ビットホルダー

ビットホルダーとは

ビットホルダーとは、ビットを収める工具のことです。ビットを複数収納して、持ち運んだり、紛失防止として使います。他にも、ビットホルダーに差し込んだままドライバーとして使用できるタイプもあります。

ケースタイプは、樹脂からできた、円筒状の穴が多数空いたケース状のタイプが多く存在します。

個別タイプは、一本一本別れた金属製のビットホルダーをカラビナフックにかけて持ち運び、工具として使うときにカラビナフックから外して使用します。

ビットホルダーの使い方

ビットホルダーの使い方は、大きく分けて2パターンあります。それぞれについて紹介します。

  • 収納機具として使う
    ビットホルダーに、ビットを差し込んで、収納する使い方です。数種類のビットをまとめて持ち運ぶのに便利です。磁石と組み合わせて、抜けにくくしたタイプもあります。
  • 工具として使う
    ビットホルダーは、ビットを装着して、そのままねじを回すことができるタイプがあります。ビットを差しっぱなしの状態で、ドライバーのようにして使います。

ビットホルダーの選び方

ビットホルダーには、ケースタイプと個別タイプがありますが、それぞれについてメリットやデメリットを紹介します。

  • ケースタイプ
    ケースタイプは、円筒状の穴が横並びになったケースのタイプが多くあります。メリットとしては、出し入れするときには、そのまま差すか、抜くかだけなので、非常に簡単に脱着できます。また、樹脂製で、しかも単純なつくりなので安価で手に入ります。デメリットとしては、横並びになっているため、幅が大きくなる点と、保持力が強くないといった点になります。
  • 個別タイプ
    個別タイプは、カラビナフックなどに複数の独立したビットホルダーのリングを通して、まとめて持ち運べます。メリットとしては、外れにくく、紛失防止としては効果が高いことです。また、そのまま工具としても使えるので、工具数を減らすことができます。デメリットとしては、脱着するためには、リングをカラビナから外す手間がかかる点があります。また、金属製であり、構造も複雑なため、高価になってしまいます。

電工ドライバー

電工ドライバーとは

電工ドライバー

画像出典元: Amazon

電工ドライバーとは、主に電気工事を行うときに使用されるドライバーのことです。

電気工事で使用されることが多いため、感電防止対策としてグリップ部分にゴムやプラスチックなどの絶縁体が使われており、通常のドライバーに比べて安全に作業を行えるようになっています。

電工ドライバーを介して感電することはありません。しかし、作業中に指などの身体の一部が直接通電している電線に触れてしまうと、電工ドライバーとは関係のないところで感電してしまう恐れがあるため、絶縁の施された手袋や靴を装着したうえで作業を行います。

電工ドライバーの使用用途

電工ドライバーは、主に電気工事の現場で使用されています。電工ドライバーの使い方は、通常のドライバーと変わりません。大きく膨らんだグリップ部分を手のひらで包み込むように握り、ドライバー軸の先端をねじの十字穴、または一文字穴 (以下、溝) に当てます。時計回りに回すとねじが締り、反時計回りに回すとねじが緩む仕組みです。

ねじを回すときはグリップ部分の後部端を、手のひらでねじの方向に押し付けながら、ねじを回すことが推奨されます。これは、ねじを回す際に溝からドライバー先端が外れてしまい、溝をなめさせることを防ぐためです。

電工ドライバーのグリップ形状には大きく2種類があり、ボールグリップタイプとクッションタイプがあります。グリップ形状はどちらが優れているか等の優劣は無く、個人の感触によるものが大きいことから自分にとって持ちやすい・力が入りやすいものを選ぶと良いです。

プラスドライバーとマイナスドライバーをあえてグリップ形状を分けると、目視しなくてもドライバーの違いが分かるようになるため、作業効率が向上します。

電工ドライバーの原理

電工ドライバーの原理として、電工ドライバーの絶縁性に関して2つの要素が挙げられます。

1. ドライバー軸

ドライバー軸が貫通していないことで、グリップに電気を近づけず感電しないような形状になっています。そのため、電工ドライバーには貫通タイプが存在しません。

2. グリップ

作業時に触れるグリップ部分には、絶縁性が高いゴムやプラスチックが使用されており、感電しないように配慮されています。通常のドライバーには軸がグリップまで貫通しており、ハンマーで叩いて使用できるタイプがありますが、軸がグリップまで貫通していると感電してしまうため電工ドライバーには貫通タイプはありません。

製品によっては一部セラミックやプラスチックを使用して感電しにくくなっている物もありますが、完全な絶縁ではないため注意が必要です。

電工ドライバーの選び方

電工ドライバーは、締める/緩めるねじの大きさによって最適なサイズのものを選ぶ必要があります。ねじのサイズは大きく分けて、以下のとおりです。

  • プラスねじ: 1番、2番、3番
  • マイナスねじ: 4mm、5.5mm、6mm、8mm

プラスねじは2番、マイナスねじは5.5mmに対応したドライバーを持っておき、必要に応じて別のサイズも揃えていくと良いです。ねじの溝に対して、電工ドライバーの先端が大きすぎれば溝には入りません。しかし、溝に対して小さすぎるとドライバー先端のかかりが浅くなり、ねじに対して正しく力が伝わりません。

また、溝を抉ってしまい、なめさせてしまうことでねじの脱着が困難になることもあります。電工ドライバーのサイズを確かめるには、大きなものから選んでいき、すっぽりと溝にハマるサイズのものを選ぶことが大切です。そのほか、ドライバー軸の長さによって選ぶことがあります。パソコンや設備の基板などの交換時は、奥まった所に位置するねじを回す必要があり、ドライバー軸の長いタイプを使わないとドライバー先端がねじに届きません。

それとは反対に狭い場所での作業では、ドライバー軸が長いことによってねじに対してまっすぐドライバーを立てられなくなります。この場合は、ドライバー軸が短いタイプを使うと作業がしやすいです。ドライバーの長さは製品によって幅がありますが、一般的には200mmの長さが一番使われており、サイズと同様用途に合わせて選ぶことが大切です。

ボードカッター

ボードカッターとは

ボードカッターとは、板状の材料を切断する工具のことです。電動式のタイプと手動式のタイプがあります。切断できるボードは、刃の形状や大きさ、電動、手動によって変わります。手動式の場合、スポンジや発泡スチレン、段ボールなどの比較的柔らかい材料を主として切断します。ハイパワーの電動式であれば、石膏ボードなども簡単に切断することができます。

いずれも、刃物を取り扱うので、手袋などの保護具を着用し、防災に努める必要があります。

ボードカッターの使用用途

ボードカッターは、手動式と電動式とでは、使い方が大きく変わります。

  • 手動式の場合
    手動式のボードカッターは、基本的にカッターナイフと同じように使います。ただし、硬い材料のものだとなかなか切断できない場合があります。刃にギザギザが付いているタイプであれば、ノコギリのように前後に引いて使うと切断しやすくなります。
  • 電動式の場合
    電動式の場合、ボードの上にボードカッターを乗せて、滑らすように切断します。大きく振動するので、しっかりと本体を握っておく必要があります。

ボードカッターの選び方

ボードカッターの選び方は、どんな材料を切断するかで、適切なタイプのものを選びます。ここでは、タイプ別に切断に適した材料を紹介します。

  • 手動式直刃タイプ
    カッターナイフのように、刃を出し入れできるタイプもあれば、刃が固定されているタイプもあります。段ボールやスポンジ状のボードを切断するのに適しています。
  • 手動式ノコギリタイプ
    ノコギリのようなギザギザした刃が特徴的です。使い方は、ノコギリのように前後に引きます。多少硬くても切断可能で、木工ボードや石膏ボードなども切断可能です。
  • 電動式タイプ
    石膏ボードを切断するとき、多くの場合は電動式ボードカッターが使われます。石膏ボードは硬さもあり、厚みもあるため、手動では切断しにくいのです。電動式は、ハイパワーなので簡単にボードを切断できますが、その分危険も多いです。手などに歯が当たらないように十分注意する必要があります。また、振動などでボードが動かないように、ボードをしっかり押さえつけておく必要もあります。

インパクトレンチ用ソケット

インパクトレンチ用ソケットとは

インパクトレンチ用ソケットとは、その名の通り、インパクトレンチに使うソケットです。インパクトレンチとは、六角ボルトや六角ナットを脱着する電動式、あるいは、空圧式の工具のことです。インパクトレンチを使うと、スイッチを押すだけで高速で回転するため、ねじの締め、緩め作業の効率が上がります。

インパクトレンチは、強力なトルクを発揮します。したがって、インパクトレンチ用ソケットは、通常のソケットよりも厚みがあります。また、回転時にソケットが飛んでいってしまわないように、抜け防止用のピンが施されたタイプのものもあります。

インパクトレンチ用ソケットの使い方

インパクトレンチ用ソケットは、インパクトレンチの角ドライブと呼ばれる、四角い凸部分に差し込んで使います。六角穴を六角ボルトの頭や六角ナットに当てて、インパクトレンチのスイッチを押すことで、ねじの脱着を行います。

この時、ソケットを奥までしっかりと差し込んでおかないと、ソケットがねじの六角部から外れてしまい、六角部の角をなめさせてしまうことがあります。インパクトレンチの使用時は、しっかりソケットを挿し込んであるか、確認してからスイッチを押してください。

インパクトレンチ用ソケットの選び方

インパクトレンチ用ソケットを選ぶ際、選考基準となる要素を以下に紹介します。

  • 先端形状
    インパクトレンチ用ソケットには、大きく分けて2通りの形状があります。1つめは、六角穴タイプです。六角ボルトや六角ナットに対して使います。2つめは、六角柱(ヘキサゴン)タイプです。六角穴付きボルト、いわゆるソケットボルト、キャップボルトと呼ばれるボルトの六角穴に差し込んで使います。また、形状以外にもソケットの全長が長くなった、ロングタイプなどもあります。
  • 先端サイズ
    ソケットの先端サイズは、回したいねじの二面幅に合わせます。基本的にはミリサイズですが、インチサイズのソケットもあります。ミリとインチを間違えると、六角部をなめさせてしまう可能性があるので、よくサイズを確認して選んでください。
  • 差込角サイズ
    差込角とは、ドライブ角が納まる、ソケットの四角穴のことです。インパクトレンチ本体のサイズによって、ドライブ角が変わってくるため、同じサイズの差し込み角を選択してください。

アダプタ

アダプタとは

アダプタとは、異なる複数の機器を接続するための中継機器のことです。接続される機器は多種多様です。

一番身近な存在としては、電気機器とコンセントを繋ぐためのACアダプタがあります。

他にも、モニターと出力機器を繋ぐコードの接続タイプを変換するアダプタや、USBケーブルの挿し口を変換するアダプタなどがあります。このように、電気機器の接続口を変換する目的で使われることが多いですが、ソケットレンチなどの工具に使われるタイプのアダプタもあります。

アダプタの使い方

アダプタは、基本的に機器と機器の間に挿し込んで使います。最も多いタイプは、機器の接続口に押し込んで挿すだけのものが多いです。しかし、中にはねじで締め付けて、外れないようになっているタイプもあります。

機器に接続するときに、挿し込む角度が決まっていないタイプもあります。しかし、裏面や表面が決まっていたり、ピンと穴の角度を合わせないといけないタイプのアダプタが数多く存在します。差し込むときは、どの角度やどの面を合わせて差し込むべきかをよく確認する必要があります。

アダプタの選び方

アダプタを選ぶときは、接続する機器に正しく挿し込めるかを確認する必要があります。とくに、変換アダプタのタイプは類似品が多く、ピンが一本だけ違ったり、一か所だけ溝が切ってあったりと、選択を間違えると接続できなくなってしまう可能性があります。以下に、種類別でどのような違いがあるかを紹介します。

  • ACアダプタ
    ACアダプタの場合は、アースピンがついてるタイプがありますが、このタイプを挿し込めるコンセントは、アースピン用の穴が空いている必要があります。その他にも、対応する電圧が違うこともあります。電圧が違ってしまうと、機器が故障してしまう恐れがあるため、よく確認して使う必要があります。
  • モニター用アダプタ
    モニターの差込口には、多くのタイプがあり、それぞれに対応した変換アダプタが用意されています。たとえば、HDMIやVGAなどです。DVI-IとDVI-Dは非常に似ているため、特に注意が必要です。
  • USBケーブル用アダプタ
    最近の電気機器は、USBから電源を取るものが多いですが、USBにも多くの規格があります。新しいタイプは、TYPE Cで裏表なく使えますが、TYPE BやMINI A、MINI Bなどがあります。サイズが小さいため、よく見ないと見分けがつきにくいタイプが多く存在します。

テストハンマー

テストハンマーとは

ハンマーは、物をたたく工具の総称で、金属製の打撃部分(頭)と手で握る部分(柄)で構成されています。

テストハンマーは、ハンマーの一種で、対象物を叩いたとき手に伝わる感触と音響で、ひび割れや消耗など不具合の有無を確認するハンマーです。ボルト、ナットの緩み、タイヤのパンク、空気圧の確認、コンクリートの調査などの点検に使われ、点検ハンマーとも呼ばれます。

テストハンマーの頭は、片側が平らな打撃面、反対側が尖った形状をしています。柄は、さまざまな場所の点検ができるよう、一般的なハンマーよりも長いものが多いです。 

テストハンマーの使い方

ボルト、ナットの緩みを確認する場合は、ナットの下側に指を添え、テストハンマー頭の平らな部分でナットが締まる方向に軽く叩きます。

このとき、指に伝わる振動や音響で、異常がないことを確認します。指に伝わる振動が他のナットと異なる場合や、濁った音がする場合は、ナットの緩みやボルトの折損などが疑われます。

ただし、これは点検結果が定量化・数値化されない官能検査であるため、正しく検査を行うためにはある程度の熟練度を必要とします。

テストハンマー頭の尖った部分は、より詳細な点検を行う際、ピンポイントで狙って叩くために使用します。また、タイヤの溝に詰まった石などの異物を除去する場合にも使います。

テストハンマーの選び方

テストハンマーのサイズは、頭部の重量や打撃面の直径によってさまざまな種類があります。重量は1/2ポンド(250g)、1/4ポンド(100g)などがありますが、統一された規格はありません。点検する対象物の大きさに適したサイズを選びます。

テストハンマーの頭は炭素鋼製が一般的ですが、ステンレス製、銅合金製などもあります。ステンレス製は錆に強いので湿度の高い場所で使用する場合に選びます。銅合金製は打撃で火花が出ない無発火性を持つので、火気を嫌う化学工場、火薬工場などの機器点検に適しています。

テストハンマーの柄の長さは、40〜100cmほどのものがあります。高い場所の点検などをする場合は柄の長いものを選ぶなど、点検対象物の高さに適した柄の長さを選びます。

テストハンマーの柄の材質は、木製が一般的です。これは、手に伝わる感触を重視した場合、含水率の小さい良質の木が適しているためです。グラスファイバ製の柄もあり、木製に比べて強度があるという長所があります。

木ハンマー

木ハンマーとは

木ハンマーとは、材質が木材からできたハンマーのことをいいます。金属製のハンマーと違い、軽量なのが特徴です。また、木材なので、叩いた相手をキズつけることが、ほとんどありません。

微細な位置調整などをするときに、軽く叩くときには、非常に重宝します。大きさは、小さいものは片手で扱えますが、大きなものは両手じゃないと、持てないほど重いものもあります。対象物に大きな衝撃を与えたいときは、重量のあるものを扱う必要があります。

木ハンマーの使い方

基本的な使い方は、一般的なハンマーと同じです。衝撃を与えたい対象物に、打ち付けて使います。対象物をキズつける心配はあまりありませんが、衝撃力は十分にあります。手に当たると大けがをする可能性があります。

ハンマーを打ち付ける時は、ハンマーから目を離さず、しっかりと狙いを定めてください。また、対象をキズつけにくいとはいっても、対象物が柔らかければ、その分だけ変形やキズがつきやすいです。打ち付ける時は、どの程度の力で打ち付けるかを検討することが重要になります。

木ハンマーの選び方

木ハンマーは、種類によって違いのあるものは少ないですが、いくつかの違いを紹介します。

  • ヘッド形状
    木ハンマーの大半は、ヘッド部分が円筒状になっています。しかし、なかには四角柱になったタイプのハンマーもあります。
  • 鉄心入り
    ハンマーヘッドの内部に、鉄心を入れたタイプのハンマーです。大きさは同じでも、鉄の分だけ重量が増すので、より大きな衝撃力を与えることができます。対象物をキズつけずに変形させたり、木材の解体などに適しています。
  • 鉄プレート付き
    ヘッド部の片方に鉄プレートを取り付けたハンマーです。木ハンマーと鉄ハンマーの機能を持った、便利なハンマーです。解体作業はもちろんのこと、鉄プレートで釘や杭打ちなどをすることができます。
  • 小細工槌
    小さなヘッドを取り付けたハンマーです。その名の通り、細かな作業に適しています。小さなものであれば、解体などにも使えますが、衝撃力はあまりでません。

クランパー

クランパーとは

クランパーとは、物と物とを挟み込んで、固定をしたり、保持するために使う工具のことです。

握りこんだ状態でロックして、保持状態を保つハンディタイプや、ねじの力によって締め付けて固定するねじタイプなどがあります。いずれも、人力では得られない保持力を発揮するため、重作業などで重宝します。サイズも様々で、片手に収まる小型のクランパーや、両手で抱えるほど大きなクランパーもあります。

使用場所や、使用用途によって適切なクランパーを選ぶ必要があります。

クランパーの使い方

クランパーの使い方は、そのタイプによって大きく変わってくるため、タイプ別で紹介します。

  • ハンディタイプ
    ハンディタイプは、プライヤのように柄を握って、口の部分で対象物を挟み込みます。閉じる方向には動きますが、開く方向には動かないようになっているため、しっかりと固定できます。保持状態を解除する為には、解放レバーを起こすと、ロックが解除されて、口が開きます。
  • ねじタイプ
    ねじタイプは、口の部分がコの字型をしており、片方が固定されて、片方がねじによって口を開閉します。固定部分を対象物に当てた状態で、ねじを締めあげていき、対象を挟み込みます。ねじを緩めない限り、保持状態は解除されません。

クランパーの選び方

クランパーのタイプは、どんな作業で使うかによって選ぶ必要があります。タイプ別でメリットやデメリットを紹介するのでタイプ選びの参考にしてください。

  • ハンディタイプ
    ハンディタイプのメリットは、その手軽さにあります。固定する時は、対象を掴んで握るだけです。そして、ロック解除する時は、解放レバーを起こすだけです。しかし、手軽な分だけ保持力は、ねじタイプに劣ります。軽く挟んでおいて、両手を自由に使いたいときなどに適しています。
  • ねじタイプ
    ねじタイプのメリットは、保持力の高さにあります。ねじの力を利用しているため、ハンディタイプの何倍もの保持力を持ちます。しかし、脱着するには、ねじを回す必要があり、容易ではないというデメリットもあります。大きなタイプの場合は、一人がクランパーをもって、もう一人がねじを締めるという、多人数での作業が必要になることもあります。切断や溶接などの、外部から力が加わるときに、ズレることなく保持しておきたい場合に使うのに適しています。

バークランプ

バークランプとは

バークランプとは、基本的に一本のバーと2個のアゴで構成されていて、バー片端に固定側されたアゴとバーの上をスライドするアゴとの間に材料を挟み込み固定するクランプです。

クランプは、締め具などとも呼ばれる、材料を作業台などに固定する工具を指します。特に、クイックバークランプ、ラチェットバークランプと呼ばれるバークランプは、アゴで材料を挟み込んだ後に、スライドするアゴに付いているレバー (ハンドル) を操作し、アゴの位置を圧迫し固定します。片手でも使用可能で、素早く固定できるため初心者でも扱いやすいのが特徴です。

バークランプの使用用途

バークランプは、一般のDIYから土木建築、家具製造、板金、鉄工業などの専門的な組み立て作業などに幅広く使用されます。材料をしっかり固定することで、作業の正確さや効率性が向上します。

例えば、木工で箱状の板を挟み込み接着剤の硬化まで固定したり、平板を横に並べて挟み込み圧縮して接着を補助したりなど、DIYでバークランプを使用する場面は多いです。クランプには、バークランプ以外にもC型、G型、L型タイプ、バネ型など様々な種類のクランプがあります。

それぞれに特徴がありますが、バークランプは特に長い (または幅の広い) 材料を固定するために使用します。材料を固定する強度はC型クランプをはじめとしたネジタイプよりも少し劣りますが、片手でも使用できる点で優れています。

バークランプの原理

バークランプは、一本のバーの先端に固定されたアゴがあり、バー上にあるスライドするアゴを移動させて、材料を固定します。スライドするアゴにあるレバーを複数回握ることで、圧力がかかるクイックバークランプ (ラチェットバークランプ) がほとんどですが、ハンドルを回してネジを締めるタイプ、レバーを倒して締めるタイプもあります。

クイックバークランプは、 ロック解除ボタンを押すことでアゴをスライドさせ材料を挟み、レバー (ハンドル) を複数回握って圧力をかけ固定します。外すときは、再度ロック解除ボタンを押せば、一気に圧力を開放することが可能です。

バークランプの特徴

クイックバークランプは、片手で材料を挟み込めるため、初心者の方でも扱いやすいのが特徴です。複数揃えておけば、1人での作業でも効率よく作業ができます。

バークランプは通常の使用方法であるアゴで材料を挟み込み、内側へ力を加え固定しますが、それとは逆に、2つのアゴを外側へ向けてバーに取り付け、押し広げる方向に力を加え固定することにも使用することができます。

バークランプの選び方

バークランプの選定には、「最大締付力」「最大口開きサイズ(開口幅)」「材質」が加工する材料に適しているかを確認して選択します。

1. 最大口開きサイズ (開口幅)

加工する材料の長さや幅寸法に対応した、最大口開きサイズを選びます。長いものや幅の広いものに使用する場合は、レバーが長く口開きの大きいものを使用します。

作業台に固定する場合や加工する材料に当て木をして使用する場合の厚みも、考慮する必要があります。アゴにゴム製などの保護キャップがついているものを選ぶと、跡が残らず、滑りにくくなるという利点もありますが、素材の耐久性という点からは少し劣ります。

また、加工する材料を掴む部分 (ふところ) が浅いと、材料の幅や厚さによっては材料をクランプで挟み込めないことがあるので、クランプ選定の際には加工する材料の寸法確認が重要です。

2. 材質

クランプ部分の材質は、大きく分けて樹脂製と金属製の2種類があり、比較的締め付け力の小さいものは樹脂製で、大きな締付力のものはアルミダイキャスト製などが使用されています。使用環境や使用頻度に応じて選定します。

3. 最大締付力

バークランプにはそれぞれ最大の締め付けられる力があり、最大締付力としてカタログなどに記載されています。この最大締付力の範囲内で使用することが重要です。

エクステンションバー

エクステンションバーとは

エクステンションバーとは、ソケットレンチラチェットハンドルのようなハンドルとソケットの間に取り付けるアタッチメントのことです。短いタイプから長いタイプまで、様々な長さのエクステンションバーがあります。

通常のソケットでは、届かないような場所に、ボルトやナットがある場合、その部品にソケットを届かせるために使われます。エクステンションバー単体では届かない場合、エクステンションバーをさらに追加することで、延長することができます。

エクステンションバーの使い方

エクステンションバーは、ソケットとハンドルの間に取り付けて使用します。脱着の仕方は、ソケットと同じです。

抜け防止機能付のタイプであれば、ロックを解除してエクステンションバーを脱着します。抜け防止機能が無いタイプであれば、引っ張ることで取り外し、取り付ける時は強く押し込みます。

2本以上のエクステンションバーをつなげて長くすることもできますが、グラつきが大きくなり力の逃げが大きくなるのに加え、エクステンションバーが外れて災害に発展する可能性もあるので十分注意する必要があります。

エクステンションバーの選び方

エクステンションバーを選ぶには、長さが最も重要になります。短すぎると、脱着したいボルトやナットに届かないので、取り付ける意味がなくなります。しかし、長すぎても問題があります。あまりに長くなると、エクステンションバーがしなりやすくなるため、力が逃げてしまいます。また、狭い場所で取り扱う場合には、ハンドルを回したときに、手を壁や設備の一部にぶつけてしまう可能性があります。安全に作業するうえでは、長すぎず、短すぎないエクステンションバーを選ぶ必要があります。

エクステンションバーの種類として、首振り機能が付いたものがあります。エクステンションバーを斜めに使いたいときに使われます。しかし、ねじの回転方向とハンドルを回す角度がズレるため、あまり強い力は発揮できません。他には、軸の部分にローレットが付いており、ラチェットハンドル使用時に直接エクステンションバーを指で回すことで、早回しができるようになったタイプもあります。