タイル

タイルとは

タイル

タイルとは、銭湯などでお馴染みの床や壁に貼られた陶磁器などからできた建材のことです。

タイルは、壁紙といったデザイン性のあるものが無かったころ、唯一の外装材・内装材として多くの場所に使用されていました。現在でもタイルは、素材自体に耐久性や耐熱性があり、変色・劣化がないなど多くの利点がある貴重な建材として、日本をはじめ世界各国で使われています。

タイルは、タイル職人という専門職名があるほどに、施工に技能が求められます。しかし、住宅の壁や床はじめ多くの場所を飾る素材として珍重されています。

タイルの使用用途

タイルは、その意匠性や施工のしやすさから水気のある場所 (例えば風呂場や台所) に限らず外壁や塀など至る所で使用されています。

今でこそ、壁紙といった安価でデザイン性のある代替品に置き換わっていく場所も多くなりましたが、その風情や耐久性、さらに環境にも優しい素材として、その人気は衰えていません。

タイルの特徴

長所

1. 手入れが簡単
タイルの表面に釉薬が塗って仕上げてある製品であれば、油汚れにも強いため、ふき取るだけで簡単にお掃除ができます。

2. 水に強い
タイルは性質上、水に強いので、屋内であればお風呂・トイレなど水回り、屋外であれば外壁の仕上げ材としても使えます。外壁に使用する場合は、撥水材を吹き付けると、水をかなり弾いてくれます。汚れも一緒に流してくれるため、美観の維持にも効果があります。

3. 燃えにくい
タイルは陶器や磁器の焼き物なので、燃えにくいという長所があります。しかし、油汚れなどがこべりついていれば、燃え移って火災の可能性があるので、掃除はしっかり行うことが大切です。

短所

1. コストが高い
タイルを施工する場合、高いコストが一番の短所です。他の外装材や内装材などに比べると、材料費が高く、重量物になるので多く使用する際は、運送費も多くかかります。

2. 工期がかかる
タイルを施工する際は、工期もかかります。貼り付ける箇所のサイズにカットするにも手間がかかりますし、床に施工する場合、施工後は養生期間が必要になるため、終った後にすぐ使用できません。

タイルの種類

1. 磁器質タイル (Ⅰ類)

綿密な素地で固く、吸水性が3.0%と低いです。用途としては外装や水回りの壁、床などに適しています。長石や石英などを1,200〜1,350℃で焼いたタイルです。

2. せっ器質タイル (Ⅱ類)

磁器質タイルと同等の強度ですが、磁器質に比べると吸水性が10%以下になります。

3. 陶器質タイル (Ⅲ類) 

素地は多孔質で吸水性が50%以下と高いですが、強度は低いです。石灰や陶土などを1,000〜1,200℃で焼いたタイルです。

4. 内装タイル

建物の内部に貼るタイルのことで、トイレやキッチン、洗面所など水回りに使われることが多いです。25mm角から450mm角の大判サイズまであります。タイルが小さいとかわいらしい印象が演出でき、大判サイズになると高級感が出ます。

5. 外壁タイル

外壁タイルは建物外部に貼るため、耐候性や変質・劣化の少ない、磁器質タイルやせっ器質タイルがよく用いられています。外壁タイルの場合、釉薬をかけたタイプ、釉薬を使用していない無釉タイプがあります。

6. 床タイル

床と言っても屋外と屋内の両方が存在します。床に使用する場合、通行量の多さに対応する重歩行用タイプや、雨や水がかかっても滑りにくい加工がしてあるタイルが適しています。外装用と同じく磁器質タイルやせっ器質タイルが適しています。

7. モザイクタイル

モザイクタイルは、一辺の長さが10㎝以下の小さなタイルです。昔の家のお風呂や台所で使われていたイメージですが、最近ではDIYでモザイクタイルが貼られたシートを使用して、キッチン周りなどをリフォームをする方もいます。

8. その他

その他、細い溝の模様があるスクラッチタイル、石を割ったような表面に凹凸のあるテッセラタイル、土を成型し乾燥させて焼いたテラコッタタイルなど、特殊な名称がついたタイルも存在します。

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