フェノールフォーム

フェノールフォームとは

フェノールフォーム (英: phenolic foam) とは、フェノール樹脂を微細発泡させ高断熱気体を密閉して得られた発泡プラスチック断熱材です。

薄くても断熱性能が十分あり住宅の断熱材として近年多く使われています。発泡ガスには温暖化係数が小さい炭化水素ガスを使用しており、環境に優しい断熱材の一つです。高い断熱性能に加えて吸音性・耐炎性・耐熱性・低発煙性・極低温特性・耐薬品性に優れており、プラスチックの欠点である脆さも改良されています。断熱性を向上させると工事費が上がりますが、完成後のランニングコストを考えるとトータルコストを削減できます。

フェノールフォームの使用用途

フェノールフォームを住宅の断熱材に使って高断熱にすると、壁面や床からの輻射が減少して快適な住空間が得られます。建物内の温度差が小さくなり、冷暖房費が大きく低下します。

薄いにも関わらず断熱性能が非常に高いため、建物の壁や屋根、床の外側を断熱材でくるむ外張り断熱に適した断熱材です。地球温暖化緩和の対策として日本政府は新築住宅の「ゼロエネルギーハウス」の実現を目指しており、高断熱の建材が必要とされています。ゼロエネルギーハウスとは家庭で使う年間エネルギー消費量を0以下にする住宅のことです。

住宅以外の用途は半導体や自動車のパーツ、生け花の剣山、および調理器具の取手、食器などです。

フェノールフォームの原理

フェノール樹脂を変性させ発泡硬化させるとフェノールフォームが得られます。フェノール樹脂は触媒存在下でフェノールとホルムアルデヒドから合成される熱硬化性プラスチックです。フェノール樹脂はノボラックとレゾールの2種類に大別されます。

1. ノボラック

一般的なノボラックは固形状です。酸性触媒を用いて反応を行いますが、酸性触媒のみでは反応しないため硬化剤を加えて加熱します。反応が進むと3次元架橋構造を形成して硬化します。

2. レゾール

一般的なレゾールは液状です。アルカリ触媒を使って反応を行います。加熱すると反応が進みやすくなり硬化します。

フェノールフォームのその他情報

フェノールフォームには以下のような利点と欠点があります。

1. フェノールフォームのメリット

断熱性が高い
熱伝導率が非常に低く、断熱性能が高いです。熱伝導率とは静止した物質中を熱が伝わる速度を表す物理量を指します。フェノールフォームの熱伝導率は0.020W/m・Kです。高性能なグラスウール断熱材の熱伝導率は0.038W/m・Kであり、フェノールフォームよりも高いです。

耐熱性が高い
一般的なプラスチックは熱に弱いですが、フェノールフォームは熱にも強いです。普通のプラスチックのように熱で溶けないため、耐熱性が必要な場所にも幅広く利用されます。

耐水性が高い
主な原料は耐水性が高いプラスチックであり、水分や湿気に強いです。繊維系断熱材の欠点である吸水性を心配する必要もありません。

施工性に優れる
簡便な作業のみで建物の気密性を向上できる断熱工法です。建物の外側を切れ目なくフェノールフォームで包み込み、すきま風を防ぎます。

2. フェノールフォームのデメリット

コストが高い
フェノールフォームは高性能ですが、最大の欠点は高価なことです。住環境が快適になりますが、コストも無視できません。

劣化しやすい
一般的なプラスチックと同じように紫外線や風雨に弱いです。長期間の風雨による劣化は避けられませんが、上から外壁材でカバーできるため、あまり心配する必要はありません。

耐衝撃性が低い
プラスチックは物理的衝撃に弱いため、フェノールフォームも耐衝撃性が低いです。厚みが35mm程度しかなく、強い衝撃によって破壊されます。

シロアリに弱い
発泡プラスチック系の断熱材はシロアリに食べられる可能性があり、シロアリ対策を施す必要があります。

フィルムミラー

フィルムミラーとは

フィルムミラーとは、アルミを蒸着加工した鏡面のポリエステルフィルムをアルミフレームに張力をかけて貼り付けたパネル状の鏡であり、ガラスを使わないので軽量で割れないという特徴があります。高精度に張り付け、鏡の平面性を実現して歪が小さい鏡になっています。

軽くて割れない特性を生かして、スポーツスタジオやフィットネスクラブなどで大きなミラーとして使われています。軽いので移動が必要な場合や大サイズのミラーとして防犯用にも役立っています。

フィルムミラーの使用用途

ミラーに使われる材料は、ガラス、アルミニウム、フィルム、アクリルなどがあり、それぞれの特徴を生かして選定されます。フィルムミラーは、最も軽量で割れない材料です。ただし、現在は、価格面が不利で、メンテナンス面において少し難があります。

ダンスやヨガ、フィットネス、ゴルフ、剣道など、スポーツの練習には姿見が必須で、簡単に移動ができるフィルムミラーが適しています。練習場所が変わる場合には特に便利です。また、料理教室では手元を確認できる天井のミラーにも使われています。店内の監視用として大きなミラーを使えば、防犯に効果があります。ガラスの鏡の1/6ぐらいの軽さであり、災害時に万が一落下しても割れないので安全性において有利なミラーです。

ビーズ法ポリスチレンフォーム

ビーズ法ポリスチレンフォームとは

ビーズ法ポリスチレンフォーム

ビーズ法ポリスチレンフォームとは、発泡プラスチック断熱材の一種で、一般的には発泡スチロールと呼ばれています。略称はEPSで、フォームスチレンということもあります。

製造法は、ドイツで開発され、ポリスチレン樹脂と炭化水素の発泡剤を原料とするビーズを金型内に入れ、加熱して発泡させることで製造されます。金型の形を変えることにより、色々な形状の発泡製品を製造することができます。

発泡倍率は、30~80倍に達し、断熱効果が優れている特徴を有しています。

ビーズ法ポリスチレンフォームの使用用途

ビーズ法ポリスチレンフォームは、高倍率の発泡樹脂製品で断熱性能が特に優れている特性を生かして、住宅の断熱材として多用されています。近年地球温暖化対策の1つとして、建築物の冷暖房に要するエネルギーを減らすのに貢献できる建築材料といえます。

ポリスチレンフォームは、建材用途のほか、冷蔵冷凍食料の輸送箱やスーパーマーケットなどで使われているトレイ類にも多用され、さらに衝撃の緩和材として商品の輸送用にも使われています。寒冷地では道路舗装の断熱材として使用されています。

断熱材は発泡プラスチックのほか、グラスウールロックウールや木質繊維などがあります。発泡プラスチックにも原料の樹脂が色々あり、それぞれの特徴を生かしたものを選定することが必要です。また、製法もビーズ法のほか、押出法があり、ポリスチレン樹脂と炭化水素の発泡剤を押出成形して板状の製品を作る方法もあります。

ビニール壁紙

ビニール壁紙とは

ビニール壁紙

ビニール壁紙とは、表面にポリ塩化ビニールを使用した壁紙です。

ビニール壁紙は、ポリ塩化ビニールをシート状にして、貼り付け面に紙や不織布などの基材が裏打ちされており、壁と接着しやすいように加工されています。表面にはエンボス加工やプリントを施したものが一般的です。ポリ塩化ビニールは、耐水性や耐久性に優れており、汚れに強いため、日常のメンテナンスが容易です。

また、デザインのバリエーションが豊富で、色や柄、質感などさまざまなタイプのものが製造されています。現在、日本の住宅やオフィス、商業施設などで最も広く使用されている壁紙の一つです。

ビニール壁紙の使用用途

ビニール壁紙は、その特性を活かして以下のような場所で使用されます。

1. 住宅の内装

リビング、寝室、子供部屋、廊下、天井などで使用されます。汚れに強いタイプはキッチンやトイレ、洗面所などの水回りにも使用可能です。

2. 商業施設・オフィス

ショッピングモールや飲食店の壁面装飾に用いられています。企業のオフィスや会議室、受付スペース。ホテルや宿泊施設の客室、ロビー、廊下などでも使用されます。

3. 病院・介護施設

抗菌・防汚・消臭機能を備えた壁紙が多く採用されています。メンテナンスが容易で衛生環境を維持しやすいためです。

4. 教育施設

学校や幼稚園の教室、廊下、図書館などで使用されています。子供が落書きしやすい場所には、汚れが落ちやすい壁紙が使われます。

5. その他の公共施設

駅構内、劇場、美術館、博物館などで用いられています。多くの人が利用するため、耐久性や防火性の高いタイプが採用されます。

ビニール壁紙の性質

ビニール壁紙は、以下のような性質を持っています。

1. 耐水性・耐汚性

ポリ塩化ビニールが使用されているため、水や汚れを弾きやすい特性があります。水拭きや中性洗剤での清掃が可能です。

2. 耐久性

破れにくく、摩耗や衝撃に強いです。長期間の使用でも色褪せしにくい特徴があります。

3. 施工のしやすさ

糊を使った施工が可能で、比較的簡単に貼り替えられます。既存の壁紙の上から施工できるリフォーム用の製品もあり、専用の両面テープも販売されています。

4. デザインの多様性

プリント技術の向上により、さまざまな色や柄、質感の壁紙を製造することができます。木目調、レンガ調、石目調、織物調などのリアルなテクスチャーを有する商品もあります。

5. 機能性の向上

防カビ、抗菌、消臭、調湿機能などを備えた製品があります。省エネ効果のある断熱タイプや、吸音効果のある製品も開発されています。

6. 低コスト

比較的安価であり、施工費用を抑えられます。例えば、賃貸住宅のハウスクリーニング時にも、安価で施工できます。

ビニール壁紙の種類

1. 一般的なビニール壁紙

施工が容易で、低価格、色や模様のバリエーションが豊富です。

2. 機能性ビニール壁紙

防カビ、防水、撥水、汚れに強いタイプ、また防臭加工が施されたビニール壁紙もあります。

3. デザイン性の高い壁紙

キャラクタープリントされたものは子供部屋に最適です。木目調やレンガ調など、リアルなテクスチャーを再現した商品も人気があります。

4. 特殊機能を持つ壁紙

  • マグネットクロス : 磁石がつく壁紙で、オフィスや子供部屋に適しています。
  • ホワイトボード機能付き : 水性ペンで書いて消せるため、会議室などに最適です。
  • 蓄光塗料 : 暗くなると光る塗料が施され、星空のような演出が可能です。

ビニール壁紙の選び方

ビニール壁紙は以下の点に考慮して選びます。

1. 健康に配慮した製品

ビニール壁紙のうちでも、「シックハウス症候群」の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質を抑えた製品が推奨されます。また、「F☆☆☆☆(フォースター)」マークがついた製品は、安全性の高い建材として認定されています。

2. 施工場所に応じた機能性

水回りには撥水性のある壁紙、キッチン周りには防汚性能の高い壁紙、また子供部屋には落書きを消せるタイプや、マグネットが使える壁紙といったように、使用場所に合わせた機能を持つものを選びます。

3. 施工後のイメージを考慮

実際に貼るとイメージが異なることがあるため、大きめのサンプルを見て商品を選ぶことが重要です。明るい色は部屋を広く見せ、暗い色は落ち着いた雰囲気を演出します。

ビニールクロス

ビニールクロスとは

ビニールクロスとは、表面に塩化ビニル樹脂 (PVC) を使用した壁紙です。

耐久性や防水性に優れ、価格も比較的安いため、住宅や商業施設で広く使用されています。主に紙や不織布を基材とし、その上にビニール層を加工することで、汚れに強くメンテナンスが容易です。

種類は量産クロスと高級クロスに分かれ、さまざまなデザインや性能があります。また、防カビ・消臭・抗菌などの機能を持つタイプもあります。

ビニールクロスの使用用途

1. 住宅

ビニールクロスは、住宅のさまざまな空間で使用され、快適な住環境作りに役立ちます。リビングや寝室では、落ち着いた色合いや質感のクロスが採用されます。

キッチンや洗面所などの水回りでは、掃除のしやすさと衛生面から、防水・防汚機能を持つクロスが最適です。子供部屋では、落書きや汚れがついても簡単に拭き取れるタイプが好まれます。

2. 商業施設

商業施設では、ビニールクロスの耐久性とデザイン性が重視されます。飲食店では防汚・抗菌機能付きクロス、美容室ではエンボス加工クロスが人気です。

オフィスでは、シンプルで落ち着いた色合いのクロスが採用され、吸音効果が求められることもあります。ホテルでは高級感と清潔感を兼ね備えた色合いのクロスが選ばれ、消臭機能付きクロスも使用されています。

3. 医療・福祉施設

医療・福祉施設では、清潔さと安全性が求められるため、機能性クロスが使用されます。病院では、院内感染防止のため抗菌・防カビ機能付きクロスが主流です。

介護施設では、臭い対策として消臭クロスが選ばれ、転倒時の安全性を考慮したクッション性のあるクロスも採用されます。また、車椅子が接触しやすい場所には、耐久性の高いクロスを使用することで、長期間の使用にも耐えられる仕様です。

ビニールクロスの性質

1. 耐久性と耐摩耗性

ビニールクロス大きな特徴は、塩化ビニル樹脂の特性により、摩擦や引っかき傷に強く、変色しにくい耐久性です。特に、人の出入りが多い場所でも劣化しにくく、住宅だけでなく商業施設や公共施設でも広く採用されています。

また、耐水性が高いため、湿気の多い環境でも安定した性能を発揮します。家具の移動や掃除の際の摩耗にも強く、長期間美観を維持できるのが特徴です。

2. 防水性と防汚性

ビニールクロスは水を弾く性質があり、キッチンやトイレ、洗面所などの水回りの利用に適切です。防汚機能を持つクロスは、油汚れやタバコのヤニが付きにくく、飲食店や喫煙スペースでも活躍します。

また、防カビ加工が施されたタイプもあり、湿気の多い環境でも清潔さを維持できます。汚れが付着しても水拭きや中性洗剤で簡単に落とせるため、日常的なメンテナンスが容易です。

3. メンテナンス性の高さ

ビニールクロスはホコリが付きにくく、水拭きや洗剤での清掃が可能なため、手入れが簡単です。汚れや劣化が気になる場合でも、部分補修が可能な製品も多く経済的です。オフィスやホテルなど、長期間美観を維持したい場所では、清掃の手間を減らせるため、コスト面でもメリットがあります。

4. デザインの多様性

ビニールクロスはデザインの選択肢が豊富で、木目調・石目調・布目調など、リアルな質感を再現したものもあります。エンボス加工を施したクロスは立体感があり、陰影を活かしたインテリアデザインが可能です。

また、マット仕上げや光沢仕上げなどのバリエーションもあり、高級感を演出したいホテルやレストラン、落ち着いた空間を作りたい住宅やオフィスなど、用途に応じた選択ができます。

5. 施工性の良さ

ビニールクロスは伸縮しにくく、比較的施工しやすいのが特徴です。厚みがあるため、シワが入りにくく、下地の凹凸をカバーしやすいメリットがあります。

DIY向けの製品も多く、初心者でも扱いやすいですが、下地処理や専用の接着剤の使用が必要です。また、部分的な補修が可能なタイプもあり、壁の一部が汚れたり傷ついたりしても、全面張り替えの手間を減らせるため、メンテナンスコストの削減につながります。

ビニールクロスの種類

ビニールクロスは大きく分けて2種類あります。

1. 500番クロス (量産クロス)

量産クロスは、大量生産されるためコストが低く、一般住宅や賃貸物件で最も多く使用されるビニールクロスです。シンプルなデザインが中心で、施工のしやすさも特徴の一つです。

ただし、厚みが比較的薄いため、耐久性や防汚性は高級クロスに比べて劣ります。そのため、汚れやすい場所では定期的な張り替えが必要です。コストパフォーマンスを重視する場面や、短期間の使用が想定される場所に適しています。

2. 1000番クロス (高級クロス)

1000番クロスは、量産クロスよりも高級感のある仕上がりが特徴で、デザイン性や機能性に優れています。厚みがあり、耐久性や防汚性に優れた製品が多く、ホテルや高級住宅、オフィスなどで使用されます。

エンボス加工や布目調など、質感にもこだわったタイプがあり、内観の大きな変更が可能です。価格は量産クロスよりも高めですが、美観を長く維持できます。

ビニールクロスの選び方

1. 使用場所

ビニールクロスは、使用場所に応じて最適な種類を選ぶことが重要です。たとえば、リビングや寝室では、デザイン性が高く、落ち着いた雰囲気を作る1000番クロスが理想的です。キッチンやトイレなど水回りには、防水性・防汚性を備えたクロスが適しています。

さらに、子供部屋では、耐久性と汚れの落としやすさが求められるため、フリーワイパー機能付きのクロスが最適です。また、商業施設やオフィスでは、抗菌や消臭機能を持つクロスが求められます。

2. 機能性

ビニールクロスを選ぶ際には、求める機能性を確認することが大切です。たとえば、防汚クロスは汚れが付きにくく、油分や水分に強いため、キッチンや飲食店、病院などの施設で活躍します。

抗菌・防カビ機能を持つクロスは、湿気の多い場所や細菌の繁殖が懸念される場所に適しており、トイレや浴室、病院の内装で重要な役割を果たします。消臭クロスは、タバコやペットの臭いが気になる空間で有効で、ホテルやオフィス、リビングにも最適です。

3. デザインと質感

ビニールクロスは、空間の印象を大きく変える要素となります。シンプルで落ち着いた雰囲気を求める場合は、無地や優しい色合いのクロスを選びます。高級感を演出したい場合は、エンボス加工や布目調のクロスを使用することで、立体感が加わり、空間に深みを与えます。

また、木目調や石目調などのリアルな質感を持つデザインクロスは、アクセントウォールや特定のエリアに使うことで、空間に個性を出すことができます。選ぶデザインによって、空間の雰囲気が大きく変わるため、インテリアのテーマに合わせたクロスを選ぶことが重要です。

ビニールクロスのその他情報

1. ビニールクロスの注意点

光沢があるため好みが分かれることがあり、熱や湿気に弱い製品も存在します。湿気の多い環境では、縮みや剥がれが発生することがあるため、使用場所を考慮しなければなりません。

また、一度破れると部分修復が難しく、張り替えが必要になることもあります。施工時の接着剤にはホルムアルデヒドを含むものがあり、シックハウス症候群の原因となる場合があるため、低ホルムアルデヒド製品を選ぶことが必要です。

2. ビニールクロスの使い方

ビニールクロスを施工する前に、まず壁面のクリーニングを行い、ほこりや汚れを除去して接着剤の付きやすい状態にしなければなりません。次に、壁に凹凸や穴がある場合は、パテを使って下地処理を行い、表面を平滑に整えます。

クロスを必要なサイズにカットしたら、壁面に接着剤を均等に塗布し、余分な接着剤の拭き取りが必要です。貼り付けた後は目打ちを使って空気を抜き、クロスを均一にならします。角や窓枠などの細かい部分は、カッターで丁寧にカットし、仕上がりを美しく整えます。

最後に全体をならして施工完了です。余分な接着剤を拭き取り、一定時間を置いてから家具を配置することで、美しく仕上げることができます。

パネルミラー

パネルミラーとは

パネルミラーとは、ガラスの代わりにアクリルやポリカーボネートなどの樹脂素材を使用した軽量で割れにくい鏡です。

フィルムミラーという軽い材質の板材に反射機能のあるフィルムを張り付けたもので、インテリアやダンススタジオ、フィットネスジム、店舗ディスプレイなどで活用されます。一般的なガラスミラーと比べて安全性が高く、地震対策や子供・高齢者がいる環境でも安心して使用できます。

加工が容易で、大型サイズや自由な形状にも対応できます。反射率や歪みの少ない高品質な製品もあり、用途に応じた選択が重要です。

パネルミラーの使用用途

パネルミラーは、軽量で割れにくい特性を活かし、さまざまな場面で使用されています。

1. 室内・トレーニング施設

パネルミラーは、自宅のインテリアとして広く使用されます。壁に設置することで、空間を広く見せたり、採光効果を高めることが可能です。特にウォークインクローゼットや玄関ミラーとして人気があり、割れにくいため高い安全性があります。

また、ダンススタジオやフィットネスジムでは、正しいフォームを確認するためにパネルミラーが不可欠です。ガラス鏡に比べて軽量なため、大型サイズの設置もしやすく、地震対策としても有効です。

2. 商業施設・医療・介護現場

アパレルショップの試着室、美容室のセット面、商品ディスプレイなど、商業施設ではパネルミラーが必要です。割れにくく軽量なため、設置やメンテナンスが容易で、長期間の使用にも耐えます。

医療・介護現場では、リハビリや姿勢矯正のために活用されることが多く、高齢者や患者が安心して使用できる環境を提供します。特に、車椅子利用者のために低い位置に設置するケースが多いです。

3. 工場・屋外・特殊用途

工場や作業現場では、安全確認用のミラーとして活用され、死角の多い場所での事故防止に役立ちます。クリーンルームでは、ガラス破片混入を防ぐ目的で使用されやすいです。

さらに、駐車場の防犯ミラーや車両の補助ミラーとしても採用され、軽量かつ耐久性のある特性が活かされています。また、アウトドア用ミラーとしても需要があり、キャンプや登山時の簡易ミラーとしても便利です。

パネルミラーの性質

パネルミラーは、ガラス鏡とは異なる素材特性を持ち、利便性と安全性を兼ね備えています。

1. 軽量性と耐衝撃性

パネルミラーの最大の特徴は、ガラス鏡に比べて非常に軽量なことです。たとえば、同じサイズのアクリルミラーはガラス鏡の約半分の重量しかありません。この軽さにより、壁掛け設置が容易で、持ち運びや施工時の負担も軽減されます。

また、ポリカーボネート製のパネルミラーは、アクリルよりもさらに高い耐衝撃性を持ち、衝撃を受けても割れにくい性質があります。そのため、地震対策が求められる場所や、子供・高齢者がいる環境でも安全に使用可能です。

2. 反射率と歪みの少なさ

高品質なパネルミラーは、ガラス鏡に匹敵する反射率を持ち、クリアな映像を映し出すことが可能です。ただし、一般的なアクリルミラーは薄いものほど歪みやすい傾向があります。

そのため、正確な映像が求められる用途では、厚みのあるミラーや裏面に補強を施した製品が選ばれます。特に、ダンススタジオやフィットネスジムでは、動作確認をするために歪みの少ない高品質なパネルミラーが必要です。

3. 加工性とメンテナンス性

パネルミラーは、ガラスに比べて加工が容易で、カットや穴あけ、曲げ加工が可能です。そのため、特殊な形状やサイズにも対応しやすく、インテリアや商業施設でカスタマイズした設計ができます。

また、表面には防汚加工や耐傷加工が施された製品もあり、メンテナンス性が向上しています。ただし、アクリルやポリカーボネートはガラスよりも表面が柔らかいため、傷がつきやすいというデメリットもあります。傷を防ぐために、専用のクリーナーや柔らかい布を使用することが推奨されます。

パネルミラーの種類

パネルミラーには使用目的や環境に応じてさまざまな種類があり、それぞれ特性が異なります。

1. アクリルミラー

アクリルミラーは軽量で割れにくく、安全性が高いため、家庭用インテリアや子供・高齢者向け施設で広く使われています。加工が容易でDIYにも適しており、クローゼットミラーや玄関ミラーとして人気があります。

ただし、表面が柔らかく傷がつきやすいため、専用のクリーナーや柔らかい布での手入れが必要です。比較的安価で手に入るため、手軽に取り入れやすいのが特徴ですが、薄いものは歪みが生じやすい点に注意しなくてはなりません。

2. ポリカーボネートミラー

ポリカーボネートミラーは、アクリルよりもさらに高い耐衝撃性を持ち、割れにくさに優れています。工場や体育館、スポーツ施設の安全対策用ミラーとして採用されることが多く、屋外の防犯ミラーや車両用ミラーにも適しています。

また、耐熱性が高く燃えにくい特性があるため、厳しい環境下でも使用可能です。ただし、ポリカーボネートは硬いため加工が難しく価格は高めですが、耐久性を重視する場合には適しています。

3. ステンレスミラー

ステンレスミラーは耐久性と耐候性に優れ、錆びにくいのが特徴です。ガラスやアクリルミラーに比べて反射率はやや低いものの、傷がつきにくく、長期間の使用に耐えられます。

工場や駐車場の防犯ミラー、食品工場や医療施設の衛生管理用ミラーとして使用されることが多いです。特に塩害の影響を受けやすい海沿いの施設に適しています。重量があるため取り扱いには注意が必要ですが、屋外や過酷な環境での使用に向いています。

4. ガラスコーティングミラー

ガラスコーティングミラーは、ガラス鏡の表面に飛散防止フィルムを施し、安全性を高めたタイプです。ガラスの持つ高い反射率と視認性を維持しながら、万が一割れても破片が飛び散らないため、学校や公共施設などの安全対策として導入されています。

また、大型の壁面ミラーとしても活用され、高級感のある仕上がりも特徴です。ガラスの重量や取り扱いの難しさはあるものの、クリアな映像と安全性を両立したい場合に最適なミラーです。

パネルミラーの選び方

パネルミラーを選ぶ際には、使用目的だけでなく、設置場所や耐久性、メンテナンス性なども考慮する必要があります。

1. 設置場所と環境に適しているか

パネルミラーは設置場所の環境に適した素材を選ぶことが重要です。室内ではデザイン性と視認性を重視し、アクリルやガラスコーティングミラーが適しています。

屋外では耐久性が求められるため、ポリカーボネートやステンレスミラーが推奨されます。湿気の多い浴室や温泉施設では、曇り止め加工のあるミラーや錆びに強いステンレス製が最適です。

2. 厚みとサイズのバランス

パネルミラーの厚みやサイズは、使用用途や設置方法に大きく影響します。3mm以下の薄型ミラーは軽量で取り扱いやすいものの、歪みが発生しやすいため装飾用途向けです。

5mm以上の厚型ミラーは視認性が高く、ダンススタジオやジムなどの用途に適しています。大型ミラーを選ぶ場合は、重量と安全性を考慮し、壁面補強や適切な固定方法を検討することが重要です。

3. 取り付け方法と安全対策

パネルミラーは設置方法によって安全性が大きく変わります。壁掛けタイプは両面テープやネジ固定を使用し、重量に応じた設置方法を選ばなければなりません。

自立式のスタンドミラーは移動が容易ですが、転倒防止策を講じる必要があります。ジムや店舗で採用される埋め込み型ミラーは安定性に優れますが、専門業者による施工が必須です。また、安全性を確保するため、飛散防止フィルムや耐震対策も実施します。

4. メンテナンス性と耐久性

パネルミラーを長く快適に使うためには、メンテナンスのしやすさも重要な要素です。頻繁に触れる場所では傷がつきにくい耐傷加工ミラーが適しています。

また、浴室やキッチンなどでは、防汚や曇り止め加工が施されたものを選ぶと手入れが楽になります。アクリルやポリカーボネートミラーは専用のクリーナーで拭く必要があり、ガラス用の研磨剤は使用しないよう注意しなければなりません。定期的にメンテナンスを行うことで、劣化を防ぎ長持ちさせられます。

ネットフェンス

ネットフェンスとは

ネットフェンス

ネットフェンス (英: Wire Net Fences) とは、敷地区画を仕切る建材の一種です。

ネットは金網状のもの、フェンスは柵のことで、鋼材の柱と枠、金網などで組み立てられた柵をネットフェンスと呼びます。ブロック塀とは異なり、風通しが良く適度な開放感があることが特徴です。フェンスがあることで外部からの区画を意識させ、威圧感がなく通行人にも安心感を与えます。

同じように網目状のフェンスではメッシュフェンスがありますが、JIS規格品ではなく、一般の住宅の柵や囲いに多く使用されています。

ネットフェンス_図1

ネットフェンスの使用用途

ネットフェンス_図2

図2. 使用例

1. 公園・学校など

公園や学校の敷地境界の柵として、ネットフェンスが使用されています。公園では、遊ぶ場所を区分けし安全性を確保するために使われています。学校のグラウンドでは、スポーツ活動中のボールやプレイヤーの飛び出しを防ぐために設置されています。高さは一般的に1m~3m程度です。柱材には、V字の両端につばの付いた形状のV型鋼が使用されています。

2. 球技場など

野球などの球技場では、バックネットにもネットフェンスが使用されています。高さは5m~10mです。柱材にはV型鋼や丸もしくは角鋼管が使用されています。

3. 空港・鉄道・道路など

空港など広大な敷地や鉄道線路、高速道路・有料道路のように長い距離を囲う場合にも、ネットフェンスは使用されています。軽量で強度が高く設置が容易であることから、広範囲の柵として適しています。

ネットフェンスの原理

ネットフェンス_図3

図3. 原理

ネットフェンスは主に、ネット、柱、上・下胴縁で構成されています。柱と上・下胴縁で格子状を形成し、格子の内側に金網などのネットを組み付けます。ネットが撓まずに張りを維持するために、中央部に張り線と呼ばれる鋼線を組み付けます。

柱は地中などの基礎部分に埋め込み、立ち上げます。また柱の上端面はキャップを取り付けて、端面の角部で怪我をしないように保護する場合もあります。

ネットフェンスの種類

ネットフェンス_図4

図4. 種類

ネットフェンスの種類は、鋼製部材のネット、柱、胴縁それぞれの形状などで分類されます。

1. ネット

ひし形金網ネットフェンス用
主にJIS G3552 ひし形金網で規定されたネットで、鋼線をひし形 (平行四辺形) の網状に編みこみ成形したネットです。また網目の接合点が固定されてないため、柔軟性があり衝撃の吸収性に優れています。ボールがぶつかったり人がもたれかかったりしても、損傷しにくい特徴があります。材質は、JIS G3532 鉄線 (Low carbon steel wires) SWM-Fなどが使用されています。

エキスパンドメタル ネットフェンス用
JIS A6518 ネットフェンス鋼製部材、被覆エキスパンドメタルをネットに使用しています。防錆処理を施しているため、沿岸地域や公共施設などで使用されています。エキスパンドメタルとは、金属板を特殊な機械によって千鳥状に切れ目を入れ押し広げ、ひし形あるいは亀甲形の網目状に加工した金網です。材質は、JIS G3101一般構造用圧延鋼材 (Rolled steels for general structure) SS400などが使用されています。

溶接金網ネットフェンス用
JIS A6518 ネットフェンス鋼製部材、被覆溶接金網をネットに使用しています。鋼線を格子状に並べ、縦線と横線の交差部を溶接接合しています。目崩れが少なく強度が高いことが特徴です。材料は、ひし形金網ネットフェンス用と同様です。

その他
避難場所に指定された公園などでは、夜間の注意喚起や非常時の誘導補助目的で、ネットに蓄光塗料が塗られたフェンスが使用される場合もあります。

2. 柱

柱材は主にV型鋼、丸や角鋼管が使用されています。フェンスの強度に応じて選定されます。主な材料は下記のとおりです。

  • JIS G3350 一般構造用軽量形鋼 (Light gauge steel sections for general structure)  SSC400など
  • JIS G3444 一般構造用炭素鋼鋼管 (Carbon steel tubes for general structure)  STK400など
  • JIS G3446 機械構造用ステンレス鋼鋼管 (Stainless steel tubes for machine and structural purposes)  SUS34TKAなど
  • JIS G3466 一般構造用角形鋼管 (Carbon steel square and rectangular tubes for general structure)  STKA400など

3. 胴縁

胴縁材は主にL型アングル、丸鋼管、矩形曲げ材が使用されています。主な材料は柱材と同様です。

ネットフェンスの特徴

1. 長所

耐久性に優れている
めっき加工 (メッキ加工) や塗装、塩化ビニル樹脂などで被覆し、防錆・防食性を向上させ、耐塩害や耐候性に優れています。

長いスパンにも対応できる
ひし形金網のネットフェンスはネットをロール状に巻けるため現場搬入が容易で、施工も広げて胴縁に張り付けため比較的簡便です。公園や学校、線路などのように広範囲で長距離の敷設に適しています。

2. 短所

目隠し効果が低い
外部からの視線を遮らないため、目隠し効果は低くなります。しかしこれは逆に長所でもあり、敷地内に不審者が侵入しても、視認しやすいというメリットもあります。

メンテナンスが必要
塗装や被覆が損傷すると錆や腐食が発生し損傷するため、定期的な点検と補修が必要です。

ネットフェンスのその他の情報

規格

ネットフェンスに関連した規格は下記のとおりです。

JIS A6518 ネットフェンス鋼製部材 (Components for wire net fences)

タイル

タイルとは

タイル

タイルとは、床や壁に貼る耐久性・耐水性・耐火性に優れた建材です。

主に陶器や磁器で作られ、住宅や商業施設、公共施設など幅広い場所で使用されます。吸水性が低く、水回りにも適しており、火災のリスクが少ない点も特徴です。デザイン性も高く、過去には外装材・内装材として多くの場所に使用されていました。

施工には専門技術が必要ですが、一度設置すればメンテナンスが簡単で、美しさを長期間保てます。さらに、汚れが付きにくく清掃も容易なため、衛生的な環境を維持しやすい点も利点です。

タイルの使用用途

タイルはその意匠性や施工のしやすさから、水気のある場所 (例えば風呂場や台所) に限らず幅広い用途で使用されます。

1. 建築・住宅

タイルは建築や住宅の内外装へ使用可能です。壁や床に利用することで、耐水性や耐摩耗性を高められます。例えばキッチンや浴室では、水や汚れに強いタイルが採用されるケースが多いです。外壁に使用されるタイルは、紫外線や雨風による劣化を防ぎ、建物の美観を長期間維持する役割を果たします。

2. 商業施設・オフィス

ホテルやレストラン、オフィスビルなどではエントランスにタイルを使用し、高級感のある空間を演出します。タイルは傷がつきにくく長期間にわたってを利用できるため、商業施設の床材としても最適です。頻繁に清掃が必要な店舗や施設でも、タイルは汚れが落ちやすく清掃コストの削減につながります。

3. 公共施設・インフラ

駅や空港、病院などの公共施設では、人の往来が激しい場所にタイルが使用されます。滑りにくい加工が施されたタイルは、転倒事故を防ぐために重要です。タイルは火に強い素材であるため、防火対策が求められる施設にも適します。

4. 屋外空間 (庭・ベランダ・駐車場)

庭やベランダ、駐車場などの屋外スペースにもタイルは必要です。屋外用タイルは耐候性が高く、雨や紫外線による劣化が少ないため、長く美しい状態を保てます。滑りにくい仕上げやデザイン性の高いタイル選びにより、安全性と景観の両立も可能です。

5. 工業施設・工場

工場や研究施設では、薬品や油を使用する作業エリアに耐薬品性のあるタイルが使用されます。重機が行き交う工場の床には、耐摩耗性の高いタイルが採用され、長期間の使用に耐えられるよう設計されています。

タイルの性質

1. 手入れが簡単

タイルの表面に釉薬が塗って仕上げてある製品であれば、油汚れにも強いため、ふき取るだけで簡単に掃除可能です。

2. 水に強い

タイルは性質上水に強いので、屋内であればお風呂・トイレなどの水回り、屋外であれば外壁の仕上げ材として使えます。外壁に使用する場合は、撥水材を吹き付けると水を弾けます。汚れも一緒に流してくれるため、美観の維持にも効果的です。

3. 燃えにくい

タイルは陶器や磁器の焼き物なので、燃えにくいです。火に強いため、火災のリスクを軽減する建材としても活用されます。高温にさらされても有害なガスを発生しないため、安全性が求められる場所にも適します。

4. コストが高い

タイルを施工する場合、高いコストが一番の短所です。他の外装材や内装材などに比べて材料費が高く、重量物にもなるので多く使用する際は、運送費もかさみます。施工前に予算をしっかりと計画し、コストバランスの考慮が重要です

5. 工期がかかる

タイルを施工する際は工期もかかります。貼り付ける箇所のサイズに合わせてカットする作業に手間がかかるうえ、床に施工する場合は養生期間が必要になるため、完了後すぐに使用できません。施工精度を保つために職人の技術も求められるため、仕上がりに影響を与える場合もあります。

タイルの種類

1. 磁器質タイル (Ⅰ類)

綿密な素地で固く、吸水性が3.0%と低いです。用途としては外装や水回りの壁、床などに適しています。長石や石英などを1,200〜1,350℃で焼いたタイルです。

2. せっ器質タイル (Ⅱ類)

磁器質タイルと同等の強度ですが、磁器質に比べると吸水性が10%以下になります。

3. 陶器質タイル (Ⅲ類) 

素地は多孔質で吸水性が50%以下と高いですが、強度は低いです。石灰や陶土などを1,000〜1,200℃で焼いたタイルです。

4. 内装タイル

建物の内部に貼るタイルのことで、トイレやキッチン、洗面所など水回りに使われることが多いです。25mm角から450mm角の大判サイズまであります。タイルが小さいとかわいらしい印象が演出でき、大判サイズになると高級感が出ます。

5. 外壁タイル

外壁タイルは建物の外部に使用されるため、耐候性が高く劣化しにくい磁器質タイルやせっ器質タイルが一般的です。釉薬をかけたタイプと、素焼きのような風合いを持つ無釉タイプがあり、デザインや用途に応じて選ばれます。メンテナンスがしやすく、外観の美しさを長期間維持できる点も魅力です。

6. 床タイル

床タイルには、屋内用・屋外用の両方が存在します。通行量の多い場所では、耐久性に優れた重歩行用タイプが適しており、屋外では雨や水に濡れても滑りにくい加工が施されたタイルの使用が一般的です。外装用には磁器質タイルやせっ器質タイルが適します。

7. モザイクタイル

モザイクタイルは、一辺の長さが10cm以下の小さなタイルで、装飾性に優れます。かつてはお風呂や台所でよく使用されていましたが、現在ではDIY用のモザイクタイルシートが人気です。色や柄の組み合わせが自由で、個性的な空間を演出できる点が魅力です。

セルロースファイバー

セルロースファイバーとは

セルロースファイバー

セルロースファイバーは、新聞紙や木材などの自然素材を主成分とする木質由来の素材です。

セルロースファイバーは木質繊維がもつ多孔性の構造から、断熱材としてのみならず吸音材としても活用されています。基本的に吹き付けによる施工が可能なため、グラスウールやロックウールなどに見られる隙間が生じにくく、断熱効果を効率的に発揮できます。一年中快適な住環境を実現したい方には、特におすすめの断熱材です。原料が天然素材であるため、環境への配慮や健康面でも安全性が高い点が特徴です。

セルロースファイバーの使用用途

植物由来の天然素材として注目されるセルロースファイバーは、さまざまな特性を活かして建築分野やその他産業で利用されています。

1. 断熱材

セルロースファイバーは外部との熱のやり取りを遮断できるため、住宅の断熱材として使用されています。断熱材として建物の壁や床、天井などにセルロースファイバーを充填することで、室内の温度・湿度を一定に調整可能です。季節や天候が変わっても、温度や湿度の変化が少ないため、快適な居住空間を作り出せます。

2. 吸音材

防音材として建物の内部の音の遮断効果を高めることができ、隣接する部屋や外部からの騒音を減少させることができます。セルロースファイバーは建物の外への音漏れを防ぐとともに、外部からの騒音を軽減する効果があります。

3. 防火材

燃え広がりにくい特性を有するセルロースファイバーは、防火材としても有用です。有害な煙やガス物質が発生しないため、火災時の被害を最小限に抑えられます。

4. 家電製品

建築資材としてだけでなく、家電製品にもセルロースファイバーは使用されています。セルロースファイバーは、金属よりも軽量であるにもかかわらず、高強度な材料です。そのため、家電製品の軽量化を目的として掃除機の筐体の一部に使用された実績があります。掃除機以外にも、多くの家電製品の軽量化に期待されている素材です。

セルロースファイバーの性質

建築用資材として、セルロースファイバーには特徴的な性能が数多く備わっています。一方で、活用時には注意すべき点も存在します。

1. 断熱性能

優れた断熱性能を持つことが、セルロースファイバーの魅力の1つです。細かな繊維構造が空気を多く含むことで熱伝導率が低下し、建物内部の温度を安定させられます。高い断熱性能により、夏は涼しく、冬は暖かい快適な空間を提供し、冷暖房の効率を高めることが可能です。

2. 調湿能力

原料である木材の性質を活かした調湿機能も、重要な特長です。セルロースファイバーを断熱材として使用することで、湿気が多い環境では水分を吸収し、乾燥した状況では適度に水分を放出します。カビや結露の発生を抑える効果が期待でき、建物や住まいの環境を保護します。

3. 耐火性能

セルロースファイバーは木材を原料とするため燃えやすい印象を持たれがちですが、ホウ酸の含有により燃えにくい素材としても知られています。セルロースファイバーは、火が広がりにくいことが特長です。高密度な素材構造によって酸素の供給が抑えられ、燃焼の進行を制御する仕組みが備わっています。有害ガスが発生しないため、火災発生時にも安全性を確保できます。

4. 防音効果

セルロースファイバーは音を吸収する性質を持ち、防音材としても活躍しています。カラオケルームや映画館など、音響性能が求められる場所に使用されることもあります。家庭内で音を遮断したい場合や、防音対策が必要な建物にも適しています。

5. 害虫への忌避効果

セルロースファイバーに含まれるホウ酸は、害虫への忌避効果も発揮し、ゴキブリやシロアリなどの害虫への対策としても効果的です。また、ホウ酸は自然由来の成分であるため、人体や環境への影響も少ない点が評価されています。

セルロースファイバーの選び方

セルロースファイバーは、用途に応じた適切な製品を選ぶことが重要です。断熱材や吹き付け材、パネルなど様々な種類があるため、建物の用途や構造に応じて必要な性能や厚み、密度を選定する必要があります。例えば、軽量で高い断熱性能を持つ製品は住宅に適しており、吸音性能を重視する場合は密度の高い製品がおすすめです。

また、セルロースファイバー製品は材料の品質によって性能が大きく左右されます。品質の良い製品は保温性能が高く、軽量で加工性も良好です。

作業者のスキルが断熱材の効果に直接影響するため、信頼できる業者への依頼が不可欠です。施工精度を高めることで、断熱材の性能を長期的に維持することができます。さらに、製品の価格についても考慮が必要です。性能や品質によって価格が大きく異なるため、必要な性能や用途に応じた適切な製品を選ぶことが大切です。

セルロースファイバーのその他情報

セルロースファイバーの使用上の注意点

施工費が比較的高い点や、沈下のリスクなどの課題が、セルロースファイバーにはあります。断熱材の施工には、専門業者の高い技術力が必要です。適切に充填されていない場合、振動や地震などの影響で断熱材が沈下する可能性があるため、経験豊富な施工業者に依頼することが重要です。また、施工時には粉じんが発生するため、保護具の着用や十分な換気などの対策が欠かせません。

セメント瓦

セメント瓦とは

セメント瓦

セメント瓦とは、セメントと川砂を混合して作られた屋根材の瓦 (かわら) のことです。

従来の屋根瓦には陶器で作られた和瓦が使われていました。需要が急増し、生産が追い付かなくなった時期に安価にできる瓦としてセメント瓦が作られました。現代ではセメント瓦に代わる軽量な屋根材が普及したことで、割れやすいセメント瓦を新たに使うことはほとんどありません。

その結果、セメント瓦を使っていた家屋では、リフォーム時に他の屋根材に交換するケースが多いです。

セメント瓦の使用用途

1970年代前後の高度成長期に急激な住宅需要増加があり、その際にセメント瓦が普及しました。現在では、もっと安価で高耐久性の屋根材もできており、新規での使用はほとんどないと言われています。

ただし、セメント瓦は、多種多様なデザインを高精度で製造できることや耐火性が高いため、今もまだ使われるケースも稀にあります。

セメント瓦は水を吸収し、衝撃に弱いのが特徴です。そのため、施工時には防水処理を施すことが重要であり、風雨の影響を受けた自然劣化や外的衝撃による破損状況などの定期的なメンテナンスが必要です。築40〜50年の家屋でもセメント瓦を活かしつつ維持する家主もいて、多少なりとも需要があるため、セメント瓦のデメリット補う処理方法も考案されています。

セメント瓦の原理

セメント瓦の主成分は、セメントと川砂です。原料に水を混ぜ、攪拌してモルタルを作り、それぞれの形状に応じてプレス機を用いて成型加工します。その後、水分を抜いて硬化させるため、十分に乾燥させて完成です。

セメント瓦は軽量で災害に強い特徴があり、屋根の施工も容易に行えます。さらにセメント瓦の製造工程には焼成工程がなく、和瓦よりも短期間での量産が可能であり、コストも抑えられるメリットがあります。

ただし、セメント瓦は、焼成瓦と比較すると水の浸透率が高いため、風雨にさらされる屋根に使用する際には専用塗料で塗装することが通例です。

セメント瓦の種類

1. プレスセメント瓦

プレスセメント瓦は川砂とセメントを水に混ぜて成形し、圧力をかけて固めます。圧力によって密度が上昇して屋根材としての強度が増します。厚形スレート瓦とも呼ばれ、反りなどの狂いがなく施工しやすいです。

主に日本では四国地方や九州地方で使われ、加圧成型後は高耐久の塗料によって着色されます。

2. コンクリート瓦

コンクリート瓦の主成分はモルタルで、プレスセメント瓦よりもセメントの配合量が少ない瓦です。コンクリート瓦の製造方法は、プレスセメント瓦と大まかには同じですが、高圧プレスは行わない方法で作られます。また、コンクリート瓦は平たい長方形の形状が多く、屋根に葺くと、シャープな見た目が特徴ですが、現在では需要がないので製造されていません。

3. モニエル瓦

モニエル瓦は乾式洋瓦とも呼ばれますが、現在では輸入代理店が廃業したので入手が困難です。モニエル瓦には凹凸があり、防水性を高めるため、コンクリートの基材上に着色スラリー (瓦の表面に塗装している着色顔料) を厚く塗布しています。モニエル瓦のスラリーが剥離した場合のメンテンナンスは、高圧洗浄機を使ってスラリー層を除去し、塗装のやり直しが必要です。

セメント瓦の選び方

セメント瓦のメリットは、燃えにくく耐火性に優れているため、火事の際には住宅が燃え広がる速度を緩めます。また、セメント瓦には和のテイストやヨーロッ風のデザインがあり、カラーや形状も豊富です。そのため、おしゃれな屋根に仕上げたい家屋に適しています。

セメント瓦のデメリットは、ヒビ割れしやすく衝撃に弱いことです。セメント瓦が割れると雨漏りの原因になり、早めの補修が求められます。台風の後には、セメント瓦が飛来物で破損していないか確認する必要があります。

セメント瓦の表面塗装は、瓦の耐久年数に関係なく、寿命を延ばすために定期的なメンテナンスが重要です。特にセメント瓦の塗膜の剥離や色褪せた状態では、劣化による雨漏りや屋根瓦の下にある木材 (野地板や軒桁、柱など) の腐食に繋がります。

セメント瓦のその他情報

屋根瓦の種類別の構造

屋根瓦には主に3種類の形状があり、和瓦 (わがわら) 、平板瓦 (へいばんがわら) 、スパニッシュ瓦です。それぞれ製造方法や構造が異なります。

1. 和瓦

一般的な和瓦は、粘土に水を加えて練り上げ、プレス機や専用裁断機を使って縦横30.5センチメートルの瓦の形状に仕上げます。その後、表面を磨き、乾燥させ、専用の窯で焼きあげて完成です。また、和瓦の形状は、J型とも呼ばれ、波を打ったようなカーブ形状が特徴です。

湾曲した部分に空気を含むので保温性に優れ、適度に湿気が蒸発するため換気の効果もあります。夏は湿度が高く、冬の寒さが厳しい日本の気候に適して瓦です。

2. 平板瓦

平板瓦はF型とも呼ばれており、フラットな形状の瓦です。洋風建築に使われる場合が多く、見た目がすっきりして屋根が広く見えます。平板瓦には凹凸がなく、平面であるため、自然エネルギーを活用するソーラーパネルの設置に適しています。

3. スパニッシュ瓦

スパニッシュ瓦 (スペイン瓦) は、古代ローマ人の手によって作られた瓦と言われており、和瓦よりも大きく波打った形状が特徴です。S型とも呼ばれ、南欧風の風合いが強く洋風家屋によく合います。和瓦と同じく、湾曲部分に空気を取り込むため、通気性や保温性が高いです。