ジェットポンプ

ジェットポンプとは

ジェットポンプとは、ノズルから噴出する水や蒸気によって得られた負圧を、目的物の吸い込みに利用する方式のポンプです。

原理としては、アスピレーターやエゼクターと同様の機構を有しています。別名、噴流ポンプとも呼ばれ、特に蒸気の噴出によって揚水する方式のものをインゼクターと呼びます。

動作流体と同伴流体が混合して排出される機構のため、用途に一定の制限がありますが、一般的な渦巻きポンプなどと比較して流量は少ないものの高い圧力を得られることが特徴です。

ジェットポンプの使用用途

ジェットポンプの使用用途として、沸騰水型原子炉の再循環系や火力発電所のボイラ給水処理装置、水力発電所の非常用排水ポンプなどが挙げられます。また、最も一般的に用いられている用途は、井戸用ポンプへの使用です。。これはジェットポンプが比較的小型でありながら、高い圧力を得ることができるため、井戸に必要な揚程が得られやすいという特徴を活かしています。

井戸用ポンプとして用いる場合、通常は制御部を井戸外に設置し、ジェット部分を井戸内に設置することで井戸水を押し上げるような方式を取ります。井戸用ポンプとしては汎用性の高いポンプになりますが、水中ポンプと比較するとやや作動音が大きく、消費電力も多いのがデメリットです。

ジェットポンプの特徴

長所

ジェットポンプの長所は、渦巻ポンプと比較すると小さく吸水力が強いため、家庭用としても使用しやすいことです。井戸用ポンプとして多く用いられています。通常のポンプでは8メートル以上の深さから水を吸い上げることは難しいですが、ジェットポンプは最大20mまで吸い上げることができるため、使用用途が多岐に渡ります。

短所

ジェットポンプの短所は、ジェットを使用することから作動音がかなり大きく、使用する場所や時間帯に注意が必要なことです。また、作動時にエネルギーを多く使用するため、電気代が高くなりがちな点も短所として挙げられます。また、災害時の使用が難しいという点にも注意が必要です。

ジェットポンプの種類

ジェットポンプはさまざまな製品があり、製品によって吸い上げ可能な高さが異なります。浅深両用、深井戸用ポンプと組み合わせて使用し、12m、24m、30m、35mなど対応可能な高さの種類が細かく設定されています。

インジェクターは蒸気によって対象の液体を吸水し、吐出圧力が同伴流体の圧力より高くなるため、同伴流体を輸送する際に用いられます。

また、エジェクターは同伴流体だけでなく動作流体もガス、液体を問わず使用可能で、吐出圧力は2つの流体の圧力の間をとっており同伴流体を排出する際に用いられます。

ジェットポンプの選び方

1. 吸い上げ可能な高さ

ジェットポンプを選ぶ際に最も重要なのは、吸い上げ可能な高さです。製品によって高さが細かく設定されているため、使用する水面の高さに合わせた製品を選ぶ必要があります。

2. 作動音の大きさ

また、デメリットとして大きい作動音についても検討する必要があります。以前に比べ、ジェットポンプの作動音は小さいものが多くなって来ましたが、製品によって作動音の大きさもかなり変わります。静かな場所で使用する場合や、音を最小限に抑えたい場合は作動音に配慮したモデルを選択すると、より安心して使用できます。

3. 出力の大きさ

出力の大きさもさまざまで、最小のものは150W程度ですが出力の大きなものは1,500Wモデルもあり、水量によって使い分けることが大切です。家庭用としては、250W~400Wのものが多く使用されています。

ジェットポンプの使い方

ジェット単体での使用せず、浅深兼用又は深井戸用のポンプと組み合わせて接続することで使用できます。水面の深さが8m~20mの場所に使用することが多いですが、より汎用性に優れたものはより深い場所で使用することも可能です。

耐用年数はさまざまですが、ポンプ本体は10年~15年を目安にすると、効果的に使用し続けられます。ジェット部の様子を定期的に確認し、必要があればアキュームレータやスイッチなどを交換すると良いです。

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