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sus310sについての概要、用途、原理などをご説明します。また、sus310sのメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
sus310sとは、オーステナイト系のステンレス鋼に分類されるステンレスで、代表的な耐熱ステンレス鋼です。主な構成成分はクロムを24~26%、ニッケルを19~22%、炭素を0.08%以下です。これは、オーステナイト系のステンレス鋼の中で最も多いクロム含有量です。
クロムの含有量が多いため、オーステナイト系のステンレス鋼で最も幅広く使用されているsus304より、耐食性が高いです。また、クロムとニッケルの含有量が多いため耐熱ステンレス鋼のsus309sよりも耐熱性が高いです。
磁性はありません。冷間加工を行うと一部の鋼種では磁性を持つようになることがありますが、sus310sはニッケルの含有量が多いため磁性を持つようになることはありません。
sus310sと末尾にs記号がついたものは、固溶化熱処理を行った素材という意味です。固溶化熱処理は、一瞬で高温まであげて、急速に冷却させる熱処理で、耐食性の向上をさせます。
sus310sは、繰り返し使用して 1149°Cまでの温度に耐えることができます。また、浸炭や還元環境に対する優れた耐性を持ち合わせています。そのため、主に温度の高い環境で使用されます。
具体的な使用例は、熱交換器の部品、治具、焼却炉の部品、ジェットエンジン部品、耐熱調理器、トイレ、自動車の排ガス部品など幅広く様々な分野で使用されています。
しかし、700〜900℃で長時間加熱されると、常温で脆い金属組織のシグマ相と呼ばれるものが生成されるので、注意をする必要があります。
また、切ったり、削ったりする加工には向いていません。ステンレスの中でもSUS310Sは、特に被削性が劣るといわれています。クロムとニッケルの含有量が多いため、切ったり削ったりするときに加工物が刃を押し戻そうとする力が大きく、切削工具が損傷しやすくなってしまいます。切ったり、削ったりする加工の際は、加工速度を落とすなどの対策が必要です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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