鉄工ヤスリ

鉄工ヤスリとは

鉄工ヤスリ

鉄工ヤスリとは、主に手作業による加工に特化した、金属を加工するための研磨工具です。

目の荒いものから目の細かいものまでさまざまな種類が存在します。荒目のヤスリは金属の表面を削り落とす粗加工に、細目のヤスリは表面を仕上げる精密な加工に適しています。

鉄工ヤスリには片刃と両刃の2種類があります。片刃は一方向にしか削れず、削り跡が目立たない表面の仕上げに適しています。両刃は交差する2方向に削れるため、荒削りや中間加工に向いています。

鉄工ヤスリの使用用途

鉄工ヤスリの使用用途には主に以下の5つが挙げられます。電源を必要とせず、軽量でコンパクトなため多くの場面で手軽に使用できます。粗加工から仕上げ加工まで幅広い用途に対応できますが、加工物の素材に適したヤスリを使い分けることが大切です。

1. 金属の切削

金属を切削するために使用され、特に薄い板金やアルミニウムなどの柔らかい金属の加工に適しています。切削加工を用いて金属の形状を変更したり、不要な部分を取り除いたりすることが可能です。

2. 金属加工の仕上げ

金属の表面を滑らかにするための仕上げ加工にも使用されます。目の細かい方でキズや凹凸を取り除き、表面を均一に整えます。

3. 穴あけ加工

専用の鉄工ドリルで開けた穴を微調整する、あるいは形状を整える際に使用します。小さな穴を開ける場合には直接ヤスリを使って開けることも可能です。

4. 形状成形

金属を自由に成形できるため、形状加工にも広く使用されます。例えば穴を開けたり、角を取り除いたり、円筒形を成形したりする場合に便利です。

5. キズ取り

金属製品に生じたキズや凹凸を取り除くために使用されます。キズや凹凸を削り落とし、表面を均一に整えることが可能です。

鉄工ヤスリの原理

鉄工ヤスリは硬質材料の表面を削るために使用されます。表面には硬い鉱物粒子が砥粒として付着しており、これらの粒子が加工物の表面に食い込み、削り取ることで効果を発揮します。鉄工ヤスリの形状は、刃に砥粒が付いた細長い棒状です。削りたい部分に押し付けるようにして使用します。加工物の表面を均一に削るためには、砥粒の大きさや密度、削る際の力加減や角度、速度などが重要です。

片刃のタイプは砥粒が一方向に配置されているため、素材を引っかけることなく滑らかに削れます。両刃は砥粒が交互に配置されているため、素材を両方向から削れます。両刃は片刃よりも削りムラが少ないです。手動のものからエアーヤスリ、電動ヤスリなどの高速回転のものまでさまざまな種類がありますが、いずれも砥粒が素材表面に食い込んで削るという原理は同じです。

鉄工ヤスリの種類

鉄工ヤスリの形状は主に以下の5種類があります。鉄工ヤスリの形状を使い分けることで、加工物の形に合わせて自由に加工でき、細部にわたり綺麗に研磨することが可能です。

1. 平ヤスリ

平たい形状で、幅広のものから狭いものまでさまざまなサイズがあります。表面の平坦化や金属の角を落とすのに適した種類です。

2. 丸ヤスリ

先端が丸みを帯びた形状で、穴あけや内部の凹凸加工に適しています。サイズも小さなものから大きなものまで幅広いのが特徴です。

3. 角ヤスリ

角がついた形状で、角の部分を加工するのに適しています。角を取り除きたい場合は平ヤスリでも作業は可能ですが、角ヤスリの方が作業効率・品質の両方において優れています。

4. 半丸ヤスリ

半円状に湾曲した形状で、丸ヤスリと角ヤスリの中間に位置しています。内部の曲面や小さな穴の加工に適した工具です。

5. 三角ヤスリ

三角形状で、細かい部分の角を取り除くのに適しています。角ヤスリと同様に角の部分を加工するのに適した形状です。

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