プラスター

プラスターとは

プラスター

プラスターとは、左官材料の一つで、壁や天井を仕上げるのに使われるものです。硫酸カルシュウムが、主成分である鉱物の粉に水を加えて練ったものを左官鏝で、下地の上に塗り付けて壁面を仕上げるのに使用します。原料によって、石膏プラスター、ドロマイトプラスター、石灰プラスターなどの種類があります。

石膏プラスターは、焼石膏を主原料とするのが一般的ですが、無水石膏や硬質石膏を混合したプラスターも使われています。ドロマイトプラスターは、ドロマイトやドロマイト石灰石を焼成して得られる軽焼ドロマイトに水を加えて水和させたものです。可塑性に優れて塗りやすいが、仕上がり面は石膏プラスターに劣り、格安です。石灰プラスターは、消石灰にきざんだ麻糸などの繊維質のものにフノリ、ツノマタなどの糊を加えて水練りした左官材料です。別名、漆喰と呼ばれ、日本で古くから使われてるものです。

 

プラスターの使用用途

石膏や石灰は、昔から使われている建築材料の一つで、古くはエジプトのピラミッドやギリシャの建築物などに使われ、そのころからプラスターとしての使い方が行われていました。プラスターは、左官材料として壁や天井の上塗り仕上げに使用するのが一般的です。室内の装飾にも使われ、金鏝で仕上げるか、鋳型を使用して成型したものを使います。

プラスターの建築以外の用途として、医療用があります。骨折部分を固定するギブスや、歯科で歯型を取る場合に使用されています。

プラスターは、防火性や遮音性に優れており、プラスターボードにして、住宅の内装材に広く使われています。プラスターボードは、石膏プラスターを板状に成形し、両面に特殊な紙などで仕上げたボードで、施工性が良く、耐火性・断熱性や遮音性が優れている特徴があります。

フェノールフォーム

フェノールフォームとは

フェノールフォームとは、発泡プラスチック断熱材の一つで、フェノール樹脂を微細な気泡に発泡させ、高断熱気体を密閉することにより優れた断熱性を持たせる材料です。薄くても断熱性能が十分あり、住宅の断熱材として、近年多く使われるようになっています。発泡ガスは、温暖化係数が小さい炭化水素ガスを使用しており、環境に優しい断熱材です。

高い断熱性能を有するほか、耐熱性、吸音性や耐炎性、低発煙性、および極低温特性、耐薬品性に優れており、脆いという欠点も改良されて建材として多く使われるようになっています。断熱性を向上させることにより工事費が上がりますが、完成後のランニングコストを考えると、トータルコストは抑えることができます。

フェノールフォームの使用用途

フェノールフォームを住宅の断熱材として使って高断熱にすると、冷暖房費が大きく低下するとともに、建物内の温度差が小さくなり、壁面や床からの輻射が減少して快適な住空間が得られます。

フェノールフォームは、断熱性能が特に高く厚さを薄くできるため、建物の壁や屋根、床の外側を断熱材でくるむ外張り断熱に適した断熱材です。地球温暖化緩和の対策として、日本政府は、住宅では2030年までに新築住宅の平均で「ゼロエネルギーハウス」の実現を目指すとしており、高断熱の建材がますます必要とされています。

住宅以外の用途としては、半導体や自動車のパーツ、生け花の剣山、および調理器具の取手、食器などがあります。

フィルムミラー

フィルムミラーとは

フィルムミラーとは、アルミを蒸着加工した鏡面のポリエステルフィルムをアルミフレームに張力をかけて貼り付けたパネル状の鏡であり、ガラスを使わないので軽量で割れないという特徴があります。高精度に張り付け、鏡の平面性を実現して歪が小さい鏡になっています。

軽くて割れない特性を生かして、スポーツスタジオやフィットネスクラブなどで大きなミラーとして使われています。軽いので移動が必要な場合や大サイズのミラーとして防犯用にも役立っています。

フィルムミラーの使用用途

ミラーに使われる材料は、ガラス、アルミニウム、フィルム、アクリルなどがあり、それぞれの特徴を生かして選定されます。フィルムミラーは、最も軽量で割れない材料です。ただし、現在は、価格面が不利で、メンテナンス面において少し難があります。

ダンスやヨガ、フィットネス、ゴルフ、剣道など、スポーツの練習には姿見が必須で、簡単に移動ができるフィルムミラーが適しています。練習場所が変わる場合には特に便利です。また、料理教室では手元を確認できる天井のミラーにも使われています。店内の監視用として大きなミラーを使えば、防犯に効果があります。ガラスの鏡の1/6ぐらいの軽さであり、災害時に万が一落下しても割れないので安全性において有利なミラーです。

ビーズ法ポリスチレンフォーム

ビーズ法ポリスチレンフォームとは

ビーズ法ポリスチレンフォーム

ビーズ法ポリスチレンフォームとは、発泡プラスチック断熱材の一種で、一般的には発泡スチロールと呼ばれています。略称はEPSで、フォームスチレンということもあります。

製造法は、ドイツで開発され、ポリスチレン樹脂と炭化水素の発泡剤を原料とするビーズを金型内に入れ、加熱して発泡させることで製造されます。金型の形を変えることにより、色々な形状の発泡製品を製造することができます。

発泡倍率は、30~80倍に達し、断熱効果が優れている特徴を有しています。

ビーズ法ポリスチレンフォームの使用用途

ビーズ法ポリスチレンフォームは、高倍率の発泡樹脂製品で断熱性能が特に優れている特性を生かして、住宅の断熱材として多用されています。近年地球温暖化対策の1つとして、建築物の冷暖房に要するエネルギーを減らすのに貢献できる建築材料といえます。

ポリスチレンフォームは、建材用途のほか、冷蔵冷凍食料の輸送箱やスーパーマーケットなどで使われているトレイ類にも多用され、さらに衝撃の緩和材として商品の輸送用にも使われています。寒冷地では道路舗装の断熱材として使用されています。

断熱材は発泡プラスチックのほか、グラスウールロックウールや木質繊維などがあります。発泡プラスチックにも原料の樹脂が色々あり、それぞれの特徴を生かしたものを選定することが必要です。また、製法もビーズ法のほか、押出法があり、ポリスチレン樹脂と炭化水素の発泡剤を押出成形して板状の製品を作る方法もあります。

ビニール壁紙

ビニール壁紙とは

ビニール壁紙

ビニール壁紙とは、主原料をポリ塩化ビニールを使用した壁紙です。

ポリ塩化ビニールをシート状にして、貼り付け面には紙が裏打ちしてあり、壁と接着しやすいように加工された壁紙を指します。 ビニール壁紙は、内装材には欠かせない手入れが容易なこともあり、重宝されている建材と言えます。

ビニール壁紙の使用用途

ビニール壁紙は、壁紙と言われるように住宅の内装に使われることが圧倒的に多い建材です。貼り付け面が土壁のようなザラザラであったり、金属部分など水を吸い込まない素材でなければ施工が可能なので、天井や壁などあらゆる箇所に使用されています。

ビニール壁紙の特徴

長所

1. 種類が豊富である
デザインや材質が豊富なので、住宅やオフィスなど場所を選ばず使用することができます。様々な色や表面のパターンがあり、防カビ・撥水・汚れに強いなどの種類も用意されています。

2. 低コスト
ビニール壁紙自体が低価格なので、安く仕上がります。また、ビニール壁紙は工期自体も短く済むため、その分施工金額も抑えられます。

3. お手入れが簡単
ビニール壁紙は表面がビニール素材なので、少々の汚れであれば水拭きしても構いません。水拭きで落ちないような汚れは、ホームセンターで売っているビニール壁紙専用の消しゴムやスポンジを使えば、落とすことができます。

ただし、油性・水性ペンなど、インクが染み込むタイプは消せないため、注意が必要です。

4. 耐久性がある
施工に問題がなければ、10年程は耐久性があります。壁紙の面はタンスや冷蔵庫など動かすのに苦労する重量物があることが多いので、耐久性があれば頻繁に貼りかえる必要もなく、コストパフォーマンスも高いです。

短所

1. 種類が少ない
低価格であることがビニール壁紙の長所ですが、低価格帯の壁紙はデザインの種類が比較的少ないです。そのため、理想の壁紙がない可能性もあります。

2. イメージと違う
カタログの小さいサンプルを見たときと、実際に貼った後ではイメージが全然違うということが稀にあります。完成をイメージするのは難しいので、心配な方は専門業者にアドバイスをもらいながら決めるのがおすすめです。

3. 変色する
耐久性は高いですが、生活環境による汚れや紫外線などで変色するリスクがあります。そのため、変色したときが貼り替えのサインと考えた方が良いです。

4. 補修がしにくい
物がひっかかって破れたり、壁に穴が開いたりした際に、ビニール壁紙は部分補修が難しいです。デザインパターンが合わなかったり、新品の時より若干の色褪せをしていたりするので、補修した部分が浮いてしまいます。

ビニール壁紙の種類

ビニール壁紙は、色や模様のバリエーションが豊富なうえ、ほかの内装材と比較しても施工費が安く抑えられ、さらに最近では、防カビ、防水、撥水、汚れに強い、防臭など各種機能をもたせた製品も出回っており、まさに内装材にはうってつけの壁紙と言われています。 キャラクターがプリントされた製品もあるので、子供部屋の天井や壁のワンポイントとして貼りかえることも可能です。

また、マグネットクロスという磁石がくっついたり、ホワイトボードのように水性ペンで文字や絵が書ける製品もあります。ただし、一般的な壁紙とは異なり、厚みや重量があるため、施工する場所は限られてしまいます。

そのほか、蓄光塗料がプリントされた壁紙もあります。暗くなると蓄光塗料が光る壁紙です。星形や惑星を模したデザインが多く、天井に貼ると星空のように光ります。

ビニール壁紙の選び方

「シックハウス症候群」と呼ばれる、内装材に使われるホルムアルデヒドなどの化学物質によってアレルギー反応を起こすことが話題になっていました。しかし、現在市場に出回っている内装材のほとんどに「F☆☆☆☆ (フォースター) 」がついています。これは、建築基準法やJIS、JASに基づいて安全が確認された製品にのみ、記載ができる安全証明です。

最近の接着剤は製品の質が向上したこともあり、においもほぼしません。フォースターが記載されていれば、シックハウス症候群に絶対ならない訳ではありませんが、過剰に心配することもなくなるはずです。

ビニールクロス

ビニールクロスとは

ビニールクロス

ビニールクロスとは、ビニール素材を使用して作られた壁紙のことです。

ビニール素材は強度が高く、水や汚れに強いため、床材やカーペットなどにも使われることがあります。ビニールクロスは、その性質を生かして、水回りやキッチン、トイレなど湿気の多い場所にも有用です。

ビニールクロスの使用用途

ビニールクロスは、耐水性や耐久性に優れているため、キッチンやバスルームなどの水回りや、洗面所やトイレ、玄関などの汚れがつきやすい場所に使用されることが多いです。また、ビニール素材は、湿気に強いため、海や山など湿度の高い場所でも使用することができます。

ビニールクロスの特徴

ビニールクロスの最大の特徴は、水や汚れに強いことです。汚れた場合でも、布巾やスポンジで簡単に拭き取ることができます。また、耐久性が高いため、長期間使用することができます。

さらに、柄や色のバリエーションが豊富で、選択肢が非常に多いです。施工が簡単で、手軽にDIYができることも魅力として挙げられます。

長所

1. 掃除が簡単で衛生的
ビニールクロスは汚れや水に強く、ほとんどの場合、水拭きで掃除できます。そのため、清潔に保ちやすく、衛生的な部屋づくりができます。

2. 耐久性が高い
ビニールクロスは傷や破れに強く、耐久性が高いため、長期間使用することができます。また、汚れや摩耗にも強く、壁紙よりも長持ちします。

3. 柄や色のバリエーションが多い
ビニールクロスには、豊富な柄や色があります。自分の好みや部屋のイメージに合わせて選べるので、部屋作りを楽しめます。

4. 施工が簡単でDIYに向いている
壁に張り付けるだけで施工ができるビニールクロスは、簡単にDIYできるため、手軽なリフォーム方法として人気です。また、プロに頼まずに自分で施工できるので、費用も抑えられます。

5. 防炎性が高い素材もある
ビニールクロスには、素材によっては防炎性が高く、火災防止に役立つものがあります。特に、施設などの公共性の高い場所では、安全性を重視する傾向があるため、防炎性の高いビニールクロスが選ばれる場合が多いです。

短所

1. 光沢がある
ビニールクロスの多くは光沢があり、好みが分かれる場合もあります。例えば、光沢のあるビニールクロスは美しい輝きを放てますが、同時に過剰な光沢は安っぽく見えることもあります。

2. 熱や湿気に弱い
ビニールクロスには熱や湿気に弱い素材があるため、場所や条件によっては不向きな場合があります。高湿度の環境では、ビニールクロスが湿気を吸収し、縮んでしまうことがあります。そのため、湿気の多い場所では、ビニールクロスを使用しない方が無難です。

3. 修復が難しい
ビニールクロスを施工後に一部分が破れてしまうと、修復が難しいことがあります。このため、施工時には慎重さが求められます。施工に際しては、専門家のアドバイスを仰いで、破損を予防するための適切な方法を確認することが大切です。

4. シックハウス症候群やアレルギー症状を引き起こす可能性がある
ビニールクロスの施工に欠かせない接着剤ですが、一部の接着剤にはホルムアルデヒドが含まれています。ホルムアルデヒドは揮発性の有害物質であり、長時間にわたる曝露によってシックハウス症候群やアレルギー症状を引き起こす可能性があります。特に小さなお子様やペットがいるご家庭では、接着剤の成分にも注意が必要です。環境に配慮した低ホルムアルデヒドの接着剤を使用することが推奨されています。

ビニールクロスの種類

ビニールクロスは、さまざまな柄や色があり、インテリアの雰囲気を変えることができます。一般的なものからオリジナルデザインのものまで、選択肢は非常に多いです。

特に花柄やストライプ柄、チェック柄などの柄物が人気です。部屋の雰囲気に合わせて、選ぶことができます。

ビニールクロスの使い方

1. 壁面のクリーニング

ビニールクロスを貼る前に、壁面をクリーニングすることが大切です。壁面に付着しているほこりや汚れを取り除き、クリーンな状態にします。壁面が汚れていると、接着剤がうまく付着しないことがあります。

2. 下地処理

壁面に凹凸や穴がある場合は、下地処理をする必要があります。下地処理をすることで、ビニールクロスが均一に貼り付けられ、剥がれ落ちなくなります。下地処理には、パテを使うことが一般的です。

3. カット・貼り付け

ビニールクロスは、必要なサイズにカットしてから貼り付けます。ビニールクロスを貼る前に、接着剤を壁面に塗布することが大切です。接着剤を塗る際には、均等に塗布し、余分な接着剤を拭き取ることも忘れずに行います。

4. ならし

貼り付けたビニールクロスを目打ちでならし、空気を抜くことが大切です。目打ちでならすことで、ビニールクロスが均一に貼り付けられ、気泡を抜くことができます。

5. 細かい部分のカット

ビニールクロスを貼る際には、壁面に細かい部分がある場合があります。例えば、角部分や窓枠などです。細かい部分には、カッターなどを使ってカットしていきます。細かい部分もきれいにカットすることで、ビニールクロスが均一に貼り付けられます。

6. 全体のならし

全体に目打ちで均一になるようにならし、施工完了です。目打ちで均一にならした後は、余分な接着剤が付いている場合は拭き取っておきます。なお、少し時間を置いてから、家具を置くなどの作業を行うことが大切です。

ビニールクロスのその他情報

ビニールクロスの機能性

ビニールクロスが持つ主な機能として、下記の6つが挙げられます。

1. 防汚機能
抗菌性フィルムを使用して汚れがつきにくく、落としやすくなります。フッ素樹脂フィルムを使用したものは、洗剤を使わずに汚れを落とすことができます。

2. 耐久性
クロスの表面に耐久性のあるフィルムを貼ることで、引っかきキズなどに対する耐久性を得られます。

3. 吸放湿効果
湿気の多い環境での結露やカビの発生を抑えるため、壁紙に吸放湿効果を付与することができます。

4. 消臭効果
悪臭成分を取り除く効果を持たせられるため、トイレやキッチンなどの場所に適しています。

5. 耐水性
特殊樹脂をコーティングすると、水をはじくことができます。そのため、洗面脱衣所やトイレなどの湿気が気になる場所に適しています。

6. 防火 – 不燃性
付与することができます。不燃、準不燃、難燃の3つの段階があります。

パネルミラー

パネルミラーとは

パネルミラー

パネルミラーとは、壁などに立てかけられるミラーのことです。

通常のミラーは、壁や洗面所のようなところに取付けて使用します。事情によって取付けできない場合や移動して使いたいという場合には、ガラスミラーの姿見が使用されていました。しかし、ガラスミラーは倒れて割れる可能性があり、使用も限られていました。

そのような中で、フィルムミラーという軽い材質の板材に反射機能のあるフィルムを張り付けたものが登場し、パネルミラーが一気に身近なものとなりました。取り付けが簡単で軽量なため、何枚も連ねて壁に並べることが可能です。

パネルミラーの使用用途

パネルミラーは軽く大きなものが製作可能なため、姿見としてスポーツジムやフィットネスクラブなどの運動施設で多く使用されます。割れても飛び散らないので、子供の多く集まるような場所にも安心して使用可能です。

また、使用場所が限定されることもありません。賃貸住宅やイベント会場などで、一時的に使用するという使い方もできます。

パネルミラーの特徴

長所

1. 簡単に設置できる
パネルミラーは、壁に立てかけるなどして使用できるため、誰でも簡単に設置することができます。また、壁を傷つけずに設置可能で、賃貸住宅で使用することができます。

2. 並べて使用できる
パネルミラーを複数並べることにより、広範囲を映すことが可能になります。スポーツジムやダンス、武道の練習などに使用に適しています。

3. 持ち運びに便利
壁に固定されていないため、使用したい場所へいつでも簡単に運搬できます。

短所

1. 転倒の危険性がある
パネルミラーは固定器具を使用しないため、不安定な場所や地震などにより転倒の恐れがあります。より安全に使用したい場合は、固定器具を使用することで、転倒を防止することができます。

2. 設置スペースが必用
パネルミラーを使用する場合、設置するためのスペースが必要になります。狭い部屋や家財道具が多い部屋では、設置スペースの確保が難しい場合があります。

パネルミラーの選び方

パネルミラーには、色々なタイプの商品が販売されています。それぞれの特徴を把握し、パネルミラーを選ぶ必要があります。

1. 設置方法

壁掛け式
壁に立てかけるだけで使用するタイプの鏡です。面倒な組立作業がないため、短期間で設置することができます。

キャスター式
パネルミラーにキャスターが付いているタイプの鏡です。軽く押すだけで移動することができます。

折りたたみ式
折りたたむことができるタイプの鏡です。使用目的に応じて簡単に設置場所を変えることができるため、収納にも便利です。

2. ミラーの材料

ガラスミラー
一般的に広く使用されているガラスでできたミラーです。フィットネスクラブなどの大きな面積での姿見でも歪みが少ないのが大きな特徴です。ただし、重量が重く割れやすいため、運搬や施工が難しく、使用の際は注意が必要です。

アルミミラー
不燃性の樹脂を、アルミニウムの板で挟んで作られたミラーです。ガラスミラーと比較すると映りが劣りますが、軽くて割れないメリットがあります。

フィルムミラー
フレームに、特殊加工された鏡面フィルムを貼り付けたミラーです。軽量で歪みが少なく綺麗に映るため、住宅やジムなどの姿見として便利です。

アクリルミラー
アクリル板に金属を真空蒸着加工させたミラーです。加工しやすく、軽くて丈夫です。衝撃に強く落としても割れないため店舗や幼稚園などで人気があります。ただし、アクリルは反りやすい性質があるため、大きな面積で使用すると歪みやすいデメリットがあります。

3. サイズ

パネルミラーは、使用する場所や使用目的により最適なサイズを選ぶことが大切です。顏だけが映るサイズから、全体が映るサイズまでたくさんの規格があります。

定番規格でなくとも、オーダーミラーを使用することで、自分好みのサイズにカスタマイズが可能です。

4. カラーバリエーション

パネルミラーは、フレームカラーが豊富に揃っているため、設置場所に応じてカラーを選択することができます。設置場所と調和するカラーを選ぶことで、さまざまな空間を演出をすることができます。

ネットフェンス

ネットフェンスとは

ネットフェンス

ネットフェンスとは、建材の1つで学校のグラウンドなどでよく見かける金網でできたフェンスのことです。

ネットフェンスは、メッキや塗装などで表面処理された鉄線を菱形にネット状に組み上げた構造から、見通しが良いという特徴があります。また、ぶつかったときの怪我やボールの飛び出しなどを防ぐことも可能です。

表面処理されているため耐食性も高く、設置場所を選ばないので、多くの場所で使われています。

ネットフェンスの使用用途

ネットフェンスは、公園のような公共の場や塩害にさらされる海岸に近い川沿いのフェンスに使われています。簡便な構造から飛行場のような広大な敷地を囲ったり、鉄道線路のように長い距離が続く場所に設置したりする場合も多いです。

その他、野球場のバックネットも使用用途の1つです。使われている柱には、よく見かけるV形鋼や丸パイプもの、金網の色合いが工夫されたもの、大型の門扉などがあり、使用場所に限定されません。

ネットフェンスの特徴

長所

1. 耐久性がある
ネットフェンスは、素材や構造の面でも耐久性があります。ネットフェンスを構成している金網には、メッキ加工や塗装が施してあり、塩害や紫外線などからの影響を受けにくいです。

ネット自体の構造も、ボールがぶつかったり人がもたれかかったりしても、金網を編み込んであるだけなので、衝撃を吸収できるようになっており、壊れることはありません。

2. 長いスパンにも対応できる
ネットフェンスは公園や学校、工場などにおいて敷地の内外を区画するためによく用いられますが、長い外周の敷地にも対応できます。フェンス自体はロール状で現場まで搬入され、張る際には広げていくだけなので、非常に施工しやすいです。

短所

1. 施工が素人では難しい
ネットフェンスは簡単に施工できるように見えますが、支柱を設置する際に、基礎工事が必要となります。そのため、素人では施工するのは難しいです。

また、ネットフェンスは敷地境界付近に設置する場合が多いので、支柱の基礎が敷地境界線をはみ出さないようにする技術も必要となります。

2. 死角ができる可能性がある
ネットフェンスは視認性のよさも売りですが、雑草の手入れを怠ると、次第にツタが絡んでくることもあります。その場合、ネットフェンス全体が覆われてしまうため、死角となる恐れがあります。

また、雑草が生い茂ってくると、フェンス自体が隠れてしまい、ネットフェンスにぶつかることもあります。

3. 修理に手間がかかる
ネットフェンスの修理には手間がかかります。フェンスの一部分だけが破れてしまうと、金網が編み込まれている単純な構造なので、風で煽られたりするだけでフェンスがほどける可能性があるため、できるだけ早い対応が大切です。

また、支柱が曲がった場合、支柱を切断して溶接でつなげたり、それでも直らないときは支柱の基礎工事からやり直したりする必要があります。ネットフェンスを張る作業は簡単にみえて、難しい作業です。

ネットフェンスの種類

1. 公園・学校向けのネットフェンス

公園や学校に使用されるネットフェンスは、支柱がV型鋼と呼ばれるものです。高さは1mから3m程が一般的と言えます。学校向けのネットフェンスには、フェンスの上部に有刺鉄線を設置し、侵入防止策が行えるようになっているタイプもあります。

2. グラウンド向けのネットフェンス

公園や学校にある野球場の防球バックネットにも、ネットフェンスが採用されています。高さは5mから10m程が一般的です。バックネットとして使用される場合、ネットフェンスの下にコンクリートブロックが数段必要になります。

3. その他のネットフェンス

海沿いで使用される場合、その対策として、樹脂で金網をコーティングした錆に強いタイプが最適です。海風で塩分が飛んでくるので、耐候性を高くする必要があります。

避難場所に指定された公園には、電気のない夜間でも衝突しないよう蓄光塗料が塗られたフェンスが使用される場合もあります。また、積雪が多い地域では、積雪荷重や風雪に耐えられるように、支柱を太くして頑丈になっている積雪地向けのものを使うのが望ましいです。

タイル

タイルとは

タイル

タイルとは、銭湯などでお馴染みの床や壁に貼られた陶磁器などからできた建材のことです。

タイルは、壁紙といったデザイン性のあるものが無かったころ、唯一の外装材・内装材として多くの場所に使用されていました。現在でもタイルは、素材自体に耐久性や耐熱性があり、変色・劣化がないなど多くの利点がある貴重な建材として、日本をはじめ世界各国で使われています。

タイルは、タイル職人という専門職名があるほどに、施工に技能が求められます。しかし、住宅の壁や床はじめ多くの場所を飾る素材として珍重されています。

タイルの使用用途

タイルは、その意匠性や施工のしやすさから水気のある場所 (例えば風呂場や台所) に限らず外壁や塀など至る所で使用されています。

今でこそ、壁紙といった安価でデザイン性のある代替品に置き換わっていく場所も多くなりましたが、その風情や耐久性、さらに環境にも優しい素材として、その人気は衰えていません。

タイルの特徴

長所

1. 手入れが簡単
タイルの表面に釉薬が塗って仕上げてある製品であれば、油汚れにも強いため、ふき取るだけで簡単にお掃除ができます。

2. 水に強い
タイルは性質上、水に強いので、屋内であればお風呂・トイレなど水回り、屋外であれば外壁の仕上げ材としても使えます。外壁に使用する場合は、撥水材を吹き付けると、水をかなり弾いてくれます。汚れも一緒に流してくれるため、美観の維持にも効果があります。

3. 燃えにくい
タイルは陶器や磁器の焼き物なので、燃えにくいという長所があります。しかし、油汚れなどがこべりついていれば、燃え移って火災の可能性があるので、掃除はしっかり行うことが大切です。

短所

1. コストが高い
タイルを施工する場合、高いコストが一番の短所です。他の外装材や内装材などに比べると、材料費が高く、重量物になるので多く使用する際は、運送費も多くかかります。

2. 工期がかかる
タイルを施工する際は、工期もかかります。貼り付ける箇所のサイズにカットするにも手間がかかりますし、床に施工する場合、施工後は養生期間が必要になるため、終った後にすぐ使用できません。

タイルの種類

1. 磁器質タイル (Ⅰ類)

綿密な素地で固く、吸水性が3.0%と低いです。用途としては外装や水回りの壁、床などに適しています。長石や石英などを1,200〜1,350℃で焼いたタイルです。

2. せっ器質タイル (Ⅱ類)

磁器質タイルと同等の強度ですが、磁器質に比べると吸水性が10%以下になります。

3. 陶器質タイル (Ⅲ類) 

素地は多孔質で吸水性が50%以下と高いですが、強度は低いです。石灰や陶土などを1,000〜1,200℃で焼いたタイルです。

4. 内装タイル

建物の内部に貼るタイルのことで、トイレやキッチン、洗面所など水回りに使われることが多いです。25mm角から450mm角の大判サイズまであります。タイルが小さいとかわいらしい印象が演出でき、大判サイズになると高級感が出ます。

5. 外壁タイル

外壁タイルは建物外部に貼るため、耐候性や変質・劣化の少ない、磁器質タイルやせっ器質タイルがよく用いられています。外壁タイルの場合、釉薬をかけたタイプ、釉薬を使用していない無釉タイプがあります。

6. 床タイル

床と言っても屋外と屋内の両方が存在します。床に使用する場合、通行量の多さに対応する重歩行用タイプや、雨や水がかかっても滑りにくい加工がしてあるタイルが適しています。外装用と同じく磁器質タイルやせっ器質タイルが適しています。

7. モザイクタイル

モザイクタイルは、一辺の長さが10㎝以下の小さなタイルです。昔の家のお風呂や台所で使われていたイメージですが、最近ではDIYでモザイクタイルが貼られたシートを使用して、キッチン周りなどをリフォームをする方もいます。

8. その他

その他、細い溝の模様があるスクラッチタイル、石を割ったような表面に凹凸のあるテッセラタイル、土を成型し乾燥させて焼いたテラコッタタイルなど、特殊な名称がついたタイルも存在します。

セルロースファイバー

セルロースファイバーとは

セルロースファイバー

セルロースファイバーとは、天然の木質繊維でできた優れた断熱材のことです。

断熱材の種類は様々ですが、セルロースファイバーは木質繊維がもつ多孔性という構造から、断熱材としてのみならず吸音材としても優れています。基本的に吹き付け施工で行う断熱材であるため、他の断熱材のような隙間ができず、より断熱効果を高めることができます。天然の木質繊維を原料としているため、環境にも優しいです。

セルロースファイバーの使用用途

セルロースファイバーは自然界で最も普及している高分子有機物であり、植物の細胞壁や木材などに含まれています。建築資材として多くの用途に使用されます。

1. 断熱材

断熱材として建物の壁、屋根、床などにセルロースファイバー断熱材を充填することで、室内温度を調整し、快適な居住空間を作り出すことができます。セルロースファイバーは非常に優れた保温性能を持ち、エネルギー効率を向上させることができます。

2. 吸音材

防音材として建物の内部の音の遮断効果を高めることができ、隣接する部屋や外部からの騒音を減少させることができます。また、耐震性にも優れているため、建物の耐久性を向上させることができます。

3. 防火剤

セルロースファイバーは天然素材で燃焼しにくく、燃え広がりを抑制することができるため、防火材としても使用されます。また、煙や有害なガスを発生しないため建物内での安全性を高めることができます。

セルロースファイバーの特徴

セルロースファイバーは、建築資材として多くの利点を持っていますが、同時にいくつかの短所も存在します。

長所

セルロースファイバーは自然素材であるため、環境への配慮や安全性に優れ、高い保温性能があることから注目を集めています。

最大の長所は高い保温性能にあります。セルロースファイバーは細かな繊維が集まってできているため、空気層を多く含み、断熱効果が高いとされています。そのため、建物の熱の逃げを抑えることができ、冬場の暖房費を抑えることができます。

また、環境への配慮に優れています。セルロースファイバーはリサイクル紙を原料としているため、再利用可能な素材であり、環境にやさしい断熱材として注目されています。また、製造過程において、石油製品を使用しないため、CO2の排出量も少なく、グリーンビルディングの取り組みにも適しています。

空気層を多く含むため防音効果もあります。音の反射を抑え、音の吸収効果が高いとされています。そのため、部屋の防音効果を高めることができます。 

短所

セルロースファイバーの取り扱いには注意が必要です。粉じんが発生するため、施工時には適切な保護装備や換気が必要です。また、作業中には、粉じんの吸入による健康被害のリスクもあります。

また、施工時の技術的な要件もあります。セルロースファイバー断熱材は吹き付けや充填など、施工方法によって性能や効果が大きく異なります。施工技術に熟練した専門業者に依頼する必要があります。 施工に手間と時間がかかり、ほかの断熱材よりコストが高くなります。

セルロースファイバーの選び方

セルロースファイバーは、その種類や特性によって様々な製品があります。

選び方のポイントは、使用目的に合わせた適切な製品を選ぶことです。断熱材や吹き付け材、パネルなど様々な種類があるため、建物の用途や構造に応じて必要な性能や厚み、密度を選定する必要があります。

また、セルロースファイバー製品は材料の品質によって性能が大きく左右されます。品質の良い製品は保温性能が高く、軽量で加工性も良好です。

さらに、施工方法や作業環境についても考慮が必要です。セルロースファイバーは吹き付けタイプの断熱材やインシュレーション材として使用されることがあるため、施工作業に適した製品を選ぶ必要があります。また、作業時には、粉じんが発生するため、適切な保護装備や換気が必要となります。

最後に、製品の価格についても考慮が必要です。性能や品質によって価格が大きく異なるため、必要な性能や用途に応じた適切な製品を選ぶことが大切です。