テストハンマーとは
ハンマーは、物をたたく工具の総称で、金属製の打撃部分(頭)と手で握る部分(柄)で構成されています。
テストハンマーは、ハンマーの一種で、対象物を叩いたとき手に伝わる感触と音響で、ひび割れや消耗など不具合の有無を確認するハンマーです。ボルト、ナットの緩み、タイヤのパンク、空気圧の確認、コンクリートの調査などの点検に使われ、点検ハンマーとも呼ばれます。
テストハンマーの頭は、片側が平らな打撃面、反対側が尖った形状をしています。柄は、さまざまな場所の点検ができるよう、一般的なハンマーよりも長いものが多いです。
テストハンマーの使い方
ボルト、ナットの緩みを確認する場合は、ナットの下側に指を添え、テストハンマー頭の平らな部分でナットが締まる方向に軽く叩きます。
このとき、指に伝わる振動や音響で、異常がないことを確認します。指に伝わる振動が他のナットと異なる場合や、濁った音がする場合は、ナットの緩みやボルトの折損などが疑われます。
ただし、これは点検結果が定量化・数値化されない官能検査であるため、正しく検査を行うためにはある程度の熟練度を必要とします。
テストハンマー頭の尖った部分は、より詳細な点検を行う際、ピンポイントで狙って叩くために使用します。また、タイヤの溝に詰まった石などの異物を除去する場合にも使います。
テストハンマーの選び方
テストハンマーのサイズは、頭部の重量や打撃面の直径によってさまざまな種類があります。重量は1/2ポンド(250g)、1/4ポンド(100g)などがありますが、統一された規格はありません。点検する対象物の大きさに適したサイズを選びます。
テストハンマーの頭は炭素鋼製が一般的ですが、ステンレス製、銅合金製などもあります。ステンレス製は錆に強いので湿度の高い場所で使用する場合に選びます。銅合金製は打撃で火花が出ない無発火性を持つので、火気を嫌う化学工場、火薬工場などの機器点検に適しています。
テストハンマーの柄の長さは、40〜100cmほどのものがあります。高い場所の点検などをする場合は柄の長いものを選ぶなど、点検対象物の高さに適した柄の長さを選びます。
テストハンマーの柄の材質は、木製が一般的です。これは、手に伝わる感触を重視した場合、含水率の小さい良質の木が適しているためです。グラスファイバ製の柄もあり、木製に比べて強度があるという長所があります。