硬度試験機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、硬度試験機のメーカー21社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。硬度試験機関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:株式会社島津製作所、2位:株式会社ミツトヨ、3位:高分子計器株式会社となっています。
硬度試験機とは、物質の硬度を定量的に測定するための装置です。
硬さの定義にはロックウェル式、ビッカース式、ブリネル式などの種類があり、測定物質の特性に合わせた測定法を有する試験機で測定する必要があります。
硬度試験機は据え置き型が一般的ですが、ポータブルタイプで場所を問わずに試験できる製品もあります。試験方式によって試験対象 (試験片) の大きさや表面粗さ等の要件や、事前に切断や樹脂包埋が必要な場合があるので注意が必要です。
硬度試験機は物質の硬さを測定する以外に用途はありませんが、上述したロックウェル式やビッカース式は主に金属、樹脂等の硬い対象物の硬度を測定するために用います。
そのほか、塗装塗膜の表面硬度を測定する鉛筆硬度試験機や、同じく塗膜表面硬度を測定するペンデュラム硬度試験機、ゴム、エラストマ等柔らかいものを測定するデュロメータ、鉱物の硬さを測定するためのモース硬度計、試験対象物を傷つけないショア硬さ試験機など種類はさまざまです。
試験対象物ごとに分類されているため、試験対象物に適した
機器を用いる必要があります。
試験片にダイヤモンド圧子を押し当てて、その際にできるくぼみの深さから硬度を算出する方式です。頂点角が120°の圧子を用いるものをHRC、薄板等をより弱い試験力で測定するHRA、ダイヤモンド圧子の代わりに鋼球を用いるHRBなどに分類されます。硬度は「HRC70」などと表現されます。
超硬合金製の鋼球を押し当てて、その際に試験片に出来るくぼみの直径と圧子の直径を基準に硬度を算出する方式です。
薄物や小さな対象物の測定はできず、硬さが不均一な物や表面粗度が荒い物の測定に向いています。表記はHBやHBWで表します。
対面角136°のダイヤモンド四角錘圧子を押し当てて、その際に試験片にできるくぼみの対角線長さから硬度を算出する方式です。この方式は試験力の影響を受けず、信頼性が非常に高い事が特徴です。試験荷重が非常に少ない、表面硬度を測定する為のマイクロビッカース硬さ試験もあります。
上述の2種とは異なり、ダイヤモンド製のハンマを試験片へ落下させ、その跳ね上がりの高さを測定する事で硬度を算出する方式です。ゴムやエラストマ等の柔らかいものはショアA、更に柔らかいものはショアE、ショア90以上の硬いものはショアDというカテゴリに分けられ測定します。
各カテゴリとも0~100の数値で表されます。この試験法は可搬性がメリットですが、弾性係数が大きく異なる素材の直接比較には向いておらず、近年では欧州などで殆ど利用されなくなっています。
正確な硬さ試験を行うにあたって大切なことは、装置が正確に働いているかどうか確認することです。
硬さは、長さや重さのように明確な単位がなく、それぞれの硬さ試験機によって初めて量が決まる「工業量」と呼ばれるものです。各装置に決められている基準で装置が正常に動いていない限り、正しい数値を得ることができません。
そのため、測定器の荷重や寸法測定機構に狂いがないことを検査する必要があります。検査には定期的に行われる専門家による直接検証と、日常的に硬さ試験片を測って正常性を確認する間接検証があります。
試料にくぼみを作る際の間隔も正しいデータを収取するために重要な要素です。くぼみを作った周辺では加工硬化が発生しているため、その影響を考慮してくぼみの直径から3から4倍程度の距離をおいて次の測定をする必要があります。
同じ試料に対して種類の違う硬さ試験機を使って測定を行った場合、試験機によって試料の硬さの順序が変わる場合があります。これは、前述の通り硬さという数値が装置毎に違う方法で定義されていることが原因です。各硬さ試験機の硬さを対応させることができる換算表もありますが、正しいデータを収集したい場合は比較したい試料に対して同一の硬さ試験機を用いることが一般的です。
通常の硬さ試験機では、微小試料に対しては力を加えることで生じた圧痕を測定することも難しく、硬さ試験が難しいです。
微小硬さ試験機で用いられる基本的な機構や硬さの基準は、ビッカース硬さ試験機と同じものがほとんどです。ビッカース硬さ試験機に準じたものはマイクロビッカース硬さ試験機とも呼ばれます。通常の硬さ試験機よりも低い荷重で小さな圧痕を作り、顕微鏡を用いて圧痕の大きさから硬さを測定します。
より微小な試料の硬さを測定する際は、超微小押込試験とも呼ばれるナノインデンテーション法などを用いて測定することが可能です。ナノインデンテーション法では、垂直変位計により圧痕を作った際に圧子が試料に入り込んだ長さを測ることで硬さを測定します。
参考文献
https://monozukuri.sqcd-aid.com/index-of-application/introduction-of-hardness/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/75/10/75_10_1183/_pdf/-char/ja https://www.helmutfischer.jp/technology/microhardnesstester/
https://www.an.shimadzu.co.jp/test/products/mtrl01/index.htm
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社島津製作所 |
13.7%
|
2 | 株式会社ミツトヨ |
9.8%
|
3 | 高分子計器株式会社 |
9.8%
|
4 | 株式会社東洋精機製作所 |
7.8%
|
5 | 株式会社フューチュアテック |
7.8%
|
6 | 株式会社マツザワ |
5.9%
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7 | 株式会社富士試験機製作所 |
5.9%
|
8 | エフティーエス株式会社 |
4.9%
|
9 | 株式会社NTS |
3.9%
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10 | 菱光社タイランド |
3.9%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月の硬度試験機ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
硬度試験機1製品が登録されています。
フィルター β版
さらに硬度試験機を絞り込む
株式会社前川試験機製作所
本装置は、金属材料のブリネル硬さを測定するためのコンパクト型油圧式硬度試験機です。 フレーム側面の加圧ハンドルによりワークに規定...
DUH-211/DUH-211Sは、薄い物体、あるいは小さな部品の硬度試験が実施可能な微小硬度試験機です。
蒸着膜のような薄膜、プラスチック、ゴム、金属、微細繊維、ガラス、セラミックス、微小電子部品などなど多様なミクロ材料の測定に対応します。
押し込み試験による押し込み深さと負荷の関係は自動的に計測されるため計測者による測定バラツキを防ぐことができます。
0.1 mNから1960 mNという広い試験力範囲に対応しており、最小0.196 μNという細かいステップでの試験が実施可能です。
HR-600シリーズは、ロックウェル硬さ試験ならびにブリネル硬さ試験など複数の硬さ試験を1台で実現可能な硬度試験機です。
測定対象を載せるためのテーブルは大きく設計されているため、多様な部品を載せて計測することができます。
硬さ試験に関してもクランクシャフトのような金属物体から、プラスチック部品まで幅広い材質に対して測定試験が実施できます。
操作部にはタッチパネル式モニターを搭載しているため、簡単に操作ができる点も特徴です。
インテスコ社の高温マイクロビッカース硬度計は、室温から超高温までの温度で試料の硬さを計測できる製品です。
最大の特徴として、本製品は真空高温炉を搭載しており最大1200 ℃という超高温状態をつくることができます。
高温ビッカース硬さ試験の規格であるJIS Z 2252に準拠した製品であり、試験荷重100~1000 gfの範囲で対応可能です。
モニタの顕微鏡映像上で測定マークを設定すると自動で試料移動、打刻・測定実行などを実施する機能も搭載しており、効率的な測定ができます。