プラスチック角材

プラスチック角材とは

プラスチック角材とは、プラスチックで作られた角材です。

プラスチックは金属に比べて密度が低いため、同じ体積のものでも軽くなります。これにより、輸送や取り扱いが簡単で、作業の効率が向上します。搬入や設置の際に労力が少なくて済む点が特徴です。

また、水分や化学薬品に強いため、湿気の多い環境や化学薬品を扱う場所でも腐食しません。PVC角材は排水管や化学工場で広く使用されます。これにより、長期間使用しても性能が維持されます。

これらの特長により、プラスチック角材は非常に便利な材料として各所で重宝されています。

プラスチック角材の使用用途

プラスチック角材は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 建設・建材

プラスチック角材は建設分野で多くの用途があります。主に窓枠やドア枠及びパーティションなどの構造材として利用されます。特にPVCなどの耐腐食性の高いプラスチックは、外装や湿気の多い場所で重宝されます。

雨樋や外壁パネルとして使用されることが多いです。また、電気配線や配管のカバーとしても活用され、電気配線を隠蔽しつつ保護する役割を果たします。軽量で加工が容易なため、現場で効率的に取り扱うことが可能です。

2. 製造・工業

製造業や工業分野では、プラスチック角材が機械の部品・支持構造として広く使用されます。強度がありながらも軽量で加工しやすい特性を有するため、生産ラインでのガイドレールや固定具として利用されることが多いです。さらに、工業用の保護材としても使われ、製品や機器を保護するための部材として活躍しています。

3. 電気・電子機器

電気・電子機器分野では、プラスチック角材が電気機器の絶縁体として使用されます。プラスチックの多くが電気を通さない特性を有するため、安全性を確保することが可能です。配線や機器内部の絶縁物として利用されるほか、機器のケースや内部パーツとしても使用されることが多いです。

4. 一般家庭

一般家庭においても、プラスチック角材が収納棚などに利用されます。プラスチック角材は軽量で取り扱いが容易なため、家庭環境でも簡単に切断や組み立てが可能です。したがって、ガーデニング用の棚や収納ボックスなどを簡単に製作・加工することができます。

プラスチック角材の原理

プラスチック角材の原料は、主にポリマーと呼ばれる高分子化合物です。ポリマーはモノマーが繰り返し結合してできる長い鎖状の分子です。プラスチック角材に使用されるポリマーにはポリ塩化ビニルやポリカーボネートなどがあり、それぞれ異なる物理的・化学的特性を有しています。

これらの原料ポリマーは、まずは加熱して溶かすことが多いです。型に押し出すことで角材の断面形状が形成されます。冷却後に所定の形状で固まる仕組みです。

プラスチック角材として使用される材料は、機械的に優れた特性を有することが多いです。また、加熱によって溶けるため、多様な形状やサイズで製造することが可能です。これらの構造的特性により、多くの分野で広く使用されています。

プラスチック角材の種類

プラスチック角材には様々な種類があります。以下はその一例です。

1. PVC角材

PVCは軽量でありながら優れた耐腐食性を有するプラスチックです。耐水性と耐化学薬品性に優れており、屋外での使用にも耐える特性があります。加工がしやすく、切断や穴あけ、接着が簡単にできるため、建材としての利用が広がっています。

具体的には、窓枠や内装のパーティションなどに使用されます。また、電気配線のカバーや配管の保護材としても重宝されます。安価で入手しやすいことから、多くの建築物において使用することが可能です。

2. ポリカーボネート角材

ポリカーボネートは、高い透明性と優れた耐衝撃性を有するプラスチック材料です。非常に強靭で割れにくく、衝撃に対しても高い耐性を示します。耐熱性も良好で、温度変化に強い特性を持っています。

さらに、紫外線にも強いため、屋外での使用にも適しています。具体的な用途としては透明な保護カバーや屋外の看板などです。視認性が重要な場面に適しています。

3. ポリエチレン角材

ポリエチレンは柔軟で耐衝撃性の高いプラスチックです。耐水性や耐候性にも優れ、軽量で安価な材料です。比較的柔らかいため、衝撃を吸収しやすい特性があります。また、加工が容易で、様々な形状に成形することができます。

プラスチックブロック

プラスチックブロックとは

プラスチックブロックとは、再生プラスチックを使用したブロック状の製品です。

プラスチックブロックは、一度使用したプラスチックをリサイクルしたもので環境に優しい素材です。コンクリートブロックの替わりに使われることが多く、コンクリートと比較して多くの特徴があります。

プラスチックブロックの特徴は、コンクリートに比べ軽く、割れにくいことです。また、耐水性に優れ木材と違い腐らない利点があります。主な用途は、物置の基礎、基礎の高さ調節、エアコン室外機の基礎、水場での足場などです。

プラスチックブロックの使用用途

1. 物置の基礎・調整材

屋外の基礎にコンクリートブロックを使用すると、環境条件が悪い場合ボロボロと崩れてきます。プラスチックブロックを使えば、紫外線に注意さえすれば、長期間の耐久性があります。

2. 倉庫の湿気対策

倉庫の床は、土間が多く、湿気で内部の収納品にかびが発生したり、収納品が錆びたりする恐れがあります。床面と機材の間にプラスチックブロックを挟むことにより、湿気を抑制して収納品の保護が可能です。保冷庫の場合は、ブロックで高くする効果は大きいと言えます。

3. 工場の台座に

室内にコンクリートブロックを使用すると、経年変化で細かい破片が飛び散ります。プラスチックブロックを台座などに使うと、細かい破片の発生がなく、安心です。特に、精密機械を扱う場合は、破片や粉末が内部に入る危険があります。

4. エアコン室外機の設置に

エアコンの室外機の台座に最適です。プラスチックブロックなら加工が可能なため、室外機とブロックをネジで固定できます。

5. 花壇の境界

コンクリートブロックよりも厚さの種類が多く、好みの花壇が容易に作れます。通常プラスチックブロックの厚さは、20,45,90mm程度です。

プラスチックブロックの原理

1. プラスチックのリサイクル

プラスチックのリサイクル法は、3つが使われています。マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルです。

マテリアルリサイクルは、廃プラスチックから新たなプラスチック製品を作る方法です。廃プラスチックを溶かして再びプラスチック原料ができます。この原料を再び成形することにより、製品が誕生します。プラスチックブロックはこの方法で製造された再生プラスチックです。

再生プラスチック製品の例は、作業着などの衣料品や、ペットボトル、洗剤などの容器から公園の遊具、ベンチなどです。

ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを化学的に処理して炭化水素やガスなどに分解し、再利用する方法です。また、サーマルリサイクルは、廃プラスチックを燃やしてその時発生する熱を、エネルギーとして再び活用します。

2. プラスチックブロックの製造

プラスチックブロックの製造は、廃プラスチックの活用です。廃プラスチックから作られた再生ペレットを成形機に入れ、加熱溶融・成形します。プラスチックブロックに適した材質があるので選定してブロックの製造を行います。

プラスチックブロックの特徴

1. 軽量

同じ大きさのコンクリートブロックと比較して、20%以上軽量です。例えば、コンクリートブロックが約10kgに対し、プラスチックブロックは約7.5kgです。軽いので施工が効率的に行えます。

2. 耐水性良好

プラスチックブロックは耐水性に優れ、長時間水にさらされても耐久性があります。水場で使用しても劣化がありません。コンクリートブロックは、水により劣化して、ボロボロと崩れます。

3. 落下時の損傷小

落下した場合、コンクリートブロックは割れることが多いが、プラスチックブロックは割れません。衝撃に強いと言えます。また、コンクリートブロックが細かく割れると、破片や細かい粉末が対象物に悪く影響します。

4. 通気性

コンクリートブロックは通気性があり、プラスチックブロックは通気性がありません。使用場所によっては、プラスチックブロックは、気密性がないのが利点になります。

養生ボード

養生ボードとは

養生ボードとは、主に建築現場において施工中の床や壁面、階段などを保護するために用いられる建築資材の一つです。

養生ボードは紙やポリプロピレンなどでできており、硬いものがぶつかっても、自ら変形して衝撃を吸収することによってクッションとなり、床面や壁面に傷がつくのを防ぎます。

傷だけではなく、汚れが付着することも防げます。養生ボードは建築現場だけでなく、引越し時に冷蔵庫や大きな家具類を搬入や搬出する際に、建物の床や壁に傷がつくのを防ぐ保護材としても利用される建築資材です。養生ボードと同様の使い方をする建築資材に養生シートがあります。養生ボード、養生シートともに役割は同じですが、養生ボードは板厚があることによって、養生シートよりも高い保護機能を有しているのが特徴の一つです。同一メーカーの養生ボードでも、板厚違いの製品が用意されています。

養生ボードの特徴

養生ボードの特徴は、軽くて持ち運びがしやすいこと、使用時の保護機能や繰り返し使用としての耐久性があること、容易に切断できることなどが挙げられます。

まず養生ボードは一つの現場で多くの枚数で用いられるケースが一般的です。養生ボードの運搬や保管をしやすくするために、養生ボードには重量が軽いという特徴があります。

次に養生ボードは損傷が激しくなるまで、繰り返し使用されるのが一般的です。硬いものがぶつかったりした際に自らが凹むなどのダメージを受けて床面や壁面を保護しますが、繰り返し使用できるよう、ある程度の耐久性も有しています。

最後に現場によっては、養生ボードを切断しなければ保護できない狭い場所や、半端なサイズが求められる場合もあります。そのような状況においても、容易に切断できることも養生ボードが有している特徴の一つです。

養生ボードの使用用途

養生ボードは主に、建築現場で多く用いられます。新築工事やリフォームであれば、フローリング材やタイル、カーペットなどの床面を仕上げた後、壁紙のクロス材を貼り付けた後の保護に、養生ボードは用いられます。建築現場以外では、引越し作業時に建物の壁面や床面を保護するため、またイベントを行う際に、会場の床面や壁面を保護する必要がある場合にも、養生ボードが用いられます。

養生ボードの多くは屋内で広く用いられますが、ポリプロピレンなどの樹脂製の養生ボードであれば、雨などにも耐えられるため、屋外で用いられることもあります。また養生ボードは傷や汚れを防ぐための建築資材ですが、仮設の壁として部屋を区切るための仕切り壁として利用するのも、養生ボードの使用用途の一つです。

養生ボードの選び方

養生ボードを選ぶ際には、材質、サイズ、厚さ、価格から選ぶことができます。養生ボードの材質には、ポリプロピレンなどの樹脂製以外に、紙製のものがあります。水がかかる可能性がある環境で使用するなら、紙製よりも樹脂製のものを選ぶのが一般的です。さらに新築やリフォーム向けには、ホルムアルデヒドを吸着する機能や、作業者が滑りにくいよう表面に凹凸形状を付与してスリップ防止の機能を加えた製品もあります。

サイズはメートル法と尺貫法にあった寸法の製品が発売されています。メートル法であれば900mmx1800mm、尺貫法であれば910mmx1820mmの製品がほとんどです。

厚さは製品によって異なりますが、1mm〜3mm程度のものが多く販売されています。厚さは保護機能の高さに影響し、同じ材質であれば厚いほど保護機能は高まります。しかし保管や運搬、重量やコストなどを考慮すると、必ずしも厚い製品が良いとも限りません。養生ボードを使用する環境を考慮し求める保護能力に応じて、適切な厚さを選ぶことが大切です。

沈砂槽

監修:日本エンヂニヤ株式会社

沈砂槽とは

沈砂槽とは、河川からの取水や汚水処理において、水の中に含まれる砂などの異物を除去することを目的とした水槽のことです。大規模な下水処理施設や公共施設に設置される下水処理においては、複数の池や水槽を組み合わせた工程が組まれていますが、沈砂池や沈砂槽という工程が組み込まれています。いずれの場合においても、処理工程の比較的早い段階で行われる処理です。

本稿で扱う沈砂槽も同様の役割を担うものであり、それぞれの用途に適したサイズや形状のものが製品化されています。

沈砂槽の使用用途

沈砂槽が用いられるのは、主に以下の3つの場面です。

1 つ目に河川や湖沼から取水する際に、砂や小石などを除去するために用いられます。山間部などの河川から取水したい場合で、かつ取水場所に沈砂池のような施設が設置できない状況は、沈砂槽が用いられるケースの一つです。

2 つ目に下水処理です。私たちのまちに整備されている上下水道では地域ごとに集合した下水処理施設で処理されますが、特に下水から異物を除去する必要がある場合に使用されます。

3 つ目に、工場などで用いられる工業用水で処理が必要な場合に、沈砂槽が設置されます。工業用水に異物が多く含まれることによって他の設備に悪影響を及ぼしたり環境を汚染する恐れがある場合に、沈砂槽を適切に設置することが大切です。

また特殊な事例に特化した製品として、マンホールから地下クロージャーを開けて作業する際に溜まっている水をポンプで汲み上げ、異物を除去して水のみを下水道に流すことができる製品もあります。

沈砂槽の原理

沈砂槽で異物を除去できるのは、液体中において液体よりも比重の大きいものが下に沈むという自然現象によるものです。逆にいうと沈砂槽で除去できるのは、水よりも比重が大きいものに限られます。

比重が水に近く僅かに大きい場合には、水の流れによって異物もなかなか沈まずに水中に漂うことがあります。そこで沈砂槽では水の流速を少なくし、異物を沈みやすくしているのも沈砂槽の特徴の一つです。

水と異物の分離を確実にするために、水槽内に仕切りを設けた製品もあります。水面よりも低い高さの仕切り板を設けることによって、水面から離れた異物を沈砂槽の排水口に流れないようにしたり、V字形状のノッチを設けた仕切り板を設置できる製品もあります。

仕切り板の設置は垂直だけでなく、傾斜板にすることによって、より微細な異物が除去できる製品も販売されています。

沈砂槽の構造

沈砂槽は概ね水を蓄える本体となる水槽に、処理水が入る取水口、異物が除去された処理水が排水される排水口、水槽内に設置される仕切り板やノッチ板で構成されているのが一般的です。

取水口は製品によっては特に設けられておらず、ホースなどで流入させるタイプもあります。取水口がある場合、多くは水槽の高い位置に設置されています。

一方で排水口は水槽の低い位置に設けられています。排水口は低い位置に設定されていることによって、水槽内の水が少なくなっても排水することが可能です。製品によってはゴム栓によって塞ぐことができる製品もあります。

沈砂槽のその他情報

本稿で扱っている沈砂槽は定常的に設置して使用するものではなく、移動して使用できることを特徴とした製品を対象にしています。そこで持ち運びできることを特徴とした製品においては、本体をポリカーボネートなどの樹脂にすることで軽量化を図ったり、トラックなどの荷台に乗せやすいサイズで設計されているのも移動を前提とした沈砂槽の特徴の一つです。沈砂槽では本体となる水槽の容積によって処理能力も変わるため、複数のサイズの製品を用意しているメーカーもあります。

沈砂槽は複雑な構造や機構を用いることなく、比重の大きいものが沈むという物理現象のみを利用することで、異物が除去できる信頼性の高い製品です。

本記事は沈砂槽を製造・販売する日本エンヂニヤ株式会社様に監修を頂きました。

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緊急遮断弁

監修:日本エンヂニヤ株式会社

緊急遮断弁とは

緊急遮断弁とは、水道水や工業用水、液体の燃料やガスなどを貯蔵するタンクに、保安装備として取り付けられる安全装置の一つです。

タンクの供給先にある配管などが事故や災害などによって損傷した場合、タンク内の流体が意図せず大量に流出してしまう事故につながりかねません。緊急遮断弁は供給先の配管などに異常が発生したり、異常が生じる可能性があると判断された際に流体の配管への供給を遮断することによって、事故や災害の二次被害が発生するのを防ぐ装置です。

緊急遮断弁は政省令などによって、特に交官庁や公共施設などには設置の基準や性能などの要求が定められています。また民間の商業施設や共同住宅などにも設置が拡大している製品です。

緊急遮断弁の使用用途

緊急遮断弁は大きく、水を貯蔵するタンクに取り付けられるもの、液体燃料を扱うタンクに取り付けられるもの、ガスを貯蔵するタンクに取り付けられるものがあります。

水を扱う場合には貯水槽に取り付けられます。地震などの災害や事故などによって給水配管などが損傷すると、貯水槽に蓄えられた水が大量に流出するのを防止するのが目的です。なお緊急遮断弁が設置される貯水槽にはいくつかの種類がありますが、受水槽はタンクが地下に設置されるもの、高置水槽は建物の屋上などに設置されるタンク、貯湯槽は水を加熱する機能を有したものを言います。

液体燃料を扱う場合には、燃料供給ラインやガソリンスタンドのガソリンや軽油タンクなどに取り付けられ、ガスを扱う場合には、ガスタンクや供給ラインなどに設置されます。いずれも燃料が予期せず流出し、火災が発生するのを防ぐ役割を果たすものです。

緊急遮断弁の原理

緊急遮断弁の原理として、緊急を検知する仕組みと作動する動力源について説明します。

緊急を検知する仕組みにはいくつかありますが、例えば自ら加速度センサーを備え、設定された加速度が検出された際に作動するもの、パイロット圧を発生させておき、異常によって流量が増大し、異常な差圧が生じた際に遮断が作動するものなどが主流です。他には流量をモニターしながら異常な流量が生じたことを検知するもの、複数の方式を用いてかつ、それらをすべて満たした際に作動させるもの、いずれかの条件で作動させる場合などの判定条件を設定できる製品もあります。

弁の遮断動作には電気を用いるもの以外に、機械式のものは例えばゼンマイによる弾性力を利用することで、電源がなくても作動できるものもあります。

緊急遮断弁の選び方

緊急遮断弁を選ぶ際には、まず扱う流体の種類で選ぶことから始めるのが一般的です。生活用水や工業用水などの水を扱うもの、ガソリンや軽油といった液体燃料を扱うもの、ガスを扱うものによって選ぶべき製品が変わってきます。

次に上述の原理でも挙げた、緊急の検知方法と遮断弁動作の動力源について確認が必要です。地震による災害を防ぐ目的の製品であれば、揺れを検知する加速度センサーが緊急遮断弁の本体についているものもあれば、本体とは別に制御盤などに感震器が内蔵されているものもあります。

機械的に揺れを検知するタイプでは、緊急遮断弁本体に異常を検知する機構が設けられていることが一般的です。圧力やバネの弾性を利用した機械式は電源が不要なだけでなく、信頼性の面からも安心して用いることができます。

また緊急遮断弁を選ぶ上で、緊急遮断が行われた後の復帰方法についても確認しておくことが大切です。せっかく異常を検出して遮断できたとしても、復帰時に意図せずに弁が解放されてしまっては、二次災害につながりません。十分に安全が確認された上で復帰できるよう、用途に応じて製品の仕様を確認することが重要です。

 

本記事は緊急遮断弁を製造・販売する日本エンヂニヤ株式会社様に監修を頂きました。

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業務用掃除機ロボット

監修:株式会社テナントカンパニージャパン

業務用掃除機ロボットとは

業務用掃除機ロボットとは、清掃箇所を学習して、障害物を避けながら自律的な清掃を行うロボットです。

家庭用ロボットに比べて、よりプロフェッショナルな仕様なので長時間運転、大容量のごみ収集、広い面積の洗浄等が可能であるという特徴があります。機種によってはナビゲーションシステムやセンサーを駆使して、効率的で、精度の高い清掃も可能です。ロボットの動作環境は各メーカーの機種により大きく異なり、必ずしもであらゆるエリアの清掃が可能な訳ではありませんが、こうしたロボットをうまく取り込み、省力化していくことにより、人件費のコストダウン効果も期待されます。

業務用掃除機ロボットの使用用途

業務用掃除機ロボットは、様々な業務における清掃シーンで活用されています。

主な活用施設には下記のようなものがあります。

  • 飲食店
  • 宿泊施設
  • オフィス、会議室、事務室
  • 医療機関、介護施設、福祉施設
  • 工場
  • 小売店
  • 空港
  • 運動施設 (屋内競技場など)
  • 各種公共施設

これらの施設において、業務用掃除機ロボットは、

  • 効率的で均一な清掃を行う
  • 清掃における人件費を削減し、効率的な人員配置を行う

などの目的を達成することが可能です。

業務用掃除機ロボットの原理

1. 清掃機能

業務用掃除ロボットは、ゴミや塵を吸い込む乾式のスイーパータイプのものと、ブラシ・吸引口・モップの機能がついている水拭き式床洗浄機 (スクラバー) タイプのものがあります。基本的な原理は従来のスイーパー、あるいはスクラバーと変わりません。

各社、色々な製品方式がありますが、概して水拭き式の製品では、一度の作業でモップがけと、その際発生する汚水の回収が同時に完了させることが可能です。また乾式の製品であれば、ホコリをブラシでかき上げ、バキュームで吸引する作業が同時に完了させることが可能です。

2. センサー・ナビゲーション

業務用掃除機ロボットは、センサー技術を駆使して周囲の障害物や壁、家具などを検知することが可能です。障害物に接近した際には自動的に方向を変えたり、避けることができ、衝突や事故のリスクを最小限に抑えます。また、光学センサー技術、人工知能、ナビゲーションシステム、クラウド技術を統合的に活用することで、効率的な清掃が可能です。

多くの業務用掃除機ロボットは、マッピングまたはティーチングという方式で走行ルートを決めてから自走します。一方、製品によってはランダム走行モード、センサーウォール機能を用いることで、掃除機ロボットを敢えて入れない場所を決めて回避したり、一度に清掃できない広いスペースを複数に分けて清掃させることも可能です。

業務用掃除機ロボットの種類

1. 大きさ

業務用掃除機ロボットには様々な製品があります。大きさごとでは、大型、中型、小型の分類があります。

大型の業務用掃除機ロボットは清掃速度が速く、最大清掃可能面積が広いというメリットがあります。また、1時間あたりの清掃範囲でも、2000m2以上の範囲を清掃できます。

中型の業務用掃除機ロボットは70〜200m2の店舗・施設の清掃に適しています。大型の業務用清掃ロボットでは入れない狭い通路の清掃も可能であり、細かい部分の清掃が求められる中規模店舗・施設での使用に最適です。

小型の業務用掃除機ロボットは、清掃するスペースが小さい現場に適します。小回りが効くため、テーブルや椅子の下、壁際などすみずみまで清掃作業を行うことができます。

2. 機能面

機能面でも製品によって多様な種類があります。床の掃除やモップがけ、除菌など、さまざまな清掃タスクに対応することが可能です。製品によっては、Wi-Fiと専用アプリに対応しており、スマートフォンやタブレットで遠隔操作が可能なものもあります。

対応床面は、タイルなどの硬質床のみに対応している製品と、カーペット使用可能な製品とに分かれます。

業務用掃除機ロボットのその他情報

1. 業務用掃除機ロボットの選び方

業務用掃除機ロボットの選定の際は、下記のようなポイントに注意する必要があります。

  • コスト・予算: 総費用に対して見合った効果が得られるか
  • 清掃能力: 清掃範囲の広さや汚れの種類に製品機能が合っているか
  • 操作性: 作業者が容易に操作・管理可能であるか

これらを考慮して、適切な製品を選定することで十分な清掃効果を得ることができます。

本記事は業務用掃除機ロボットを製造・販売する株式会社テナントカンパニージャパン様に監修を頂きました。

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スイーパー

監修:株式会社テナントカンパニージャパン

スイーパーとは

スイーパーとは、「Sweep(スイープ ほうきで掃く)」を語源とした、ブラシでごみや塵を集めて回収する掃除機の機能を備えた床清掃機で、床洗浄機(スクラバー)とは異なり、水は使いません。

また最近では床清掃機のみならず、刈り込んだ芝生をブラシで掃き込み回収する芝生専用のローンスイーパーという機械もあります

スイーパーは、ほうきとちりとりのようにごみをブラシで掃き上げて回収します。作業者が手で押して走行させる歩行型や、人が乗って運転する乗車型と呼ばれる種類があります。工場、建設現場、物流施設、オフィスなど様々なシーンで清掃に活用されている機械です。

スイーパーの使用用途

スイーパーは、床洗浄機(スクラバー)と同様に、様々な業務用清掃に利用されている機械です。主にプラスチックタイルなどのケミカル床カーペット床、コンクリートなどの平坦な床面に堆積した、粉塵、ホコリ、木屑、紙屑をはじめとする様々なゴミ、粉体の回収はもちろん、スクラバーやポリッシャーなどで床洗浄作業を実施する際、床表面に付着しているホコリや砂などで床表面に傷がつくのを防止するために、事前に清掃する場合にも使用されます。

こうした清掃を頻繁に行う事で、施設内の路面上の砂や小石等のゴミを除去するため、運搬車両のスリップやパンクなどの事故防止に貢献する効果もあります。また、フィルターを備えている機種では回収後、機械の内部でホコリやチリをフィルタリングした後に、排気をするので排気も綺麗に保たれ、作業環境をクリーンに保つことが可能です。

主な使用場所の例には下記のようなものがあります。

  • 工場一般、アスファルト合材工場
  • 建設現場、道路工事現場
  • 産業廃棄物中間処理場
  • 倉庫、物流施設
  • 港湾施設
  • テーマパーク、大型展示会場
  • ショッピングセンター、商業施設
  • 大型ビルなどの駐車場
  • 駅、空港
  • 学校、幼稚園、保育園などの教育機関
  • オフィス、事務室

特に、工業用に特化した製品 (インダストリアルスイーパー) は、物流、鉄鋼、金属加工、建設、セメント工場などの粉塵が堆積しやすい環境での清掃に活用可能です。路面上の砂や小石等のゴミを除去するため、運搬車両のスリップや
パンクなどの事故防止に貢献する効果もあります。

スイーパーの原理

スイーパーは、

  • メインブラシでゴミや塵を掃き上げ、ホッパーやダストコンテナなどと呼ばれる回収ボックスに回収する
  • バキューム装置によって吸い上げられた細かい粉塵を高性能フィルターで捕集する
  • 高性能フィルターによってクリーンにされた排気がスイーパーから排出される

という仕組みで清掃を行い、小石からミクロン単位のチリまで回収することができます。またメインブラシのほかに、壁際のゴミを中央に寄せるためのサイドブラシがついており、効率的な清掃が可能です。

回収したゴミがおさまるホッパーの位置がブラシに対して前方にあるものを「ダイレクトスロー方式」といい、ブラシとホッパーとの位置関係が近いため、小さなものから大きなものまで効率よく捕集。大型の産業用スイーパーに多く採用されている方式です。一方、ホッパーがブラシに対して後方にある方式を「オーバースロー方式」といい、捕集効率はダイレクトスロー方式よりは落ちますが、コンパクトなマシン設計が出来るので、商業系施設を中心に使用される機械に採用されています。

スイーパーの選び方

1. スイーパーには、小回りの利きやすい歩行型、大型店舗や倉庫など広範囲の清掃に適した乗車型、自動で床洗浄をおこなうロボット型など多くの種類の製品があります。スイーパーの選定においては、清掃したい汚れの程度、清掃面積、通路幅などの清掃環境などから適切なものを選択することが重要です。面積が狭くても、粉塵が多いのであればホッパー容量にゆとりを持たせる必要がありますし。総面積が大きくても、通路幅が狭い場合は歩行型など小型機種を複数台使うことを考えなくてはなりません。

2. また清掃の頻度と動力源との関係も重要なポイントです。バッテリー式の場合、一般的にその連続稼働時間は2~3時間です。また充電には8~10時間程度要します。一日中、使わなくてはいけないといった場合、環境が許せばエンジン式のモデルも検討に加えてみるのも良いですし、複数台での運用を考える等の工夫も必要です。

歩行型の簡易なものは小型で取り回しが良く、狭い面積のちょっとした清掃に適している反面、ホッパー容量が乗車型と比較して小型になるので、ゴミ捨て作業の頻度は高めです。

3. おおよその目安では、清掃作業面積1万m2あたりで、生産施設の通路の清掃に乗車型スイーパーは1台~2台、ラインの床を掃除する歩行型スイーパーは5台~7台必要とされますが、こうした機械の形態による特長、短所を俯瞰した上で、必要な機種や台数を最適化することが、清掃作業の効率を向上させるカギになります

本記事はスイーパーを製造・販売する株式会社テナントカンパニージャパン様に監修を頂きました。

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床洗浄機(スクラバー)

監修:株式会社テナントカンパニージャパン

床洗浄機 (スクラバー)とは

床洗浄機 (スクラバー) とは、水や洗剤溶液を用いて床をブラシかけし、備え付けのバキュームで汚水回収までを行う機械です。

雑巾やモップで床を拭いたり洗浄したりする手作業と比較してブラシ清掃と同時に汚水回収を行うので床に残水が残ることなく安全に床洗浄作業が行える機械です。

スクラバーの名称は英語のSCRUB (磨く) から由来します。スクラバーは、作業者が手で押して走行させる歩行型や、人が乗って運転する乗車型と呼ばれる種類があります。また最近ではプログラムに沿って自律的に清掃を行う、ロボットタイプも各社から発売されています。清掃面積に応じて利用することで、清掃の効率化が果たせるのはもちろん、機械による洗浄の為、手作業よりも高い洗浄効果が得られます

床洗浄機 (スクラバー) の使用用途

床洗浄機は、様々な業務用洗浄に利用されている機械です。主にビニール、プラスチックタイルなどのケミカル床人造大理石、コーテッドコンクリートなどの平坦な硬質床での使用に適しており、産業用途では、工場施設、倉庫の床などに付着した切削油や、タイヤ痕などの汚れを落とすのにも多く使用されています。

代表的な使用場所には下記のようなものがあります。

  • 物流倉庫
  • 製造工場
  • オフィスビル
  • スーパーマーケット
  • 商業施設、医療施設
  • 駅、空港
  • 学校、幼稚園、保育園
  • 公共スペース

尚、床洗浄機はカーペット床など軟らかい床、不整地、粉塵が多い場所での使用には適していません。粉塵、土砂汚れを除去したい場合は、業務用清掃機(スイーパー)を使用することが必要です。

床洗浄機 (スクラバー) の原理

1. 概要

スクラバーが床を洗浄する基本的な仕組みは下記の通りです。

1.水(または洗剤溶液)を床面に散布する

2. ブラシやパッドが150~200回転/分で回転し、床面の汚れをこすり落とす

3. ブラシ後ろにある備え付けのバキュームで汚水を回収して床面を乾かす

洗浄は水用のタンクに直接投入される場合や、自動投入機能によりブラシヘッドの前部で直接水と混合される場合などがあります。製品によっては、本体内に電解水とナノバブルを生成する装置を備え、これらを洗浄に利用しているものもあります。

2. 構造

床洗浄機 (スクラバー) は、主に

  • 洗浄水を入れる清水(洗浄液)タンク
  • 汚水を回収する汚水タンク
  • 床を擦るブラシヘッド
  • 床面の汚水を回収するスクイージーとバキュームホース
  • 動力源(バッテリー あるいは エンジンが主流)
  • 操作パネル

から構成されています。製品によっては、洗剤の自動投入機能が搭載されているものもあります。各メーカーが発売している大半のスクラバーには車輪がついており、走行しながら洗浄と汚水回収を行います。動力は、マシンの大きさに合わせて歩行型(電源コード式、バッテリー式)、乗車型(バッテリー式、エンジン式)となっているのが主流です。

ブラシヘッドには、円盤状のディスクブラシヘッドや円柱状のローラーブラシヘッドなどの種類があります。ディスクブラシヘッドはブラシ、パッドのどちらでも選択できるのでブラシによる日常洗浄はもちろん、硬いパッドを使用した軽い研磨作業まで対応できるので様々な現場で使用されていますローラーブラシヘッドは、毛先がしっかり凹凸に追従するので溝や凹凸の多い床などには適しています。またローラーブラシを備えた機械の場合、ブラシの後ろにゴミ受けを備えている場合も多く、パレット片など、少量のゴミであれば洗浄と同時に回収が可能です。

床洗浄機 (スクラバー) の選び方

床洗浄機 (スクラバー)には、小回りの利きやすい歩行型、大型店舗や倉庫など広範囲の清掃に適した乗車型、自動で床洗浄をおこなうロボット型など多くの種類の製品があります。スクラバーの選定においては、洗浄したい汚れの程度、洗浄面積、通路幅などの清掃環境などから適切なものを選択することが重要です。

洗浄したい汚れが床にこびりついたひどい汚れであるならば、多少大きくても、ブラシの接地圧が大きいものを選ぶ必要があります。また総面積が大きくても、通路幅が狭い場合は歩行型を複数台使うことを考えなくてはなりません。

また洗浄の頻度と動力源との関係も重要なポイントです。バッテリー式の場合、一般的にその連続稼働時間は2~3時間です。また充電には8~10時間程度要します。一日中、使わなくてはいけないといった場合、環境が許せばエンジン式のモデルも検討に加えてみるのも良いですし、複数台での運用を考える等の工夫も必要です。

歩行型の簡易なものは小型で取り回しが良く、狭い面積のちょっとした洗浄に適している反面、清水タンクが乗車型と比較して小型になるので、水の入れ替え作業の頻度は高めです。

おおよその目安では、清掃作業面積1万m2あたりで、生産施設の通路の清掃に乗車型スクラバーは1台~2台、ラインの床を掃除する歩行型スクラバーは5台~7台必要とされますが、こうした機械の形態による特長、短所を俯瞰した上で、必要な機種や台数を最適化することが、洗浄作業の効率を向上させるカギになります

本記事は床洗浄機 (スクラバー)を製造・販売する株式会社テナントカンパニージャパン様に監修を頂きました。

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自動平盤打抜機

自動平盤打抜機とは

自動平盤打抜機とは、主に紙やプラスチックなどの平らな材料を自動で切断するための機械です。

打抜き型を使って指定された形状に材料を切り抜く機械です。型は通金属でできていることが多く、特定のデザインに合わせた形状にカットすることができます。

自動平盤打抜機は、材料の供給から切断までのプロセスを自動化することで、大量生産が可能になります。これにより、生産ラインのスピードが向上し、作業者の作業負担が軽減されます。自動化によってサイクルタイムが短縮され、同じ時間内により多くの製品を製造できるため、全体的な生産性を向上させることが可能です。

また、自動平盤打抜機は高精度なカットが可能で、同一デザインの製品を常に均一な品質で製造できます。手作業によるバラつきがなく、細かいパーツや複雑なデザインも高い精度で切り抜くことが可能です。製品の品質が保証され、顧客満足度が向上します。

自動平盤打抜機の使用用途

自動平盤打抜機は様々な業界で使用されます。以下はその一例です。

1. 印刷業

印刷業界では、自動平盤打抜機がパッケージングや商業印刷の分野で広く利用されます。パッケージングでは、印刷された紙やボードを使って、箱やトレイの形状に切り抜くことが可能です。カートンやトレイの組み立てに必要な正確な切断が行われ、商品の梱包や配送に適したパッケージを作成します。

商業印刷では名刺やパンフレット、カタログなどの印刷物の切断や形状加工が行われます。特に複雑なデザインや特注サイズの印刷物に対応できるため、多様な製品を提供することが可能です。

2. アパレル業

アパレル業界においては、主に布地の裁断に使用されます。洋服やアクセサリーの製造において、布地を正確なパターンやデザインに合わせてカットするために利用されます。これにより、生地の無駄を最小限に抑えつつ、正確な部品を効率的に製作することが可能です。

また、アパレル製品にはラベルやタグが不可欠ですが、これらの切断にも自動平盤打抜機が活躍します。ブランド名や価格などの情報を正確に打抜き、製品に取り付けることができます。

3. 自動車産業

自動車業界では主に内装部品の製造に利用されます。適用する内装はカーペットやトリムなどですが、これらの部品を正確なサイズや形状にカットするために自動平盤打抜機が使用されます。これにより、高い精度が要求される自動車内装の部品も、効率的に大量生産することが可能です。

自動平盤打抜機の原理

自動平盤打抜機の基本的な原理は、打抜き型を使用して材料を正確に切断することです。

まず、作業台に打抜く対象の材料を平らに接地します。材料には紙やプラスチックなどフィルムまたはシート状材料を利用することが多いです。自動フィーダーやコンベアを付属し、自動的かつ正確に配置する打抜機も販売されています。

内部には打抜き型が内蔵されており、通常は金属製です。切断したい形状やデザインに合わせて設計されています。特定の形状に切り抜くための刃物が組み込まれており、材料に圧力をかけることで切断します。

自動平盤打抜機はコンピュータ制御やプログラムによって動作します。これにより、複雑なデザインや高精度なカットが可能です。材料の位置合わせや加圧・減圧の制御などを自動的に行う機能が備わっており、作業の効率と精度が向上します。

自動平盤打抜機の選び方

自動平盤打抜機を選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 対応材料

自動平盤打抜機を選ぶ際には、処理する材料の種類と厚さに応じた機械を選ぶことが重要です。紙やプラスチックまたは布など、対応可能な材料の種類を確認します。各機械には特定の材料に最適化された打抜き型や圧力調整機能が搭載されています。

2. 加工速度

工速度は生産性に直結するため、機械の性能を評価する際に重要な要素です。一回の打抜き工程にかかる時間を確認します。加工速度が速い機械を使用することで、多くの製品を短時間で生産することが可能です。

3. 精度

精度は最終製品の品質に直接影響を与えます。特に複雑なデザインや細かいパーツが必要な場合、精度が高いことが求められます。頻繁に型を交換する必要がある場合、交換作業の効率も重要です。

トムソン型

監修:株式会社ノダ

トムソン型とは

トムソン型

トムソン型とは、様々な材料を型抜きするための製品です。

トムソン型に合わせて製作された刃をトムソン刃と呼ばれます。プラスチックフィルムやシートなどを加工するために使われることが多く、材料の種類や厚み、使用するプレス機によって、トムソン型の仕様が異なる為、基本的に受注生産品です。

トムソン型は連続的な製品の生産に適しており、大量生産が効率的に行えます。これにより、生産コストが削減され、効率的な生産が可能です。また型の設計が比較的シンプルであるため、メンテナンスや修理が容易な点も特徴の一つです。

西日本ではトムソン型と呼ばれ、東日本ではビク型と呼ばれる傾向にあります。トムソン型は、アメリカのプレス機メーカーの創設者の名前に由来していると言われています。一方
ビク型は、ドイツの印刷機メーカー、シュナイダー社の活版印刷機「ビクトリア」を打ち抜き機として使い始めたことに由来しています。“ビクトリアで使用する抜型”の略で「ビク型」と呼ばれるようになりました。

トムソン型の使用用途

トムソン型は、様々な製品の加工で使用されます。以下はその一例です。

1. 包装材

お菓子の箱や、化粧品のパッケージ、各種段ボール箱、通函、緩衝材、詰替え用パウチといった軟包装など、シンプルなものから、複雑な装飾が施されたデザインのものまで、様々な包装資材の製造にトムソン型が使われています。ミシン目状の刃物や、罫線を使うことで、打抜きと同時に折り目を入れることも可能です。

2. 工業用製品

各種パッキン、ガスケット、ジョイントシート、車両部品(内装部材、装飾部材、他)、マスキングフィルム、粘着テープなど。

3. その他

空調機器や、音響部材、映像機器、光学機器、電子基盤といった弱電・精密部品関係のものから、付箋やステッカー、銘鈑、ワッペンなどの印刷、雑貨関係。その他、日用品や衣料品など。

トムソン型

トムソン型の原理

クッキーの生地を型抜きするように、主にシート状の材料から任意の形状を抜き出す為に使われます。

トムソン型そのものは、土台となすベースに刃を埋め込んだものですが、プレスする際に材料が嵌まり込んでしまわないように、跳ね出しゴムと呼ばれるゴムスポンジを貼り付けて使用します。

また、プレス機で打抜く際には、まな板のような役割を果たす、当て板と呼ばれる樹脂製の板、または薄い鉄板も必要です。パッケージや箱のように、型抜きと同時に折り目を入れる場合には、面板や溝切りテープを使う場合もあります。

トムソン型

1. 製造方法

トムソン型は、大きく分けてベースと刃物の2つの部分からできています。

・ベース:ベニヤ板や樹脂板などの土台となる部分です。レーザーで溝を切り、その中に刃物を埋め込みます。

・刃物:素材を切るための刃です。素材の種類や厚さ、形状によって、様々な種類の刃物が用意されています。

刃物の形状は、製品の設計図に基づいて製図された、トムソン型専用の図面データから作られます。ベンディングマシンと呼ばれる機械によって自動的に加工された後、必要に応じて手作業で微調整し、ベース板に埋め込みます。

2. 素材やサイズ

・多様な素材に対応::ゴム、発泡体、樹脂、紙、段ボール、フィルムなど、実に様々な素材を打ち抜くことができます。

・幅広いサイズに対応: 手のひらサイズの小さなものから、2Mを超える大きなものまで、用途に合わせて製作可能です。

・試作品から量産品: 試作から量産まで、幅広い段階で利用できます。

・高い自由度::刃物には、高さ(6~100H)や厚み、刃先の角度や形状、研磨仕上げ、硬度、コーティングの有無など、数百種類を超えるラインナップがあります。

3. 精度

トムソン型の寸法精度の目安はおよそ±0.15程度です。より高精度な抜型が必要な場合には、マシニングセンタを駆使して製造される「腐食刃」「彫刻刃」などが使用されます。

【トムソン型の選び方】

1. 対象材料

様々な種類、厚みの素材(ゴム・発泡体・樹脂・紙・段ボール・フィルム・繊維・皮革など)に対応しています。

打抜き可能かどうかは、条件により異なりますので、ご不明な場合は各トムソン型製造メーカーにお問い合わせください。

2. 製品形状

様々な形状に対応可能です。

トムソン型の寸法精度の目安はおよそ±0.15程度です。より高精度な抜型が必要な場合には、マシニングセンタを駆使して製造される「腐食刃」「彫刻刃」などが使用されます。

手のひらサイズの小さなものから、2Mを超える大きなものまで、用途に合わせて製作可能です。

3. メンテナンス性

刃物は金属性ですので、使用環境や保管状況により錆が発生する可能性があります。使用後は防錆剤を噴霧したり、高温多湿を避けて保管することをお勧めします。

また、粘着材料を加工した際に、刃物や跳出しゴムに粘着質が付着したままにしておくと、製品不良の原因になります。刃種を変えたり、跳出しゴムの貼り方を工夫したり、非粘着性のあるスプレーを使用することで、粘着剤の付着およびトムソン型のメンテナンスが容易になります。

トムソン型は刃やベース板の交換が可能です。刃先の摩耗や損傷により、製品の打抜きが困難になった場合には、各トムソン型製造メーカーにお問い合わせください。

ただし、場合によっては交換や修理ではなく、新規で再製作することをお勧めする場合があります。

4. コスト

基本的に、単純な形状で小さいものや、ベーシックな仕様なものは安価で、複雑な形状でサイズが大きいものや、特殊な仕様なものは高額になります。

ただし、それはあくまで目安です。

トムソン型は、材料の種類や厚み、使用するプレス機によって、仕様が異なり、基本的に一点もの(受注生産)ですので、一律に価格を提示することが難しい製品です。

一般的に、金型と比較するとトムソン型の方が安価で短納期での対応が可能です。

トムソン型のその他情報

また、打ち抜き加工のみならず、製品の仕上げにかかる工数までをもコストという捉え方をした場合には、トムソン型の価格は上がるものの、作業性を向上させる仕様にすることでトータルコストを下げることができます。

例えば、打ち抜き加工後に手作業で行っているカス処理を、打抜きと同時に処理できる仕様にすることで、1工程削減し、エラーの確率を下がることで材料ロスを減らすことができます。

このように、単なる打抜きのためのコストと捉えるか、生産性を高めるアイテムと捉えるかによってトムソン型に求める価値は変わってきます。

このような理由から、コストについては、仕様のご相談も含めまして直接お問い合わせされることをお勧めいたします。

本記事はトムソン型を製造・販売する株式会社ノダ様に監修を頂きました。

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