潤滑配管継手

潤滑配管継手とは

潤滑配管継手とは、機械に潤滑油を供給する配管を接続する部品です。

機械設備が安定して稼働するためには、摩耗を防ぐ潤滑油が不可欠です。潤滑配管継手は潤滑油を機械の隅々にある必要な箇所へ正確に届けるための潤滑配管を、確実につなぎ合わせるために使用します。特に一つの供給源から複数の箇所へ自動的に潤滑油を送る集中潤滑の用途において、重要な役割を担います。

機械は稼働中に振動していることも多く、その振動によって接続部が緩んだり、破損したりしない耐振性が求められます。材質はこれらの厳しい条件に耐えるよう、鋼鉄製やステンレス製が一般的です。形状も配管を直線でつなぐストレート型や90度に曲げるエルボ型、三方向に分岐させるチーズ型など、設置場所に応じて多様な種類が存在します。

潤滑配管継手の使用用途

潤滑配管継手は以下のような用途で使用します。

1. 工作機械

工場で稼働する産業機械は、潤滑配管継手の主要な使用先です。NC旋盤やプレス機械、射出成形機などが代表例です。これらの機械は高速で動作する軸受や、高い精度が求められる案内面を多数備えます。潤滑配管継手はこれらの機械に組み込まれた集中潤滑システムの一部として、微量な潤滑油を各潤滑点へ分配する配管を確実に接続します。

2. 建設・農業機械

建設機械や農業機械にも、潤滑配管継手が広く用いられます。ショベルカーのアーム関節部やトラクターの可動部などは、泥や水にさらされながら高い負荷を受け続けます。潤滑配管継手はこうした悪環境下でも各潤滑点へグリスを圧送する配管を接続します。振動や衝撃に強い継手を選定することが多く、メンテナンスの省力化には不可欠な部品です。

3. 産業機械

製鉄所や製紙工場など、24時間稼働を続ける大規模なプラント設備でも潤滑配管継手は不可欠です。例えば、鉄を圧延するローラー設備などでは、高温にさらされつつも広範囲に潤滑が必要な点が存在します。これらの潤滑点へ潤滑油を確実に分配する配管網の接続に、高い信頼性を持つ継手が使用されます。