アースクランプ

アースクランプとは

アースクランプ

アースクランプとは、電気工事や溶接作業などで使用される工具の1種で、接地用のクランプです。

電気回路は安全のために接地が必要であり、アースクランプを用いることで、電気回路全体が接地され、漏電や感電事故を防止することができます。

また、金属製で頑丈な作りになっているため、長期間にわたって使用可能です。ただし、曲げなどの力を掛けることが多く、劣化して断線することがあります。

断線した電線を使用すると漏電や感電事故の原因となるため、定期的な点検や交換が必要です。

アースクランプの使用用途

アースクランプは作業時に使用される工具の1つです。主に電気に関わる作業に広く使用されます。以下はアースクランプの使用用途一例です。

1. 電気工事

高圧以上を取り扱う電気工事においては、残留電荷の放電や安全確保を目的に電路の接地が必要です。アースクランプを使用することによって、接地作業を効率的かつ安全に行えます。

2. 溶接作業

溶接作業においては、金属同士を接合する際に強い電流を流します。アースクランプを使用することによって、漏電や感電事故を防止することができます。

3. 地質調査

地質調査では、地下の岩石や土壌の電気的な性質を測定することがあります。アースクランプを使用して、測定装置を地面に接地することが可能です。

4. 地盤改良工事

地盤改良工事の際に、地盤の中に電極を設置することがあります。アースクランプで電極を地面に埋め込みます。

5. 電磁波測定

電磁波測定は対地間電圧を測定するため、基準となる地面の電位が必要です。アースクランプを使用することで、測定装置を地面に接地し、地面の電位を検出します。

アースクランプの原理

アースクランプは、本体部分や配線などで構成されます。

1. 本体

本体部分は、対象金属部分を挟み込むためのクランプです。クランプがワニ口タイプの場合は、クランプを開閉するためのハンドルが付いており、ハンドルを握り込むことでクランプを開閉することが可能です。クランプ部分が万力の場合は、ハンドルを回すことでクランプを開閉します。

2. 配線

配線部分は、電線部分と被覆部分に分けられます。電線の材料は一般的には銅製の導体です。銅は電気伝導率が高く、耐食性や耐熱性に優れているため、電気配線によく使用されます。また、アースクランプの電線は耐久性が求められるため、撚り合わせられる場合が多いです。

3. 被覆

被覆部分は省略される場合もありますが、一般的にPVC (ポリ塩化ビニル) やゴムなどの絶縁材料が使われます。被覆材は、クランプ本体と電線が直接接触することを防止し、漏電や感電事故を防止する役割があります。

PVCは耐久性が高い上に対候性に優れているため、一般的に広く使用されます。ゴムの場合は、耐油性や耐摩耗性に優れているため、移動電線としての使用に最適です。ただし、紫外線や酸素によって劣化するため、定期的な交換が必要になります。

アースクランプの種類

アースクランプには、クランプ部分の材質に応じて以下の種類があります。

1. ピンチ型アースクランプ

作業対象の金属部分を挟み込むピンチ型のクランプです。作業対象の形状に合わせて調整できるため、汎用性が高い点が特徴です。電気工事や溶接作業で広く使用されています。

2. 万力型アースクランプ

作業対象の金属部分をしっかりと固定できる万力型のクランプです。精度の高い溶接作業などで使用されます。

3. 土壌用アースクランプ

地中に埋め込むことができるようになっているアースクランプです。杭などのような形状をしています。地盤改良工事や地質調査で使用されます。

4. 磁力アースクランプ

磁石によって金属部品に張り付くアースクランプです。磁力を利用して、簡単に取り付けられる点が特徴です。電気工事や溶接作業で使用されます。

参考文献
https://www.seiwa.co.jp/en/product/emc/pdf/emc_products_E08A.pdf
http://www.acelion.co.jp/gaibu/kanamono/tekkotuyou.pdf
http://www.nakagawakogyosho.co.jp/cooperate/member/anzen/deta/anzensiryou_07.pdf

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