油圧電磁弁

油圧電磁弁とは

油圧電磁弁

油圧電磁弁とは、油の圧力・流量を制御するためのバルブです。

主に油圧系統内で使用され、液体の流れを制御するために電磁力を利用します。油圧・油流を制御するための重要な機械装置であり、産業および機械工学の分野で幅広く使用されています。

油圧電磁弁は電磁力を使用してバルブを正確に制御するため、非常に高い制御精度です。油圧システム内で圧力、流量、および方向の制御が必要な場合に適しています。電気信号を受けて迅速にバルブを開閉できるため、高速な制御応答が可能な点も特徴です。

一般的に頑丈で耐久性があり、高い圧力に耐えることができます。また、長寿命であることが多く、適切なメンテナンスが行われる限り数年以上にわたって信頼性を維持できます。

油圧電磁弁の使用用途

油圧電磁弁はさまざまな産業で使用され、油の流れを制御するために広く採用されます。以下は、油圧電磁弁の主要な使用用途です。

1. 製造業

金属成形プロセスでは高い圧力が必要なので、油圧プレスを利用することが多いです。油圧プレス機の動作を制御するために、油圧電磁弁が使用されます。また、金属加工機械やプレス機における固定用クランプの制御に使用されることも多いです。

2. 建設機械

油圧電磁弁は油圧ショベルのアームやバケットの制御に使用されます。これにより、土や岩石を掘削および移動させることが可能です。また、クレーンやリフティング装置のアームを上下に移動させるためにも油圧電磁弁が使用されます。

3. 農業

農業トラクターでは、油圧電磁弁がリフトアームなどの制御に使用され、農業作業を効率化します。ハローおよび荷物を持ち上げるためのアタッチメントを操作することが可能です。また、収穫機では、刈り取りヘッダーの高さ調整や収穫物の排出位置を制御するために油圧電磁弁が使用されます。

4. 自動車

自動車のブレーキシステムでは、油圧電磁弁がブレーキ圧力を制御して安全に制動することが可能です。ABSなどの高度なブレーキ制御にも使用されます。また、パワーステアリングなどにおいても油圧電磁弁が助力制御に使用されることが多いです。

油圧電磁弁の原理

油圧電磁弁の動作原理は、スプール (弁芯) と電磁コイルという2つの主要な部品に基づいています。

1. スプール

スプールは、弁の内部に配置された円筒状の部品で、一般的に金属やプラスチックで製作されます。油の流れを制御するための孔やチャンネルを有し、スプールが移動することでこれらの孔が開閉する仕組みです。スプールの位置に応じて、油の流れがブロックされたり通過したりします。

2. 電磁コイル

電磁コイルは弁の周囲に配置され、電流を通すことによって電磁場を生成することが可能です。スプールは金属製であり、電磁場に引かれる力によって移動します。電流が供給されている間はスプールが電磁コイルに引かれ、油の通路が開閉します。

油圧電磁弁の選び方

油圧電磁弁を選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。以下は油圧電磁弁の選定要素一例です。

1. 電源電圧

電源電圧は、油圧電磁弁の動作に必要な電力を提供するために重要です。一般的な電源電圧は、24VDCや110VAC、220VACなどがあります。システムの電源供給に応じて適切な電圧を選択する必要があります。

2. 最大使用圧力

最大使用圧力は、電磁弁が耐える最大圧力です。選択する油圧電磁弁は使用中に印加される最大圧力に耐える必要があります。過度の圧力で動作させると油圧電磁弁が損傷する可能性があるため、最大圧力に耐える油圧電磁弁を選ぶことが重要です。

3. 接続口径

油圧電磁弁の接続口径は、流体の通路のサイズを示します。系統内のパイプやホースとの適合性が重要です。通常はインチ単位またはミリメートル単位で表されます。

また、雌ネジによるねじ込み接続口を持つ油圧電磁弁が多いです。適切な接続口径を選択して、油の漏れなどが無いようにする必要があります。

4. 電磁弁の種類

油圧電磁弁にはシングルソレノイドとダブルソレノイドの2つの主要なタイプがあり、用途に応じて選定します。シングルソレノイドは電源供給を切断すると、ばねにより元の位置に戻る単純な構造です。一方、ダブルソレノイド弁は通電時と非通電時で異なる位置に滞在し、バルブの開閉状態が保持されます。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M3500000000/M3503000000/M3503090000/

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