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ポリカーボネート樹脂についての概要、用途、原理などをご説明します。また、ポリカーボネート樹脂のメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ポリカーボネート樹脂関連企業の2024年11月注目ランキングは1位:株式会社ケーアイエヌ、2位:住友ベークライト株式会社、3位:帝人株式会社となっています。
ポリカーボネート樹脂とは、エンジニアプラスチックの一種で、5大汎用エンジニアリングプラスチックの一つです。汎用エンジニアプラスチックの中で、ポリカーボネート樹脂は唯一無色透明であり、ガラスと比べても遜色ないほどの高い透明性となっています。
また、汎用エンジニアプラスチックの中で耐衝撃性が最も高いことや、主鎖にベンゼン環が2つ含まれているため、火がついても燃え広がらない自己消火性があること等も特徴です。プラスチックの基本的な成形手法のほとんどに対応しており、ポリカーボネート樹脂の加工性は非常に高いです。
ただし、割れや破損が発生することはほとんどありませんが、疲労には弱く傷がつきやすい点や、アルカリや有機溶媒には弱い点に注意する必要があります。
表1. 5大汎用エンプラとその物性値 (参照: 化学便覧第5版)
ポリカーボネート樹脂は、様々な条件に対して優れた耐性を持つことと加工性の高さから、非常に多くの用途に使用されています。以下に、ポリカーボネート樹脂の特徴とともに、使用用途の例を挙げます。
その高い透明性から、メガネのレンズやカメラのレンズ、CD、DVDの基板などの光学用途に使用されます。
強い耐衝撃性を持つことから、防弾材料などにも使用され、一般的な環境において使用する場合、割れる心配がほとんどありません。
紫外線にも強く、劣化しにくいため、屋外で使う場合にも、高い強度を長期間維持します。屋根材や太陽光パネル表面材など屋外で使用するものや、自動車のヘッドランプレンズやルーフレール、ドアハンドルにも使用されています。さらに、近年では、3Dプリンターによる成形手法にも対応しており、ますます使用用途が広がっています。
寸法安定性が高く、スマートフォンのケースなどに使われています。
ポリカーボネート樹脂の工業的な製造方法としては、界面重合法とエステル交換法の2つの方法があります。製法によって、密度が異なり、ポリカーボネートに改質剤を添加することで、さらに優れた樹脂素材にすることも可能です。
図1. 界面重合法の反応式
ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液 と、塩化メチレンまたはクロロベンゼンとの懸濁溶液に塩化カルボニルを添加して水相と油相の界面で縮合重合反応させてポリカーボネートを製造する方法です。エステル交換法に比べて反応条件がマイルドなため、低分子量から高分子量まで幅広い分子量のポリカーボネートを製造できます。
重合後、ポリカーボネート樹脂は油相に溶解しており、分離中和精製工程、ポリマー回収工程、 乾燥工程を経て顆粒状のポリカーボネートが得られます。
図2. エステル交換法の反応式
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを触媒の存在下溶融混合して、溶媒を用いることなく高温減圧下でフェノールを回収しながら重縮合を行いポリカーボネートを製造する方法です。なお、回収されたフェノールは、ジフェニルカーボネートの原料として再利用されます。得られたポリカーボネートは、溶融状態で得られペレタイジングして製品化できるため、後工程が界面重合法と比較して簡易な合成法です。
ポリカーボネート樹脂は、非常に広範な用途で使用されているため、生産拠点は各地域にあります。資本別でみると、アメリカ系のメーカーが36%、ドイツやベルギーを中心とした欧州メーカーが25%、三菱ケミカル、帝人、出光興産などの日系メーカーが38%となっています。世界的に見ても、日本の企業は非常に競争力が高いといえます。
ポリカーボネート樹脂は、熱を加えると軟らかくなる熱可塑性樹脂です。アクリル樹脂のように切断する、熱を加えて曲げ加工や溶剤を用いた溶接も可能です。
また、金属加工に近い方法で、特性を生かした工作物を作成することもできます。そのため、ポリカーボネート樹脂加工を生業とする事業者も数多いです。
参考文献
https://www.yumoto.jp/material-onepoint/plastic-polycarbonate
https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_pc.htm
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/43/3/43_3_181/_pdf/-char/ja
https://www.yumoto.jp/material-onepoint/plastic-polycarbonate
https://www.hyosinnet.com/about_material.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年11月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社ケーアイエヌ |
23.7%
|
2 | 住友ベークライト株式会社 |
14.2%
|
3 | 帝人株式会社 |
11.4%
|
4 | 三菱ガス化学株式会社 |
10.4%
|
5 | 出光興産株式会社 |
10.0%
|
6 | 芝軽粗材株式会社 |
8.1%
|
7 | 株式会社コテック |
6.6%
|
8 | 新興プラスチックス株式会社 |
4.7%
|
9 | インターテック株式会社 |
4.3%
|
10 | 鹿島ポリマー株式会社 |
2.8%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2024年12月のポリカーボネート樹脂ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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Metoreeに登録されているポリカーボネート樹脂132製品の2024年12月31日時点での価格データを元に算出しています。