ターボ冷凍機についての概要、用途、原理などをご説明します。また、ターボ冷凍機のメーカー9社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ターボ冷凍機関連企業の2023年09月注目ランキングは1位:荏原冷熱システム株式会社、2位:東芝キヤリア株式会社、3位:三菱重工業株式会社となっています。
ターボ冷凍機は、フロンなどの冷媒で不凍液などのブラインを冷却する熱サイクルシステムです。冷却されたブラインを空調や冷凍庫に使用します。
ターボ冷凍機によって高効率で省スペースに空調を設置できるメリットがあります。ただし、「圧縮機に相応の電力が必要であること」「冷媒配管を張り巡らせる必要があること」「初期投資が多くかかること」がデメリットとして挙げられます。近年では環境への配慮のため、代替フロンやノンフロン冷媒によるターボ冷凍機も開発されています。
主に大型ビルや商業施設の集中空調などに使用されます。産業用としては、冷却を必要とする設備で用いられることがあります。以下に産業での使用例を示します。
近年では省エネルギー性能が高い事から、需要が増加傾向にあります。
ターボ冷凍機は他の冷凍機と同様に蒸発→圧縮→凝縮→膨張というサイクルでブラインを冷却します。その圧縮工程でターボコンプレッサを用いている事からターボ式と呼称されています。 冷凍能力が高く、設備が大型化する為、大規模な冷却用途に用いられます。
冷却工程の概要は次の通りです。
蒸発器内で冷媒が低温低圧の液体から低温低圧の気体へと相変化します。この際に気化熱が奪われる事でブラインが冷却されます。冷却されたブラインは空調機へ循環されます。
蒸発工程で気化した冷媒がターボコンプレッサーで圧縮され、高温高圧の気体となります。ターボコンプレッサーでは羽根車を回転させる事で冷媒を遠心圧縮しています。
凝集器内で高温高圧の冷媒が、冷却塔で冷却された冷却水によって冷やされ、中温高圧の液体へと相変化します。冷却水に奪われた熱は冷却塔で大気中へ放出されます。
中温高圧の冷媒は膨張弁を通る事で減圧され、低温低圧の液体になります。 この後、蒸発工程へ戻り、サイクルが繰り返されます。
冷凍機には様々な種類がありますが、冷媒と冷凍サイクルによって「蒸気圧縮式冷凍機」と「吸収式冷凍機」の2種類に分類されています。ターボ冷凍機は蒸気圧縮式冷凍機の一種です。
吸収式冷凍機はターボ冷凍機の冷凍サイクルと異なり、「蒸発→吸収→再生→凝縮」のサイクルで冷却し、圧縮の工程はありません。吸収式冷凍機では冷水と温水をどちらも用いることができるため、冷房だけではなく暖房としても活用が可能です。
吸収式冷凍機は冷媒と併せて臭化リチウムという腐食性のある吸収液を使用します。そのため、長期間冷凍機を使用すると腐食により効率が低下します。また、吸収液には有害物質が含まれているため、廃棄時には回収業者に依頼が必要です。
冷凍機としての効率はターボ冷凍機の方が高いため、既存の設備や用途に併せて選定します。
ターボ冷凍機と同じように温度逝去を行う装置としてチラー(冷却水循環装置)があります。ターボ冷凍機とチラーにはいくつかの違いがあります。
チラーはブラインによって循環する液体を冷却し、ターボ冷凍機はブラインによって冷風を発生させます。また、チラーでは過冷却すると循環液自体が凍結するため、冷却できる温度は-10℃程度です。ターボ冷凍機は冷却だけではなく冷凍も可能のため、冷却の限界値に大きく違います。
ターボ冷凍機をはじめ、冷熱機器に関する分野の市場規模は約20兆円とも言われています。その中でも中東地域の需要は全世界のうち約3割であり、2030年までに約6倍の需要が広がると予測されています。ターボ冷凍機は今後も需要拡大が期待されています。
参考文献
https://www.jp.trane.com/commercial/asia-pacific/jp/ja/wp/hvac/whatsAbsorption.html
https://www.khi.co.jp/energy/mizutorbo/
https://www.amux.co.jp/blog/397
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ターボ冷凍機のカタログ一覧はこちら企業
川崎重工業株式会社 プロトンエンジニアリング株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年09月の注目ランキングベスト9
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 荏原冷熱システム株式会社 |
24.1%
|
2 | 東芝キヤリア株式会社 |
16.5%
|
3 | 三菱重工業株式会社 |
12.3%
|
4 | ジョンソンコントロールズ株式会社 |
10.8%
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5 | ダイキン工業株式会社 |
9.0%
|
6 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 |
8.5%
|
7 | 近藤商事株式会社 |
7.5%
|
8 | トレイン・ジャパン株式会社 |
7.5%
|
9 | 三菱重工冷熱株式会社 |
3.8%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年9月のターボ冷凍機ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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HFO-1234ze (E) ターボ冷凍機 GART-ZEIは、三菱重工業株式会社が製造するターボ冷凍機であり、工場やショッピングセンターなど大規模な施設での空調システムに適用することが可能です。
冷却水の温度の季節変化に応じて冷凍機の回転数を制御することが可能であり、これにより省エネ化を図っており、部分負荷(冷却水温度12℃)時の最高COP(成績係数)は24.0です。
オプションとして熱源総合制御システム「エネコンダクタ」を追加することにより、システム全体の熱効率を最適化し、COPをさらに向上させることが可能です。
R-514A CDHFターボ冷凍機は、トレイン・ジャパン株式会社が製造するターボ冷凍機です。
低圧・ノンフロン・不燃性の冷媒であるR-514Aと、モーター直結で駆動するコンプレッサが採用されており、これにより運転の効率化・低振動化・静音化が図られています。
1台の装置の中にコンプレッサが2基搭載されており、このため冷却能力が高く、効率的生産プラントや大学など大規模な施設での空調システムへの利用に適します。
磁気軸受ターボ冷凍機は、ダイキン工業株式会社が製造するターボ冷凍機であり、中~大規模の建物・施設の空調システムへの利用に適します。
磁気軸受の採用により運転・メンテナンスにオイルが不要であり、これにより省スペース化・省メンテナンス化が図られています。
オイルフリー化により、起動後10分以内に80%以上の運転効率に達します。
タッチパネル式のモニターを搭載しており、コンプレッサ等の各ユニットのリアルタイムの運転状況、設定、異常履歴を確認することが可能です。