PCB設計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、PCB設計のメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。PCB設計関連企業の2023年1月注目ランキングは1位:シーメンスEDAジャパン株式会社、2位:日本ケイデンス・デザイン・システムズ社、3位:株式会社豊光社となっています。
PCB設計とは、PCB(Printed Circuit Board)の基板設計のことであり、PCBは直訳すると印刷回路基板に相当します。印刷回路基板とは、一般にガラス(ガラエポ)や繊維(コンポジット)や紙フェノールと言った材料を使用したPCB基板の上に銅を張り付け、それをエッチングと言われる溶剤を使って、回路部分の銅箔のみを残すいわゆるパターン回路基板を言います。
すなわち、PCB設計とはPCB基板上のパターンや層構成を、配置するICやLCRなどのチップ部品とともに専用の回路図やシミュレータ、配線レイアウト、電磁界や発熱、応力解析用のCADツールを使用して詳細に設計することを、PCB設計と呼んでいます。
PCB設計の使用用途は、最終的にはPCB(プリント回路基板)と言う形で実用上は使用されることを最終目的としています。PCB自体は、エアコンや冷蔵庫やテレビなど、電化製品の内部には、必ずと言って良いほど使用されています。そのPCBを、製品に内蔵される電子基板として具現化しているために使用されているツールが、回路図専用CADや基板パターン設計CADです。
その設計手順は、一般的に電子回路を設計した後、その回路を実際に使われる部品構成表に変換し、さらにその回路と実装部品をパターンと言う形で、基板上に銅箔パターン回路を具現化していくのがPCB設計になります。
PCB設計の原理を説明するには、PCBの原理から理解する必要があります。PCBの原理については、前述の通り、プリントサーキットボード(印刷回路基板)を指し、ガラスや繊維や紙と言った電気を通さない絶縁物を材料とした基板の上に、電気を通す銅箔を張り付けて、電気を通したい部分以外の銅箔をエッチングで溶かして出来上がった基板がPCBになります。
そのプリント基板上のパターン回路を形成するために必要なパターン設計情報があり、基板上にどう実現させるかを具体化させることがPCB設計そのものです。パターン設計情報は、大元になる情報は使用用途でも記載しましたが、第一段階は製品の必要な機能を実現するための電子回路です。
この回路図がなければ、何も始まりません。回路図とICやチップ部品などの実装部品をCADで作成登録後、その回路図情報を専用の基板パターン設計CADに落とし込みます。この作業は、大抵、パターン設計専任のスタッフか外注先が担当するのが通例です。
回路設計者はその担当に必要な情報をインプットするわけですが、その時に必要な最低限必要な情報は、基板寸法や穴径や基板や銅箔の厚さ、また実装部品の配置に関しては、予め指定する必要があります。以上の様な内容が、PCB設計を行う上での主な原理原則になります。
プリント基板設計ルールとは、プリント基板の配線パターンを設計する上で必要なルールです。その実際のルールとして、最初に基板の種類を決める必要があります。基板の種類とはレイヤーと呼ばれる基板の層の数です。
銅箔と基材の組み合わせで、片面1層か両面2層か、それとも4層以上のいわゆる多層基板にするのか、それによってその後の工程も変わってきます。因みに層は40層程度が現在のプリント基板製造の最大数です。当然、多層基板の方が製造工程も複雑で、材料費を含めた製造コストもアップします。
基板設計の種類が決まった後は、外形寸法を決めます。外形寸法は出来る限り小さくすると、コストを下げることが出来ます。次に銅箔パターンの厚みを決めます。銅箔は、18μm、35μm、70μm厚めの、105μmなどの種類があり、厚い方がパターンの温度上昇が抑えられて電流をたくさん流すことが出来るので、信頼性は上がりますが、コストアップが多くかかります。
よって、どの程度にするかは使用される環境や費用面で調整しますが、標準的な厚みは35μmになります。さらに、基板の銅箔パターンの設計を行う際、日本国内であれば電安法や国外であればIEC規格に基づいた絶縁距離を確保した設計にするのが一般的なパターン設計になります。
その他、レジストやドリル穴、スルーホール(TH)やバイアホール(VIA)、シルク印刷やVカットなど、多くの基板製作のためのデータを、ガーバーデータと呼ばれる情報にして、その情報を基に基板工場で基板が製造されます。
パターン設計は、プリント基板を設計する上で最も重要な工程になります。元々、プリント基板を製作するには、必要不可欠な情報がパターン設計情報であり、このパターン設計を間違えると、電気回路が正常な動作をしません。よって、このパターン設計がプリント基板を製作する上での肝になり、このパターン設計次第で、EMCと呼ばれるノイズの発生量や耐量レベルにも大きく影響を及ぼします。
つまり、ただ接続していれば良い訳ではなく、基板のパターンそのものに多くのノウハウや影響力があるのです。現在、基板のパターン設計自体は、一昔前の様な人の手によるものではなく、レイアウトを作成するソフトCADによって自動的に描かれることが多いのです。注意する事項は昔も今も共通していますが、そのノウハウを引き継いでいけば、実用上の問題が発生することは案外多くはありません。
そうしたこともあって、現実のトラブルの多くは、上記等の注意が届かない(ありふれた)回路部分で起きやすいと言われています。したがって、チェックをする際は、低周波や低速のインタフェース処理回路、電源配線に十分注意が必要です。回路設計者とレイアウト設計者が、担当が分かれてPCB設計を行う事例を説明してきましたが、昨今の両面実装に代表される小型高密度実装なモジュール部品や、排熱や高信頼性を要求されるパワーマネージメントモジュール、および通信用の高周波モジュールにおいては、PCB基板上のレイアウト設計そのものが、高周波対応の回路設計や放熱設計、高信頼性設計を兼ねる事例が増えています。
いわば、IC設計の世界で実際にシミュレーションして得られた回路図通りにチップレイアウト設計してみると、信号の遅延でタイミングが合わない、高い周波数で寄生成分や配線干渉で整合(マッチング)が取れない、排熱や応力起因で要求される信頼度を確保できないという問題と同じ課題が、PCB基板上でも発生しているのです。
IC設計ではこれらの問題への対応に実負荷検証と呼ばれる、配線や層間の寄生LCR成分を取り込んで設計FBを行うのが普通であり、PCB設計においてもこれらの課題への対応には、電磁界や応力、熱解析などの有限要素法を用いた3D(3次元)シミュレータを活用して配線寄生や配線間の電気的な干渉、VIAやTHでの熱拡散、レジンパッケージでの応力成分等への設計対策をします。
ICやチップ部品で使用される回路レイアウト設計CADとPCB基板設計でのCADは、ツールは必ずしも一致しておらず、統合シミュレーションには現場の設計者は頭を悩ませる場合もあります。
最近では各種用途(ICと基板など)のCADを一気通貫で統合Sim可能な環境を構築提供する高機能なEDAツールも登場し始めており、ユーザーの要望を反映して今後この流れは加速するでしょう。
参考文献
https://ednjapan.com/edn/articles/1310/03/news107.html
https://resources.altium.com/jp/p/top-5-pcb-design-guidelines-every-pcb-designer-needs-know
https://unicraft-jp.com/pcb/spec/pcb_spec.shtml
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/parasitic-elements-guide
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2023年1月の注目ランキングベスト8
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | シーメンスEDAジャパン株式会社 |
26.1%
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2 | 日本ケイデンス・デザイン・システムズ社 |
21.7%
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3 | 株式会社豊光社 |
17.4%
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4 | オートデスク株式会社 |
13.0%
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5 | 富士通株式会社 |
8.7%
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6 | 株式会社大昌電子 |
4.3%
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7 | 株式会社ライズコーポレーション |
4.3%
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8 | いづみやアイシー神奈川株式会社 |
4.3%
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注目ランキングは、2023年1月のPCB設計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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~貴社の開発を請け負います!~製品そのものから治具や生産設備まで設計と製作を請け負います。弊社は、機構、電気、ソフトと体制を持っており細かな御要求...
2022年7月13日
・プリント基板の製品仕様、アートワーク設計の配線仕様など、協力メーカと弊社で整合し、最適な仕様を提案いたします。・弊社独自基準に基づいた部品ライブ...
2022年6月27日
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グローバル・リンクス・テクノロジー株式会社 インテックス株式会社 OKIネクステック株式会社パッケージ&プリント基板は、ユーザーが独自に設定可能な、レイヤ及びライブラリと多彩なコマンド機能によって、基板設計の枠を超えた配線設計をすることができます。
部品ライブラリは、ExcelVBAを使って自動作成をすることが可能で、部品内蔵基板にも対応可能です。
設計及び製造データをそのまま用いて、図面作成や、承認図だけでなく、納入図と、製品図や、断面図なども作成することができます。
その他の特徴押しては、簡易DRC及びユーザー構築型の拡張DRC、ネット属性を独自設定することによる配線を支援する機能、GBR及びDXF入出力を標準装備されていること、SSFインを使用した自動配置設計、ネットの追加及び削除、そしてスワップ機能、ネット毎にカラー表示すること、BGA検討用自動配線機能などがあります。
Cadence® Allegro® PCB Editor は、革新的かつ最先端の設計であり、包括的でパワフルな利用しやすいツール群によって、基本的なプロジェクトだけでなく、非常に複雑なプロジェクトでも、簡単に取り組むことを可能にします。
コンストレイントドリブン環境では、リアルタイムなビジュアルフィードバックを得ることができるので、設計時間を短縮しつつ、PCB設計の機能性と製造性を保てます。
解析ドリブン設計では、設計サイクルのどの段階においても、レイアウトを素早く分析することによって、潜在的なSI及びPIの問題を検出した後に、解決して、設計の再スピンを減らすことを可能にし、レイアウト及びルーティングは、ルーティングアルゴリズムの利用により、設計が低密度もしくは高密度であるかに関わらず、簡単な配線及び複雑な配線の双方に、容易に取り組むことを可能にします。
小型化及びHDIテクノロジーでは、品質に妥協することなく、コンパクトで洗練されたデザインの要件を満たしており、製造可能性として、リアルタイムの製造性チェックを使用することにより、設計の反復回数を減らせて、設計をより迅速に生産に直結させることを可能にします。