炭化水素系洗浄剤

監修:SPC Japan株式会社

炭化水素系洗浄剤とは

炭化水素系洗浄剤とは、炭素と水素から成る有機溶剤を主成分とした洗浄剤です。

主に原油を精製して作られるナフサなどを原料として製造されます。最大の特徴は、鉱物油や切削油といった油性の汚れに対して非常に高い洗浄能力を有する点です。炭化水素系洗浄剤と油汚れが化学的に似た性質を持つため、互いによく溶け合う原理に基づいています。

また塩素系の洗浄剤と比較して、オゾン層を破壊する心配がなく、地球温暖化への影響が小さいなど環境負荷が低い点も大きな利点です。人体への毒性が比較的低い製品が多く、作業環境の改善に繋がります。一方で、引火性があるため消防法上の危険物に該当し、取り扱いや保管には十分な注意と適切な設備が必要です。

炭化水素系洗浄剤の使用用途

炭化水素系洗浄剤は以下のような用途で使用されます。

1. 自動車・金属加工部品

自動車のエンジン部品やベアリングといった金属部品の製造工程では、炭化水素系洗浄剤が広く利用されます。これらの部品を加工する際には、切削油や防錆油といった多種多様な油が使用されます。炭化水素系洗浄剤は、このような頑固な油汚れを効率的に除去する能力に長けています。

2. 電子・電気部品

スマートフォンやパソコンに内蔵されている電子回路基板や半導体などの洗浄にも炭化水素系洗浄剤は適しています。電子部品の製造においては、はんだ付けの際に使用されるフラックスの残渣や、製造過程で付着する微細な油分、指紋などを完全に取り除く必要があります。炭化水素系洗浄剤は、プラスチックや樹脂といったデリケートな素材への影響が少なく、また電気を通しにくい性質を有するため、精密な電子部品にも安心して使用可能です。

3. 精密機器・光学部品

カメラのレンズや医療用の時計部品といった高い清浄度が求められる精密部品の洗浄にも炭化水素系洗浄剤が用いられます。これらの部品に付着したわずかなホコリや油膜は、製品の性能に致命的な影響を与えかねません。炭化水素系洗浄剤は、このような微細な汚れに対する洗浄力に優れ、かつ洗浄後の残留物がほとんどないという特性を有します。

本記事は炭化水素系洗浄剤を製造・販売するSPC Japan株式会社様に監修を頂きました。

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プラスチック押出成形

プラスチック押出成形とは

プラスチック押出成形とは、熱で溶かしたプラスチックを金型から連続的に押し出して成形する加工サービスです。

ホッパーと呼ばれる原料投入口から、ペレット状のプラスチック原料を機械に供給します。供給された原料は、スクリューという回転刃で熱を加えられながら練られ、溶かされていきます。その後、均一に溶かされたプラスチックが金型に押し出される仕組みです。

金型から出たばかりのプラスチックはまだ熱く柔らかいため、冷却装置で冷やし固める工程が必要です。最後に、固まった成形品を決められた長さにカッターで切断したり、巻き取ったりすることで製品が完成します。同じ形の製品を効率的に大量生産できる点がプラスチック押出成形の大きな特徴です。

プラスチック押出成形の使用用途

プラスチック押出成形は以下のような用途で使用されます。

1. 建築・土木

建材やインフラ資材の製造に利用されます。住宅用の樹脂サッシや壁面パネル、あるいは道路やライフラインを支える電線保護管などが主な製品です。これらの製品は、軽量で錆びないというプラスチックの利点に加え、断熱性や気密性を高める複雑な断面形状を実現できます。新しいデザインの建材を開発したい建設会社などが、専門的な金型設計や材料選定のノウハウを持つ本サービスの提供企業を活用します。

2. 自動車・電機

高機能な部品の試作や量産など、幅広い目的でプラスチック押出成形が用いられます。自動車分野では、窓枠のゴム部分や内外装のモールディング部品に活用されます。電機分野では、精密機器の筐体や配線を保護するモールなどが製造対象です。

3. 医療・食品・日用品

人の体に直接触れる機会の多い製品を扱う医療・食品・日用品業界でも、このサービスは重要な役割を担います。医療分野ではカテーテルなどの精密なチューブ、食品分野では安全な包装フィルムなどが代表例です。また文房具のペン軸といった日用品の製造にも利用されます。これらの分野では、材料の安全性や衛生管理が厳しく求められるため、清浄な環境で製造できるサービスや、各種規制に対応できる企業を選定します。

精密ディスペンサー

精密ディスペンサーとは

精密ディスペンサーとは、液体材料をμLやnLといった微小な単位で正確に塗布する装置です。

わずかな量の液体を常に同じ場所に同じ量だけ高速で塗布可能です。扱う液体は、接着剤やオイル及びはんだペーストなど多岐にわたります。電子部品の製造ラインのように、高い精度と再現性が求められる現場で活躍します。一例としては、スマートフォン内部の電子部品実装作業で、ミリグラム単位での精密な接着剤の塗布が可能です。このような微細な作業を自動化し、製品の品質を均一に保つために精密ディスペンサーが用いられます。

空気の圧力で押し出す製品や、スクリューの回転を利用して液体を送り出すといった吐出方式の製品が販売されています。液体を非接触で噴射する製品も販売されており、用途に応じた選定が重要です。

精密ディスペンサーの使用用途

精密ディスペンサーは以下のような用途で使用されます。

1. 電子機器

スマートフォンやパソコンなどの電子機器は、非常に小さく複雑な電子部品で構成されます。精密ディスペンサーは、これらの電子部品を電子回路基板に固定するための接着剤などを狙った位置に正確に塗布するために使用されます。製品の小型化・高性能化が進む現代において、精密な塗布技術は、製品の品質と信頼性を支える重要な基盤技術です。

2. 自動車

エンジンやセンサーといった重要部品の組み立て工程で、気密性・水密性を確保するための液体ガスケットの塗布に用いられます。近年増加している車載カメラやディスプレイなどの電装部品の製造においても、部品の固定や保護膜塗布に使用されます。自動車の安全性や耐久性を向上させる上で、精密ディスペンサーは重要な役割を担います。

3. 医療・バイオ

遺伝子解析や血液検査などで使用される試薬を、検査チップの所定の位置に分注するために活用されます。また再生医療の研究において、培養した細胞を特定の場所に配置する際にも利用されることがあります。病気の早期発見や新しい治療法の開発を支える重要な装置のひとつです。

マイクロディスペンサー

マイクロディスペンサーとは

マイクロディスペンサーとは、マイクロリットル単位のごく微量の液体を正確に吐出する装置です。

目に見えないほど少ない量の液体を、決められた位置へ正確に供給できる治具・装置です。製品の小型化や高機能化が進む現代の製造現場において、その重要性はますます高まっています。

大きく分けて接触式と非接触式の2種類の吐出方式が存在します。接触式は、塗布したい対象物に細いノズルの先端を直接触れさせて液体を移す方法です。粘り気の強い液体でも安定して塗布できますが、対象物に傷をつけたりノズルが摩耗したりする可能性があります。一方で非接触式は、液体を霧状または微小液滴にして飛ばして塗布する方法です。対象物に触れないため、デリケートな部品や複雑な形状の箇所にも高速で塗布可能です。

マイクロディスペンサーの使用用途

マイクロディスペンサーは以下のような用途で使用されます。

1. 電子機器

スマートフォンやパソコンなどの電子機器の製造において、マイクロディスペンサーは不可欠な存在です。心臓部である半導体チップを基板に実装する際、チップと基板のわずかな隙間を樹脂で埋める工程で使用されます。これにより、衝撃や熱から精密なチップを保護し、製品の信頼性を高めます。またカメラモジュールを組み立てる際のレンズの固定など、ミリメートル以下の精度が求められる多くの場面で活躍します。

2. 医療・バイオ

病気の診断や遺伝子解析に用いられるDNAチップの製造では、ガラス基板上の決まった位置に多種類の試薬を正確に滴下する必要があります。マイクロディスペンサーを用いることで高密度なチップの生産が可能です。これにより、一度に多くの項目を検査できます。

3. 自動車・光学機器

自動車産業では、各種センサーや電子制御ユニットの製造において、部品の接着や防水・防湿のためのシール剤塗布にマイクロディスペンサーが用いられます。精密な塗布により、部品の耐久性や安全性を確保します。また光学機器の分野では、カメラのレンズユニットを組み立てる際に接着剤に気泡が入らないようにマイクロディスペンサーで均一に塗布します。

電源切替開閉器

電源切替開閉器とは

電源切替開閉器とは、普段使っている電力系統と非常用の電源を切り替える装置です。

停電などで電力供給が停止した際に、自家発電設備や蓄電池などの予備電源からの供給に安全に切り替える役割を担います。この装置がない状態で二つの異なる電源を同時に接続すると、予備電源と通常電源が混触し、周辺地域を巻き込む大規模な停電や復旧作業員の感電を引き起こす可能性があります。

このような事故を防ぐため、一方の電源が接続されると、もう一方の電源は接続できないようにする仕組みが電源切替開閉器には備わっています。これにより、非常電源への切替における安全性の確保が可能です。ハンドル操作で切り替える手動式と、停電を検知して自動で切り替える自動式などの種類があり、用途や重要度に応じて選定します。

電源切替開閉器の使用用途

電源切替開閉器は以下のような用途で使用されます。

1. 病院・消防

病院では、患者の生命を維持する人工呼吸器などに電力を供給し続ける必要があります。電源切替開閉器は、停電時に商用電源から自家発電設備へ即座に電源を切り替えることで、これらの重要な機器を稼働させ続けることが可能です。また公共施設に設置された排煙設備などの防災設備も、電源切替開閉器で確実に予備電源と切り替えられます。

2. データセンター・通信基地局

データセンターでは、金融取引や行政サービスなどの膨大な情報が処理されており、停電によるサーバーダウンは深刻なデータ損失や社会的な混乱を招きます。また携帯電話の通信基地局は、災害時の安否確認に不可欠なライフラインです。これらの施設の停電時、電源切替開閉器で非常用電源へ即座に切り替え、社会機能の安定を確保します。

3. 工場・オフィス

精密機器や化学薬品を製造する工場では、わずかな時間の停電で製造途中の製品がすべて不良品になったり、高価な装置が故障したりするリスクがあります。オフィスビルにおいては、停電によるセキュリティシステムの停止等の問題が起こり得ます。電源切替開閉器によってこうした事故を未然に防ぎ、企業の継続的な活動を電力供給の面から支えています。

振動測定

振動測定とは

振動測定とは、機械や構造物がどの程度揺れているかを数値化して評価するサービスです。

専用の測定器を用いて、対象物の揺れをデータとして捉えます。測定では、主に変位・速度・加速度という3つの要素を計測します。変位は揺れの幅がどれくらい大きいかを示し、速度は揺れがどれくらい速いかを表します。加速度は、揺れの勢いや衝撃の強さを示す指標です。これらのデータを分析することで、振動の原因や周囲への影響を客観的に確認可能です。

さらに、収集したデータは周波数分析という手法で解析されることもあります。これにより、振動を引き起こしている根本的な原因を特定し、的確な対策を講じるための重要な手がかりが得られます。振動測定は、安全性の確保や快適な環境づくりに貢献する科学的な測定手法のひとつです。

振動測定の使用用途

振動測定は以下のような用途で使用されます。

1. 建設・土木現場

工事現場では、重機の稼働・杭打ち・発破作業などによって周辺に振動が伝わることがあります。この振動が近隣の家屋や施設に損傷を与えたり、住民の快適な生活を妨げたりする懸念がある場合に振動測定が実施されます。測定によって得られた客観的なデータは、定められた規制基準を遵守していることを確認するための重要な判断材料です。

2. 工場設備

工場で稼働しているモーターやポンプといった回転機械は、内部の部品が摩耗したり、バランスが崩れたりすると異常な振動を発生させます。このような微細な振動の変化を定期的に測定・監視することで、故障の予兆を早期に捉えることが可能です。この取り組みは予知保全と呼ばれ、機械が突然停止して生産ラインが止まってしまうという大きなトラブルを未然に防ぐ目的で活用されます。

3. 製品開発

自動車や家電製品などの開発段階においても振動測定は重要な役割を担います。例えば、自動車が様々な路面を走行する際に発生する振動が、搭載されている電子部品や乗り心地にどのような影響を与えるかを評価します。また洗濯機やエアコンの室外機が発生させる振動が使用者に与える不快感を評価する際にも用いられます。

フィールドライト

フィールドライトとは

フィールドライトとは、屋外の広い範囲を明るく照らすための強力な照明器具です。

特定の場所を高い照度で照らすことを目的とします。光源となるランプやLEDモジュール、光を効率的に特定の方向へ反射させるための反射板、雨風や衝撃から内部を保護する頑丈な筐体から構成されています。長寿命で消費電力の少ないLEDが光源の主流です。

フィールドライトの性能指標には配光・防水・防塵性があります。配光とは光の広がり方を指し、狭角タイプや広角タイプなど、用途に応じて様々な種類から選択します。また屋外での使用が前提となるため、雨や塵の侵入を防ぐ防水・防塵性能も不可欠な機能です。IPコードと呼ばれる保護等級によってその性能が分類され、設置環境に応じた高い耐久性が求められます。

フィールドライトの使用用途

フィールドライトは以下のような用途で使用されます。

1. 工事現場・災害現場

夜間に行われる道路工事や建設現場では、仮設照明としてフィールドライトが不可欠です。強力な光で作業エリアを明るくし、事故のリスクを低減させます。また地震や台風といった災害発生後の復旧作業現場でも、夜間の活動を支える重要なインフラとして活用されます。このような現場では、持ち運びや設置が容易な可搬型が多く採用されます。また電源確保が難しい場所では発電機と組み合わせて使用します。

2. イベント会場

屋外コンサートや地域のお祭りといったイベント会場では、安全確保や演出効果の役割を担います。来場者が歩く通路や駐車場などを均一に照らし、夜間の安全な移動を確保します。またステージ上のアーティストを鮮やかに照らし出したり、会場全体を特定の色で染め上げたりすることで、非日常的な空間を創り出す演出照明としても活躍します。

3. 映像・写真撮影

映画やテレビドラマなどの屋外ロケ撮影、特に夜間シーンの撮影においてフィールドライトが用いられます。月明かりや街灯の光を人工的に作り出したり、シーンに合わせた雰囲気の光を創造したりします。撮影中は音声も同時に録音するため、冷却ファンなどの静音性が求められることが多いようです。

テクニカルライティングサービス

テクニカルライティングサービスとは

テクニカルライティングサービスとは、専門的な情報を分かりやすく伝える文章を作成するサービスです。

製品やサービスに関する高度な技術情報や専門知識を、専門家ではない一般のユーザーや顧客が正しく理解し活用できることを目的とします。対象分野は、工業製品やIT分野のソフトウェア及び医療機器など多岐にわたります。テクニカルライターと呼ばれる専門家が、読者の知識レベルや使用状況を想定しながら、論理的で分かりやすい文章を構築します。

単に文章を整えるだけでなく、図やイラストといった視覚的な要素を効果的に用いて、直感的な理解を促すための構成も提案します。質の高い技術文書で製品・サービスに対する誤解や誤用を防ぎ、結果として顧客満足度の向上に寄与し、サポート部門の負担を軽減します。

テクニカルライティングサービスの使用用途

テクニカルライティングサービスは以下のような用途で使用されます。

1. 取扱説明書・マニュアル

テクニカルライティングサービスの代表的な使用用途は、製品の取扱説明書やユーザーマニュアルの作成です。家電製品や自動車など、あらゆる製品の操作方法、組み立て手順、安全に使用するための注意事項、故障時の対処法などを記述します。専門的な知識がないユーザーでも直感的に理解できるよう、平易な言葉遣いや論理的な構成が求められます。

2. 業務マニュアル・手順書

社内で使用される業務マニュアルや作業手順書の作成も重要な用途の一つです。複雑な社内システムの操作方法などを、誰が読んでも同じように作業を再現できるよう文書化します。これにより、業務の属人化を防ぎ、担当者が変わった際の引き継ぎを円滑に進めることが可能です。

3. ソフトウェア・アプリケーション

ソフトウェアやWebアプリにおいて、FAQの作成は欠かせません。アプリの各機能の使い方や設定方法などが主な文章作成対象です。ユーザーが疑問を持った際に、自身で問題を解決できるような分かりやすい情報を提供することが目的です。これにより、カスタマーサポートの負担を軽減できるだけでなく、顧客満足度の向上にも繋がります。

サニタリータンク

サニタリータンクとは

サニタリータンクとは、内部を清潔に保ちやすいように設計された貯蔵容器です。

耐食性が高く錆びにくいステンレスを用いることが一般的です。タンクの表面は、バフ研磨や電解研磨といった方法で非常に滑らかに仕上げられています。この処理により汚れが付着しにくく、洗浄が格段に容易になっています。

また角の部分は、液だまりを極力なくすため丸みを帯びています。汚れが隅に残ってしまうと、そこから雑菌が繁殖する原因となり得るため、このような細やかな配慮がなされます。蓋や排出口、配管を接続するノズルといった部品も、簡単に分解して洗浄できる構造です。一般的な貯蔵タンクよりも衛生管理のしやすさに徹底的にこだわっています。

サニタリータンクの使用用途

サニタリータンクは以下のような用途で使用されます。

1. 食品・飲料

食品や飲料の製造プロセスでは、製品の安全性と風味を保つための徹底した衛生管理が不可欠です。サニタリータンクは、牛乳やジュースといった飲料の原料や製品を一時的に貯蔵するために広く使用されます。また醤油や味噌などの発酵食品の製造においても、発酵や熟成を行うためのタンクとして重要な役割を担います。

2. 医薬品・化粧品

人の体に直接使用される医薬品や化粧品の製造現場では、極めて高いレベルの清浄度が要求されます。サニタリータンクは、医薬品の有効成分である原薬や軟膏などの調合・保管に用いられます。わずかな不純物の混入も許されないため、内部に汚れが残らず、完全に洗浄・滅菌できる構造が不可欠です。化粧品分野でも同様に、化粧水や乳液などの製造過程で利用されます。

3. 化学・電子部品

化学製品や電子部品の製造にもサニタリータンクが不可欠です。特に、高付加価値な化学製品や半導体の製造プロセスで使われる特殊な薬液の貯蔵・供給にサニタリータンクが用いられます。これらの分野では、微細な不純物や粒子の混入を徹底的に排除しなくてはなりません。サニタリータンクによって不純物を排除することで、最終製品の品質を確保します。

防水スイッチ

防水スイッチとは

防水スイッチとは、水によるスイッチの損傷を防ぐための防水性を備えたスイッチです。

防水スイッチには複数の種類があります。全防水形スイッチは、表面のパネルとパネル内部が共に防水性を持ちます。パネルシール防水と呼ばれるスイッチは、パネルシールに防水性があるスイッチです。パネルシール表面からの水の侵入を防ぎます。しかし全防水形スイッチとは異なり、パネル内部は防水ではないため、筐体で覆うなどの対策が必要です。非防水スイッチに防水キャップを使用し、パネルシール防水とする場合もあります。

様々な形状の防水スイッチがあり、トグルスイッチ・押しボタンスイッチ・ロッカスイッチ・ロータリスイッチ・タッチスイッチなどが一般的です。樹脂素材を主体とした製品や、メタルハウジングが使用された金属主体の製品などがあります。防水性は、IEC規格 (国際電気標準化会議) に基づくIP表示で表記される場合が多いようです。

防水スイッチの使用用途

1. 屋外

雨水がかかることが想定される、屋外に設置するスイッチには防水スイッチが利用されます。主な用途として、特殊車輌の操作パネル・ 屋外制御機器・セキュリティ機器・屋外用の工作機械・屋外用照明のスイッチなどが挙げられます。農工器具・バイク・自動車・トラックなどの車載用途で防水トグルスイッチなどが利用される場合も多いようです。

2. 水がかかる場所

屋外以外でも水がかかる場所では防水スイッチが利用されます。具体例として、各種業務用厨房機器スイッチ・浴室内設置用スイッチ・船舶用スイッチ・エンジンルーム内スイッチなどが挙げられます。業務用機器だけでなく、民生用の家電製品の部品にも防水スイッチが用いられることが多いようです。

3. 産業

様々な産業シーンでは、水の利用が想定される場合でなくとも、過酷な環境下に機器がさらされることを想定して防水スイッチが利用される場合があります。具体例として、建設機械・工具・ポンプ・エネルギー貯蔵システム・食品加工機器・輸送機器・工作機器などが挙げられます。また医療機器は、薬品や種々の液体にさらされる可能性を考慮し、防水スイッチが利用されることが多いようです。