ドキュメントリーダ

ドキュメントリーダとは

ドキュメントリーダ

ドキュメントリーダとは、紙文書をデジタルデータに変換する装置です。

原稿を自動的に送りながら読み取るシートフィードタイプや、原稿を置いて読み取るオーバーヘッドタイプなどがあります。パソコンやスマートフォンなどと連携して、デジタル化した文書の管理や共有ができます。

さらに、OCR (Optical Character Recognition/Reade、光学的文字認識) の技術により、文字情報をテキストとして認識できるタイプが増えてきています。ドキュメントリーダを使うことにより、紙媒体からデジタルデータの抽出を高速に実行可能です。デジタライゼーションなどの業務効率化に役立っています。

ドキュメントリーダの使用用途

ドキュメントリーダは、従来の紙業務からデジタル業務へと転換する流れの中で、手書きや紙に印刷された文字やコンテンツを電子データに変換するために使用されます。

1. 書類や伝票の電子化

紙の請求書や領収書、入出庫伝票や報告書など紙でやり取りされている各種の書類をドキュメントリーダのデジタル化で業務の効率化や保管スペースの削減が実現します。

2. カタログや書籍の電子化

紙媒体で配布されているカタログや書籍をドキュメントリーダでデジタル化により、情報共有や保管スペースの削減が行えます。

ドキュメントリーダの原理

ドキュメントリーダは、光源から発せられた光が原稿表面に当たり、反射した光をレンズで集めてCCD (電荷結合素子) やCIS (接触式画像センサー) センサーで受光し電気信号への変換によってデジタル化しています。CCDは被写界深度が深く取れ、凸凹の差が大きい原稿やガラス面から離れた原稿でも鮮明に取得できます。

しかし、消費電力が大きくサイズも大きくなるのが短所です。CISは省エネでコンパクトですが、被写界深度は浅くなり、凸凹の差が大きい原稿やガラス面から離れた原稿は不鮮明となります。

ドキュメントリーダでは、読み取った画像データをパソコンやクラウドサービスなどに送信できます。また、OCR (光学文字認識) 機能を使ってテキストデータにも変換可能です。これにより、検索や分類がしやすくなります。

ドキュメントリーダの種類

ドキュメントリーダには、主にシートフィード、オーバーヘッド、ハンディの3種類があります。

1. シートフィードスキャナー

シートフィードスキャナーは、自動給紙装置により原稿を自動的に送り込んで読み取るタイプです。大量の書類や名刺などを素早く効率良くスキャンできるのが特徴です。

2. オーバーヘッドスキャナー

オーバーヘッドスキャナーは、原稿を置いた上から読み取るタイプです。書籍や雑誌など厚みのある原稿で解体せず、またガラス面に原稿を接触させることなく読み取れるのが特徴です。また、A3サイズ以上の原稿に対応できるのも特徴です。

3. ハンディスキャナー

ハンディスキャナーは、手で持って原稿をなぞるように読み取るタイプです。コンパクトで持ち運びやすく、場所を選ばずに使えるのが特徴です。

ドキュメントリーダの選び方

ドキュメントリーダを選ぶときには、以下の5つのポイントに注意します。

1. タイプ

ドキュメントリーダには、シートフィード・オーバーヘッド・ハンディの3種類があります。シートフィードは大量の書類を素早くスキャンできますが、本のようにページめくりが必要な原稿や厚みのある原稿には対応できません。

オーバーヘッドは書籍や雑誌などページめくりが必要な原稿やA3サイズ以上の原稿に対応できますが、サイズが大きく場所を取ります。ハンディはコンパクトで持ち運びやすく、場所を選ばずに使えますが、読み取り速度や精度が低い場合があります。

2. サイズ

ドキュメントリーダは、機種によって対応できる原稿サイズが異なります。A4サイズ以下の原稿だけで良ければ小型で安価なモデルでも問題ありませんが、A3サイズ以上の原稿もスキャンしたい場合はオーバーヘッドタイプやA3対応モデルを選ぶ必要があります。

3. 解像度

解像度とは、画像の細かさや鮮明さを表す数値です。dpi (dots per inch) で表されます。解像度が高いほど画質が良くなりますが、ファイルサイズも大きくなります。

文字原稿をスキャンする場合は600dpi以上、写真や絵画など色彩豊かな原稿をスキャンする場合は1,200dpi以上の解像度がおすすめです。

4. 速度

大量のドキュメントを処理する必要がある場合は、単位時間あたりに何枚のドキュメントを読み取れるかが重要となります。解像度やカラーモードなど条件によって、読み込み速度が変わるので、比較する場合には同じ条件下で行うことが重要です。

5. 機能

ドキュメントリーダには、さまざまな機能が付いています。Wi-Fi対応だとパソコンやスマホと無線で接続できるため、便利です。OCR (光学文字認識) 機能付きだと、画像から文字情報を抽出してテキスト化できるため検索や管理がしやすくなります。

両面スキャン機能があると、原稿の表裏を一度に読み取れるため手間が省けます。用途に合わせて必要な機能を選びます。

参考文献
https://www.e-welcom.com/products/h/scanner/4850dr/

デジタルピッキング

デジタルピッキングとは

デジタルピッキング

デジタルピッキングとは、倉庫の棚などにデジタル表示器を取り付け、その指示に従って行うピッキング作業です。

商品の内容を知らない作業者でも、表示器の指示に従って正確なピッキングができます。そもそもピッキングとは、倉庫や工場などで伝票やリストをもとに商品や部品を取り出し、検品や梱包などの次工程へと受け流す作業です。

ピッキングには、個別の受注ごとに取り出す摘み取り方式 (シングルピッキング) と、複数の受注に対してまとめ取りする種まき方式(トータルピッキング) の2種類があります。摘み取り方式に対応したデジタルピッキングはDPS( Digital Picking System )、種まき方式に対応したデジタルピッキングはDAS( Digital Assort System )と呼びます。

なお、DPSとDASの両方を、広義の意味でデジタルピッキングシステムと呼ぶこともあります。

デジタルピッキングの使用用途

ピッキングは、部品を製造現場に運んだり商品を出荷したりするために欠かせない作業です。製造業や、運輸・物流、小売店など、さまざまな産業分野の倉庫で行われます。

デジタルピッキングも、食品会社、アパレル会社、通信販売業者、製造工場などの出荷倉庫や、物流倉庫などさまざまな場面で活用されています。摘み取り方式のDPSは、EC・通信販売などの物流センターなど、納入先が多く多品種少量のバラ出荷が多い企業・店舗での運用に適しています。

種まき方式のDASは、店舗配送など納入先が少ないかまたは一定で、少品種を大量出荷する倉庫や、入荷された商品を随時仕分けする必要があるチルドセンターや製造工場の倉庫などでの運用に適しています。 

デジタルピッキングの特徴

デジタルピッキングは、倉庫の棚、カゴ、オリコンなどに表示器を設置し、表示器が点灯している場所から表示器に表示された個数だけ商品・部品をピッキングする仕組みです。近年は省エネのため、表示器のランプにLEDが使われているものが主流です。

デジタルピッキングを導入することにより、作業者は商品・部品を知らなくてもピッキング作業が可能になります。また、紙のリストを用いた従来のピッキング作業に比べ、ピッキングミスが減って作業効率が上がるとともに、熟練度の違いによる作業効率のバラツキも減ります。ペーパーレス化によるコスト削減効果もあります。

品種数が多い現場では、品種ごとに表示器を設置することで導入コストが増大するケースも珍しくありません。このようなとき、出荷頻度の高い商品に対してデジタルピッキングを行い、出荷頻度の低い商品はハンディターミナルを利用するなど、異なるピッキングシステムを併用することで初期投資を抑えられます。

ただし、デジタルピッキングでは、商品の場所がデジタル管理されていることから、商品の保管場所を簡単に変更・追加できないのがデメリットです。

デジタルピッキングの選び方

デジタルピッキング製品の導入前には、自社のピッキング作業に適した製品かどうか、その導入によってどのような効果が期待できるか、システムの導入に必要な費用や期間などをしっかりと検討することが必要です。必ず試用期間を設けて、実際に動かして触ってみることが重要です。

1. ピッキング作業に合うシステムかどうか

ピッキングには、個別受注ごとに取り出すシングルピッキングと複数受注に対してまとめて取り出すトータルピッキングの2パターンがあります。それぞれのやり方に即した機能が搭載されているか確認することが重要です。受注状況に応じてピッキングのやり方も変わるため、都度変化に対応できるシステムでなければなりません。

2. ピッキング作業の生産性向上に寄与するかどうか

デジタル化することで、ピッキング作業の生産性向上に繋がるか確認が必要です。システムを導入すれば決して生産性が向上する訳ではなく、どういった機能がどんな作業に効果的なのか事前に確認しなければなりません。

例えば、自動的に商品の位置を表示する「ピッキング案内機能」や、ピッキング作業をタブレットで行いながら、同時に作業履歴を記録する「作業履歴管理機能」があると効率的な作業ができます。

3. 高い利便性を備えたシステムかどうか

デジタルピッキング製品は、タブレットやスマートフォンなどのデバイスで操作することができます。デバイスによっては、複数のタブレットを同時に管理することができる「デバイス管理機能」や、作業中に発生した問題やエラーを自動的に報告する「問題報告機能」などの利便性の高い機能が搭載されていることもあります。

参考文献
https://www.hello-aioi.com/jp/solution/digital_picking/
https://www.fujielectric.co.jp/products/logistics/future/picking-hikaku/

タブレットピッキング

タブレットピッキングとは

タブレットピッキング

タブレットピッキングとは、従来は紙のリストを使って行っていたピッキングを、タブレット端末やスマートフォンを使って行う作業です。

そもそもピッキングは、倉庫や工場などで伝票やリストをもとに商品や部品を取り出し、検品や梱包などの次工程へと受け流す作業を指します。タブレットピッキングでは取り出す商品のリストだけでなく、作業内容の指示、作業実績の記録などもスマートフォンやタブレット上で行うことが可能です。

また、商品の収納場所や商品の外観などを画像で表示することで、作業ミスの削減にもつながります。なお、スマートフォンを用いるピッキングを、タブレットピッキングと区別してスマートフォンピッキングと呼ぶ場合もあります。 

タブレットピッキングの使用用途

ピッキングは、部品を製造現場に運んだり商品を出荷したりするために欠かせない作業です。電子、機械、自動車、化学製品、食品などの製造業や、運輸・物流、病院、小売店など、さまざまな産業分野の倉庫で行われています。

タブレットピッキングもさまざまな分野で活用されますが、特に、部品アイテム数が多く、類似の部品・商品が多い工場などの倉庫で利用可能です。タブレットピッキングを採用することで、ピッキング時の作業ミスの防止、ペーパーレス化、作業効率向上などのメリットが期待できます。 

タブレットピッキングの特徴

タブレットピッキングは、ピッキングの作業効率を向上させる手段の中でも比較的低コストで導入できます。物流業界では、タブレット端末以前からハンディターミナルを用いたピッキングが導入されてきました。

しかし、高機能なハンディターミナルはタブレットに比べると高額であるため、新たにピッキング作業効率を向上させる場合は、タブレットピッキングの方がコストの負担が少ないというメリットがあります。近年、スマートデバイスの普及が進んでおり、スマートフォンやタブレット端末を操作できる作業者が多くなっており、経験の浅い作業者でも紙のリストを用いた作業より、短期間で作業を覚える点もメリットの1つです。

また、無線LANで上位の管理システムと連携し、RFタグやバーコードと併用することで、間違った部品を取り出した場合リアルタイムで作業者に通知するという運用方法もあります。これにより、類似部品の取り間違いが防止され、ミスの削減、作業品質の向上につながります。

タブレットピッキングの選び方

ピッキングを行うタブレットを選ぶためには下記について注意することが必要です。

1. サイズと重量

ピッキングの作業は長時間続くことが多いため、タブレットのサイズと重量は重要な要素です。軽量で持ち運びしやすく、長時間の使用でも疲れにくいタブレットを選ぶことが重要です。

また、手で持って作業を行うのか、首掛けができるストラップを付けて行うのかによって作業者の負担も異なるため、実際の作業を想定して検討することが必要です。

2. バッテリー寿命

タブレットのバッテリー寿命は、ピッキングの作業に重要な要素です。作業中にバッテリーが切れると作業が中断され、効率が低下します。最低1日の作業時間に耐えるバッテリーを備えたタブレットを選ぶことが必須です。作業中以外は充電をしておけるよう、充電置き場の確保も必要です。

3. 耐久性

ピッキング作業は、タブレットにとって非常に過酷な環境であるため、耐久性が求められます。落下や振動に対する耐久性が高く、耐水性や防塵性能のあるタブレットを選ぶことが望ましいです。

タブレット自体の耐久性に加え、タブレットにカバーをつけることで耐久力を上げることも可能です。

4. 操作性

ピッキング作業中は、タブレットを頻繁に操作する必要があります。したがって、タッチスクリーンの反応性が高く、操作性が良好なタブレットを選ぶことが重要です。作業者によって使いやすさを感じるポイントが異なるため、実際に触ってみることをおすすめします。

5.ワイヤレス通信機能

ピッキング作業では、無線通信によるリアルタイムな情報共有が必要になる場合があります。Wi-FiやBluetoothなどのワイヤレス通信機能が備わっているタブレットを選ぶことが望ましいです。

また、ピッキング中は他の通信機と干渉してしまう可能性があるため、試用期間として実際の現場で使ってみることで通信速度に問題がないか、途中で途切れてしまわないか確認する必要があります。

参考文献
https://www.fujielectric.co.jp/products/logistics/solution/tablet-picking/
https://www.fujielectric.co.jp/products/logistics/future/picking-hikaku/
https://www.dolphin-koto.com/centerfc8/

オペレーティングシステム

オペレーティングシステムとは

オペレーティングシステム

オペレーティングシステムとは、コンピュータシステムを動かすに当たって基本的なソフトウェアです。

代表的なオペレーティングシステムとして、WindowsやmacOSなどが挙げられます。一般的なコンピュータは、出力装置、入力装置、記憶装置、制御装置、演算装置で構成されています。

これら5つの装置に対して、アクセスするためのプログラムをアプリケーションソフトウェア毎に用意するのは非効率的です。そのため、オペレーティングシステムでは、それらのハードウェアとのアクセスを一元的に行い、アプリケーションソフトウェアやユーザとの仲介をしています。

オペレーティングシステムの使用用途

オペレーティングシステムは、CPUが使われている電子機器のほとんどに基本ソフトウェアとして使われています。コンピュータを動かすためにハードウェアとソフトウェアを管理し、ユーザに利用しやすくするための基本操作に関わる部分を担うシステムソフトウェアです。

アプリケーションを動かすような電子機器には、オペレーティングシステムが使われています。オフィスや家庭で使われているパソコンや工場で生産ラインの制御に使われているファクトリーコンピュータ、スマートフォンにも使われています。また、クラウドコンピュータを支えるサーバにも、基本ソフトウェアとして使われる場合が多いです。

オペレーティングシステムには、オフィスや家庭で使われるWindowsやmacOS、サーバで使われているUNIX、Linux、スマホに用いられるiOSやAndroid、組込み系で用いられるVxWorksやiTronなどがあります。

オペレーティングシステムの原理

オペレーティングシステムは抽象化を行うことにより、アプリケーションソフトウェアおよびユーザとハードウェアを仲介しています。抽象化を行うことにより、多様なハードウェアの違いを意識することなくユーザが操作可能です。

また、アプリケーションソフトウェアを変更せず、アクセスすることができます。ハードウェア提供者もオペレーティングシステムが規定しているルールに沿ったデバイスドライバを提供することで、多くのアプリケーションを変更せずに利用可能となります

なお、オペレーティングシステムは、コンピュータの主要なリソースを以下の様に抽象化しています。

  • CPU:スレッドやプロセス
  • メモリ:アドレス空間
  • 外部記憶装置:ファイルシステム
  • ネットワーク:ソケット

オペレーティングシステムの種類

オペレーティングシステムには様々な種類があり、分野毎にそれぞれ利用されています。

1. デスクトップ

WindowsやmacOSが主に利用されています。人間が操作しますのでユーザインターフェースの使いやすさを重点に開発されています。

2. サーバ

多数のスレッドやプロセスを効率よく処理できるようになっています。

3. モバイル

iOSやAndroidが主流です。モバイル利用に特化したユーザインターフェースや通信に特徴があります。

4. リアルタイムOS

一定の時間内に応答することを優先して開発されたオペレーティングシステムです。主に産業用のコンピュータシステムで利用されています。

オペレーティングシステムのその他情報

オペレーティングシステムの主な機能

入出力制御
入出力制御は、コンピュータの周辺機器デバイスとの接続です。コンピュータには、キーボードやマウス、プリンタ、ディスプレイ、外付けハードディスクなど様々な周辺機器が接続されます。キーボードやマウスから入力してディスプレイに出力して表示したり、外付けハードディスクに書き込んだりする作業を制御しています。

タスク管理
コンピュータ上のアプリケーション実行やキーボードやマウスからの入力処理など、複数の処理を並列して行う場合の順番を決め、処理に必要なメモリやCPUへの割り当て行う作業を行います。

ファイル管理
記憶装置に格納したデータを管理し、ユーザやアプリケーションにアクセス手段を提供します。

参考文献
https://tech-camp.in/note/pickup/1013/
https://www.geekly.co.jp/column/cat-technology/1910_023/

POSシステム

POSシステムとは

POSシステム

POSシステム (英: Point of Sales) とは、小売店などで商品が販売された際に商品の品目名、販売数量、販売日時などの情報を集計し分析するシステムのことです

POSシステムを使うことで、「いつ」「誰が」「何を」買ったのかを把握でき、商品ごとに購入者やタイミングの特徴などを分析することができます。これらの情報は、小売店の店舗在庫を決定する指標となったり、新商品の商品企画などに役立ちます

POSシステムの使用用途

1. 小売店での販売情報の収集

POSシステムには様々な種類があり、最も身近なものではコンビニやスーパーなどに導入されているレジと一体型となったものが挙げられます。

POSシステムが搭載されたレジ (POSレジ) は、商品バーコードを読み込むことで販売された商品の品目名、数量、販売日時などの情報が取得され、データベースに保存されます。さらに店舗の会員カードを導入している場合、顧客の年齢や性別、過去の購買履歴などの顧客情報もPOSシステムで取得できます。

2. 情報の解析と活用

販売された商品の品目名や販売日時の情報から、小売店は商品ごとの売れ行きを把握したり、時間帯・天候・行事・顧客の属性などの要因との相関関係を分析したりすることができます。

フランチャイズ方式の小売店のように複数店舗がさまざまな地域に分散している場合も、本部で一括して在庫状況や売れ行きを確認できるため発注業務の効率化に役立ちます。

具体的な活用方法としては、「冬季に売れ行きが好調になる商品は冬季の在庫に余裕を持たせる」、「夜間に会社員が購入しやすい商品は、会社員の利用が多い駅周辺の店舗で夜間に目立つよう店頭販売する」というように店舗の在庫やレイアウトの改善が考えられます。データを蓄積するだけでなく適切な分析を行うことで、在庫や仕入れ方式の最適化など、店舗の収益性を改善するための施策を打つことが可能です。

3. 従業員の管理

小売店の販売管理に使用されるイメージが強いPOSシステムですが、同様の仕組みによって社員の勤怠管理や数値目標の管理をできる製品もあります。多数のデータを一元管理できるため、従業員数が多くデータ集計や分析が複雑な企業にとって業務効率化に欠かせないシステムです。

POSシステムの原理

POSシステムには多様な種類があるため、ここではコンビニなどの小売店で導入されているレジ一体型のPOSシステムを例に原理の説明をします。

1. JANコード

小売店で売られている商品は、品目名や製造元情報などと紐づけられた商品コードが割り当てられています。商品コードの形式には国際標準規格があり、日本国内では「JANコード」という規格が用いられています。

JANコードは、一般的に「バーコード」と呼ばれる縦縞模様の識別標識です。商品の外装などに印刷されたり、シールに印刷して貼付されたりしており、商品の製造元や発売元、商品規格などの情報が記載されています。

2. スキャナー

商品に印刷・貼付されたJANコードをレジに取り付けられたハンドスキャナーなどのスキャナーで読み取ります。スキャナーで読み取ることで、JANコードに記録された商品情報が登録されます。

3. POSターミナル

POSターミナルは、POSレジの中枢的な役割を果たす機能です。スキャナーでJANコードを読み取ることによって、売上の登録と記録、レジごとの売上集計、価格表示、レシート発行などを行います。

店内のPOSターミナル同士はストアコントローラーによって接続されており、レジごとの売上をもとに店舗の売上を集計します。さらに本社との情報交換が可能で、POSレジで読み取った商品情報は決済方法などの情報を含めて本部のクラウドに蓄積されていきます。

4. 商品マスター

商品マスターとは商品情報を一元管理するデータベースです。商品の品目名や価格、仕入れ先、売価、原価などの情報が登録されており、店舗から送られてきた売上情報と照合して全社的な売上や利益を管理します。商品マスター上の商品が、いつ誰に売れたのかがPOSレジからの情報で分析できるため、POSシステムの運用には商品マスターの整備が欠かせません。

POSシステムの選び方

POSシステムは大量のデータを扱ううえ、データ送信のネットワークも複雑です。そのようなシステムを導入する手間や費用に見合う成果が得られるよう、導入の目的を明確にしたうえで機能を選ぶことが重要です。

情報収集自体が目的となり分析できなければ、維持費に見合う改善効果が得られずに収益性が下がる可能性があります。また、会員カードやスマホアプリと連携させる場合は、顧客情報の取り扱いに関するコンプライアンスの整備・教育が必要です。

参考文献
https://hnavi.co.jp/knowledge/blog/pos_system/
https://boxil.jp/mag/a2537/

PDF帳票

PDF帳票とは

PDF帳票

PDF帳票とは、帳票作成ツールを利用して設計された帳票が、サーバ上の出力機能によりPDF形式ファイルへと変換されたものです。

帳票作成ツールにより、見積書や請求書、納品書、支払明細といったあらゆる帳票をWeb上で自動的にPDFファイルへと変換することができます。さらに帳票を作成すると、PDF変換されたデータがクライアントへ送信可能で、パスワードなどのセキュリティ情報を付加することもできます。

これらの工程を一括して行うことも可能となり、業務効率化につながります。

PDF帳票の使用用途

近年、デジタルトランスフォーメーション (DX) が推進される中で、帳票発行業務のデジタル化が進み、PDF帳票が利用されています。PDF帳票は、帳票作成ツールによって作成され、帳票を必要とする大企業から中小企業まで幅広く活用されています。

これまでは帳票の作成、印刷やメール送付を独立して行う必要がありましたが、PDF帳票として一括管理することで、一連の作業をが大幅に効率化されました。ツールに応じて、グラフィック豊かなものや高速処理可能な軽量のタイプなどさまざまなものが利用されています。 

PDF帳票はデジタルで保存することができるため、紙保存に比べてスペースの節約になります。また、ExcelやWordで作成した文書をPDF化することで変更できなくなるため、改ざん防止やセキュリティの面でも優れており、長期的な保存にも最適です。

電子メールで資料やデータを送付する際には、送付先で変更ができないように、また送付先の使用アプリケーションの違いによる文字化けや位置ズレを起こさないようにするため、PDFに変換して送付するケースがあります。

PDF帳票の原理

PDF帳票は、設計した帳票を電子データとして出力し、サーバ上に保存したり、メールなどで送受信したりするものです。煩雑になりやすい伝票や明細類などあらゆる帳票に対して、そのデータをPDFファイルとして出力することができます。

まず帳票作成ツールを利用して帳票ファイルを作成し、ファイルをWebサーバやクラウド上に転送します。そして、帳票の出力機能を起動することで、PDF形式へと変換します。

作成されたPDF帳票はクライアントPCへと転送され、電子データとしての保存や紙媒体への印刷が可能となります。PDF帳票のデータ転送だけでなく、オンライン出力やメール、FAX送信なども帳票作成ツール上の操作で可能です。

これまでの帳票書類は紙媒体で保存がすることが原則とされ、会社法で定められた10年間は紙媒体として管理されてきました。しかし、電子帳簿保存法が改正されて以降、デジタルデータによる保存が認められ、PDF形式によるデジタル帳票の意義が高まっています。 

PDF帳票のその他情報

1. PDFとは

PDF (Portable Document Format)とは、米国のアドビシステムズが開発した電子文書のファイル形式のことです。MicrosoftのExcelやWordなどで作成された帳票を、紙に印刷する時とほぼ同じレイアウトで電子化することができます。

また、PDFはパソコンやスマートフォンでの表示や保管も容易であるため、ペーパーレスの観点でも利用されています。

2. 帳票とは

帳票とは、請求書や納品書、注文書、支払明細書といった企業や団体が業務を行う上で必要な書類のことです。特に企業間のやりとりの際に使われることが多く、金額や公的文書、承認証跡などが記載されているため、機密文書として取り扱われます。

帳票の種類に応じて書き方やフォーマットがあり、企業や団体独自で指定されていることがほとんどです。

参考文献
https://support.smp.ne.jp/manuals/pdf_report/
https://www.createform.jp/model/pdf.html
http://itdoc.hitachi.co.jp/manuals/3020/3020753640/EUPS0010.HTM

OCRソリューション

OCRソリューションとは

OCRソリューションとは、紙や画像に記載された文字情報をデジタル化するためのOCRエンジンを中核としたシステムやサービスのことです。

OCRとは「Optical Character Recognition (光学文字認識) 」の略で、スキャナーやカメラなどで読み取った画像から文字を検出し、テキストデータに変換する技術です。OCRソリューションは、単に文字認識を行うだけでなく、読み取ったデータを整理したり、管理したり、分析したりする機能も備えています。

例えば、手書きの申込書や契約書などから必要な情報を自動的に抽出し、データベースに登録したり、エクセルやワードなどのファイル形式に変換したりすることが可能です。その他、デジタル化されたデータを活用して業務効率化や生産性向上を図ることができるメリットがあります。

また、紙の保管や廃棄などのコストや環境負荷も削減することができます。近年では、AI技術を用いて手書き文字やひらがな・カタカナ・漢字などの多様な文字種に対応した高精度なOCRソリューションも登場しています。

OCRソリューションの使用用途

OCRソリューションは、これまで多くの紙業務を抱えていた金融やサービス、小売、製造、自治体といったさまざまな業種において使用されています。

具体的には、以下のような業務で使用されています。

1. 受注処理

お客様から送られてくる注文書や見積書をOCRでデータ化し、販売管理システムに自動的に反映させることができます。これにより、手入力の手間やミスを削減し、受注処理の効率化と品質向上を図ることが可能です。

2. 経費精算

領収書や請求書をOCRで読み取り、経費精算システムに自動的に登録することができます。これにより、データ入力の時間やコストを削減し、経費精算のスピードアップと正確性向上を図ることが可能です。

3. 本人確認

運転免許証やパスポートなどの身分証明書をOCRで読み取り、本人確認システムに自動的に登録することができます。これにより、本人確認の手間やミスを削減し、セキュリティやコンプライアンスの強化を図ることが可能です。

4. 各種申し込み

申込書や契約書などの書類をOCRで読み取り、申込管理システムに自動的に登録することができます。これにより、データ入力の手間やミスを削減し、申込処理の効率化と品質向上を図ることが可能です。

OCRソリューションの原理

OCRソリューションは、OCRエンジンを中核として紙の文書や画像から抽出したテキストデータを業務課題に適した機能を追加することでソリューション提供しています。

主な付加機能として、以下のようなものがあります。

1. データ管理

テキストデータを分析して分類などを行い、インデックスを付けて検索機能を提供します。

2. システム連携

他の業務システムと連携してテキストデータを出力することで、登録作業の自動化を行います。

3. バーコード・QRコード認識

バーコードやQRコードも認識できるようにすることで、文字認識と同時に行うことができます。

OCRソリューションの選び方

OCRソリューションは各社から多くのモデルがリリースされています。選ぶ際は、以下の5つに注意が必要です。

1. クラウドとオンプレミス

OCRソリューションには、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。

クラウド型
クラウド型はインターネット経由で利用できるため、初期費用やメンテナンス費用が低く済みます。しかし、ネットワーク環境やセキュリティ面に注意する必要があります。

オンプレミス型
オンプレミス型は自社サーバーにインストールして利用するため、初期費用やメンテナンス費用が高くなります。しかし、ネットワーク環境やセキュリティ面における自由度は高いです。

2. 他のシステムとの連携

OCRソリューションを単体で利用するだけではなく、他の業務システムと連携することでより効果を発揮します。例えば、販売管理システムや経費精算システムなどです。そのため、自社で利用している業務システムと連携可能かどうかを確認することが重要です。

OCRエンジンの性能文字認識機能であるOCRエンジンの性能によって精度や速度が異なります。例えば、「手書きや印字など多様なスタイルの文字を認識できるかどうか」「専門用語や外国語など対応可能な文字種類や言語は何か」などが挙げられます。

そのため、自社で扱う文書の内容や形式に合わせてOCRエンジンの性能を比較することが重要です。

3. 価格とサポート体制

実際に導入して利用する際には、価格やサポート体制も重要です。例えば、初期費用や月額費用だけでなく、読み取り回数や容量制限なども考慮する必要があります。

また、トラブル発生時やカスタマイズ依頼時にはサポート体制も重要です。

4. 入力デバイスのサポート

紙や画像から文字を読み取りますが、その入力方法もさまざまです。例えば、PCからアップロードしたり、複合機やスキャナーから入力したりすることもあるので、自社の要件にあった入力デバイスがサポートされていることを確認する必要があります。

参考文献
https://www.hammock.jp/defact/media/ocr-engine-basic.html
https://mediadrive.jp/technology/ocr
https://www.keyence.co.jp/ss/products/vision/visionbasics/use/character.jsp
https://rpa-technologies.com/insights/what-is-ocr/

OCRエンジン

OCRエンジンとは

OCRエンジン

OCR (英: Optical Character Recognition) エンジンとは、画像中に含まれるテキストを自動的に認識し、コンピューターで処理できる形式に変換するためのソフトウェアです。

紙の文書をスキャナーやカメラから取り込んで画像データ化したものファイルや画像、写真にからテキストを抽出することができます。OCRエンジンは、情報のデジタル化や文書管理、自動化プロセス、検索エンジンのインデックス作成など、多くの分野で重要な役割を果たしています。

OCRエンジンは、人手でテキストを入力する手間やミスを減らすだけでなく、生産性や精度を向上させることも可能です。ただし、OCRエンジンは完璧ではありません。手書き文字や特定の書体、画像の品質によっては、認識率が低下することがあるので、人手による修正は必要となります。

OCRエンジンの使用用途

OCRエンジンは、さまざまな用途で利用されています。具体的な使用用途は、以下のとおりです。

1. 文書のデジタル化

OCRエンジンを使用することで、紙の文書をスキャンし、テキストファイルやPDFなどのデジタルファイルに変換することができます。これによって文書管理やデータ処理が容易になり、生産性や効率が向上します。

2. 自動化プロセス

OCRエンジンを利用することで、ビジネスプロセスの自動化が可能になります。例えば、請求書をスキャンし、OCRエンジンで認識したデータを自動的に処理することで、請求書の処理時間を短縮できます。

3. 検索エンジンのインデックス作成

OCRエンジンを利用することで、画像やPDFなどの非テキストファイルに含まれるテキストを抽出し、検索エンジンのインデックス作成に利用することができます。これにより、より正確かつ効率的な検索が可能になります。

4. パスポートや免許証の読み取り

OCRエンジンは、パスポートや免許証などの公的文書の読み取りにも利用されます。これにより、身分証明書の確認などのプロセスが自動化され、スムーズな業務運営が可能になります。

5. テキストマイニング

OCRエンジンを使用することで、紙で残されている大量の文書から特定のキーワードやフレーズを抽出することができます。これにより、従来では不可能だった分析を行うことができます。

OCRエンジンの原理

1. 前処理

OCRエンジンは、入力された画像を前処理を行います。具体的には、画像の傾きを調整したり、ノイズを除去したりします。これによって、OCRエンジンが文字を正確に認識するための環境を整えます。

2. 文字認識

OCRエンジンは、画像中の文字を認識するために、文字認識アルゴリズムを使用します。文字を認識するために必要な技術は、テンプレートマッチング、パターン認識、ニューラルネットワークなどです。

OCRエンジンは、認識された文字をUnicodeやASCIIなどの文字コードに変換します。

3. 補正

OCRエンジンは、認識された文字を補正するために、複数の手法を使用します。具体的には、言語モデルや文脈情報、文字誤り訂正などです。これによって、OCRエンジンはより正確なテキストを生成することができます。

4. 出力

OCRエンジンは、認識されたテキストをコンピューターで処理できる形式に変換します。具体的には、テキストファイルやPDF、HTMLなどのフォーマットです。

OCRエンジンの性能は、使用する技術や入力画像の品質に依存します。OCRエンジンは、さまざまなアプリケーションで活用されており、日々進化しています。

OCRエンジンの種類

OCRエンジンには対象とする文書や帳票によって、異なるアルゴリズムが使用されています。代表的な種類は以下のとおりです。

1. 定型帳票認識

あらかじめ定義された帳票の領域に存在するテキストを認識します。レイアウトの行や列数、位置などが一致する必要があります。請求書や納品書などの読み取りに使用されます。

2. 非定型帳票認識

さまざまなレイアウトに書かれたテキストを認識することができます。請求書や領収書、レシートなどが混在していても、テキストを抽出することができます。

3. 手書き文字認識

AIの技術を活用することで、自由度の高い文字群を認識できます。これにより手書きのひらがなやカタカナ、漢字、数字などを効率的に認識します。手書きのメモや書類の署名など、さまざまな文書の自動処理に利用されます。

参考文献
https://www.hammock.jp/defact/media/ocr-engine-basic.html
https://mediadrive.jp/technology/ocr
https://www.keyence.co.jp/ss/products/vision/visionbasics/use/character.jsp
https://rpa-technologies.com/insights/what-is-ocr/

CFDシミュレーション

CFDシミュレーションとは

CFDシミュレーション

CFDシミュレーションとは、流体力学的な方程式を計算機上で解くことです。

様々な物質の流れや生じる諸現象を明らかにする方法で、計算機上で様々な流れ現象を再現し、製品や機器の設計・開発に応用されています。実際に試作品を制作して実験する必要がなく、計算機上でシミュレーションできるため時間とコストを抑制することができます。

さらに実験では解析困難な複雑な流れ現象 (乱流など) であっても、再現することが出来るメリットがあります。 

CFDシミュレーションの使用用途

CFDシミュレーションは流体を扱う様々な分野で利用されています。例えば、自動車や航空機では、空気抵抗を考慮した設計開発が必要であることから、CFDシミュレーションによる再現が必要です。

その設計次第で、走行・飛行性能に大きな影響があり、燃費性能の向上に繋げることができます。また配管中を流れるガスや液体の特性を理解することは、様々なインフラ (電力、水道、ガス) では基礎的な知見となります。そこでCFDシミュレーションが流体の解析に利用されています。 

CFDシミュレーションの原理

CFDとはComputational Fluid Dynamicsの略で数値流体力学を意味します。

コンピュータの性能が著しく発展し、流れ現象の数値解析が実用的となったことでCFDシミュレーションは進歩しました。1970年頃からスーパーコンピュータの利用が徐々に浸透し、CFD技術進歩の後押しをしてきました。

実験的に解析することが困難な流れ現象であっても、ナビエ・ストークス方程式の数値シミュレーションによりその流れを再現することができます。特に乱流問題は未だ古典的に解析できない未解決問題となっており、CFDシミュレーションが重要な役割を担っています。

シミュレーションでは流体運動を解析するために、単純化した物理モデルを使用する場合が多く、実際の流れと誤差が生じます。より正確なシミュレーションを行うために詳細な物理モデルを定義すると、その分処理すべき演算量も増大するため、ハイスペックなハードウェア、ソフトウェアが求められます。

この場合にはスーパーコンピュータを利用すれば、膨大な演算処理とグラフィック処理を高速度で行うことができます。

参考文献
https://www.plm.automation.siemens.com/global/ja/our-story/glossary/cfd-simulation/67873
https://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=37-1_rensai.pdf&dir=165

Authentication

Authenticationとは

Authentication

Authentication (オーセンティケーション) とは、日本語で「認証」と訳し、相手が利用者本人であることを確認するための「本人確認」です。

認証はサイバーセキュリティの最も重要な側面の1つです。データ漏洩やサイバー攻撃が多発している現代では、安全な認証システムの導入が不可欠となっています。

認証とは、システムやアプリケーションにアクセスしようとするユーザーやデバイスの身元を確認するプロセスです。不正アクセスに対する最初の防御線であり、機密情報が悪用されるのを防ぐことができます。

Authenticationの使用用途

Authenticationはデータの安全性やプライバシーを守るため、さまざまなシーンで利用されています。

オンラインサービスで重要な役割を果たしており、適切に利用することで、ユーザーの安全性や信頼性を高めることができます。Authenticationの主な使用用途は、以下のとおりです。

1. オンラインバンキング

オンラインバンキングでは、お金のやり取りを行うため、高度なセキュリティが必要です。Authenticationを用いて、ユーザーの本人確認を厳しく行います。

例えば、パスワードに加えて、SMSやメールで送られるワンタイムパスワードや、指紋や顔認証などの生体認証を求める場合があります。

2. ソーシャルメディア

ソーシャルメディアでは、ユーザーの個人情報やプライバシーを守るために、Authenticationが必要です。例えば、FacebookやTwitterでは、パスワードだけでなく、電話番号やメールアドレスの確認も行います。また、不審なログインがあった場合は、ユーザーに通知したり、追加の認証を求めたりする場合があります。

3. オンラインショッピング

オンラインショッピングでは、ユーザーの購入履歴やカード情報などを管理するために、Authenticationが必要です。例えば、Amazonや楽天では、パスワードに加えて、メールアドレスや電話番号の確認も行います。また、クレジットカードで支払う場合は、カード会社から送られるワンタイムパスワードや暗証番号などの認証も求められることがあります。

Authenticationの原理

Authenticationにはいくつかの方法があり、重要な個人情報にはより複雑な認証方法が設定されています。

1. WYK (What You Know) 認証

WYK (What You Know) 認証は、パスワードや暗証番号をあらかじめ設定し、入力の一致で本人であると認証する方法です。ただし、入力時に覗き見されたり、暗号化されていない通信を盗聴されたりすると簡単に突破されてしまいます。

2. WYH (What You Have) 認証

WYH (What You Have) 認証は、ICカードや乱数表などを物理的に用意して認証する方法です。ネット上にデータとして存在しないため、物理的に盗まれない限り、突破される可能性はほとんどありません。

3. WYA (What You Are) 認証

WYA (What You Are) 認証または生体認証は、指紋や静脈、声、顔など自分の身体の一部を登録し、その固有のパターンで認証する方法です。本人の身体を利用するため、第三者による突破の可能性は最も低いです。ただし、システムの精度によっては本人を識別できず認証されない問題も発生しています。

Authenticationの種類

Authenticationには利用するシーンに応じて以下の様な種類が存在します。

1. ログイン認証

Webサービスやアプリケーションで、ユーザーが自分のアカウントにアクセスする際に、ログイン認証が行われます。パスワードを使った認証が最も一般的ですが、指紋や顔認証などのバイオメトリクス (生体認証) も広く利用されています。

2. 二要素認証 (2FA) 

より高度なセキュリティが求められる場合、二要素認証 (2FA) が利用されます。2FAは、パスワード等の知識情報と、スマートフォンなどの所持品情報を組み合わせた認証手法です。例えば、ログイン後にSMSで送られる認証コードの入力で、セキュリティを強化しています。

3. OAuth認証

OAuth認証は、APIを利用する際に、アプリケーションやサービス間でユーザー情報のアクセス許可を管理するための認証手法です。OAuthの使用により、ユーザーは自分のアカウント情報を直接共有せずに、第三者アプリケーションに一定の権限を付与できるので、プライバシー保護に役立ちます。

4. PKI (Public Key Infrastructure) 

PKIは、暗号化やデジタル署名を用いて、ユーザーやデバイスの認証を行うシステムです。証明書を用いて、公開鍵と秘密鍵のペアを管理し、データのやり取りを安全に行うために利用されます。たとえば、SSL/TLSを使用したWebサイトのセキュリティ対策に広く活用されています。

これらの認証技術は、インターネット上での情報交換やプライバシー保護を支える基盤技術です。適切な認証手法を選択し、セキュリティ対策を強化して、安全なITシステムの構築が可能となります。

参考文献
https://e-words.jp/w/%E8%AA%8D%E8%A8%BC.html
https://mypage.otsuka-shokai.co.jp/contents/business-oyakudachi/it-security-course/2017/201711.html