検電器とは
検電器とは、電圧をチェックする機器のことです。テスター等とは異なり、電圧の値を確認することはできません。
手で持った検電器を、調査したい充電路へあてるだけで確認することができ、電圧がある場合には、「ピー」といった音がなるものが多いです。また検電器により低圧専用のものや高圧用のもの、交流専用や交直両用のものがあるため、使い分けが必要です。また、対象の充電路に対しても、交流か直流かを把握しておく必要があります。
検電器の使用用途
検電器は、充電路の無電圧を確認するために使用されます。
低圧の電気工事の場合では、該当の端子台が無電圧であるかの確認を、作業をする直前に行います。また高圧の場合は、遮断器や断路器等で電源を開放した後、その下位の充電部で検電作業を行います。
高圧の電路は比較的交流の場合が多いですが、遮断器開放後は、残留電荷と呼ばれる直流成分の電気を帯びている場合もあるため、交流・直流両方の検電器にて検電を行う必要があります。
検電器の原理
最近の検電器は、電圧を検出するとランプが光るものや、音が出るものが多くあります。
これらの仕組みは内部の増幅器で、検出した微小な電気信号を増幅し、内蔵された電池を通して音を出したり、発光させたりしています。電流を検知するには、電気を流す必要があるため閉ループである電気回路を作る必要があります。検電器ではこの電気回路をつくるために、充電部の電気を検電器にて検出し、検電器(人間)との対地静電容量を利用して、電気回路をつくっています。
対地静電容量とは、あるモノと地面との間にあるコンデンサー成分のことで、これを利用しています。直流回路の場合、コンデンサーは一度充電をしてしまうと電気を流さなくなり、絶縁物となります。そのため直流回路の検電を行った場合、一定時間をすぎると電圧検出ができなくなってしまいます。
また交流回路の場合は、コンデンサーが充電/放電を繰り返すため、絶縁物となることがなく電圧を検出し続けることができます。