です。

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