監修:ディンク株式会社
濾布とは
濾布とは、液体や気体から不要な物質を分離するために用いられる布状のろ材です。
織物や不織布などの素材を用いることが多く、ろ布やろ過布とも呼ばれます。水に含まれる固形物を取り除く場合など、通過させたい成分だけを選び取る工程で使用されます。布地の繊維同士に生まれる細かなすき間が、不純物の粒子を捕捉する働きをしますが、サイズや材質によってろ過できる範囲は異なります。通気性や耐久性、目の細かさなど、素材に求められる要件に応じて多くの種類が存在する点が特徴です。
濾布の仕組みは単純でありながら、素材の選定や織り方によって性能が大きく変化します。ろ過対象となる物質の形状や性質に合わせ、最適な濾布を用いることで効率的な分離が可能です。不要な成分の混入を防ぎながら、必要な成分を取り出す重要な役割を果たす製品です。
濾布の使用用途
濾布は以下のような用途で使用されます。
1. 食品・飲料
食品や飲料の製造工程では、固形物や不純物を取り除くために濾布が用いられます。たとえば果汁や乳製品などでも、高いろ過精度が必要です。濾布を通すことで異物混入を抑え、製品の安全性や品質を安定させることに寄与します。これにより、安心・安全な製品を消費者に届けることが可能です。
2. 化学・半導体
化学薬品を扱う工程や半導体製造などの領域では、非常に細かな粒子を正確に分離することが必要です。濾布は耐薬品性や強度を考慮して選定し、目的とする粒子サイズに合わせて特注で設計する場合もあります。ろ過効率を高めることにより、設備への負荷を低減しつつ製品品質を向上できる可能性があります。
3. 生活・衛生
空気清浄機やマスクには、濾布のろ過技術が欠かせません。微細なホコリなどを通さない性質を活かし、室内環境を快適に保つほか、呼吸器への負担を軽減する役割も担います。さらに、家庭用浄水器などにも使用し、水質を整えることも可能です。多彩な機器や製品に採用され、衛生面の向上に貢献しています。
本記事は濾布を製造・販売するディンク株式会社様に監修を頂きました。
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