リレーボックスとは
リレーボックス (英: Relay box) とは、電気部品のリレーを複数収納した機器です。
複数のリレー (英: Relay) とそれらを収納するためのボックス状のケースから構成されます。複数のリレーを1つの場所にまとめて収納することで、配線を整理し、保護や管理を容易にします。
また、外部からの機械的なダメージや環境条件からリレーを保護するのも役割の1つです。
リレーボックスの使用用途
リレーボックスは、さまざまな産業や応用分野で使用されます。以下はリレーボックスの使用用途一例です。
1. 自動車産業
自動車のエンジン制御システムや電子制御ユニット (ECU) で使用されます。エンジンの点火システムや燃料噴射システムの制御に関与し、信号の受け渡しや保護機能を構成します。
2. 産業装置制御
工場や製造プラントの制御システムにおいて使用されます。製造ラインの動作や機械の制御、制御信号の配線管理などに用います。
3. 建築および住宅
照明システムやHVAC (暖冷房) システムの制御に使用されます。リレーボックスを使用することで、複数の照明や電源を一元管理することが可能です。オフィスビルなどの照明は、現在はリレーボックスによる集中監視コントローラが主流です。
5. 自動制御システム
自動制御システムの一部として、使用されることがあります。自動ドア制御やエレベーター制御に使用されます。信号機の制御用リレーボックスも、街中で見かける場合があります。
リレーボックスの原理
リレーボックスは一般的に以下の要素で構成されます。
1. ボックス
リレーとその他の電気部品を収納するための箱状のケースです。ボックスは耐久性のある素材で作られており、内部の電気部品を保護します。また、ボックスには通気孔や配線用入線口などが開口されている場合が一般的です。
2. リレー
リレーボックスの主要な構成要素はリレーであり、電気信号を受け取って機械を制御するためにデジタル信号を出力する部品です。ある入力が起点となり別の出力に影響を及ぼす様子が、バトンリレーをイメージさせることからこの名前が付けられました。リレーは接点がある有接点リレーと無接点リレーに分けられます。
有接点リレーは接点を機械的に動作させて接点信号を出力するリレーで、動作原理からメカニカルリレーとも呼ばれます。電磁コイルや接点などで構成されます。
無接点リレーは半導体を使用することで、物理的に接点を動作させずに接点信号を出力する部品です。動作原理から、ソリッドステートリレーとも呼ばれます。高応答性と高寿命が特徴で、オンオフが高頻度で必要な場面に活用されます。
3. 接続端子
外部からの信号や電源との接続を行うための端子部品です。入力端子は制御信号の受け入れを可能にし、出力端子は制御信号を他の装置や回路に伝達します。この部品によって、リレーボックスの外部接続を容易にします。
4. 配線
リレーおよび他の電気部品間を接続する部品です。制御信号や電力の経路を確立し、各リレーが適切に動作させます。配線は通常、ケーブルや配線用ハーネスを使用されます。
リレーボックスの選び方
リレーボックスを選ぶ際は、電気的条件、リレー種類、サイズなどを考慮します。
1. 電気的条件
電気的条件は、回路の使用電流や電圧要件のことです。制御信号の電流や電圧に合わせて、適切な能力を持つリレーや端子部品を備えている必要があります。電圧要件などの選定を誤ると、リレーの焼損などに直結する場合があります。
2. リレーの種類
リレーボックスには、さまざまな種類のリレーが使用されることがあります。ターミナルリレーやソリッドステートリレーなど、使用環境や用途に応じて適切なリレータイプを選択します。
ターミナルリレーなどを選定すれば、リレーボックスのサイズダウンが可能な場合があります。
3. サイズ・取り付け方法
サイズと取り付け方法も重要な要素です。設置するスペースや取り付け方法 (壁面取り付け、DINレール取り付けなど) に合わせて適切なサイズと取り付けオプションを選びます。
参考文献
http://www.mskw.co.jp/support/car/relay
https://www.omron.co.jp/ecb/product-info/basic-knowledge-series/basic-knowledge-of-relays/part1/basics