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熱電発電モジュールについての概要、用途、原理などをご説明します。また、熱電発電モジュールのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
監修:株式会社Same Sky Japan
熱電発電モジュールとは、物体の温度差を直接電力に変える装置です。
半導体材料などで構成される小型のユニットで、ゼーベック効果と呼ばれる物理現象を利用して発電を行います。ゼーベック効果は、異なる温度の接合部に電圧が生じる性質のことです。熱電発電モジュールは、回転する部品を持たない構造で発電できる点が大きな特徴です。機械的摩耗がほとんど発生しないため、長寿命が期待できます。また、外部電源を必要としない独立した発電源としても注目されています。
内部にはn型やp型のペルチェ素子が組み合わされ、熱い側と冷たい側の温度差を利用して電圧を発生させます。ペルチェ素子は電流を流すと、一方が冷却され他方が加熱される性質も持ちますが、発電では逆の原理が使用されます。微小な温度差でも稼働する設計が可能であり、エネルギー回収を目的とした様々な分野で応用が検討されています。
ただし、変換効率は従来の発電手法より低い場合が多く、大電力を得るには複数のモジュールを組み合わせる必要があります。しかしながら、温度差さえ確保できれば連続的に発電できる点は利点といえます。コンパクトな形状でありながら、騒音や振動が発生しにくいことも用途を広げる要因になっています。
熱電発電モジュールは以下の用途で使用されます。
主に廃熱を有効活用する場面で活用されます。工場の生産ラインで生じる排熱や、自動車の排気系から出る高温ガスをエネルギー源とする事例が知られています。
熱源と冷却源がそろっていれば、余剰の熱を電力へ変換しながら同時に放熱できる点が利点です。また、高温環境下で動作させても振動や騒音が発生しにくいため、メンテナンスの手間を抑えられる面も評価されています。
携帯型デバイスにも適用が検討されており、屋外で利用できる電源として使用されることがあります。特に山間部など、電力供給が限られる地域では、携帯用ストーブやバーナーなどの熱源を電気に変え、通信機器やセンサーを稼働させる仕組みが考案されています。複雑な配線や燃料が不要であるため、災害時の非常用電源としても期待されています。
センサー技術やIoTとの組み合わせも進められており、温度差を使って自律動作する無線モニタリングシステムなどが開発中です。例えば、建物内部の温度分布をチェックする検知装置や、配管の異常を監視する計測機器などで応用が期待されます。将来的には電池交換が困難な場所にも導入され、省力化や安全性向上に寄与すると考えられています。エネルギー源としての多様性が高く、将来的に期待されている装置です。
本記事は熱電発電モジュールを製造・販売する株式会社Same Sky Japan様に監修を頂きました。
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*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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