高所作業台

高所作業台とは

高所作業台とは、高い場所で安全に作業するために使用される昇降可能な作業床です。

脚立やはしごでは届かない高さや、安定した足場が必要な作業環境で利用されます。作業員が乗るための作業床や昇降装置、走行装置などで構成されます。作業員の転落を防ぐため、安全基準に基づいた高さの手すりや、足元の隙間を塞ぐつま先板などが設けられます。

昇降装置の構造によって、いくつかの種類に分類されます。代表的な製品は、アームがはさみのように伸縮して昇降するシザース式です。シザース式は作業床を広く確保できる機種が多く、垂直に上下するため安定性にも優れています。動力源も様々で、バッテリーを使用する電動式やガソリンで動くエンジン式があります。選定の際は、必要な作業高さや使用環境などを総合的に考慮します。

高所作業台の使用用途

高所作業台は以下のような用途で使用されます。

1. 建設業

建設現場や新築・改修工事において、高所作業台は不可欠な機材です。建物の鉄骨の組み立てやボルトの締め付け、、塗装作業などで活躍します。内装工事の分野でも、天井の配線・配管作業や空調ダクトの設置など、高さが必要な作業で頻繁に使用します。作業場所が移動する場合でも、自走式の高所作業台であれば迅速に対応できます。

2. 製造業

工場やプラントなどの施設では、設備の維持管理や点検作業に高所作業台を用います。天井クレーンの点検や照明器具の電球交換、空調設備のフィルター清掃、火災報知器やスプリンクラーの点検が代表的な作業です。また、ビルの外壁や窓ガラスの清掃といった業務でも、安全な作業スペースを確保するために利用されます。

3. 物流

大型の物流倉庫や配送センターでは、高い場所に商品を保管する高層ラックが一般的です。こうした施設において、高所作業台は在庫の出し入れや棚卸し作業に使用します。特にシザース式や垂直昇降式の作業台は、狭い通路内でも安全に昇降できるため重宝されます。フォークリフトとは異なり、作業員自身が作業床に乗って上昇できるため、細かい商品の確認や手作業での荷役作業に適しています。