絶縁ボルトとは
絶縁ボルトとは、絶縁材料で覆われたボルトまたは絶縁材料で製作されたボルトです。
通常、絶縁ボルトは電気的な絶縁が必要な場合に使用され、ボルトの本体部分が絶縁材料で被覆されています。絶縁材料はプラスチックやゴムで作られており、電気の通電を防ぐ役割を果たします。
絶縁ボルトを使用することで、電気的なショートや回路の故障を防止することが可能です。また、全体が樹脂製の絶縁ボルトなども販売されており、さまざまな化学薬品や溶液に対して耐性があります。
特に腐食環境や化学プロセスにおいて、絶縁ボルトによって長期的な耐久性を得られる場合も多いです。
絶縁ボルトの使用用途
絶縁ボルトはさまざまな分野で使用されます。以下は絶縁ボルトの使用用途一例です。
1. 電気配線
絶縁ボルトは、電気配線において使用されます。路面電車などの装置は、車体と架線を絶縁することが必要です。一般的には碍子や絶縁ボルトを使用して両者を絶縁します。
また、配電盤や制御盤などの電気機器の取り付けにおいて、絶縁ボルトが使用されることがあります。幹線と筐体の接触を防止し、安全性を向上させます。
2. 化学プラント
化学プラントなどでは、絶縁ボルトが使用されることがあります。特に鉄管とSUS管をフランジ接続する場合がありますが、異種金属腐食と呼ばれる現象でSUSが腐食することが多いです。絶縁ボルトを使用することで鉄管とSUS管を絶縁し、異種金属腐食を防止します。
3. 金属電解プラント
金属電解プラントにおいても絶縁ボルトが広く使用されます。金属電解プラントは電解を行うことで純度の高い金属を採取するプラントです。金属板を電解液に浸し、直流電流を流すことで金属の純度を高めます。
ただし、通電を止めても金属板と電解液が電池の役割を果たし、電圧を持ってしまう場合も多いです。この金属板を交換する際は、天井クレーンなどを使用します。天井クレーンは構造物のほとんどが金属であるため、金属板の電圧によってスパークが発生する場合があります。
これは電食や人身事故の原因となるため、絶縁ボルトによって吊り出し治具を絶縁してスパークを防止します。
4. 電気メッキ工場
電気メッキ工場でも絶縁ボルトが使用されます。電気メッキは電解液に2種の金属を浸し、電流を流すことでメッキを施す方法です。金属構成部品や吊り出し治具を絶縁するために絶縁ボルトが使用されます。
絶縁ボルトの原理
絶縁ボルトの原理は、絶縁材料による電気的な絶縁効果です。絶縁ボルトは一般的な金属製のボルトとは異なり、絶縁材料で被覆されます。
絶縁材料は、プラスチックやゴムなどの非導電性の材料です。これにより、絶縁ボルトは電気の通電を防ぎ、絶縁材料の表面に沿って電気的な絶縁を施します。絶縁材料によって電流の流れが遮断されるため、電気的なショートや漏洩を防ぐことができます。
ただし、強度的に金属製のボルトよりも劣る場合があります。そのため、強固な締結力が必要な箇所では使用することができません。また、同様に高温の箇所でも使用できない場合があります。
絶縁ボルトの種類
絶縁ボルトは絶縁材料の種類に応じて、いくつかの種類があります。以下は絶縁ボルトの種類一例です。
1. プラスチック被覆ボルト
金属のボルトにプラスチック被覆が施された製品です。プラスチック被覆によって電気絶縁性が向上し、金属部品との絶縁が施されます。一般的な絶縁ボルトであり、広く使用されています。
2. ゴム被覆ボルト
金属のボルトにゴム被覆が施された製品です。ゴム被覆によって耐薬品性や耐摩耗性が向上し、電気的にも絶縁されます。緩衝材などとして使用される場合もあります。
3. セラミック被覆ボルト
金属のボルトにセラミック被覆が施された製品です。セラミック被覆は高い耐熱性と耐電圧性を持ち、高温環境や高電圧環境で使用されます。特に電力送配電や高電圧装置での使用に適しています。
参考文献
http://www.daiko-jp.com/product/brand/sleep_washer_bolt.html
https://www.tomoe-works.co.jp/products/bolt-zetsuen/