プライマ

プライマとは

プライマー

プライマとは、被塗装物に下塗りすることで、上塗り塗料の密着性を向上させる塗料です。

上塗りの塗料が塗りやすくなるように、被塗装物表面を整えたり、塗料と被塗装物の密着力を高めたりする役割を持っています。また、プライマを塗ることで、上塗りの塗料が被塗装物に浸透しすぎるのを防ぐ効果もあります。

プライマの使用用途

プライマは、さまざまな被塗装物に対応した種類があります。それぞれのプライマは、その被塗装物に適した性能を持っています。以下は、プライマの使用用途の例です。

1. 木材用プライマ

木材は水分を吸収しやすく、湿気によって膨張したり収縮したりします。木材用プライマは、木材の表面を保護し、湿気による変形を防ぐ効果があります。

また、木材から出るヤニが塗膜を剥がしたり、表面に出て美観を損ねたりすることがあるため、ヤニ止めの機能を持つプライマも販売されています。

2. 金属用プライマ

金属は、さびや腐食が進むと、強度が落ちたり、見た目が悪くなったりします。金属用プライマは、金属表面に密着し、さびや腐食を防ぐ効果があります。

3. コンクリート用プライマ

コンクリートは、表面が粗いため、上塗りの塗料が浸透しやすくなっています。コンクリート用プライマは、表面を整え、塗料の浸透を防止して塗料の使用量を減らす効果があります。

4. プラスチック用プライマ

プラスチックは、表面が滑らかであるため、上塗りの塗料がなかなか密着しません。プラスチック用プライマは、表面に密着しやすくなるように改善する効果があります。

プライマの原理

プライマは、主に以下の原理で働きます。

1. 表面の凹凸を埋める

表面の凹凸を埋めて滑らかにする効果があります。これにより、上塗りの塗料が均一に塗られるようになり、仕上がりがキレイになります。

2. 密着力を高める

プライマが塗料と被塗装物の間に入り込んで、両者の密着力を高めます。これにより、上塗りの塗料がはがれにくくなり、耐久性が向上します。

3. 浸透を防ぐ

プライマは、上塗りの塗料が被塗装物に浸透しすぎることを防ぐ効果があります。これにより、上塗りの塗料が適度な厚さで塗られるようになり、仕上がりが均一になります。

 

以上3つの原理の他にも、サビを防ぐ、静電気を発生させないようにするなど、仕上がりをキレイにするだけではなく、劣化を遅らせたり安全性を強化させる機能をもたせたプライマも作られています。

プライマの種類

プライマには、様々な種類があります。それぞれのプライマは、特定の被塗装物や用途に適した性能を持っています。プライマには対象となる上塗り塗料の種類、被塗装物の種類によって多くの種類があるので、最適なものを選定することが大切です。

1. 希釈溶媒による分類

プライマには、大きく分けて水性のものと油性のものが存在します。

水性タイプ
浸透性が低く、下地の劣化が少ない場合に適しています。また、臭いが少なく、塗布後の道具類の洗浄時の後始末が簡単である長所もあります。

油性タイプ
浸透性が高く、下地の強化機能、密着度に優れるので、下地の劣化が激しい場合に適しています。乾燥時間が短くて済むので作業効率がよいのですが、塗装時の臭いが強い短所もあります。

2. 機能による分類

単純に綺麗な塗装面を実現するためだけではなく、以下のような効果を持たせたプライマも存在します。

浸透性プライマ
劣化した塗装面の奥深くまで浸透して下地を補強できるプライマです。コンクリートやセメントモルタルなどに塗布して表面を強化させるために使う用途もあります。

防錆プライマ
露出した鉄部分の下塗りに使用する塗料です。鉄を塗装する場合、一般的にはヤスリなどで錆を落としてから塗布を行わなければなりませんが、古い塗膜や浮き出た錆を除去する作業は非常に手間がかかります。

また、錆が深く進行している場合には、この除去作業で下地そのものを多く削る必要があり、耐久性を落としてしまう可能性もあります。これに対し、最近では錆の上からそのまま塗布できる防錆プライマーが開発されています。

錆を止めるだけでなく、既存の錆にも働き保護層を作る効果があるため、錆の除去作業で下地を傷める心配が少なくなります。

参考文献
http://www.macoho.co.jp/special/adhesive-seminar/principle-of-adhesion/
https://hapisumu.jp/wall-a638147/
https://kenzai-digest.com/primer/

イリサート

イリサートとは

イリサートとは、ねじ締結部において、めねじの補修や強化のために使うねじインサートの一つです。

ねじインサートはJIS B 0002-2で制定されている機械要素部品です。日本の工業界におけるねじインサートは、ヘリサートという名称で広く普及してきました。ヘリサートもねじインサートの一つですが、株式会社ツガミの登録商標です。

また、2001年からはE-サートの名称に変更されました。イリサートはヘリサートの欠点を改良した製品として、有限会社廣杉製機が開発したねじインサートです。

イリサートの使用用途

イリサートは、ナイロン、プラスチック、ジュラコン等の各種樹脂材、ダイキャストやアルミニウムなどのその他の軟金属材のねじ穴を強化するために使用されます。母材へのタップ加工のみでは締付力が得られない場合、雌ねじ強化や、締付けトルクオーバーなどで破壊されてしまった、雌ねじの補修などにも使用可能です。

イリサートは自動車部品、輸送機器、宇宙産業、電子機器、医療機器、映像機器、農業機械、遊具、楽器など幅広く使われています。

イリサートの原理

イリサートに限らず、ねじインサートは対象となるねじ穴の部分に、強度のある材料のねじ穴をねじ込んで埋め込むことにより、ねじ穴部分を強化したり、破損してしまったねじ穴を再生します。

つまり、イリサートを使うためには、締結に使うねじよりも大きいサイズの下穴加工が必要です。例えば、M8x1.25のイリサートの外径にはM10x1.0の雄ねじがつけられています。よって強化したいねじ穴部分には、M10x1.0の下穴が必要です。

また、イリサートを挿入するには、専用の治具を使います。治具には手動治具と電動治具があります。電動治具では電動ドライバーを使うことで、作業効率を上げることができます。

手動治具、電動治具どちらでも、挿入するイリサートのサイズにあった専用の治具が必要です。なおイリサートを抜き取る場合にも、専用治具を用います。

イリサートのその他情報

イリサートとヘリサートの違い

イリサートはヘリサートの欠点を解消するために、有限会社廣杉製機によって開発されました。ヘリサートは断面が菱形のステンレス鋼線をスプリング状にしたものですが、イリサートは棒鋼から切削加工によって作られた一体物です。ヘリサートに対するメリットは以下のとおりです。

1. 挿入後のタングの折り取り作業が不要
ヘリサートは挿入でねじ込むためのタングと呼ばれる部分があり、挿入後にはタングを除去する折り取り作業が必要です。それに対して、イリサートにはタングがないので、折り取り作業も必要ありません。

2. ピッチ飛びしない
ヘリサートはばねが伸びてしまうとねじピッチが崩れ、ねじが挿入できなくなるピッチ飛びが発生します。それに対して、イリサートは一体物なので、ピッチ飛びは発生しません。

3. 形状変化しない
ヘリサートを使っためねじにねじの脱着を繰り返すと、口元部分のばねが伸びて、ねじが締め付けられなくなることがあります。一体物のイリサートなら、このような形状変化は起こしません。

4. 挿入作業性が良好である
ヘリサートの挿入にはある程度の熟練が必要で、作業時間も約20秒ほどかかります。それに対して、イリサートの挿入作業の熟練は不要であり、4~5秒程度で作業できるとされています。

5. 下穴は市販タップで加工できる
ヘリサートの下穴は専用タップで加工します。イリサートなら市販のタップで下穴加工ができます。

6. 接着剤が使える
イリサートであれば、ねじインサートの固定を強固にするための接着剤が使えます。ヘリサートはばね構造のため、接着剤を使うと隙間から内側に漏れ込んできてしまいます。イリサートは一体物なので、接着剤の漏れ込みは起こりません。

参考文献
https://wilco.jp/products/ilisert.html
http://www.hirosugi.com/product/index.html
http://nejiya.secret.jp/nejiya.net/recoil/syousai/syousai1.html

フリップチップボンダ

フリップチップボンダとは

フリップチップボンダとは、半導体製造において、ウエハから切り出した半導体チップを基板や半導体パッケージのリードフレームに取り付けるための装置です。

半導体チップは、シリコンウエハー等を材料としてフォトプロセス工程を経て製造されます。通常は一枚のウエハー上に多数のチップが作られており、ダイシング工程にてチップ毎に切断され、基板やフレームに装着されます。

ウエハーから切り分けられた半導体チップは上面側が電極端子を持った機能面になっており、フリップチップボンダは、チップ面を反転させて機能面を基板やフレームに直接装着します。

フリップチップボンダの使用用途

1. 半導体の製造工程におけるフリップチップボンダの役割

フリップチップボンダは半導体製造工程において、ベアチップをパッケージや基板へ装着する工程で使用されます。

IC等の半導体チップの製造では、シリコン等の半導体ウエハーに、露光、現像、エッチング等のフォトプロセスを繰り返してパターンが形成されます。ウエハーには多数のチップが作られ、フォトプロセスが完了したウエハーはダイサーによってチップ毎に切断されます。

フリップチップボンダは、切断されたチップをベアチップのまま基板に装着したり、チップを保護する目的で使用される半導体パッケージのリードフレームに装着するために使用されます。

2. フリップチップボンダを使ったチップの実装

ボンダには、フリップチップボンダの他にワイヤーボンダがあります。ワイヤーボンダは、基板やリードフレームに装着されたベアチップの電極端子 (バンプ) と、基板やリードフレームの接点との間を細いワイヤーを使って結合することで、両者間の信号の導通を実現しています。

これに対してフリップチップボンダは、バンプのあるベアチップの上面を反転 (フリップ) させ、基板上やリードフレーム上に配置された接続部に直接重なるように接着します。このことによって、チップの周囲にワイヤーを取り付けるスペースを確保する必要がなくなる他、チップの面全体を使用したバンプの配置が可能になります。

この特性により、フリップチップボンダはワイヤーボンダと比較して、より小面積でのチップの実装が可能になり、また、小さな面積で多数のバンプを持ったLSI (大規模集積回路) の製造が可能になります。

従って、フリップチップボンダは小さな基板に高密度にLSIを始めとする半導体チップを装着するアプリケーションに使用されます。その代表例としてスマートフォンの基板へのチップの実装があります。

フリップチップボンダの原理

ウエハー状態でプロセスが完了したベアチップは、検査工程を通ることで、不良チップがあればその位置が記録されています。

検査工程終了後にウエハーから個別に切り分けられた時のチップは、バラバラにはならず、粘着テープの上にウエハーの形状を保ったまま並んでいます。フリップチップボンダは圧着端子を使って良品チップを選別して良品チップを収納するためのトレイ (ワッフルパック) に並べてゆきます。

チップの収納が終わったワッフルパックを上下反転させることで、チップのバンプがついた機能面が下側になります。

チップはヘッドと呼ばれる圧着子によって取り出され、基板上へ画像処理技術を使って高精度に位置決めされます。この時に、チップのバンプと基板の絶族部が正確に重なるように置きます。チップはそのままヘッドによって基板へ圧接され、その後加熱溶着されます。

加熱溶着には、超音波方式が多く利用されています。超音波方式では、ヘッドを介して超音波をチップの裏面(基板側)に設けられたバンプまで伝え、瞬間的に配線パターンへ溶融させ、電気的な導通を得ます。

またチップと基板の装着において接合面にアンダーフィル樹脂を充填する場合があります。アンダーフィル樹脂は、チップを保護し、放熱効果を高める機能を持っています。

フリップチップボンダの選び方

フリップチップボンダの選択に当たっては、チップを装着する適用先、装着精度、他の装置との連携等を考慮して選択する必要があります。

フリップチップボンダのチップの適用先、即ちチップの実装相手には、基板やパッケージのリードフレームの他に、チップを重ね合わせるインターポーザ―への装着など様々です。適用先の確認は必須です。

チップの装着精度は、製造の歩留まりに直結します。フリップチップボンダは求められる装着精度を十分に満たしていることが重要です。

実験室での使用の場合を除き、フリップチップボンダは高度に自動化された半導体製造工程のラインの中に組み込まれます。良品チップの選択のための検査装置との連携を始め、前の工程にある装置や、後ろの工程にある装置、搬送ロボットとの連携など、自動化に関する仕様の確認も必要です。

フィルムヒーター

フィルムヒーターとは

フィルムヒーターは面状発熱体の一種で、金属の抵抗発熱を利用したヒーターです。 発熱体となる金属は非常に薄く、その発熱体を絶縁する為の絶縁フィルムで挟まれた形で構成されます。
その構造から、従来のヒーターでは不可能であった極薄化、柔軟性を持っており、近年では多くの産業分野で活用され始めています。使用する絶縁フィルムの材質によって、様々な付加性能
を与える事ができ、構造が簡単な事から安価であることも特徴となっています。

フィルムヒーターの使用用途

柔軟性を活かし、小型タンクや容器へ貼り付けての加熱や、高い均熱性を活かす為に金属プレートで挟み込んだ熱板、アンテナや屋外センサー等の設備向け融雪用途、屋外配管の凍結防止、
スポット使用での各種暖房器具、動物飼育環境での局所温調など、幅広く用いられています。 発熱体をITO(酸化インジウムスズ)蒸着で形成したフィルムヒーターは透過率が非常に高く、
自動車や鉄道、飛行機等の操縦席窓の融雪、防曇にも用いられます。

フィルムヒーターの原理

アルミニウムやステンレス、などの薄箔(10~50μm程度)を発熱体とし、エッチングや抜き型でパターン形状に抜き出し、そのパターンを絶縁体となる樹脂フィルムで挟み込んで製作します。
パターンは一筆書き様に描かれ、そのパターン全長と断面積、素材の固有抵抗値でヒータ全体の発熱容量が定義されます。 パターンの開始点、終了点には電圧を印加する為の端子を
ハトメなどで設け、そこへリード線などを取り付けます。 絶縁フィルムにはポリイミドフィルムPETフィルム、フッ素樹脂フィルムなどが用いられ、使用用途や環境によりフィルム材質を選定
します。 フィルムヒーターは面状の発熱パターンを自由度高く設計できるため、加熱したいエリアや形状に合わせて製作する事ができ、その為に高い均熱性を有している点や、絶縁体となる
フィルム自体の熱容量が低い事から、高い急速昇降温性能、追従性能が利点となりますが、発熱体が薄く、絶縁フィルムの耐熱性能も影響し、あまり高温での運転は出来ません。最高使用温度
は使用している絶縁フィルムに依存する事が多いです。

 

ピンソケット

ピンソケットとはピンソケット

ピンソケットは電気素子の一つであり、ピン(一定間隔で整列された裸の端子)を挿入することで接続可能なメス型の端子です。

プリント基板同士を接続する際やプリンタ基板上にモジュール化された製品の端子にはピンヘッダが使用されます。ピンの間隔(ピッチ)は2.54mmまたは2.5mmであり、これを差し込むためのピンソケットもこのピッチで製造されています。

ソケット部の対面はピン形状となっておりプリント基板に溶接が可能であるため、ピンソケットを使用することでプリント基板上に容易にピンヘッダを接続するための端子を設けることができます。

ピンソケットの使用用途

ピンソケットはピンヘッダのピッチおよびピン数に合わせて選定されます。ピンヘッダのピン数は製品によって様々であるため、ピンソケットは任意の箇所で切断または折ることで必要なピン数のみ使用できるような製品もあります。ピンヘッダと接続する場合にはプリント基板同士の接続の他、プリント基板と各種センサボードなどのモジュールの接続、マイクロコントローラと対応モジュールの接続などに使用されます。

適切な線径とソケットサイズを使用することで、ジャンパ線を差し込んで接続することも可能です。

ピンソケットの原理

ピンソケットはソケット部に皮膜を剥離したジャンパ線やピンヘッダを差し込むことで導通しますが、差し込む線の線径と長さにピンソケットが対応している必要があります。ソケットが深すぎると線を差し込んでも導通せず、ソケットが浅すぎると容易に線が抜けてしまうため選定には注意が必要です。

ピンソケットとピンヘッダを使用することで多数の接点を一度の抜き差しで簡単に着脱することができますが、幾つか注意しなければいけない点もあります。

ピンソケットには差し込む向きに制限がないため、ピンヘッダを設計時とは左右逆向きで接続することができてしまいます。したがって、これらを使用する際には物理的に向きを変えられないような対策を施すか、向きを変えても大きな影響が無いような回路設計とする必要があります。

また、ピンヘッダを備えたモジュールやICモジュールを基板上に接続するためにピンソケットをはんだ付けする際には、ピンヘッダをピンソケットに差し込んだ状態で作業を行うとはんだごての熱がモジュールに伝導し、モジュールが故障する恐れがあります。はんだ付け作業に慣れている場合には、ピンヘッダを差し込んだ状態で可能な限り短時間で数ヶ所はんだ付けすることで仮止めする場合もあります。

参考文献
https://jp.rs-online.com/web/c/connectors/ic-sockets-adapters/sil-sockets/

電動弁

電動弁とは

電動弁

電動弁とは、空気や液体の流れをせき止めたり流したりして調節をするために使用される機械です。

主に電流を流して、その電気信号で弁の開閉を行っています。
ONとOFFのスイッチを使い、電気回路によって弁の動作をしています。
スイッチを押すことで、中のモーターが回転し開閉しています。

似たような機械で、電磁弁と呼ばれているものもあります。
こちらも使用用途としては、電動弁と大差はありませんが動作原理が違っています。
電磁弁は、内部にコイルが搭載しており磁力によって弁の開閉を行います。

電磁弁は、直線的に弁の開閉を行うのに対して、電動弁はモーターが回転するので、この回転運動で弁の開閉を行います。

電動弁の使用用途

電動弁は、電動バルブとも呼ばれていて液体が流れている箇所に使用されています。
例えば、ロケットのエンジンなどでも電動弁が使用されています。

ロケットのエンジンでは、酸素と水素を混ぜることで爆発を起こし、その推進力を原動力となって動かすことが出来ています。
その酸素と水素の量を細かく調整するために電動弁が使用されているのです。

また、もっと身近なものにも使用されています。
お風呂の自動給油装置や、家庭用の自動給水装置など多様なものに利用されています。
これらは、スイッチで電動弁が開閉するのではなく時間によるタイマーで自動的に弁が開閉するように製造されています。

電動弁の種類によっては、液体の調節のみならず、空調の整備や、蒸気の調節などさまざまことが可能になっています。
しかも、気密性も高く安全性も高いので、産業機械関係だけではなく医療関係などさまざまな業種で利用されています。

電動弁の原理

さまざまな業種で利用されている電動弁です。
ロケットなどで使用されているので、とても複雑な機械にも思えますが、
仕組みさえ理解してしまえば簡単なものであれば自作することも可能です。

液体を調節することが出来るので、もし自作が可能であれば
家庭内での水回り等でとても役に立つことが出来るかもしれません。

参考文献

https://www.sankyo-s-s.co.jp/technology/003.html

https://www.azbil.com/jp/product/building/system/valve-actuator/actival/index.html

https://www.tlv.com/ja/steam-info/steam-theory/other/1405solenoid-electric/

https://www.ome-toho.co.jp/wp-content/uploads/manual/manual_41.pdf

薬品保管庫

薬品保管庫とは

薬品保管庫

薬品保管庫とは、薬品 (試薬) 保管のための特別な保管庫です。

試験研究施設や工場、医療施設、教育機関で使用されます。期待される機能としては、薬品を適切に分類し、試薬瓶が転倒しないように保管できること、薬品が変質しない配慮がされていること (一定の風通しまたは換気装置の使用) 、必要に応じて施錠できることなどです。

保管庫の機能が、収納する薬品を規制する法令に適合していることが重要です。

薬品保管庫の使用用途

薬品保管庫は薬品を使用する施設で、薬品を管理した状態で保管する際に用いられます。使用目的は、以下の通りです。

1. 安全性確保

薬品保管庫は薬品や化学物質を適切に保管し、破損や火災、盗難などからのリスクを最小限に抑えることが期待されています。破損に対しては、本体が丈夫であり、試薬瓶を転倒しないように収納できることが重要です。

火災に対しては難燃性の保管庫を使用し、可燃物から遠ざけて設置することがリスク低減になります。盗難に対しては、丈夫なスチール製の薬品庫に施錠する対策が行われます。

2. 品質保持

適切な温度、湿度、光の条件下で保管することを実現します。多くの薬品庫で光が入らない設計になっており、熱・湿気が滞留しないように風通しの良い設計になっており、換気装置を備えたものもあります。

3. 耐久性

プラスチックを溶かす試薬や金属を腐食させる試薬もあるため、万一の漏洩や蒸気の曝露に備え、耐久性の高さが求められます。塩化ビニル製、ステンレス製や、スチールを耐久性の高い塗料で仕上げたものが多いです。

4. 分類

整理して収納することで、試薬の分類を行い、取り出しや管理を容易にすることも期待される機能の1つです。

5. 法規制の遵守

化学物質の取扱いに関する主な法令として、以下が挙げられます。

  • 消防法
  • 毒物及び劇物取締法
  • 医薬品医療機器等法 (旧薬事法) 
  • 麻薬及び向精神薬取締法

薬品保管庫に期待されることの1つが、これらに適合した条件で保管できることです。例えば、毒物・劇物指定されている試薬の場合、毒物及び劇物取締法により、「鍵のかかる丈夫な」保管場所に「必ず施錠」して「鍵の管理を行う」ことが義務付けられています。

この場合は、鍵付きの薬品保管庫を選び、保管場所には、試薬に応じて「医薬用外毒物」「医薬用外劇物」等と表示します。

薬品保管庫の原理

薬品保管庫は、薬品で傷まず、試薬瓶が転倒したり瓶同士が接触したりしないという機能を満たすように設計されています。浸透性が無く、耐久性が高い材質で構成されているのが特徴です。

試薬瓶の間には仕切りが設けられるのが一般的で、これにより試薬瓶相互が接触して破損することを防ぎます。

薬品保管庫の選び方

薬品保管庫には様々な材質、形状のものがあります。以下の特徴をもとに、目的に適したものを選びます。

1. 材質

塩ビ製 (PVC製) 
耐薬品性、特に耐酸性に優れています。小型のものは軽量のため、持ち運びに適しています。

ステンレス製
耐腐食性、耐アルカリ性、導電性に優れています。

スチール製
耐食性、耐水性、耐湿性などを持たせるために、合金化溶融亜鉛メッキやメラミン焼き付け塗装をしている商品があります。ステンレスよりも安価に入手できます。

2. 盗難防止機能

薬品保管庫には、麻薬等の保存に用いられる金庫タイプのものもあります。また、盗難を避けるために、箱底を床にネジで固定して設置されるものもあり、盗難防止を重視したものの材質はスチール製が多いです。

施錠機能に加え、解錠に生体認証を利用できるもの、解錠履歴を電子的に保存できるものなども販売されています。

3. 保管条件

遮光が必要な試薬は、窓が無い保管庫を採用するのがより安全ですが、部屋の光が制御可能であれば、中が見える使いやすさを考慮して窓付きのものを選択することもできます。

換気が特に重要な場合は、排気機能の付いた保管庫を検討します。

4. サイズ

収納したいもののサイズを考慮する必要があります。試薬瓶は規格化されているので、使用したいものに合わせて選択します。

保管庫自体のサイズについては、持ち運びができるものもあります。施錠した状態で持ち運ぶなど、用途に合わせて選択することが重要です。

参考文献
http://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/doku/hokan/hokan.html
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/ghs_symbol.html

回転子

回転子とは

回転子

回転子とは、耐薬品性を持った磁石です。

マグネチックスターラーを使用して液体を撹拌するときに使用します。撹拌子、スターラーバーとも呼ばれます。一般に使われているものは棒磁石の表面がフッ素樹脂でコーティングされており、白色です。回転子には様々な形と大きさがあり、溶液の容量や粘度、容器の形状に合わせて使い分けます。実験分野では欠かせない器具です。

回転子の使用用途

マグネチックスターラーを使用する際に回転子を使えば、一定の回転数で、液を撹拌し均質化できます。使用の際には、良好な撹拌状態が得られるようにマグネチックスターラーの速度を細かく調整する必要があります。

回転子は容易に液を均質化できるため有機合成、医薬品合成、化学実験など、幅広い分野で使用されています。汎用されている回転子は、磁石の表面がPTFEなどのフッ素樹脂でコーティングされており、様々な試薬に犯されることなく使用できます。

回転子の原理

回転子の原理

図1. 回転子の原理

回転子はマグネチックスターラーと一緒に使います。マグネチックスターラーには、ステージの下に回転可能なマグネットが配置されており、これが回転する構造になっています。天板に載せた容器内の回転子が、本体内のマグネットの回転に磁力によって追従し、容器内の液体が撹拌されます。

溶液の粘度が高かったり、回転子の大きさが適切でなかったり、容器の底の形状が平面でなかったりすると、マグネチックスターラーの回転に回転子がついていけなくなる場合があります。

回転子の種類

1. 磁石の種類

回転子に使用される磁石としては以下のものが知られています。

  1. 希土類磁石
    ネオジム、ホウ素、鉄を焼結させて製造されたものであり、最高の磁気特性を有しています。温度特性が低いため80℃以下で使用する必要があります。強磁力スターラーや超強磁力スターラーとして使用されています。
  2. フェライト磁石
    バリュウムと酸化鉄を焼結させて製造されたものです。熱に強く、安定した磁力線が得られます。容積の大きいもので使用しやすいという特徴があります。
  3. サマリウムコバルト磁石
    サマリウムとコバルトからなるものであり、非常に強い磁力を有しています。強力型スターラーに利用され、サイズを小型化するためにも用いられています。

2. 形状による分類

回転子の種類

図2. 回転子の種類

回転子は様々な形状が市販されています。大きさも様々で、溶液の液性や容量、回転数などによって使い分けることが可能です。

また、表面コートも一般的なPTFE (ポリテトラフルオロエチレン) などのフッ素樹脂のほかに、ガラス製などもあります。フッ素樹脂は耐薬品性に優れ、酸、アルカリ、有機溶媒など様々な溶液に使用することができますが、経年劣化により摩耗や着色が発生するので、交換する必要があります。

回転子の選び方

回転子には、さまざまな形状やサイズのものがあります。撹拌する溶液に対して耐熱や耐薬をもったものを選択する必要があります。

1. スタンダードタイプ

使用されるタイプとして、スタンダードタイプと言われる棒状の回転子が一般的です。スタンダードタイプの中でもテーパー型やピボットリング型は、容器との接触が少ないため回転子の飛び跳ねを防ぎやすい構造になっています。溶液の粘度が大きかったり沈殿物があるなど、回転に負荷がかかったり均質化するために回転力が必要だったりする場合には、容器の底の形状に左右されないタイプや沈殿物を拡散するタイプを選択します。

2. 回転数や容器の底の形状に左右されないタイプ

溶液を攪拌するとき、底の形状によってうまく回らないことがあります。バーベル型、フットボール型、両面十字型などは、比較的バランスを取りやすい形状で、回転数や容器の形状に左右されにくい特長を持っています。

3. 沈殿物を拡散するタイプ

沈殿物のある溶液を均質化するためには、通常の溶液よりかき混ぜる力が必要です。回転する際に沈殿物を巻き上げる形状をしているトライアングル型や十字型、両面十字型などを使用すれば、比較的容易に均質化できます。

他にも試験管で使えるタイプや、より複雑な形状の回転子も市販されています。

回転子のその他情報

1. 回転子によるコンタミネーション防止

回転子はコンタミネーションの原因となりやすい器具です。溶液から取り出したあとは、使用した溶液が除去できる適切な方法で洗浄します。

また、使用前には表面が清浄であることを確認し、黄ばみがある場合には廃棄します。

2. 回転子の取り出し

回転子を使用後には、マグネットを容器の外からあてたり、マグネットでできた棒などを用いたりして、回転子を取り出します。取り出し後は不用意に触らず、洗浄します。

参考文献
https://www.isis-ltd.co.jp/media/2020/05/28/18
https://www.isis-ltd.co.jp/dcms_media/other/product_catalog_img00.pdf
http://www.nissinrika.co.jp/product/st_mayottara.html
http://www.nissinrika.co.jp/product/st_mayottara.html
https://www.isis-ltd.co.jp/media/2020/05/28/18
https://www.imachas.com/pages/special/stirrer/#

アースクランプ

アースクランプとは

アースクランプ

アースクランプとは、電気工事や溶接作業などで使用される工具の1種で、接地用のクランプです。

電気回路は安全のために接地が必要であり、アースクランプを用いることで、電気回路全体が接地され、漏電や感電事故を防止することができます。

また、金属製で頑丈な作りになっているため、長期間にわたって使用可能です。ただし、曲げなどの力を掛けることが多く、劣化して断線することがあります。

断線した電線を使用すると漏電や感電事故の原因となるため、定期的な点検や交換が必要です。

アースクランプの使用用途

アースクランプは作業時に使用される工具の1つです。主に電気に関わる作業に広く使用されます。以下はアースクランプの使用用途一例です。

1. 電気工事

高圧以上を取り扱う電気工事においては、残留電荷の放電や安全確保を目的に電路の接地が必要です。アースクランプを使用することによって、接地作業を効率的かつ安全に行えます。

2. 溶接作業

溶接作業においては、金属同士を接合する際に強い電流を流します。アースクランプを使用することによって、漏電や感電事故を防止することができます。

3. 地質調査

地質調査では、地下の岩石や土壌の電気的な性質を測定することがあります。アースクランプを使用して、測定装置を地面に接地することが可能です。

4. 地盤改良工事

地盤改良工事の際に、地盤の中に電極を設置することがあります。アースクランプで電極を地面に埋め込みます。

5. 電磁波測定

電磁波測定は対地間電圧を測定するため、基準となる地面の電位が必要です。アースクランプを使用することで、測定装置を地面に接地し、地面の電位を検出します。

アースクランプの原理

アースクランプは、本体部分や配線などで構成されます。

1. 本体

本体部分は、対象金属部分を挟み込むためのクランプです。クランプがワニ口タイプの場合は、クランプを開閉するためのハンドルが付いており、ハンドルを握り込むことでクランプを開閉することが可能です。クランプ部分が万力の場合は、ハンドルを回すことでクランプを開閉します。

2. 配線

配線部分は、電線部分と被覆部分に分けられます。電線の材料は一般的には銅製の導体です。銅は電気伝導率が高く、耐食性や耐熱性に優れているため、電気配線によく使用されます。また、アースクランプの電線は耐久性が求められるため、撚り合わせられる場合が多いです。

3. 被覆

被覆部分は省略される場合もありますが、一般的にPVC (ポリ塩化ビニル) やゴムなどの絶縁材料が使われます。被覆材は、クランプ本体と電線が直接接触することを防止し、漏電や感電事故を防止する役割があります。

PVCは耐久性が高い上に対候性に優れているため、一般的に広く使用されます。ゴムの場合は、耐油性や耐摩耗性に優れているため、移動電線としての使用に最適です。ただし、紫外線や酸素によって劣化するため、定期的な交換が必要になります。

アースクランプの種類

アースクランプには、クランプ部分の材質に応じて以下の種類があります。

1. ピンチ型アースクランプ

作業対象の金属部分を挟み込むピンチ型のクランプです。作業対象の形状に合わせて調整できるため、汎用性が高い点が特徴です。電気工事や溶接作業で広く使用されています。

2. 万力型アースクランプ

作業対象の金属部分をしっかりと固定できる万力型のクランプです。精度の高い溶接作業などで使用されます。

3. 土壌用アースクランプ

地中に埋め込むことができるようになっているアースクランプです。杭などのような形状をしています。地盤改良工事や地質調査で使用されます。

4. 磁力アースクランプ

磁石によって金属部品に張り付くアースクランプです。磁力を利用して、簡単に取り付けられる点が特徴です。電気工事や溶接作業で使用されます。

参考文献
https://www.seiwa.co.jp/en/product/emc/pdf/emc_products_E08A.pdf
http://www.acelion.co.jp/gaibu/kanamono/tekkotuyou.pdf
http://www.nakagawakogyosho.co.jp/cooperate/member/anzen/deta/anzensiryou_07.pdf

アングルバルブ

アングルバルブとは

アングルバルブ

アングルバルブとは、バルブ本体とパイプを接続する際に垂直な角度で接続可能なバルブです。

配管や管路などで使用されるバルブの1種です。アングルバルブはその構造上取り付けやすく、メンテナンスが簡単であるという利点があります。

また、使用する材質によっては高温・高圧の流体に対しても耐性があるため、広い範囲で使用されます。さらに、バルブの種類や用途によって、さまざまな形状やサイズが販売されています。

アングルバルブの使用用途

アングルバルブは水、空気、油、蒸気などの配管として使用されます。ボイラなどの省スペース化が必要な場面で重宝されます。

1. 配管系統

水道管やガス管などの配管系統においては、流体の流れを制御するために使用されます。水道管は水の通りを止めるのが目的です。また、ガス管にはガスの通りを止めるために使用されます。

2. 機械工業分野

船舶や自動車などの機械工業分野においては、油圧制御のために使用されます。船舶では、船の動力源であるディーゼルエンジンの油圧制御に使用され、自動車では自動車のハンドルの操作を油圧で伝達するために使用されます。

3. 火災予防システム

火災予防システムにおいては、消火装置の制御に使用されます。アングルバルブを使用することで消火剤の流れを制御し、火災を早期に鎮火することができます。

アングルバルブの原理

アングルバルブは、弁が開閉することによって流体の通過量を調節します。アングルバルブの弁体はバルブ本体の中にあり、一般的には円盤状や円錐状をしています。レバーやハンドルなどを使って操作することが可能で、開閉によって流体の通過量を調節することができます。

弁が閉じると流体の通過が止まり、弁が開放されると流体が通過させます。アングルバルブの弁体の材質はさまざまです。一般的には、金属やプラスチックなどの材料が使用されます。弁が使用される環境や流体の種類によって、適切な材質を選択することが大切です。

アングルバルブの開閉は、弁の回転運動によって行われます。弁が開閉する際には、バルブ本体とパイプとの接続部分にあるフランジを使用して弁を回転させます。弁の回転によって流体の通過量が調節され、自由に制御することが可能です。

アングルバルブの種類

アングルバルブは、主に青黄銅系、鋳鉄系、鋳鋼系、ステンレス鋼系などに分類されます。

1. 青黄銅系

耐食性に優れ、気密性が必要なバルブに適します。住宅、農業、工業と幅広く活用されています。地金コストが高い点がデメリットです。また、可燃性ガスや毒性ガスには使用できません。

2. 鋳鉄系

加工性に優れ、地金コストが安いので中型から大径 (1,000A以上) のバルブまで製作可能です。ただし、腐食には弱い欠点があります。安価なため、汎用品として広く製作される製品です。

3. 鋳鋼系

強度が強く、流体温度に合わせた鋼材を選ぶことが可能です。石油化学工場、火力・原子力発電所など高温・高圧の流体を扱うところで使用されます。ただし、腐食にはやや弱い特徴があります。

4. ステンレス鋼系

腐食に強く、低温から高温まで幅広く活用できます。強度も高く、広く使用される材質です。ただし、地金コストが高い点がデメリットです。

アングルバルブの選び方

1. 使用用途

水道管やガス管などの配管系統に使用する場合と、船舶や自動車などの機械工業分野に使用する場合では、使用する材質や弁の形状が異なることがあります。

2. 材質

流体の種類に応じた材質を選択することも大切です。食品工場や医療機器などの清潔度の高い場所で使用する場合には、ステンレス鋼などの耐腐食性に優れた材質を使用する必要があります。

3. 接続部分のサイズ

接続部分のサイズも重要な要素です。パイプとの接続部分のサイズが合わないと、正常に動作しない場合があります。接続配管や流体流量・圧力に応じて選定します。

4. 使用環境

高温・高圧の環境下で使用する場合には、弁の材質や耐熱性能を考慮する必要があります。

参考文献
https://j-valve.or.jp/pdf/valve/valve-qa_03.pdf
https://www.ishiguro-gr.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/06/2013_19-22_26.pdf
https://www.kitz-valvesearch.com/kiso/type_index.html