ソケットアダプター

ソケットアダプターとは

ソケットアダプター

ソケットレンチなどの工具は基本的にサイズがあったソケットしか使用できませんが、サイズの異なるレンチとソケットを使用したい場合にはソケットアダプターを用いることで通う可能になります。このサイズの異なるレンチとソケットを繋げるアダプタをソケットアダプターや変換アダプタ―と呼びます。

ソケットアダプターは工具の使用範囲が広がり便利なツールなのですが、基本的にはイレギュラーな使用になりますので飽くまでその場しのぎの繋ぎであり、正式なサイズのツールを購入する必要があります。

ソケットアダプターの使用用途

ソケットレンチは持っているといざというときに重宝するツールです。

工具が少ない場合は工具の管理が出来るのですが、工具の数が多くなった場合や見慣れていない職場の工具入れなど何があるか分からない場所では工具のサイズが合わない場合が多々あります。ボルトを締めようといざソケットレンチを使おうとするとソケットのサイズが合わずに使えなかったことはよくあります。このような場合にソケットアダプターがあると時間の節約になりますし、大変重宝します。

ソケットアダプターの原理

ソケットレンチのソケット装着部分は四角形になっていて、その四角形の突起にソケットを差し込むのですが、この時四角形の突起とソケットの穴のサイズが一致していないとはめ込みが出来ません。ちなみに、ソケットレンチの突起部には球形のベアリングがはめ込まれており、抜け防止の役割を果たしています。そこで、レンチの突起のサイズに合う穴とその反対側にはソケットの穴に合う突起を持っているソケットアダプターがあれば、このソケットアダプターを介することでサイズの異なるソケットレンチとソケットが使用できることになります。

ソケットアダプターを使用すると、ソケットアダプターの分だけソケットが長くなりますのでソケットレンチの扱いが難しくなりますし、小さなソケットレンチに大きなソケットを取り付けて力いっぱい回してしまうと、ソケットレンチの接合部分に大きなトルクがかかってしまいますので、金属が変形してしまう恐れもありますので注意が必要です。

参考文献
http://www.carlifesupport.net/socket_adapter_change.html
https://blog.f-gear.co.jp/item/how-to/dnba2332/

バッテリーポンプ

バッテリーポンプとは

バッテリーポンプ

バッテリーポンプはバッテリー、つまり電池により動くタイプのポンプです。バッテリーを使用しますので、小型であることが特徴として挙げられます。

工事現場でちょっとした排水を行いたい場合や空気を送り込む必要が生じたときなどに使用されます。特にビーチへ行ったり、ピクニックに行ったときに浮き輪やエアクッションに空気を入れたい際にはバッテリーポンプがあると非常に重宝します。他にも釣りに行ったときに生き餌を活かすためのエアポンプも釣り愛好家の間では必須アイテムになっています。

バッテリーポンプの使用用途

バッテリーポンプは基本的に電源がない場所で使用されます。

バッテリーポンプはバッテリーで駆動しますのでパワーはそれほど高くない上にバッテリーが消費されますので使用時間が限られてしまうというデメリットがあります。バッテリーポンプはこれらのデメリットを補える場合に使用されます。

バッテリーですので、バッテリーの電気を使い果たすと充電すれば再度使用できますが、中には充電式ではなく乾電池で駆動するタイプのバッテリーポンプもありますので、電池を使い果たすと電池を交換する必要が出てきますので購入の際には注意が必要です。

バッテリーポンプの原理

ポンプには基本的に空気などの気体用のポンプと液体用のポンプとがありますが、両者ともに機構的に見ると一方向から空気や水を吸い込んで別なラインへと排気するという動作を行っています。

空気用のポンプでは、空気を吸い込む用途で使用する場合には真空ポンプと言われ真空パックなどに利用されていますが、空気を吐き出す用途で使用する場合はエアポンプのように熱帯魚の水槽内に空気を送り込みます。このように空気用のポンプは吸い込む力を利用するか、吐き出す空気を利用するかにより分かれます。

液体用のポンプの場合は液体を吸い上げる用途ではポリタンクから灯油を吸い上げる給油ポンプなどが例として挙げられますが、液体の場合にはある場所から液体を吸い上げて別の場所に排水させる用途で使用されます。

この液体と気体の差ですが、液体ですと一か所に溜まりますので別の場所に移動するという作業を行います。空気の場合は別な場所へと移動させることに加えて容器内の圧力を変化させるという用途も加わりますので、この点が液体用と気体用のポンプ使用用途の違いになります。

参考文献
https://channel-ash.com/electric-air-pump

鉄工ヤスリ

鉄工ヤスリとは

鉄工ヤスリ

鉄工ヤスリとは、主に手作業による加工に特化した、金属を加工するための研磨工具です。

目の荒いものから目の細かいものまでさまざまな種類が存在します。荒目のヤスリは金属の表面を削り落とす粗加工に、細目のヤスリは表面を仕上げる精密な加工に適しています。

鉄工ヤスリには片刃と両刃の2種類があります。片刃は一方向にしか削れず、削り跡が目立たない表面の仕上げに適しています。両刃は交差する2方向に削れるため、荒削りや中間加工に向いています。

鉄工ヤスリの使用用途

鉄工ヤスリの使用用途には主に以下の5つが挙げられます。電源を必要とせず、軽量でコンパクトなため多くの場面で手軽に使用できます。粗加工から仕上げ加工まで幅広い用途に対応できますが、加工物の素材に適したヤスリを使い分けることが大切です。

1. 金属の切削

金属を切削するために使用され、特に薄い板金やアルミニウムなどの柔らかい金属の加工に適しています。切削加工を用いて金属の形状を変更したり、不要な部分を取り除いたりすることが可能です。

2. 金属加工の仕上げ

金属の表面を滑らかにするための仕上げ加工にも使用されます。目の細かい方でキズや凹凸を取り除き、表面を均一に整えます。

3. 穴あけ加工

専用の鉄工ドリルで開けた穴を微調整する、あるいは形状を整える際に使用します。小さな穴を開ける場合には直接ヤスリを使って開けることも可能です。

4. 形状成形

金属を自由に成形できるため、形状加工にも広く使用されます。例えば穴を開けたり、角を取り除いたり、円筒形を成形したりする場合に便利です。

5. キズ取り

金属製品に生じたキズや凹凸を取り除くために使用されます。キズや凹凸を削り落とし、表面を均一に整えることが可能です。

鉄工ヤスリの原理

鉄工ヤスリは硬質材料の表面を削るために使用されます。表面には硬い鉱物粒子が砥粒として付着しており、これらの粒子が加工物の表面に食い込み、削り取ることで効果を発揮します。鉄工ヤスリの形状は、刃に砥粒が付いた細長い棒状です。削りたい部分に押し付けるようにして使用します。加工物の表面を均一に削るためには、砥粒の大きさや密度、削る際の力加減や角度、速度などが重要です。

片刃のタイプは砥粒が一方向に配置されているため、素材を引っかけることなく滑らかに削れます。両刃は砥粒が交互に配置されているため、素材を両方向から削れます。両刃は片刃よりも削りムラが少ないです。手動のものからエアーヤスリ、電動ヤスリなどの高速回転のものまでさまざまな種類がありますが、いずれも砥粒が素材表面に食い込んで削るという原理は同じです。

鉄工ヤスリの種類

鉄工ヤスリの形状は主に以下の5種類があります。鉄工ヤスリの形状を使い分けることで、加工物の形に合わせて自由に加工でき、細部にわたり綺麗に研磨することが可能です。

1. 平ヤスリ

平たい形状で、幅広のものから狭いものまでさまざまなサイズがあります。表面の平坦化や金属の角を落とすのに適した種類です。

2. 丸ヤスリ

先端が丸みを帯びた形状で、穴あけや内部の凹凸加工に適しています。サイズも小さなものから大きなものまで幅広いのが特徴です。

3. 角ヤスリ

角がついた形状で、角の部分を加工するのに適しています。角を取り除きたい場合は平ヤスリでも作業は可能ですが、角ヤスリの方が作業効率・品質の両方において優れています。

4. 半丸ヤスリ

半円状に湾曲した形状で、丸ヤスリと角ヤスリの中間に位置しています。内部の曲面や小さな穴の加工に適した工具です。

5. 三角ヤスリ

三角形状で、細かい部分の角を取り除くのに適しています。角ヤスリと同様に角の部分を加工するのに適した形状です。

強力ニッパー

強力ニッパーとは

強力ニッパー (または強力ニッパ) とは、金属線などを挟んで切断する手動工具 (ニッパー/ニッパ) の一種です。

日本工業規格 (JIS)によるニッパーの規格は、強力ニッパー (JIS B 4635)と斜ニッパー(JIS B 4625)の2種類あります。

強力ニッパーの使用用途

強力ニッパーは、主に金属線 (針金や電線) の切断に使用されます。切断する対象に応じて、ニッパーは使い分けられます。強力ニッパーと呼ばれるものは、基本的にすべて「強力ニッパ」というJIS規格に準拠したニッパーですが、刃部形状やその材質によって切断能力が異なるためです。

JIS規格で表す切断能力とは、JISによって決められた鉄線を規定の荷重以下で切断できることを表します。ニッパーの刃部中央に、決められた試験用鉄線を挟み、試験用鉄線をくわえる点の荷重を規定された値以下で切断できなければなりません。

これは、刃の硬度と鋭さが一定以上の水準であることを示すものです。ニッパーの大きさを表す呼び寸法によって、試験用鉄線の線径や荷重の基準値は異なります。

強力ニッパーの原理

強力ニッパーは、概ねペンチと類似した形状の工具ですが、ペンチと異なり挟む箇所は刃となっています。強力ニッパーはこの刃部、支点となる接合部、柄部から成ります。強力ニッパーは頑丈さに重点をおいたつくりで、厚く丈夫な刃部と頑丈な接合部が特徴です。

使用するときは、切断したい線を刃にくわえ、柄部を手で強く握り、てこの原理で強い力を刃部に与えます。刃は鋏のような交差する刃ではなく、対称的に正対する刃がついています。この刃で金属線などをしっかりと押し切ります。

刃がきちんと正対した状態で押し切る動作が必要なため、接合部は「遊び (がた) 」が無いことが重要です。そのため、JIS規格で遊びが無いことが求められています。

強力ニッパーの選び方

強力ニッパーは、切る対象物に応じて選びます。〇〇用などの表示を目安にするのもよいでしょう。

これは、以下に示す通り、切断能力・使いやすさ・価格は相反することがあり、バランスが重要となるからです。JIS規格は最低限の性能を定めているに過ぎないため、規格に準拠した強力ニッパーでもさまざまなものがあります。その中から切断能力と使いやすさを考えて、対象物に適したニッパーを選ぶこと大切です。

1. 材質 (鋼材)

ニッパーの材質は、炭素工具鋼材や機械構造用炭素鋼鋼材、または、同等以上の品質となる鋼材が用いられています。鋼材の違いによって価格帯がわかれます。

材質は主に刃の機能に関係し、硬い材質を用いれば切断能力が高く、耐摩耗性も高くなりますが、衝撃に弱く欠けやすくなります。その反対に、やわらかい材質を用いた場合は硬いものを切ることができず、摩耗にも弱いです。そこで、必要な切断能力をそなえながら、用途にあった性質をもつ鋼材を使用し、切断能力と価格・使いやすさのバランスをとっています。

2. 刃部の形状

刃部形状によっても用途がわかれ、強力刃タイプは高い耐久性があり、ピアノ線や軟鉄線などの硬質材の切断に適しています。一方、薄刃タイプはシャープな切れ味があり、電線や線など柔らかいものの切断に適しています。

強力ニッパーの種類

強力ニッパーにはJ型とI型があり、JISでそれぞれに標準的な寸法 (呼び寸法) や品質、機能、機械的性質の規格が定められています。JIS B 4625は、2002年改正 (JIS B 4625:2002) で大きく改正され、下記との整合が図られました。

  • ISO 5743:1988 (Pliers and nippers−General technical requirements
  • ISO 5744:1988 (Pliers and nippers−Methods of test)
  • ISO 5749:1988 (Pliers and nippers−Diagonal cutting nippers−Dimensions and test values)

J型は国内メーカーの製品でよくみられるタイプで、掲載画像に示すような形状です。I型はJ型より薄いタイプですが、現在国内ではほとんどつくられておらず、国内流通はJ型の形状をしているタイプがほとんどとなっています。

強力ニッパーはその刃部の断面形状の違いにより、さらに強力刃タイプと薄刃タイプに分類されます。なお、斜ニッパーは、切断箇所が見やすいように刃部が斜めになっており、主に電気配線における精密な作業に適したニッパ―です。そのため、電子基板の余分な半田の切断や平行線の分割に使用されます。

参考文献
https://blog.f-gear.co.jp/item/comparison/nipper_kyouryoku/

精密ヤスリ

精密ヤスリとは

精密ヤスリ

精密ヤスリとは、非常に細かい目や細かい砥粒をもったヤスリです。

主に金属やプラスチックや木材などの精度が高い緻密な加工で用いられます。狭い箇所や微細な箇所の加工に向いており、高い加工精度が要求される場合に使用される工具です。精密ヤスリには、刃が片面のみ設けられている片刃と両面に設けられている両刃があります。また、様々な断面形状のものがあります。削る素材や用途に応じて片刃あるいは両刃、断面形状の使い分けが必要です。

精密ヤスリの使用用途

精密ヤスリの使用用途としては、機械加工、電子機器の修理、医療器具の製造、宝飾品の製造が挙げられます。

1. 機械加工

精密ヤスリは金属の細かい加工や形状加工に使用されます。例えば細かい部品の加工や特殊な形状の削り出しで使われます。

2. 電子機器の修理

小さな部品を扱う電子機器の修理に使用されます。例えば小さな端子やコネクターの接触不良を修理する際に活躍します。

3. 医療器具の製造

医療器具は精密な加工が必要なため、精密ヤスリが使用されます。具体的には内視鏡や手術用器具などが挙げられます。

4. 宝飾品の製造

宝飾品の製造には細かい加工が必要です。精密ヤスリは宝石の形状を整えたり金属の表面を仕上げたりする際に使用されます。

5. その他

上記以外にも、例えば時計の修理や製造、眼鏡フレームの製造などにも好適です。

精密ヤスリの原理

精密ヤスリの原理は、細い棒状の精密ヤスリ所定の面を素材に押し当てながら動かし、素材の表面を削り取ることです。

精密ヤスリの表面には、金属を溝加工して形成された目があります。目の形状は様々で、最も基本的な形状はヤスリの長さ方向に対して斜めの溝が形成されているものです。この溝を押し当てて動かすと素材の表面が削り取られる仕組みです。目の細かさや形状、削る力加減や角度、速度などで加工の精度や表面の仕上がりが左右されます。

ヤスリ表面に微細な砥粒を付着させたものもあります。精密ヤスリの所定の面を素材に押し当てながら動かして、素材の表面を削り取る仕組みです。表面の砥粒が硬い素材の表面に食い込んで削り取ります。砥粒の大きさや密度、削り方の力加減や角度、速度などが、加工の精度や表面の仕上がりを左右する要因です。

精密ヤスリの種類

精密ヤスリの種類を刃の種類と形状で解説します。

1. 精密ヤスリの刃

精密ヤスリには、片刃ヤスリと両刃ヤスリの2種類があります。

片刃ヤスリ
片刃ヤスリは、一方の面にのみ溝よりなる目が形成されるあるいは砥粒が付着しています。すなわち片面でのみ削る作業が可能で、片面のみを使用して加工する工具です。一般的に平面研磨や平面削り取りに好適です。

両刃ヤスリ
両刃ヤスリは、両面に溝よりなる目が形成されるあるいは砥粒が付着しています。すなわち両面で削る作業が可能で、両面を使用して加工する工具です。片刃ヤスリよりも使い勝手がよく研磨範囲も広いため、研磨作業の効率が良いとされています。ただし切れ味が片刃ヤスリに比べるとやや劣る場合があります。

2. 精密ヤスリの形状

精密ヤスリには様々な形状のものがあります。例えば、以下のようなものが挙げられます。

平型
平型は最も一般的なもので、断面が四角形で板のような形です。バリ取りや研磨、切削が主な用途です。

丸型
円形の断面を持つのが丸型です。ヤスリの曲面で削るようになっており、素材に曲面部分があっても合わせることが可能で曲面部分を傷つけません。

半円型
半円型は断面がかまぼこのような形となっています。かまぼこのような形状であることから、曲面部分と平らな部分を有するのが特徴です。半円部分と角部分を用途に応じて使い分け可能です。

角型
角型のヤスリは断面が正方形です。角型であることから、角型の穴を作成したり穴に挿入して削る穴を拡大したりする用途に向いています。また直角のバリ取りにも好適です。

三角型
三角型は断面が三角錐型です。三角の角部などは鋭角な部分の加工および仕上げに好適です。

精密ヤスリのその他情報

1. 精密ヤスリの長所

高精度
非常に細かい砥粒を持っており、微細で高精度な加工が可能です。金属やプラスチックなどの素材を細かく加工する場合に向いています。

長寿命
高品質の素材で作られており、耐久性が高いため長期間使用できます。また使用後に適切に手入れをすれば溝よりなる目や砥粒の劣化を防げます。

さまざまな形状に対応できる
様々な形状に対応できるように設計されています。平面や凹凸のある曲面などにも対応できます。

仕上げ加工ができる
精密ヤスリには細かい目や砥粒があり、仕上げ加工向きです。また研磨や磨き上げの際にも使用されます。

精密な部品加工ができる
精密ヤスリは高精度であるため精密な部品加工向きです。時計や精密機械などの加工に使用されます。

柔軟性が高い
手作業で使用できて柔軟性が高いため、機械加工が難しい箇所でも加工できます。

2. 精密ヤスリの短所

素材を傷つける場合がある
非常に細かい目や砥粒を持っているため、加工の精度が高い反面、素材を傷つける可能性もあります。適切な力加減や削り方を理解し慎重に扱う必要があります。

切削量が少ない
一度に削れる量が非常に少ないため、時間がかかる場合があります。大量生産や大型の加工物には向かないケースもあります。

研ぎ直しが難しい
非常に細かい目や砥粒を持っているため、研ぎ直しを行う際には特別な工具が必要となる場合があります。

油圧電磁弁

油圧電磁弁とは

油圧電磁弁

油圧電磁弁とは、油の圧力・流量を制御するためのバルブです。

主に油圧系統内で使用され、液体の流れを制御するために電磁力を利用します。油圧・油流を制御するための重要な機械装置であり、産業および機械工学の分野で幅広く使用されています。

油圧電磁弁は電磁力を使用してバルブを正確に制御するため、非常に高い制御精度です。油圧システム内で圧力、流量、および方向の制御が必要な場合に適しています。電気信号を受けて迅速にバルブを開閉できるため、高速な制御応答が可能な点も特徴です。

一般的に頑丈で耐久性があり、高い圧力に耐えることができます。また、長寿命であることが多く、適切なメンテナンスが行われる限り数年以上にわたって信頼性を維持できます。

油圧電磁弁の使用用途

油圧電磁弁はさまざまな産業で使用され、油の流れを制御するために広く採用されます。以下は、油圧電磁弁の主要な使用用途です。

1. 製造業

金属成形プロセスでは高い圧力が必要なので、油圧プレスを利用することが多いです。油圧プレス機の動作を制御するために、油圧電磁弁が使用されます。また、金属加工機械やプレス機における固定用クランプの制御に使用されることも多いです。

2. 建設機械

油圧電磁弁は油圧ショベルのアームやバケットの制御に使用されます。これにより、土や岩石を掘削および移動させることが可能です。また、クレーンやリフティング装置のアームを上下に移動させるためにも油圧電磁弁が使用されます。

3. 農業

農業トラクターでは、油圧電磁弁がリフトアームなどの制御に使用され、農業作業を効率化します。ハローおよび荷物を持ち上げるためのアタッチメントを操作することが可能です。また、収穫機では、刈り取りヘッダーの高さ調整や収穫物の排出位置を制御するために油圧電磁弁が使用されます。

4. 自動車

自動車のブレーキシステムでは、油圧電磁弁がブレーキ圧力を制御して安全に制動することが可能です。ABSなどの高度なブレーキ制御にも使用されます。また、パワーステアリングなどにおいても油圧電磁弁が助力制御に使用されることが多いです。

油圧電磁弁の原理

油圧電磁弁の動作原理は、スプール (弁芯) と電磁コイルという2つの主要な部品に基づいています。

1. スプール

スプールは、弁の内部に配置された円筒状の部品で、一般的に金属やプラスチックで製作されます。油の流れを制御するための孔やチャンネルを有し、スプールが移動することでこれらの孔が開閉する仕組みです。スプールの位置に応じて、油の流れがブロックされたり通過したりします。

2. 電磁コイル

電磁コイルは弁の周囲に配置され、電流を通すことによって電磁場を生成することが可能です。スプールは金属製であり、電磁場に引かれる力によって移動します。電流が供給されている間はスプールが電磁コイルに引かれ、油の通路が開閉します。

油圧電磁弁の選び方

油圧電磁弁を選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。以下は油圧電磁弁の選定要素一例です。

1. 電源電圧

電源電圧は、油圧電磁弁の動作に必要な電力を提供するために重要です。一般的な電源電圧は、24VDCや110VAC、220VACなどがあります。システムの電源供給に応じて適切な電圧を選択する必要があります。

2. 最大使用圧力

最大使用圧力は、電磁弁が耐える最大圧力です。選択する油圧電磁弁は使用中に印加される最大圧力に耐える必要があります。過度の圧力で動作させると油圧電磁弁が損傷する可能性があるため、最大圧力に耐える油圧電磁弁を選ぶことが重要です。

3. 接続口径

油圧電磁弁の接続口径は、流体の通路のサイズを示します。系統内のパイプやホースとの適合性が重要です。通常はインチ単位またはミリメートル単位で表されます。

また、雌ネジによるねじ込み接続口を持つ油圧電磁弁が多いです。適切な接続口径を選択して、油の漏れなどが無いようにする必要があります。

4. 電磁弁の種類

油圧電磁弁にはシングルソレノイドとダブルソレノイドの2つの主要なタイプがあり、用途に応じて選定します。シングルソレノイドは電源供給を切断すると、ばねにより元の位置に戻る単純な構造です。一方、ダブルソレノイド弁は通電時と非通電時で異なる位置に滞在し、バルブの開閉状態が保持されます。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M3500000000/M3503000000/M3503090000/

斜ニッパー

斜ニッパーとは

斜ニッパーとは、ニッパーの刃が傾くように作られたニッパーです。

刃の角度がグリップに対して40°弱ほどあるため、一般的なニッパーでは綺麗に切れない出っ張りなどを、上手く切り取ることができます。また、刃には穴の開いているものもあり、ケーブルの被覆を剥がす際に便利です。

斜ニッパーの使用用途

斜ニッパーは、「切る」「割線」「より線皮むき」「ステップル取り外し」など、多数の機能を持つ工具で、主に電気工事などの作業で使用されます。

一般的な使用例は以下の通りです。

  • 銅線や鉄線の切断
  • 平行線の縦割りカット
  • タイラップの切断
  • 開けづらいバイアル瓶、カラコン瓶の開封
  • はみ出したハンダのカット

標準的なニッパーでは切断しづらい場所の切断などに使用されます。

斜ニッパーの原理

斜ニッパーは刃とグリップに角度があるので、刃を平面と平行にした際にグリップが浮き上がった状態になります。このため、一般的なニッパーでは刃を平面と平行にする際にはグリップも平面と平行になるように寝かせないといけません。このため、一般的なニッパーでは平面から飛び出た釘の頭などを綺麗に切断することは難しいですが、斜ニッパーを使用することで簡単に切断することができます。

また、斜ニッパーは刃の形状からバールのように、てこの原理を利用し釘などを引き抜くことも可能です。この場合は、釘の根元を斜ニッパーで掴んでグリップを倒すことで引き抜きます。斜ニッパーの切断力はその大きさにより変わり、小さいものでは細い線しか切れません。

大きくなればなるほど、より太い線を切断することが可能になります。また、プラモデルの作成などに使用する場合は、柔らかいプラスチックを切断するので、サイズが小さい斜ニッパーでも、ある程度の太さや厚さを持ったプラスチックを切断可能です。

斜ニッパーの構造

斜ニッパーは、一般的に刃先・グリップ・スプリング (戻しバネ) の3つで構成されています。刃の構造は通常、左右どちらにも切刃がついている「両刃構造」と、片方だけに切刃がついた「片刃構造」に分類されます。

また、斜ニッパーには、3枚合せ構造のものがあります。挟み込む構造となっていて、2枚合せ構造と比べた場合、ガタが無く強度があるため、長期間使用することが可能です。

斜ニッパーの選び方

斜ニッパーは、切る物の材質や形状などにより、使用する製品が異なります。それぞれの特徴を十分に把握し、適切な製品を選ぶことが大切です。

1. サイズ

斜ニッパーのサイズは100mm~250mm程度まであり、サイズにより特徴が異なります。一般的に150~160mmのものが使い勝手がよいとされ、商品も多く揃っています。

サイズが大きいと切断能力がアップしますが、その分重くなるため長時間作業した場合、手や腕が疲れてしまいます。斜ニッパーのサイズは、切断能力や作業性に大きな影響を与えるため、適切なサイズの製品を選ぶことが重要です。

2. 素材

ステンレス製
ステンレス製は、耐食性に優れており、湿気のある環境で使用しても錆の発生を抑えることができます。また、耐久性もあるため、長期間清潔な状態で使用することができます。

クロムバナジウム鋼製
炭素鋼にクロムとバナジウムを添加した素材が、クロムバナジウム鋼 (Cr-V) です。耐久性、耐摩耗性、耐腐食性に優れ、長期にわたり高い性能を発揮することができます。

クロムバナジウム鋼製の製品は、硬い材料を効果的に切断でき、刃が欠けにくいため、硬線の切断に使用されます。

3. グリップ

樹脂成型グリップ
樹脂成型カバーを施した斜めニッパーであれば、滑りにくくしっかりとグリップするため、細かな作業でも正確に作業することができます。一般的なグリップと比べ手や腕への負担が少ないため、連続作業や長時間作業のさいに重宝します。

絶縁ハンドル
通電中の機器などの作業では、絶縁性の素材を採用したハンドルを使用する必要があります。絶縁素材で作られているハンドルであれば電気を遮断し、感電を防ぐ役割があるため、安全に作業を行うことができます。

ローラー距離計

ローラー距離計とは

ローラー距離計

ローラー距離計(英: Roller Distance Meter)とは、車輪が動いた長さを測る計測機器です。

一般的に車輪の付いたデバイスであり、測定したい距離を測定対象の地表に沿って車輪を転がして計測します。ウォーキングメジャーとも呼ばれます。

ローラー距離計は、非常に簡単に距離を測定することが可能です。車輪を対象物の表面に転がすだけであり、特別なトレーニングや技能が必要ありません。リアルタイムで測定できるため、すばやく距離を把握することが可能です。

また、屋外での距離測定に適しており、不均一な地形やアクセスの難しい場所でも使用できます。比較的低コストで入手でき、メンテナンスが簡単な点も特徴です。高度な測量機器やGPSシステムに比べて、コストが抑えられます。

ローラー距離計の使用用途

ローラー距離計の代表的な使用用途は、以下の通りです。

1. 建設現場

建設プロジェクトでは建物寸法や敷地寸法を正確に把握する必要があります。ローラー距離計は建設物の長さや幅などを測定し、プロジェクトの計画や進行に役立つツールです。

また、道路やトンネルなどの土木工事においては、地形調査が必要です。ローラー距離計を使用して地形の起伏や地物位置を測定し、プロジェクトの設計に役立ちます。

2. 不動産

不動産業者は、不動産物件のサイズと特性を評価するためにローラー距離計を使用します。これにより、物件の価値を客観的に判断することが可能です。また、不動産の境界線を特定するためにも使用される場合があります。

3. 電気工事

電気工事では電線やケーブルを敷設する際に、正確な長さを測定することが重要です。ローラー距離計は、配線が通る経路の長さを測定するのに役立ちます。これにより、購入するケーブル長を決定し、経済的な電気工事を計画することが可能です。

ローラー距離計の原理

ローラー距離計は車輪の回転に基づいて距離を計測する仕組みです。計測車輪やハンドル、表示器などで構成されます。

1. 計測車輪

計測車輪は、ローラー距離計の中心部に位置し、距離を計測するための車輪です。この車輪が地面に転がることで、距離が計測されます。一般的には軽量な樹脂などが材料となることが多いです。

2. ハンドル

ハンドルはローラー距離計を操作するための部品です。ユーザーはこれを握ってローラー距離計を移動させます。ハンドルは測定をより正確に行うために、一定の高さに配置されています。

3. 表示器

表示器は現在距離を表示するための部品です。アナログダイアルやデジタルディスプレイなどの形態で表示され、ユーザーに計測された距離を示します。デジタルディスプレイの製品は、電池が必要となることが多いです。

ローラー距離計の選び方

ローラー距離計を選ぶ際は、以下の点を考慮する必要があります。

1. 測定可能距離

ローラー距離計の測定可能な最大距離は、その使用用途に合わせて選ぶ必要があります。建築現場や土木工事では長距離の測定が必要なことが多いです。屋内の測定には短い距離のローラー距離計が適している場合もあります。

2. 表示デバイス

表示デバイスの主要な種類は、アナログダイアルとデジタルディスプレイです。

アナログダイアル
アナログダイアルは構造が簡単で耐久性があります。一般的には、デジタルディスプレイの製品よりも安価です。ただし、読み取りがやや難しいことがあります。

デジタルディスプレイ
デジタルディスプレイは数値が読み取りやすく、正確な値を提供します。バックライトを有するディスプレイの場合は、暗い中でも測定することが可能です。ただし、電池が必要となる場合が多いです。

3. 測定誤差

ローラー距離計は測定誤差を持つことがあります。誤差はメーカーやモデルによって異なるため、高精度の測定が必要な場合は誤差が小さい製品を選ぶことが必要です。精度要件に合わせて測定誤差を確認し、比較することをおすすめします。

4. 最小単位

ローラー距離計の最小単位は、デバイスが測定できる最小の距離単位です。1mの製品や1cmの製品が存在します。測定精度が高いほど小さな距離の差を測定できるため、使用目的に合った最小単位を選びます。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_health/T2400000000/T2406000000/

検電器

検電器とは

検電器

検電器とは、電圧をチェックする機器のことです。テスター等とは異なり、電圧の値を確認することはできません。

手で持った検電器を、調査したい充電路へあてるだけで確認することができ、電圧がある場合には、「ピー」といった音がなるものが多いです。また検電器により低圧専用のものや高圧用のもの、交流専用や交直両用のものがあるため、使い分けが必要です。また、対象の充電路に対しても、交流か直流かを把握しておく必要があります。

検電器の使用用途

検電器は、充電路の無電圧を確認するために使用されます。

低圧の電気工事の場合では、該当の端子台が無電圧であるかの確認を、作業をする直前に行います。また高圧の場合は、遮断器断路器等で電源を開放した後、その下位の充電部で検電作業を行います。

高圧の電路は比較的交流の場合が多いですが、遮断器開放後は、残留電荷と呼ばれる直流成分の電気を帯びている場合もあるため、交流・直流両方の検電器にて検電を行う必要があります。

検電器の原理

最近の検電器は、電圧を検出するとランプが光るものや、音が出るものが多くあります。

これらの仕組みは内部の増幅器で、検出した微小な電気信号を増幅し、内蔵された電池を通して音を出したり、発光させたりしています。電流を検知するには、電気を流す必要があるため閉ループである電気回路を作る必要があります。検電器ではこの電気回路をつくるために、充電部の電気を検電器にて検出し、検電器(人間)との対地静電容量を利用して、電気回路をつくっています。

対地静電容量とは、あるモノと地面との間にあるコンデンサー成分のことで、これを利用しています。直流回路の場合、コンデンサーは一度充電をしてしまうと電気を流さなくなり、絶縁物となります。そのため直流回路の検電を行った場合、一定時間をすぎると電圧検出ができなくなってしまいます。

また交流回路の場合は、コンデンサーが充電/放電を繰り返すため、絶縁物となることがなく電圧を検出し続けることができます。

参考文献
https://www.hioki.co.jp/jp/

すべり止め手袋

すべり止め手袋とは

すべり止め手袋

すべり止め手袋とは、物を掴んだ際に滑りにくいように作られた手袋です。

さまざまな用途で使用されており、表面にすべり止めが塗布されている点が特徴です。すべり止め手袋を使用することで、物をしっかりつかむことができます。これにより、物を落とすリスクが減少し、安全性が向上します。

また、切創や擦り傷から手を守るために耐切創性の素材で作られていることが多く、手をさまざまな危険から保護することが可能です。また、作業効率も向上します。特に濡れた状態や滑りやすい表面での作業において、すべり止め手袋が有利です。

ただし、すべり止め手袋は一般的にゴムや綿などで製造されており、熱に弱いことが多いです。熱に弱い素材で作られた手袋を熱い物品に触れさせると、手に火傷を負う可能性があります。

すべり止め手袋の使用用途

すべり止め手袋はさまざまな用途で使用されます。以下はすべり止め手袋の主な使用用途です。

1. 建設現場

建設現場では仮設足場上での作業が発生することも多いです。足場の上での作業は高所から物を落下させるリスクが伴うため、滑り止め手袋によって安全な作業をサポートします。

また、建設労働者は重い材料や工具を持ち上げ、運搬することがあります。滑り止め手袋は重い物をしっかりと持つのに役立ち、手の安全性を確保することが可能です。

2. 物流

倉庫作業員は商品や荷物の積み降ろしを行います。滑り止め手袋を使用することで、荷物を安全に持ち上げ、荷崩れやけがを防ぐことが可能です。また、商品をパレットに積み重ねたり、パレットを倉庫内で移動させたりする際にも、すべり止め手袋によって安全性を向上させることができます。

3. 工場

工場での機械操作や設備のメンテナンス時にすべり止め手袋が使用されます。操作対象物を確実につかむのに役立ち、手の安全を向上させる際に有利です。また、さまざまな手工具を使用する際、すべり止め手袋は手の滑りを防ぎます。

4. 清掃

床を掃除する際、特に湿った床での滑りを防ぐためにすべり止め手袋を使用します。これにより、清掃業務者が安全に作業をすることが可能です。また、強力な清掃液や化学薬品を使用する場合、化学物質から手を守るために特別なすべり止め手袋を使用します。

すべり止め手袋の原理

すべり止め手袋の主要な原理は摩擦力の増加です。滑りやすい表面において、手袋の素材が物と手の間に追加の摩擦を生成することで物をしっかりつかむ助けになります。これにより、作業中に滑り落ちにくくなる仕組みです。

すべり止めにはゴムやラテックス、ポリウレタン、ニトリルなどの素材が一般的に使用されます。これらの素材は滑りにくさと耐摩耗性を提供しつつ、手を保護することが可能です。

また、すべり止め手袋には滑り止め効果を高めるための特別なパターンやテクスチャが施されています。突起などのパターンによって接触面積を増やし、滑り止め効果を持続させることが可能です。これらのパターンはさまざま形状の製品があります。

滑り止め手袋の原理は、物と手の間に追加の摩擦を生み出して手の滑りを防ぐことです。この原理は多くの作業環境で安全性と作業効率を向上させるのに役立ちます。

すべり止め手袋の選び方

すべり止め手袋を選ぶ際に考慮すべき要因は、いくつかあります。

1. 手袋の材質

手袋の部分は手に直接触れる材料です。ポリエステルや綿、ナイロンなどの材料が使用されます。作業に適した材料を選択します。

ポリエステルは軽量で耐久性がありますが、通気性が低い点が特徴です。綿は柔らかく快適な着用感ですが、耐摩耗性はポリエステルやナイロンに比べて劣ります。ナイロンは合成繊維で、軽量で伸縮性があります。

2. すべり止めの材質

すべり止め部の材質は作業対象物に触れる材料であり、ラバーコーティングやシリコンが使用されます。ラバーコーティングは一般的なすべり止め素材で、多くの表面に効果的です。シリコン製は高温環境での作業に適しており、柔軟性と耐熱性があります。

3. サイズ

手袋は正確なサイズで使用することが必要です。手袋が大きすぎると滑り止め効果が低下し、手の動きが制限される可能性があります。手袋が小さすぎると快適さが損なわれ、手に圧迫感が生じる可能性があります。

参考文献
https://kametec.info/2016/10/24/161021_work_gloves/