ネットフェンスとは
ネットフェンスとは、建材の1つで学校のグラウンドなどでよく見かける金網でできたフェンスのことです。
ネットフェンスは、メッキや塗装などで表面処理された鉄線を菱形にネット状に組み上げた構造から、見通しが良いという特徴があります。また、ぶつかったときの怪我やボールの飛び出しなどを防ぐことも可能です。
表面処理されているため耐食性も高く、設置場所を選ばないので、多くの場所で使われています。
ネットフェンスの使用用途
ネットフェンスは、公園のような公共の場や塩害にさらされる海岸に近い川沿いのフェンスに使われています。簡便な構造から飛行場のような広大な敷地を囲ったり、鉄道線路のように長い距離が続く場所に設置したりする場合も多いです。
その他、野球場のバックネットも使用用途の1つです。使われている柱には、よく見かけるV形鋼や丸パイプもの、金網の色合いが工夫されたもの、大型の門扉などがあり、使用場所に限定されません。
ネットフェンスの特徴
長所
1. 耐久性がある
ネットフェンスは、素材や構造の面でも耐久性があります。ネットフェンスを構成している金網には、メッキ加工や塗装が施してあり、塩害や紫外線などからの影響を受けにくいです。
ネット自体の構造も、ボールがぶつかったり人がもたれかかったりしても、金網を編み込んであるだけなので、衝撃を吸収できるようになっており、壊れることはありません。
2. 長いスパンにも対応できる
ネットフェンスは公園や学校、工場などにおいて敷地の内外を区画するためによく用いられますが、長い外周の敷地にも対応できます。フェンス自体はロール状で現場まで搬入され、張る際には広げていくだけなので、非常に施工しやすいです。
短所
1. 施工が素人では難しい
ネットフェンスは簡単に施工できるように見えますが、支柱を設置する際に、基礎工事が必要となります。そのため、素人では施工するのは難しいです。
また、ネットフェンスは敷地境界付近に設置する場合が多いので、支柱の基礎が敷地境界線をはみ出さないようにする技術も必要となります。
2. 死角ができる可能性がある
ネットフェンスは視認性のよさも売りですが、雑草の手入れを怠ると、次第にツタが絡んでくることもあります。その場合、ネットフェンス全体が覆われてしまうため、死角となる恐れがあります。
また、雑草が生い茂ってくると、フェンス自体が隠れてしまい、ネットフェンスにぶつかることもあります。
3. 修理に手間がかかる
ネットフェンスの修理には手間がかかります。フェンスの一部分だけが破れてしまうと、金網が編み込まれている単純な構造なので、風で煽られたりするだけでフェンスがほどける可能性があるため、できるだけ早い対応が大切です。
また、支柱が曲がった場合、支柱を切断して溶接でつなげたり、それでも直らないときは支柱の基礎工事からやり直したりする必要があります。ネットフェンスを張る作業は簡単にみえて、難しい作業です。
ネットフェンスの種類
1. 公園・学校向けのネットフェンス
公園や学校に使用されるネットフェンスは、支柱がV型鋼と呼ばれるものです。高さは1mから3m程が一般的と言えます。学校向けのネットフェンスには、フェンスの上部に有刺鉄線を設置し、侵入防止策が行えるようになっているタイプもあります。
2. グラウンド向けのネットフェンス
公園や学校にある野球場の防球バックネットにも、ネットフェンスが採用されています。高さは5mから10m程が一般的です。バックネットとして使用される場合、ネットフェンスの下にコンクリートブロックが数段必要になります。
3. その他のネットフェンス
海沿いで使用される場合、その対策として、樹脂で金網をコーティングした錆に強いタイプが最適です。海風で塩分が飛んでくるので、耐候性を高くする必要があります。
避難場所に指定された公園には、電気のない夜間でも衝突しないよう蓄光塗料が塗られたフェンスが使用される場合もあります。また、積雪が多い地域では、積雪荷重や風雪に耐えられるように、支柱を太くして頑丈になっている積雪地向けのものを使うのが望ましいです。