ネットフェンス

ネットフェンスとは

ネットフェンス

ネットフェンス (英: Wire Net Fences) とは、敷地区画を仕切る建材の一種です。

ネットは金網状のもの、フェンスは柵のことで、鋼材の柱と枠、金網などで組み立てられた柵をネットフェンスと呼びます。ブロック塀とは異なり、風通しが良く適度な開放感があることが特徴です。フェンスがあることで外部からの区画を意識させ、威圧感がなく通行人にも安心感を与えます。

同じように網目状のフェンスではメッシュフェンスがありますが、JIS規格品ではなく、一般の住宅の柵や囲いに多く使用されています。

ネットフェンス_図1

ネットフェンスの使用用途

ネットフェンス_図2

図2. 使用例

1. 公園・学校など

公園や学校の敷地境界の柵として、ネットフェンスが使用されています。公園では、遊ぶ場所を区分けし安全性を確保するために使われています。学校のグラウンドでは、スポーツ活動中のボールやプレイヤーの飛び出しを防ぐために設置されています。高さは一般的に1m~3m程度です。柱材には、V字の両端につばの付いた形状のV型鋼が使用されています。

2. 球技場など

野球などの球技場では、バックネットにもネットフェンスが使用されています。高さは5m~10mです。柱材にはV型鋼や丸もしくは角鋼管が使用されています。

3. 空港・鉄道・道路など

空港など広大な敷地や鉄道線路、高速道路・有料道路のように長い距離を囲う場合にも、ネットフェンスは使用されています。軽量で強度が高く設置が容易であることから、広範囲の柵として適しています。

ネットフェンスの原理

ネットフェンス_図3

図3. 原理

ネットフェンスは主に、ネット、柱、上・下胴縁で構成されています。柱と上・下胴縁で格子状を形成し、格子の内側に金網などのネットを組み付けます。ネットが撓まずに張りを維持するために、中央部に張り線と呼ばれる鋼線を組み付けます。

柱は地中などの基礎部分に埋め込み、立ち上げます。また柱の上端面はキャップを取り付けて、端面の角部で怪我をしないように保護する場合もあります。

ネットフェンスの種類

ネットフェンス_図4

図4. 種類

ネットフェンスの種類は、鋼製部材のネット、柱、胴縁それぞれの形状などで分類されます。

1. ネット

ひし形金網ネットフェンス用
主にJIS G3552 ひし形金網で規定されたネットで、鋼線をひし形 (平行四辺形) の網状に編みこみ成形したネットです。また網目の接合点が固定されてないため、柔軟性があり衝撃の吸収性に優れています。ボールがぶつかったり人がもたれかかったりしても、損傷しにくい特徴があります。材質は、JIS G3532 鉄線 (Low carbon steel wires) SWM-Fなどが使用されています。

エキスパンドメタル ネットフェンス用
JIS A6518 ネットフェンス鋼製部材、被覆エキスパンドメタルをネットに使用しています。防錆処理を施しているため、沿岸地域や公共施設などで使用されています。エキスパンドメタルとは、金属板を特殊な機械によって千鳥状に切れ目を入れ押し広げ、ひし形あるいは亀甲形の網目状に加工した金網です。材質は、JIS G3101一般構造用圧延鋼材 (Rolled steels for general structure) SS400などが使用されています。

溶接金網ネットフェンス用
JIS A6518 ネットフェンス鋼製部材、被覆溶接金網をネットに使用しています。鋼線を格子状に並べ、縦線と横線の交差部を溶接接合しています。目崩れが少なく強度が高いことが特徴です。材料は、ひし形金網ネットフェンス用と同様です。

その他
避難場所に指定された公園などでは、夜間の注意喚起や非常時の誘導補助目的で、ネットに蓄光塗料が塗られたフェンスが使用される場合もあります。

2. 柱

柱材は主にV型鋼、丸や角鋼管が使用されています。フェンスの強度に応じて選定されます。主な材料は下記のとおりです。

  • JIS G3350 一般構造用軽量形鋼 (Light gauge steel sections for general structure)  SSC400など
  • JIS G3444 一般構造用炭素鋼鋼管 (Carbon steel tubes for general structure)  STK400など
  • JIS G3446 機械構造用ステンレス鋼鋼管 (Stainless steel tubes for machine and structural purposes)  SUS34TKAなど
  • JIS G3466 一般構造用角形鋼管 (Carbon steel square and rectangular tubes for general structure)  STKA400など

3. 胴縁

胴縁材は主にL型アングル、丸鋼管、矩形曲げ材が使用されています。主な材料は柱材と同様です。

ネットフェンスの特徴

1. 長所

耐久性に優れている
めっき加工 (メッキ加工) や塗装、塩化ビニル樹脂などで被覆し、防錆・防食性を向上させ、耐塩害や耐候性に優れています。

長いスパンにも対応できる
ひし形金網のネットフェンスはネットをロール状に巻けるため現場搬入が容易で、施工も広げて胴縁に張り付けため比較的簡便です。公園や学校、線路などのように広範囲で長距離の敷設に適しています。

2. 短所

目隠し効果が低い
外部からの視線を遮らないため、目隠し効果は低くなります。しかしこれは逆に長所でもあり、敷地内に不審者が侵入しても、視認しやすいというメリットもあります。

メンテナンスが必要
塗装や被覆が損傷すると錆や腐食が発生し損傷するため、定期的な点検と補修が必要です。

ネットフェンスのその他の情報

規格

ネットフェンスに関連した規格は下記のとおりです。

JIS A6518 ネットフェンス鋼製部材 (Components for wire net fences)

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