ロータリー研削盤

ロータリー研削盤とは

ロータリー研削盤とは、回転する丸いテーブルに加工対象物であるワークを置き、砥石で研削を行う機械のことです。

ロータリー研削盤の特徴として、比較的面積の大きいワークの研削に適していること、多数のワークを一度にテーブルに置いて研磨可能な研削機であることが挙げられます。一般に平面研削では、研削盤が左右に動作することで研削しますが、研削盤が回転するタイプは、ロータリー研削と呼んで区別しています。

ロータリー研削盤の使用用途

ロータリー研削盤は、比較的大きな断面積を有するワークの研削を一度に複数個、効率よく実施したい場合に用いられています。具体的なワークは、大量の基板やウエハ、プレートなどです。

ただし、ワーク研削に関する処理能力は、ロータリー研削盤のテーブルの大きさや回転する砥石の大きさにも大きく依存するため、各メーカーの仕様をよく確認することが大切です。

ロータリー研削盤の原理

ロータリー研削盤の原理は、大きな回転する丸テーブルの上に、複数のワークを並べて設置し、上面からダイヤモンドカップなど回転する砥石をあてることにより、ワークの上面の広い面を一度に研削していく工法にあります。

この工法の場合は、比較的ワークの研削面積を大きく確保できるため、左右に動作することで研削を進める通常の平面研削などと比較して、効率よく短時間で処理することが可能な研削手法です。

ただし、欠点として精度を出すのが比較的難しい研削手法であること、ワークのセットなどの研削の前準備に時間を要する場合があることが挙げられます。しかし、一度に大量に処理可能な研削盤であるため、ロータリー研削盤を使う場合には、その目的や用途に応じた研削盤の使い分けが必要です。

ロータリー研削盤のその他情報

1. 研削と研磨の違い

一般に「研削」とは、物理的にワークの表面を削って物質を落としていく工程を指し、「研磨」はワークの表面を磨きこんで、その鏡面を出していく工程を意味します。ただし、業界によっては両者を区別せずに用いている場合もあり、その場合は研磨という用語が研削を包括する形で用いられているのが一般的です。

研磨に固有である鏡面を磨きだす工程は、ラッピングやバフ工程などともいわれ、砥石のみならず、独自の研磨剤を活用することが多いです。

2. ロータリー研削盤とラップ盤の違い

複数のワークを回転するテーブルにセットして削っていく機械という点では、ラップ盤もロータリー研削盤とその構成は同じです。しかし、ワークの研磨の精度を高めて鏡面レベルに仕上げる必要がある場合には、ラップ盤が多く使用されています。

ラップ盤はワークを上下のRefとなる定盤で挟んで、「3面すりあわせの原理」でその平面の精度を上げていく工法を有します。また、液体研磨剤を流し込んで磨き上げる点が大きな特徴であり、ロータリー研削盤でのワーク加工の工法との違いです。

しかし、この工法には研磨仕上げの加工に手間と時間を要するため、ロータリー研削盤のような短時間での大量処理には向いていないのが実態です。

3. 次世代ロータリー研削盤での研削精度改善の事例

ロータリー研削盤のメーカーの中には、その技術革新に伴い、ロータリー研削盤でありながら、ラップ盤の精度を実現することを目指した次世代の上位機種を取り扱っているメーカーもあります。その機構は非常に複雑ですが、ロータリー研削盤での特徴を有しながら研削精度を上げ、鏡面レベルに仕上げるために、次のような改善事例を適用しています。

  • 熱影響を受けないチャックである永久電磁石をワークセット後に作動
  • 砥石の削り量をモニタしFBする機能を搭載
  • ワークを搭載するテーブルを非常に高精度で傾き制御する技術を適用

ロータリー研削盤ならではの研磨というよりは、研削に近い加工スピードと作業性を有した次世代のロータリー研削盤の事例です。

参考文献
https://daimei-k.com/dictionary/

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