木工旋盤

木工旋盤とは

木工旋盤

木工旋盤とは、木材をとりつけて回転させる工作機械です。

刃物などを当てて形を削り出すウッドターニングという木材を高速回転させ、刃物を当てて削る作業のために使われます。仕組みが陶芸で使う「ろくろ」と同じことから、日本では「木工ろくろ」とも呼ばれます。一般家庭でも使えるミニサイズから卓上で使えるものまで型もさまざまあります。

一般的に「木工」である机・タンスなどとは異なり、丸みのあるもの (お皿・ボウル・つぼ・ペンなど) を作ることができます。

木工旋盤の使用用途

木工旋盤は使い方・削り方を学ぶと一般人でも円、円柱形状を作ることが可能です。具体的にはお椀やお皿などの食器やお花などを飾る花器、丸脚のイスなどの様々なパーツが挙げられます。他にも抽斗の取っ手、アクセサリー、小物なども作製可能です。

テーブルや椅子にプロが作っているような装飾を削り出し、豪華に見せることができます。何年間も修行が必要な装飾も比較的簡単に施すことが可能になります。

木工旋盤の原理

本体が大きいほど作製できるものの幅が広がり、大きいものでも小さい作品の作製は可能です。作品作りに使用できる範囲は、テールストックからヘッドストックまでの長さが最大加工長さとなり、センターからベッドまでの高さを2倍した長さが最大回転直径となります。

回転センタとドライブセンターで材料の両端を保持し、材料の中心を求めてから両端にドライブセンターと木槌を使って少し跡が残る強さで本体に固定します。

ドライブセンターを使用せず、ドリルチャックで材料を保持することで細い材料を固定できます。ドリルチャックは元々ドリルを掴むためのものですが、ドリルに限らず、範囲内であれば木材の丸棒なども掴めます。

チャックで材料を固定することも可能です。チャックはジョーを開閉させることで材料を固定します。外側・内側のどちらからでも固定できます。内側から固定する場合、事前にジョーが入る窪みを用意する必要があります。

木工旋盤のその他情報

木工旋盤のバイトの種類

木工旋盤のバイトは一般的な鉄工用と同じくハイス鋼のものが使われていますが、鉄工用は刃物台にバイトを取り付けて使用するのに対し、木工旋盤は手持ちで加工するため彫刻刀のような見た目をしていることが特徴です。

また、バイトにも様々な種類があり、大体の寸法まで荒く削る「ラフィングガウジ」や美しい表面に仕上げる「スキューチゼル」、材料の切り離しに使う「パーティングツール」、お椀やボウル作りに最適な「スクレーパー」など、製作物や用途によってバイトを使い分けていく必要があります。具体的には次のようにして使い分けます。

1.ラフィングガウジ
主に角材から丸棒にするために使われる荒削り専用のバイトです。繊維が縦向きの木材 (センターワーク) に使用できますが、横向きの木材 (フェイスワーク) に使用すると木材が割れたり脱落して事故を招く恐れがあるため使用する際は必ず繊維の向きを確認することが重要です。

2.スキューチゼル
刃先が薄く平らな形状をしているのが特徴で、ラフィングガウジである程度まで削った後に使用します。切削面が綺麗になるため仕上げの加工に使用する他、平らな形状を活かしてチャックで固定する部分の加工に使用します。

3. パーティングツール
鋭く尖った刃先が特徴で、パーティングという名前の通り材料を切り離す時に使用する他、ワークに細い溝を掘る時に使用するツールです。

4.スクレーパー
板状の刃が特徴で、主にお椀やボウルといった滑らかにカーブしていく内側の形状を作る時に使用します。刃先の形状は真っ直ぐなものから緩やかにカーブしている形状のものまで様々な種類があり、緩やかにカーブしている刃先のものは「ラウンドスクレーパー」と呼び、カーブを描くような加工に最も適します。

参考文献
https://simplife-plus.com/tsukuru/woodturning_start/
https://www.off.co.jp/item/H_0023.html

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