空気ばねのメーカー9社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
空気ばねは、圧縮空気による反発力とゴムの弾力性を利用した緩衝装置です。
圧縮空気を充填したゴム製被膜をバネとして利用し、その多様性から多岐にわたる分野での使用実績があります。
ゴム製被膜とそれを固定する金具の形状により、収縮時に内側にゴム製被膜が捲れる「ローリングロープタイプ」と大福状のゴム製被膜が潰れていく「ベローズタイプ」に大別されます。なお前者には「ダイヤフラムタイプ」も含まれています。
乗用車や貨物車、鉄道車両のサスペンションに採用されている他に、機械製品の生産ラインや建造物の免震装置に利用されています。
特に自動車、鉄道業界ではその採用例が多く、主に高級車のサスペンションスプリング、薬品や精密機械を運搬する貨物輸送車両、特急や新幹線車両の枕バネなど、快適性やNVH(騒音・振動・ガタピシ音)性能が求められる製品の緩衝装置に用いられています。
また後ろ2軸で最後輪軸がデッドアクスルの車両においては、積雪路面やぬかるみなどの低μ路での発進時に駆動輪の面圧を上げるため、最後輪軸を持ち上げるリフトアクスル動作を可能とするために空気ばねを採用する例があります。
金属バネ(リーフスプリング・コイルスプリング)と比較して減衰能力が大きいことのほか、「負荷の増減に対する減衰力の変化が少ない」「定荷重時にバネの高さを変化させる事ができる」などの特徴があります。
圧縮空気の反発力を利用するだけではなくゴム製被膜の反発力を利用するため、ロードノイズや機械作動時に起こるような高周波振動を吸収・減衰できるため、製品の静粛性や加工精度を向上させることができるという大きなメリットを持っています。
しかし、被膜にゴムを使用しているため「過負荷時に破裂する恐れがある」「劣化によるエア漏れが起こり得る」「急激な減衰時に台座からゴムが外れる恐れがある」などのデメリットも併せ持っています。
特に自動車の足回りに採用されるエアサスペンションでは、水分や砂埃がベローズ・ダイヤフラムの隙間に侵入しエア漏れを起こす事案が多く発生しています。
また、空気を圧送するためのエアコンプレッサやエア配管、空気の逆流を防ぐ逆止弁など多くの付帯部品を持っているため、金属ばねに比べてコストが嵩む傾向にあります。
参考文献
http://www.jsse-web.jp/youto/36-37.pdf
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社