ディップスイッチ

ディップスイッチとは

ディップスイッチ

ディップスイッチは、プリント基板などに使用される小型スイッチです。デュアル・インライン・パッケージスイッチを省略してディップスイッチと呼ばれます。

端子間距離が3mm程度、高さも3mm程度と非常に小型で、精密ドライバー等で切り替えます。設定用スイッチとして使用され、操作頻度が低い場合に用いられます。

操作方式には、スライドスイッチやプッシュロックスイッチ、ロータリースイッチなどがあります。また、基板の穴に挿入するタイプや実装するタイプがあります。極数やシール性能もさまざまな種類が展開されています。

ディップスイッチの使用用途

ディップスイッチは家電製品、通信機器、音響機器など広範囲の製品に組み込まれています。産業用としては、温度調節器サーボコントローラに使用されます。

OA機器にも使用され、パソコンやストレージ基板などに用いられます。主に電子機器の基本設定用に利用されます。多様な使用条件に耐えるため、高温使用にも耐える耐熱仕様や薄型仕様などさまざまなタイプがあります。

ディップスイッチの原理

通常のスイッチと同様にオン・オフを切り替えることで回路の導通・遮断します。ストライカと呼ばれるつまみと摺動子が連動しており、摺動子と接点が接触・開放することで回路が切り替えます。ストライカは、摺動子と接点を接触させるおもりの役割も持ちます。

接点と端子はベース樹脂と一体に成型されます。はんだ付けの際に高温になるので、ベース樹脂には耐熱性の高いプラスチックが使用されます。部品を一体に成型することで、小型化軽量化します。また、ベース樹脂は端子保護の役割も持ちます。

接点端子の形状は基板穴に挿入するタイプと表面に実装するタイプがあります。長期間スイッチが放置されやすいので、酸化しないよう接点に金メッキを施すこともあります。セルフクリーニング機構で摺動時に接点を清掃し、異物や酸化物を除去する製品もあります。

ディップスイッチはとても小さいので、切り替えには先の細いドライバーピンセット等が必要です。

スイッチやディップスイッチの種類

スイッチは用途によって種類も様々です。スイッチには以下のような種類があり、産業、民生問わずさまざまな場所で使用されます。

スイッチの種類

  • プッシュスイッチ
    名前の通りボタンを押して切り替えるスイッチです。
  • トグルスイッチ
    レバーを上下や左右に倒して切り替えるスイッチです。
  • ロッカスイッチ
    ボタンの両端を押すことで切り替えるスイッチです。
  • スライドスイッチ
    名前の通りスライド操作で切り替えるスイッチです。
  • ロータリースイッチ
    スイッチ部のつまみをまわすことで切り替えるスイッチです。
  • マイクロスイッチ
    わずかな力で切り替えるスイッチです。
  • ディップスイッチ
    電子機器の各種設定に利用される基板上に実装されるスイッチです。
  • タクタイルスイッチ
    基板上に実装され、人がスイッチを押し込むことで電気回路を通電させる小型のスイッチです。

ディップスイッチの種類

  • スライドタイプ
    操作部を摺動させて切り替えます。操作部がフラットなものや凸型になっているものがあります。
  • ピアノタイプ
    操作部を押し下げて切り替えます。レバーが短いものや長いものなどがあります。
  • ロータリータイプ
    操作部を回転させて値を設定します。操作部が基板に対して垂直上面から操作するものや、水平方向に操作するものがあります。

操作部以外についても実装の方式や、極数などその特性によりさまざまな種類があります。

ディップスイッチの構造

ディップスイッチの構造は、カバー、ストライカ、摺動子、ベースの4つから構成されます。カバーは、スイッチ上面を覆う樹脂の射出成型部品です。ベースと嵌合させて内部機構を保護します。

ストライカはスイッチの操作部です。摺動子に力を伝え、接点を動作させます。摺動子は加工された金属板などで可動する接点です。ベースは、金属端子と接点を樹脂射出成型により一体化したもので、耐熱性がある樹脂材料が使われます。

参考文献
https://xtech.nikkei.com/dm/article/LECTURE/20120605/221411/
https://xtech.nikkei.com/dm/article/LECTURE/20120605/221411/

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