リレーボックス

リレーボックスとは

リレーボックス

リレーボックス (英: Relay box) とは、電気部品のリレーを複数収納した機器です。

複数のリレー (英: Relay) とそれらを収納するためのボックス状のケースから構成されます。複数のリレーを1つの場所にまとめて収納することで、配線を整理し、保護や管理を容易にします。

また、外部からの機械的なダメージや環境条件からリレーを保護するのも役割の1つです。

リレーボックスの使用用途

リレーボックスは、さまざまな産業や応用分野で使用されます。以下はリレーボックスの使用用途一例です。

1. 自動車産業

自動車のエンジン制御システムや電子制御ユニット (ECU) で使用されます。エンジンの点火システムや燃料噴射システムの制御に関与し、信号の受け渡しや保護機能を構成します。

2. 産業装置制御

工場や製造プラントの制御システムにおいて使用されます。製造ラインの動作や機械の制御、制御信号の配線管理などに用います。

3. 建築および住宅

照明システムやHVAC (暖冷房) システムの制御に使用されます。リレーボックスを使用することで、複数の照明や電源を一元管理することが可能です。オフィスビルなどの照明は、現在はリレーボックスによる集中監視コントローラが主流です。

5. 自動制御システム

自動制御システムの一部として、使用されることがあります。自動ドア制御やエレベーター制御に使用されます。信号機の制御用リレーボックスも、街中で見かける場合があります。

リレーボックスの原理

リレーボックスは一般的に以下の要素で構成されます。

1. ボックス

リレーとその他の電気部品を収納するための箱状のケースです。ボックスは耐久性のある素材で作られており、内部の電気部品を保護します。また、ボックスには通気孔や配線用入線口などが開口されている場合が一般的です。

2. リレー

リレーボックスの主要な構成要素はリレーであり、電気信号を受け取って機械を制御するためにデジタル信号を出力する部品です。ある入力が起点となり別の出力に影響を及ぼす様子が、バトンリレーをイメージさせることからこの名前が付けられました。リレーは接点がある有接点リレーと無接点リレーに分けられます。

有接点リレーは接点を機械的に動作させて接点信号を出力するリレーで、動作原理からメカニカルリレーとも呼ばれます。電磁コイルや接点などで構成されます。

無接点リレーは半導体を使用することで、物理的に接点を動作させずに接点信号を出力する部品です。動作原理から、ソリッドステートリレーとも呼ばれます。高応答性と高寿命が特徴で、オンオフが高頻度で必要な場面に活用されます。

3. 接続端子

外部からの信号や電源との接続を行うための端子部品です。入力端子は制御信号の受け入れを可能にし、出力端子は制御信号を他の装置や回路に伝達します。この部品によって、リレーボックスの外部接続を容易にします。

4. 配線

リレーおよび他の電気部品間を接続する部品です。制御信号や電力の経路を確立し、各リレーが適切に動作させます。配線は通常、ケーブルや配線用ハーネスを使用されます。

リレーボックスの選び方

リレーボックスを選ぶ際は、電気的条件、リレー種類、サイズなどを考慮します。

1. 電気的条件

電気的条件は、回路の使用電流や電圧要件のことです。制御信号の電流や電圧に合わせて、適切な能力を持つリレーや端子部品を備えている必要があります。電圧要件などの選定を誤ると、リレーの焼損などに直結する場合があります。

2. リレーの種類 

リレーボックスには、さまざまな種類のリレーが使用されることがあります。ターミナルリレーやソリッドステートリレーなど、使用環境や用途に応じて適切なリレータイプを選択します。

ターミナルリレーなどを選定すれば、リレーボックスのサイズダウンが可能な場合があります。

3. サイズ・取り付け方法

サイズと取り付け方法も重要な要素です。設置するスペースや取り付け方法 (壁面取り付け、DINレール取り付けなど) に合わせて適切なサイズと取り付けオプションを選びます。

参考文献
http://www.mskw.co.jp/support/car/relay
https://www.omron.co.jp/ecb/product-info/basic-knowledge-series/basic-knowledge-of-relays/part1/basics

ラインレーザー

ラインレーザーとは

ラインレーザーとは、空間にレーザーのラインを引くことで、作業を行う位置を明確にする装置です。

建設現場や内装工事で主に使用されます。非破壊で、跡が残らないことが特徴です。正確な位置にレーザーを当てるために、設置する地面が傾いている場合でも、水平を担保する必要があります。

ラインレーザーの種類は、ジンバル式と電子正準式です。レーザーの本数が2本の製品から、数本の製品まであり、天井にまでラインを引くことができる製品も存在します。

ラインレーザーの使用用途

ラインレーザーは工場や施設、住宅を建設する際の建設現場において、装置を搬入する場所の指定や、構造物を設置する場所の指定などで利用されます。また、内装工事の場合では、穴をあけるポイントの指定などに有用です。

ラインレーザーの選定の際には、水平を出す機構の選択、レーザーの本数、使用する環境にラインレーザが適しているかどうかを考慮することが大切です。レーザーの色についても、環境によって見やすさが異なるため、注意が必要です。

ラインレーザーの原理

ラインレーザーは、水平を出す機構とレーザー出力部で構成されており、水平を出す機構はジンバル式と電子正準式の2つです。レーザー出力部では、半導体が使用されます。半導体にエネルギーを与えると励起状態になり、励起状態から基底状態に戻ろうとする際に、光を放出します。

ある励起状態の半導体内部の原子が光を放出すると、この光が周囲の励起状態の原子に照射されます。この後、周囲の励起状態の原子も誘導放射と呼ばれる現象を起こして光を放出します。これがレーザー光が強い強度で出力される原理です。

その光を鏡板や接合部で増幅させることによって、レーザーとして光を発します。前述の誘導放射では同じ波長、位相の光を放出するため指向性の高い光が出力されます。

1. ジンバル式

ジンバル式は振り子が内蔵されており、その振り子が振動することによって地球の中心点を割り出し、水平を取ります。重力を用いたシンプルな動作原理であるため、後述する電子正準式のように外気温や外気圧に精度が左右されることがありません。

ただし、振動がある場所では振り子の振動が安定せず、ラインが安定しないため注意が必要です。また、粉じんなどの異物に弱い特徴もあります。

2. 電子正準式

電子正準式は、液体と気泡がある容器が内蔵されており、その気泡の位置を測定することによって水平を取ります。気泡の位置を測定するセンサーのことを正準センサーと呼びます。正準センサーで取得したセンサー値を元に、水平位置の計算を内部にある基板を用いて行います。

上記の原理のため、ジンバル式と比較すると振動に強い点がメリットです。しかし、高温下では気泡が大量に発生する可能性があり、正準センサーが正確なセンサー値を取得できないため注意が必要です。温度の他に圧力にも影響されます。

ラインレーザーのその他情報

1. レーザーの光の大きさと色

レーザーの光の大きさは、規格によって決められており、ラインレーザには人の目に入ってもすぐには被爆しない大きさの光が使用されます。 レーザーの色には赤色と緑色があります。

赤色は屋外になると見えにくくなるため、用途は主に屋内や薄暗い現場でのライン出しです。緑色の光は屋外でも見やすいため、屋外のライン出しの用途でも使用されます。

2. 受光器

受光器とは、光に反応して音を出してくれる装置です。受光器をライン出しをしている周辺箇所に当てることで、音による判断でどこにラインが引いてあるのかを確認します。直射日光で明るい現場等、光が見づらい状況で活躍する装置です。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/marker/lasermarker/basics/principle.jsp
https://jpn.tajimatool.co.jp/category/39
https://www.bildy.jp/mag/linelaser-faq-first/
https://www.bildy.jp/mag/linelaser/

モールディング

モールディングとは

モールディング

モールディングは、日本語では成形という意味で使用され、溶かした樹脂を金型に流し込み成形することや、粉体に圧力をかけて成型することを言います。プラスチックの製造としては、射出成型が一般的で様々な会社から射出モールディング装置が発売されています。また、半導体の製造工程において、半導体チップを保護する樹脂としても、モールディング技術が利用されており、現在の産業としては欠かせない技術となっています。

モールディングの使用用途

モールディングは、プラスチックの製造現場や半導体の製造現場、樹脂製品の製造現場など、様々な産業で利用されています。ペットボトルや半導体チップの保護膜が主なモールディング先になります。モールディングの装置の選定の際には、製造スピードや成形精度、消費電力、対応しているモールディングの素材などを考慮する必要があります。特に、精密機器、その部品、半導体の製造工程で使用されるモールディングの装置については、高い精度の装置を選定する必要があります。

モールディングの原理

モールディングの主な使用用途である、プラスチックの成形の射出成型と、半導体のモールディングを例に出して、動作原理を説明します。

  • 射出成型
    射出成型は、インジェクションモールディングと呼ばれ、ペットボトルやプラスチック容器の成形に使用されています。加熱することで溶かした樹脂を金型に流し込み、冷却することで樹脂を金型の形に成形します。一般的な連続射出成型の場合は、金型から取り外す装置があり、連続して成形を行うことができます。
  • 半導体モールディング
    半導体のモールディングは、配線が完了した半導体チップを樹脂で囲むことによって、酸化やごみの付着から保護するために行われます。半導体チップの上に、金型を設置し、金型に少量の溶解した樹脂を流し込み、冷やすことで成形します。半導体がダメージを受けない温度で樹脂を流し込み、高精度の金型で凝固させ、バリなどを発生させないことが求められます。 

参考文献
https://www.towajapan.co.jp/jp/technology/molding/

メタルソー

メタルソーとは

メタルソー

メタルソーとは、切断機に取り付けて素材を切ったり、溝を加工するときに使用するドーナツ型のノコギリ刃のことです。

材質が高速度工具鋼 (ハイス) で作られており、さまざまな材質の加工が可能になっています。再研磨して使用できるため、刃の円径が切断機の限界を超えて小さくなるまで何回でも使用可能です。

切断用砥石を使う高速切断機よりも回転速度が遅いので、火花の飛散や粉塵の発生を抑えながら加工できる特徴があります。

メタルソーの使用用途

メタルソーは、丸材や角材、L字アングル材の切断に使われるほか、高速切断機では不適な塩ビ管やアルミなどの摩擦熱に弱い材質の切断にも使用されます。ただし、非鉄金属や塩ビ管などの素材は、それぞれの材質に適合した刃物を選定する必要があります。

火花を発生させにくいことから、火気に注意しなければならない場所でも使用可能です。また、種類によっては材料を固定するバイスやクランプの角度を自在に変更できるため、角度のついた切断も行えます。

メタルソーの原理

同じ切断機でも、切断用砥石を用いた高速切断機と比較した場合、それらの特徴は大幅に異なっています。まず、メタルソーは高速切断機ほど回転が速くないため、粉塵の発生を抑えることが可能です。

砥石と比べて刃の消耗が早いので、早いペースで再研磨をする必要があります。研磨を繰り返して刃物の径が小さくなりすぎると、交換するコストや手間がかかってしまいます。

砥石は寿命が比較的長いため、長時間にわたって切断し続けることが可能です。しかし、メタルソーに比べると加工スピードは若干落ちる他、高速で砥石が回転しているので、火花や粉塵が盛大に発生します。作業環境に十分な注意が必要です。

また、メタルソーのほうが熱による影響を受けないため、切断したあとの断面にバリが出にくく、切断面が綺麗に仕上がるメリットがあります。

メタルソーのその他情報

1. メタルソーとハンドソーの違い

ハンドソーはいわゆる「のこぎり」で、帯状の金属に刃先がついたものをいいます。メタルソーは全体がハイス材などの硬い材質でできているのに対し、ハンドソーは刃先の部分にだけハイス材が使われています。

帯状の金属は弾力を持っており、力を加えることでしなるのが特徴です。この金属に柄をつけて手動で対象物に対し切断を行います。

メタルソーとの一番の違いは刃先で、ハンドソーには切削性を良くするために刃を左右に振り分けた「アサリ」があることです。メタルソーにはこの「アサリ」はありません。

2. メタルソーの切削条件

メタルソーによる切削条件は切断物の材種やメタルソーの材質、各工程での作業によって変わります。

切削速度の調整は次の指針で行います。

切削速度を遅くするケース

  • メタルソーの寿命を優先するケース
  • 被削材が硬い材種であるケース
  • 荒加工の切削を行うケース
  • 新しい作業に着手するケース
  • メタルソーの摩耗の進行が著しいケース

切削速度を速くするケース

  • 被削性のよい材種のケース
  • 高度な仕上げが必要なケース (完成間際の仕上げ削りや細部の精密な仕上げの場合)

1刃当たりの送り量の調整は次の指針で行います。

送り量を小さくするケース

  • 切断機への取付けが不安定な被削種、形状が薄肉ないしは安定しない材料のケース
  • 薄くしなやかなメタルソーで切削しなければならないケース
  • 高度な仕上げが必要なケース (完成間際の仕上げ削りや細部の精密な仕上げの場合)
  • 切刃に小さい欠けがある場合で送りを下げても最小送りを下回らないケース
  • 深い溝を削るケース

送り量を大きくするケース

  • 被削性のよい材種のケース
  • 断続した被加工面のケース
  • 逃げ面摩耗が著しく増大するケース
  • 機械がビビルようなケース (振動が発生して切削物上に振動の痕が残る場合)

3. メタルソーの研磨について

メタルソーは、研磨を繰り返していると少しずつ刃は削れ直径が小さくなります。切断物に刃が届く限りは再研磨を行い繰り返し使用することができますが、切断機から刃が切断物に届かなくなった場合はメタルソーの交換が必要です。

再研磨をする場合は、なるべく早めに行うとメタルソーの割れなど作業上のトラブルを回避できます。また、切断機に付着した切り粉の整備はメタルソーの寿命を伸ばし、ランニングコストを抑えられます。

4. メタルソーと併用される機械

このメタルソーと併用される機械としては、バンドソーやコールドソーなどが挙げられます。コールドソーはバンドソーよりも切断面がきれいに仕上がるため、精度の高い切断を求められる場合に使用されます。

どちらの機械も、メタルソーと組み合わせることでより高い加工能力の発揮が可能です。また、刃の選択や切削条件の調整によって、さまざまな材料を切断できます。さらに、近年では自動化技術の進歩によって、これらの機械を自動化すると高い生産性と安全性が実現されます。

バンドソー
バンドソーは、幅の広い薄い刃を使用して切断を行う機械です。刃の長さによって切断可能な材料の厚みが変わります。また、バンドソーは材料を自動で送り込めるため、高い生産性を持ちます。

コールドソー
コールドソーは円盤状の刃を使用して切断を行う機械で、高速回転する刃で材料を切断します。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_processing/T1200000000/T1217000000/
https://www.okayasanso.co.jp/purpose/cutting/4340
https://mrt-metalsaw.com/archives/technology/condition
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0343.html

メスコネクタ

メスコネクタとはメスコネクタ

メスコネクタとは、電気信号や電流を伝えるために機器やケーブルについている接続器具のことです。

メスコネクタは、オスコネクタと対になって使用されます。オスコネクタはケーブルの先端に導電性のある金属のピンが付いているのに対して、メスコネクタ側にはピンを挿入するための導電性金属の筒状の穴 (ソケット) が設けられています。

一般的に、ケーブルは複数の導線がまとめられており、メスコネクタには導線の数の穴がまとめて一つのケースに収納されています。メスコネクタはこの複数の接続口の開いたケースを一つとして取り扱います。

メスコネクタの使用用途

メスコネクタは、電気機器類の、信号や電流を通すケーブルの接続と切り離しを行うあらゆる部分で使用されています。

メスコネクタは常にオスコネクタと対になって使用されます。コネクタは電源ケーブルや信号ケーブル、電気機器類の外部から電流や信号を取り入れる部分、電気機器内部の基板上や、基板間のケーブル接続部分などで広く利用されています。

メスコネクタは、通常は電流や信号を流す側のコネクタとして使用されます。

デスクトップパソコンを例にあげると、電源を供給する側のコンセントがメスコネクタであり、コンセントに差し込む電源ケーブル側がオスコネクタです。パソコンの電源ケーブル挿入のパソコン接続部にはメスコネクタが使用され、パソコン本体側にはオスコネクタが付いています。

一方で、ディスプレイに信号を送るパソコン側のコネクタにはメスコネクタが使われ、信号を受け取るディスプレイのコネクタはオスコネクタとなっています。

メスコネクタの原理

コネクタとは電力や電気信号の流れをつなぐための電子部品で機器や回路の接続や乖離を容易にするためのインターフェースです。

メスコネクタは必ずオスコネクタと対で使用されます。オスコネクタは凸型でピンコンタクト (導電部材) が外部に露出しています。この露出部分をメスコネクタの凹部分に差し込んで接続します。

メスコネクタ (レセプタル) はピンコンタクトを受け止めるためバネ特性を持たせたソケットコンタクトが内部に配置されており、オス側のピンコンタクトと接触することで電気や信号を流します。コンタクトは導電性の高い銅合金等でできています。

メスコネクタはケーブル側の導線と固く結合されている一方で、オスコネクタ側のピンとはある程度の力で抜き差しが可能な機械性能を持つことで、ケーブルと機器間の接続と切り離しを容易にしています。

メスコネクタの構造

1. メスコネクタの形状

メスコネクタのケーブル側は、細い導線を挟み込んで潰すことでしっかりと固定できる形状になっています。この部分に導線をあてて圧着ペンチでカシメることで銅線が抜け落ちることを防ぎます。

メスコネクタのピンが挿入される側はソケットと言い、細い円筒形になっています。この部分はオスコネクタ側のピンの外径と長さに合わせた大きさを持っており、ピンとの間で電気信号や電流の導通がしっかりと保たれるようになっています。

一般的に、ケーブルは複数の導線がまとまって一本のケーブルになっています。従って、メスコネクタでは導線の数だけソケットを用意し、オスコネクタでは導線の数だけのピンがあります。そして、それぞれが接続用ケースに収納されています。

2. メスコネクタの規格

信号ケーブルでは用途に合わせて様々なケーブル形状とコネクタ形状が規格化されています。

例えば、デジタルのビデオ信号と音声信号を送るケーブルとしてHDMIケーブルが広く使われています。そして、通常は「HDMIケーブル」と言う場合には、ケーブルと同時にケーブルに使われているコネクタの形状も指しています。

他に良く知られた例としては、RS232-C、HDMI、BNC、USB (USB-A,B,C)、RJ-45などがあります。

また、電子機器内部の基板上には、他の基板との信号の双方向通信のためにBUSケーブルを接続するためのソケットが取り付けられているものがあります。ここでも、メスコネクタとオスコネクタを使って接続を行います。

この他にもコネクタは様々な形状や大きさがあり、使用する導線の本数や、ケーブルを流れる信号の特性、周囲の空間等を考慮して、条件に適合したコネクタが使われています。

参考文献
https://www.jae.com/about-connectors/
https://www.jae.com/column/02-connector-structure/

メカニカルブースターポンプ

メカニカルブースターポンプとは

メカニカルブースターポンプとは、既設のポンプの能力を増大させたい時に、切り替えて用いられるポンプのことです。

メカニカルブースターポンプを用いることによって、必要な真空状態にまで気圧まで下げたり、またその到達時間を短くすることができます。

メカニカルブースターポンプは一般的に、単独で用いられることはありません。他の油回転真空ポンプ、ドライポンプ、などの粗引きポンプと組み合わせて用いるポンプです。他の既設ポンプで粗引きとして一定レベルの気圧にまで低下させ、既設ポンプが苦手になる気圧になったところで、メカニカルブースターポンプを作動させます。結果的にシステムとして、排気速度を大幅にアップさせることができます。 

メカニカルブースターポンプの使用用途

メカニカルブースターポンプは、中真空と呼ばれるレベルの真空状態が必要な場合に用いられます。

真空とは一般的には空気が無い状態がイメージされるかもしれません。しかし実際には気圧が通常よりも低い状態のことであり、真空度という尺度によって段階分けされるものです。

真空ポンプにさまざまな種類がありますが、油回転式真空ポンプやドライポンプなどは、大気圧状態から空気を排気し、気圧を下げることが得意なポンプです。このように大気圧から気圧を下げることを「粗引き」といいます。粗引きによって徐々に気圧が下がってくると、油回転式真空ポンプやドライポンプでは排気効率の低下が避けられません。そこでメカニカルブースターポンプに排気の役割をバトンタッチします。構造が違い得意な領域が異なるポンプを組み合わせて用いることによって、求める真空状態に早く到達することが可能です。

また真空状態を利用することで、さまざまなものが製造できます。例えば真空包装、真空乾燥、真空蒸留薄膜、真空冶金、宇宙開発、真空含浸、脱ガス、半導体プロセス、低密度風洞実験など幅広い分野で使用されています。

メカニカルブースターポンプの原理

メカニカルブースターポンプは、二つのひょうたんのようなローターによって、空気を掻き出すようにしながら排気するポンプです。二つのローターはお互いに逆方向 (内側) に回転するようになっており、それぞれのローターが同期してタイミングよく、ケーシングの内部に真空を作り出す構造になっています。吸気側から吸引された空気などの気体はローターとケーシングの隙間の空間に閉じ込められ、2つのローターが回転することによって排気側に気体が押し出されます。

メカニカルブースターポンプのその他情報

メカニカルブースターポンプが用いられる真空レベル

真空とは空気が無い状態ではなく、空気圧が低い状態であることはすでに述べましたが、具体的にJISでは通常の大気圧レベルである10^5Paより低い状態を「真空状態」としています。さらに真空状態は5つの段階によって区分けされています。

  1. 低真空 (low vacuum) : 10^5 ~ 10^2 Pa
  2. 中真空 (medium vacuum) : 10^2 ~ 10^-1 Pa
  3. 高真空 (high vacuum) : 10^-1 ~ 10^-5 Pa
  4. 超高真空 (ultra high vacuum) : 10^-5 ~ 10^-8 Pa
  5. 極高真空 (extremely high vacuum) : 10^-5~ 10^-8 Pa

5段階の真空レベルの中で、メカニカルブースターポンプが実現できるのは中真空段階です。大気圧からの粗引きは油回転真空ポンプやドライ真空ポンプで行い、中真空レベルの1Pa ~ 0.1Pa でメカニカルブースターポンプに切り替えるのが一般的です。ドライ真空ポンプでも中真空レベルに到達させることは可能ですが、排気速度が大きく低下し時間がかかるため、メカニカルブースターポンプに切り替えて使うメリットが得られます。

中真空よりも高い真空状態 (低い気圧状態) を作り出すためには、ターボ分子ポンプ、油拡散ポンプなどさらに他のポンプに切り替える必要があります。

参考文献
https://kurashi-no.jp/I0017669
https://ulvac-kiko.com/support/pump07_mechanical.html

マグネットクランプ

マグネットクランプとは

マグネットクランプのイメージ

図1. マグネットクランプのイメージ

マグネットクランプとは、磁石の力で金型を吸着して固定する装置です。

マグネットクランプは、主に成型機などにおける金型の装着に使用されます。従来の金型取付板を用いて手締めで金型の脱着を行う場合、手作業でボルトを1本ずつ締め付けたり緩めたりする事が必要です。場合によっては数時間単位で時間がかかる上に重労働となります。一方、マグネットクランプを用いる場合、着磁・脱磁の切替時間は、わずか数秒かつボタンを押すだけで簡便に完了します。様々な産業分野における、生産性・安全性の向上が期待される製品です。

マグネットクランプの使用用途

1. 産業分野

マグネットクランプは、主に成型機などにおいて、金型を固定し、脱着することに使用されています。成型機が使われる用途は多岐に渡り、

  • 自動車・搬送機器
  • 電機機器
  • 非鉄金属
  • 鉄鋼
  • 電子部品・半導体、メディカルなど

のような、幅広い産業で使用されている装置です。

2. マグネットクランプ導入による効果

マグネットクランプの導入により、下記のような効果が期待されます。

  • 金型交換時間の削減による生産性向上
  • 作業安全性の向上
  • 様々な形状の金型を瞬時に吸着・クランプすることが可能
  • 取付板の統一が不要になり、金型設計の自由度が向上する
  • 金型へのダメージ軽減と機器の長寿命化
  • 省エネルギー化

マグネットクランプを使用せずに金型を固定する場合は、ボルトを手締めするなどして固定しないといけません。何本ものボルトを締める必要があり、時間がかかる上に危険を伴う重労働となります。また、金型補修などの事由による脱着の場合、なるべく速い脱着が必要です。マグネットクランプによる脱着はボタンを押すだけで済み、わずか数秒でのクランプが完了します。このため、作業安全性の向上と生産性の向上に大きく寄与します。

また、マグネットクランプは、油圧・エアなどを使用せず電気のみで動作するため、クリーンな環境での使用が可能な装置です。

マグネットクランプの原理

1. 動作概要

マグネットクランプの模式図

図2. マグネットクランプの模式図

一般的なマグネットクランプは、マグネットプレートの内側に電磁コイル、アルニコ磁石、ネオジム磁石を用いた仕組みで動作します。アルニコ磁石とネオジム磁石は共に永久磁石です。脱磁状態では、アルニコ磁石、ネオジム磁石の磁力線はマグネットプレートの内部のみで形成され、マグネットプレート表面に磁束は発生しません。

マグネットクランプの動作機構

図3. マグネットクランプの動作機構

電磁コイルに0.5〜2秒間通電することにより、アルニコ磁石の磁力が反転して磁力域がプレート外部まで到達するようになります (着磁) 。この磁力によって金型を吸着、すなわちクランプすることが可能です。磁力域は電磁コイルに通電する方法以外では切り替わらないため、再び脱磁する場合も電磁コイルに通電することでアルニコ磁石の磁力を反転させます。通常、120℃程度の高温環境まで使用が可能です。

2. 安全対策

上記の仕組みのように、マグネットクランプは通常の電磁石とは異なる機構で動作します。そのため、万が一停電が発生しても金型が落下する心配はありません。また、マグネットクランプはマシンと接続させて、マシンの停止と連動させて同時に停止することが可能です。

また、着磁力を確認する仕組みとして磁束密度を測定するセンサーが搭載される他、金型密着や剥がれを検知する機能として近接スイッチが搭載されることがあります。これらの装置は、金型の錆や異物などによる着磁力不足や、金型の密着不足を検出し、安全性を確保するものです。これらの装置で異常が検出された場合、場合によっては自動で非常停止するようになっています。また、磁極反転時の電流値を監視する電流センサーや、金型落下防止フック・落下防止ブロックなどが搭載される場合もあります。

マグネットクランプの種類

マグネットクランプには、様々な種類の製品があります。製品によって対象とする成型機の型締力が異なり、300kN程度に対応する製品から、6500kN程度まで様々です。また、プレートの厚みも35mm〜52mm程度まで製品によって異なります。製品によっては、専用の操作盤でリモートでの操作が可能です。

前述した着磁力確認などの安全機能は、製品によって異なり、標準搭載される場合やオプションで追加が可能な場合などがあります。多くの製品は、新規・既設の成型機共に設置が可能です。目的や用途に合わせて適切なものを選定することが必要です。

ホースポンプ

ホースポンプとは

チューブポンプ

ホースポンプとは、ホース状のチューブを使って液体を移送するポンプです。

内部に有するローターの回転によってホースが圧縮され、液体を押し出します。ホースの体積変化によって流体を輸送する容積式のポンプの1種です。

一般的には柔軟性の高いチューブを使用するため、複雑な形状の液体や粘性の高い液体を移送することが可能です。汚染の心配がある液体を移送する場合にも適しているため、医療や食品産業、環境分野などで広く利用されています。

高い耐久性と信頼性を持ち、長時間にわたる連続運転にも耐えることができます。ホース内を流れる流体の撹拌や脈動も少なく、メンテナンス時もホースの交換や洗浄のみと非常にメンテナンス性も高いです。

ホースポンプの使用用途

ホースポンプは、幅広い分野で使用されるポンプです。以下はホースポンプの使用用途一例です。

1. 医療分野

薬液や経管栄養、人工透析のための血液の輸送などの移送に使用されます。ホースポンプは、正確な流量と流量の制御ができるため、医療分野で安全な液体移送が必要な場合に適しています。また、ホースの交換によって衛生的な輸送が可能な特性から、医療分野では重宝されます。

2. 食品産業

飲料水や液体原料の輸送などを目的に使用されます。また、化粧品や洗剤を移送する場合もあります。食品の品質を維持し、汚染やクロスコンタミネーションを防止するために重要な役割を果たします。

3. 環境分野

汚染された海水の排出や汚泥除去などに使用されます。浄化槽では汚水や汚泥をポンプアップするためにホースポンプが使用されます。ホースポンプは汚染物質の移送に適しており、さまざまな産業で環境保護に貢献しています。

また、その特性から工場や製造プラントなどで発生する廃水や有害物質の除去にホースポンプが使用されます。ホースポンプは、粘性が高い廃水や、薬品や化学物質などの有害物質を効果的に移送することが可能です。

4. 研究分野

分析用の試料や試薬の移送に使用されます。精度の高い移送ができるため、科学研究や分析に必要な正確な移送が必要な場合に適しています。

ホースポンプの原理

ホースポンプは、柔軟なホースを用いたポンプです。ローターが回転することでホースを圧縮し、液体を吸引・送り出す仕組みです。ホースポンプにはローターと呼ばれる円筒形の部品があります。

ローターの外周には複数のローラーが並び、ホースを挟むように回転します。ローターが回転するとローラーによってホースがつぶされ、その圧縮によって液体がホース内で前進します。

このとき、ホースが拡張されたところには真空状態が生じ、液体が吸引されます。次にローターが回転してホースが圧縮されると、その部分の液体が強制的に吐出されます。このように、ホースを通じて液体を吸引し、その後圧縮して移送する仕組みを利用しています。

非常に高い耐久性を持ち、さまざまな種類の液体や粘性の高い液体を移送することが可能です。また、ホースが柔軟であるため正確性が高く、クロスコンタミネーションのリスクを減らすことができます。

ホースポンプの選び方

ホースポンプを選ぶ際は、その他のポンプと同様に、液体の種類や流量、揚程などを考慮して選定します。

1. 液体の種類

液体の種類によっては、ホースポンプの素材に対する耐性が必要となる場合があります。酸やアルカリなどの腐食性が高い液体を移送する場合には、素材に対する耐性を確認する必要があります。

2. 必要流量

液体の種類を確認したら、次に必要流量を確認します。移送する流量によって、必要なサイズやポンプの種類が異なります。必要な移送量を事前に把握し、それに合わせて適切なホースポンプを選ぶ必要があります。

3. 必要揚程

送り先との高低差や距離から必要揚程を選定します。揚程が足りないと送液ができないため注意が必要です。また、液体の粘度によっても必要揚程が変化するので、あらかじめ液体の比重や粘度を確認して計算に用います。

参考文献
http://www.kansetu.co.jp/product/detail.php?pid=p052

ネジ継手

ネジ継手とは

ネジ継手_図0

ネジ継手 (英: Threaded Joint, Screw Joint, Screwed Fitting) とは、ねじ込み継手とも呼ばれることも多く、管継手の一種です。

管継手は、JIS B0151 鉄鋼製管継手用語で「配管において、次の目的で管の接続などに用いる継手」に定義されています。

  • 流体の方向転換
  • 流体の分岐又は集合
  • 管の接続
  • 管径の異なるものとの接続
  • 管の末端の閉鎖
  • 計器、バルブなどの取付け
  • 膨張、収縮などの吸収
  • 管の回転又は屈曲

配管継手の接合方法は、ネジ (ねじ込み) 接続、溶接接続、フランジ接続、ヘルール接続の4種類がありま、ネジ継手は4種類の中でも容易に施工が可能です。

ネジ継手の使用用途

ネジ継手_図1

図1. ネジ継手の使用例

ネジ (ねじ込み) 接続は、特殊な機材や工具を使用せずに施工できる接合方法で、ネジ継手は比較的コストの安い管継手として、発電・化学プラントや工場・ビル設備、一般家庭など幅広い分野で使用されています。ネジ継手の使用目的は、配管施工時の管 (パイプ) 同士の接続・分岐・閉止のためです。

配管の経路はほとんどの場合一直線にはならず、上下、左右に曲がり勾配を設けたり、経路を2~4本に分岐させ、またその逆に集合させたりします。一般的に、ネジ継手は低圧流体用の配管で使用し、高温・高圧蒸気などの流体の場合は、漏洩による事故や損傷を回避するため、差し込み継手や溶接継手などを使用します。

参考として、JIS B2301ねじ込み式可鍛鋳鉄管継手では、下記のように最高使用圧力が規定されています。

流体の状態 最高使用圧力
120℃以下の静流水 2.5 MPa
300℃以下の蒸気、空気、ガス及び油 1.0 MPa

ネジ継手の原理

1. ねじの種類

ネジ継手は、片端または両端に管用 (くだよう) ねじの加工がされていて、下記のように各規格によってねじ形状が規定されています。

規格 規格番号 規格名称
JIS B0202 管用平行ねじ (G)
B0203 管用テーパねじ (R、Rc)
ISO 228-1 Pipe threads where pressure-tight joints are not made on the threads – Part 1: Dimensions, tolerances and designation
7.1 Pipe threads where pressure-tight joints are made on the threads – Part 1: Dimensions, tolerances and designation
ANSI/ASME B1.20.1 Pipe Threads, General Purpose, Inch
NPS: American National Standard Straight Pipe Threads
NPT: American National Standard Taper Pipe Threads

2. 管用平行ねじとテーパねじ

ネジ継手_図2

図2. テーパねじの原理

管用平行ねじは、オス・メスともにねじ全長でねじ外径は同じです。管用テーパねじはオスねじは先端に向かって、メスねじは穴の奥行に向かって、ねじ外径が小さくなっています。

管用テーパねじは、ねじ部にはシールテープを巻いたり、シール材を塗布して、密閉性を高めて使用します。また、管用平行ねじは平行ねじ同士ではねじ部の密閉性が低いため、管と継手の接合にはあまり使用せず、座面のある機械と継手の接合で、間にガスケットを挟み込み接合します。

3. 管用ねじの組み合わせ

管用平行ねじと管用テーパねじは、用途や必要な密閉性に応じて、下記のような組み合わせで選定します。

ねじの組み合わせ おねじ
管用テーパねじ (R) 管用平行ねじ (G)
めねじ 管用テーパねじ (Rc) ×2
管用平行ねじ (Rp) ×2
管用平行ねじ (G) ×1 〇1

◎: 配管など耐密接合の目的でシールテープを巻き組み合わせが可能
〇1: 機械的接合の目的でパッキン、ガスケットを合わせて使用することで組み合わせが可能
×1: 平行ねじの破損、パッキンの損傷による漏洩の可能性があり組み合わせは不可
×2: ねじ製作公差によってはねじ込めないこともあり密閉性が得られなく組み合わせは不可

ネジ継手の種類

ネジ継手_図3

図3. ねじ込み継手の種類 (1)

ネジ継手_図4

図4. ねじ込み継手の種類 (2)

ネジ継手はその形状や目的により多くの種類があり、参考としてJIS B2301 ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手の種類を下表に示します。

種類 使用用途
エルボ 90°エルボ 90度または45°に配管経路を変える
45°エルボ
径違いエルボ
オスメスエルボ (ストリートエルボ)
45°めすおすエルボ (45°ストリートエルボ) 
径違いめすおすエルボ (径違いストリートエルボ)
ティー(チーズ) 同径ティー 3方向に配管経路を分岐(または集合)
径違いティー
三方径違いティー
クロス 同径クロス 4方向に配管経路を分岐(または集合)
径違いクロス
ソケット 同径ソケット オスねじのパイプ同士を接合
径違いソケット
メスオスソケット
ブッシング メスねじのねじ込み継手と異径のパイプを接合
ニップル 同径ニップル メスねじのねじ込み継手同士を接合
径違いニップル
キャップ オスねじのパイプを閉止する
プラグ メスねじのねじ込み継手を閉止
ユニオン 同径ユニオン メスねじのねじ込み継手同士を接合・分離
メスオスユニオン
ユニオンエルボ
めすおすユニオンエルボ

ネジ継手のその他情報

1. 規格

ネジ継手は、各規格で寸法・形状・材質・適用範囲などが規定されていて、代表的な規格は下記のとおりです。

  • JIS B2301 ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手 Screwed type malleable cast iron pipe fittings
  • JIS B2302 ねじ込み式鋼管製管継手 Screwed type steel pipe fittings
  • JIS B2303 ねじ込み式排水管継手 Screwed drainage fittings
  • JIS B2308 ステンレス鋼製ねじ込み式管継手 Stainless steel threaded fittings
  • ISO 4144 Pipework – Stainless Steel Fittings Threaded in Accordance With ISO 7-1
  • ASME/ANSI B16.1 Cast Iron Pipe Flanges and Flanged Fittings
  • ASME/ANSI B16.3 Malleable Iron Threaded Fittings
  • ASME/ANSI B16.4 Cast Iron Threaded Fittings

2. 材質と表面処理

ネジ継手のJIS規格における代表的な材質は、以下の通りです。

  • JIS G3214 圧力容器用ステンレス鋼鍛鋼品Stainless steel forgings for pressure vessels
  • JIS G3452 配管用炭素鋼管 Carbon steel pipes for ordinary piping
  • JIS G3454 圧力配管用炭素鋼管 Carbon steel pipes for pressure service
  • JIS G3459 配管用ステンレス鋼鋼管Stainless steel pipes 
  • JIS G4303 ステンレス鋼棒Stainless steel bars
  • JIS G5121 ステンレス鋼鋳鋼品 Corrosion-resistant cast steels for general applications
  • JIS G5501 ねずみ鋳鉄品 Grey iron castings
  • JIS G5705 可鍛鋳鉄品 Malleable iron castings

炭素鋼や鋳鉄製の場合は、溶融亜鉛めっきの表面処理が施工されているものがあります。また、エポキシ樹脂を焼き付け塗装したエポキシコーティングがあり、管内外の防錆に効果を発揮し、水用配管や埋設配管などに使用されます。

3. 仕様・サイズの表示

JIS規格では、ネジ継手製品の仕様・サイズの表示は下記の通りです。

  規格番号又は規格名称 形式 形状 表面状態 継手呼び
例1 JIS B 2301 I形 径違いめすおすエルボ 2×3/4
例2 ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手 I形 45°エルボ めっき 1-1/2

 

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/joint/
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/504/

ウレタンチューブ

ウレタンチューブとは

ウレタンチューブ

ウレタンチューブとは、耐圧性や柔軟性が高く扱いやすいウレタン製のチューブです。

産業界でも広く利用されていて、使用する流体は空気や水が主流となっています。色は半透明、白、黒が一般的ですが、緑や青、赤といったカラフルなチューブもあり、チューブ径もさまざまです。

その他、静電気防止対策が施された導電性ウレタンチューブや耐油性、耐候性の高いチューブもあります。また、ソフトウレタンチューブは、通常よりもさらに柔軟性が高いです。

ウレタンチューブの使用用途

ウレタンチューブは一般空気圧配管や冷却水の配管に広く使用されています。空気圧配管は、制御盤内の空気配管や空圧機械、真空機械いった用途があります。

その他、組立装置用や半導体プロセス機器用、理化学分野の機器用、ドローンによる農薬散布用等のチューブとしても有用です。価格が比較的安く、加工しやすいので、コイル加工や溶着加工などもされています。専用の継ぎ手があれば、ワンタッチで接続することができます。

ウレタンチューブの原理

ウレタンチューブは柔軟性があるので、一般的な配管によく使用されます。ウレタンチューブは、多湿でもカビや劣化が少なく済み、使い勝手の良いチューブです。ウレタンチューブの材質には、軟質ウレタン、硬質ウレタン、半硬質ウレタンの種類があります。

エーテル系のポリウレタン樹脂を使用する場合が多いです。軟質ウレタンが最も柔軟性があり、硬質ウレタンがやや硬めです。いずれもナイロンチューブよりも柔らかくなっています。ただし、使用可能な温度は60℃程度と基本的に高くありません。

また、凍結に弱く、耐熱性のウレタンチューブでも最大温度は80℃程度です。使用可能圧力は20℃で約0.8MPa程度とあまり高くありません。圧力が高い場所で使用する場合は、ナイロンチューブを選択します。

耐薬品性が要求される場合はウレタンチューブは耐性が低いので、テフロンチューブが適しています。なお、ウレタンチューブは押し出し成型によって製造されています。

ウレタンチューブの種類

1. 通気性ウレタンチューブ

通気性ウレタンチューブは、ウレタン樹脂に特殊な加工を施すことで、空気やガスの通過が可能なタイプのチューブです。この特性により、気体や湿気を含んだ状態で使用することができます。

エアブレーキシステムやエアフィルター、排気システムなど、空気の通過が必要な産業分野や用途に幅広く適しています。特に自動車産業においては、エンジンの排気システムやブレーキの動作制御において重要な役割を果たす製品です。

2. 耐圧性ウレタンチューブ

耐圧性ウレタンチューブは、ウレタン樹脂を強化することで耐圧性を向上させたタイプのチューブです。高い耐圧性が求められる液体の導管やホースとして使用されます。

油圧システム、空調システム、液体供給システムなどの産業機械や設備において、高圧の液体を安全かつ効率的に輸送するために利用されます。また、航空機や自動車などの輸送機器にも使用され、信頼性の高い動作を実現可能です。

3. 耐摩耗性ウレタンチューブ

耐摩耗性ウレタンチューブは、ウレタン樹脂に耐摩耗性を持たせたタイプのチューブです。この特性により、ウレタンチューブは摩擦や擦過に強く、長期間の使用でも劣化しにくいです。

耐摩耗性が求められる用途として、コンベアベルト、スラリーパイプ、研削装置などに広く利用されています。特に鉱山や建設業界などでの使用に適しており、堅牢さと耐久性が重視される環境で優れた性能を発揮します。

4. 耐熱性ウレタンチューブ

耐熱性ウレタンチューブは、ウレタン樹脂に耐熱性を持たせたタイプのチューブです。高温環境での使用に適しており、エンジン部品やヒーターシステム、熱風送風機などの部品に利用されます。耐熱性ウレタンチューブは、高温にさらされる状況でもその特性を維持するため、信頼性の高いソリューションとして重宝されています。

電気絶縁性が高く、高温環境での電気・電子部品にも使用され、耐薬品性も優れており、化学産業や医療機器産業などでの用途にも適した製品です。

参考文献
https://www.fujigomu.co.jp/whats_urethane/
https://kikaikumitate.com/post-5886/