スネークポンプ

スネークポンプとはスネークポンプ

スネークポンプとは、ポンプの管内を、蛇のようならせん状の特徴的な軸 (ローター) が回転することで送液するポンプです。

別名として、一軸偏心ネジポンプがあります。プランジャーポンプなど、他のポンプでは排出が難しい場合 (粘性が高い材料や固形物などが含まれている材料などを送液する場合) に、代替のポンプ機構として使用されるポンプです。

スネークポンプの使用用途

スネークポンプは、内部で強い推進力を生み出すので、高粘度・高濃度の素材や固体が混ざった流体を排出・送液する際に使用します。具体的には、スラリー (泥漿、液体中に鉱物や汚泥などが含まれている混合物で高粘性) や加工された食品 (魚肉、ひき肉など) など通常のポンプでは移送できないものや繊維などを含んだ液体、化粧品製造業などです。

さらに自動車産業では、潤滑剤や研磨材、シリコーン樹脂などの粘性の高い液体や混合物などを送液する場合にも、スネークポンプを使用します。

スネークポンプの原理

スネークポンプは、容積形ポンプの中の回転式ポンプに分類されるポンプで、雄ねじに相当する金属製のローターと、雌ねじに相当する弾性材質製のステーターから構成されています。ローターはねじのようにねじりまがった構造となっており、これがステーターの中で回転することにより、無脈動、定量で液体などを送液することが可能です。

ローターをステーターに装着すると、両者の間の接線によって密閉されたらせん状の空間ができます。ローターを回転させるとステーター内を回転しながら往復運動し、空間容積に充満された液体はピストン運動により吸込側から吐出側に移送されます。

吐出量は回転数により変化するので、回転数を変更するだけで簡単に吐出量を変更することが可能です。また、ローターとステーターの長さを変えることで吐出圧力が変化するので、高圧で吐出する必要がある場合は、長さによる制約がなければ、長いローター、ステーターを使用することで実現できます。

スネークポンプの選び方

スネークポンプを選定する際は、使用する用途に応じて選択する必要があります。確認するべきポイントは、以下の通りです。

1. 吐出量

吐出量はローター形状、ローター径により変わります。またローター回転数によっても変えることができますが、常に高回転で運転すると摩耗による劣化や、液体の粘度による制約を受けるため、使用吐出量に応じた機種の選定が必要です。

2. 液性状

吐出量に影響するローター回転数に許容される値は、移送する液体の性状 (粘度、摩耗性) に大きく関係します。粘度は高くなるほど、許容回転速度が小さくなります。

液体しか含まない単相流体は摩耗性が低いため高回転で使用できますが、硬度の高い固体粒子などを含む二相、混相流体の場合は使用できる回転数が小さくなります。

3. 液体の種類

ステーターの部分は弾性材料が使用されますが、これらは各種ゴムおよび樹脂製の材料が使われています。送液する流体に含まれる物質に対する耐性に応じて選定する必要があります。

選択を間違えるとステーターが破損、溶解するといった致命的な不具合が発生するため重要な項目です。

4. 吐出圧力

吐出圧力はローター・ステーターの長さ、すなわち段数 (らせんの数) に比例します。高圧で吐出したい場合は、装置の長さを長くする必要があるため、スペース面での制約を受けやすくなります。

スネークポンプのその他情報

スネークポンプの欠点

スネークポンプの大きな欠点は、ローターとステーターが常に接触しているので摩耗しやすいことです。そのため、誤ってドライ運転を実施すると、簡単にローターが損傷してしまうことがあります。

特にローターが損傷して剥がれてしまった欠片などが、送液する液体などと一緒に排出されると、食品業界では異物混入で大きな問題につながってしまう可能性が高いです。

参考文献
http://www.mohno-pump.co.jp/about/construction.html
http://www.hohsen.co.jp/jp/products/detail.php?id=376

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