エアハンドリングユニット

エアハンドリングユニットとは

エアハンドリングユニット

エアハンドリングユニットは、大型の商業施設やオフィス、学校などの特定の大型施設に設置される空調設備です。設備の機能は、一般の家庭でも使われているエアコンと同様です。しかし、中央管理方式によって一元的に制御されているのが、一般的なエアコンとの違いになります。

また、エアハンドリングユニットは、エアコンと違って各部屋に室内機を取り付ける必要が無いため、エアハンドリングユニットだけのメンテナンスで済むといったメリットがあります。逆に、故障すると施設全体で空調が効かなくなるというリスクが発生してしまうため、分散させたりバックアップを用意する対策が必要です。

エアハンドリングユニットの使用用途

エアハンドリングユニットは、特定の用途に利用される面積がある以下のような施設に設置されます。ただし、学校施設に関しては「学校教育法第1条」が関係してくるため、教育法の定めるところによります。特定用途に該当しない場合は、この限りではありません。

・3000平方メートル以上 「オフィス」「百貨店」「興行場」「研究所」

・8000平方メートル以上 「学校施設」「研修所」「旅館」

特定用途に利用される面積とは特定建築物や建築物基準法で定義されており、建築物衛生法によって定められています。これは延べ面積を指しており、建物の床面積の合計値です。床面積の合計値は、敷地面積とは異なるため、建物に各階数がある場合には、その全ての床面積の合計値ということになります。

このような特定建築物では「温度」「相対湿度」「一酸化炭素の含有量」「二酸化炭素の含有量」「浮遊粉じんの量」「ホルムアルデヒドの量」「気流」の室内環境を一定の基準で管理することが建築物衛生法で義務付けられています。

また、引火性の高い物質や揮発性のガスを扱っている産業施設では防爆仕様のエアハンドリングユニットが使用されています。

エアハンドリングユニットの選び方

エアハンドリングユニットの設置を検討する際には、建築物衛生法や衛生管理基準と求める環境を照らし合わせる必要があります。

空気調和設備を設置している場合の空気環境の基準と機械換気設備を設置している場合の空気環境の基準では、必要な設備や維持する環境が異なります。

建築物衛生法で規定されている建築物環境衛生管理基準では、以下のように定められています。

空気調和設備とは「エアフィルタ」「電気集じん等」を用いて外から取り入れた空気などを浄化することで「温度」「湿度」「流量」を調節して供給することができる「機器」及び「附属設備の総体」を指します。すなわち「浄化」「温度」「湿度」「流量の調節」の4つの機能を備えた設備のことです。

機械換気設備とは「外から取り入れた空気などを浄化して、その流量を調節することで供給を行う設備」を指します。すなわち、空気調和設備のもつ機能のうち「温度調節」及び「湿度調節」の機能を欠く設備のことです。

以上のことから、エアハンドリングユニットの設置を検討する際には、上記のどちらに属する設備であるかを考慮しなければなりません。また、空気調和設備に該当している場合には、病原体による空気の汚染を防止するために衛生上で必要な措置を取らなければなりません。該当する項目の例としては「冷却塔や冷却水の設備清掃」や「加湿装置の点検、清掃」などが挙げられます。

エアハンドリングユニットの原理

エアハンドリングユニットは「フィルター」「送風機」「熱交換器」「加熱装置」または「冷水コイル」によって構成されています。

これらのパーツは金属ケースに収められ、専用の機械室に設置されます。

一般的なエアコンとは異なり、冷媒にはガスではなく水を使用します。エアハンドリングユニットでは、各室内からの環気と共に外気を取り込むことで室内の空気を新鮮に保ちます。そして、外気も一緒に取り込むことで室内外の温度差を減らして必要のないエネルギーを使わないようにしています。その後に、取り込んだ空気をフィルターなどを通して浄化します。浄化された空気は、冷房なら冷水コイル、暖房なら温水コイルによって温度の調整がされて各部屋に給気することで、この循環を繰り返します。

このようにエアハンドリングユニット自体が熱交換を行っているため、地下などに設置してしまえば室外機を各部屋に取り付ける必要がありません。そのため、建物の限られたスペースを有効的に活用することが可能になります。 

エアハンドリングユニットは、設置する施設ごとに必要な機能や衛生管理基準の範囲が異なるため、空気清浄機能や加湿機能などのオプションを製造メーカーに受注生産という形で注文しています。

参考文献
https://gyoumuaircon.com/2019/11/27/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%AF/
https://www.m-system.co.jp/products/ba/ba05_index03.html

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