レーザー測長機

レーザー測長機とは

レーザー測長機

レーザー測長機とは、レーザー光を利用し、非接触で高精度な距離測定を行うために使用される測長機です。

数百ナノメーターの波長を持つ可視光レーザーを使用しているため、サブマイクロメートルの高い分解能で測定が可能です。サンプルに取り付けたコーナーキューブにレーザー光を照射し、反射してきたレーザー光の位相差を解析することでサンプルまでの距離を測定します。

また、オプションのソフトウェアを使用することでサンプルの速度や加速度、変位を測定することができるレーザー測長機もあります。

レーザー測長機の使用用途

レーザー測長機は半導体製造装置、電気、電子機器製造装置などの高い精度で位置決めが必要な装置に対して用いられます。また、光を利用しているので高速で動くチップマウンタやプリンタヘッドの速度や位置を測定するも可能です。

その他、装置のステージなど移動する部位において2つのレーザー測長機を用いて異なる場所の距離を同時に測定することで、ステージのピッチングやヨーイングの有無、同一装置内での変位の有無を確認できます。

レーザー測長機の原理

レーザー測長機では、サンプルに照射して跳ね返ったレーザー光の位相差から距離を算出します。サンプルにはレーザー光を反射させるために、小さくて軽いコーナーキューブを取り付けます。このキューブにレーザー光を照射させて、反射した光を解析します。

反射した光は投光した光に対して位相差を持っているためこれらの光の間には干渉が発生します。位相差は距離に依存して変化するため、干渉結果の解析を行うことで距離を求めることが可能です。レーザー光の波長は600ナノメーター程度で、測定精度もサブマイクロメートルと非常に高いです。

また、レーザー光のサンプリングピッチを細かくすることでサンプルの速度や加速度、変位などの動的な情報を得ることもできます。装置によっては最大で1メガヘルツの周期でサンプリングすることが可能であるため、高速で移動する装置、もしくは微小で精確な移動を繰り返す装置の速度等を測定することも可能です。

レーザー測長機の種類

レーザー測長機には、用途に応じて様々な種類があります。

1. レーザー距離計 (レーザーレンジファインダー)

一般的なレーザー測長機で、一点からの距離を測定するために使用されます。手のひらサイズの携帯型のものから、測定範囲が数キロメートルに及ぶ大型のものまでさまざまなサイズがあります。建築現場や測量などで一般的に使用されます。

2. レーザー干渉計

レーザー光の干渉を利用して距離を測定する装置です。レーザー光を分割し、干渉が生じることで微小な距離変化を検出します。非常に高い測定精度を持ち、ナノメートル単位の微小な変位の測定に好適です。微細加工や光学デバイスの評価などの分野で使用されます。

3. レーザー多点測距計 (レーザートラッカー)

レーザービームを対象物に照射し、その反射光を複数の受光センサーで受けることで、対象物の位置や形状を測定する装置です。主に工業分野で使用され、機械加工や自動車製造などで位置や形状の計測に使用されます。

4. レーザー振動計 (レーザーバイブロメータ)

レーザー光を対象物に照射し、その反射光から振動や変位を測定する装置です。非常に高い測定精度を持ち、機械の振動解析や材料の評価などに使用されます。

5. レーザー測位装置 (レーザートラッキングシステム)

レーザー光を使用して対象物や動体の位置や速度を追跡するための装置です。航空宇宙分野やロボット工学、モーションキャプチャなど、高速で精密な位置測定が必要な分野で使用されます。

参考文献
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/whats_new/catalogs/products/old/lv8600.pdf
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/application/shinchoku.htm
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/thickness/lv9300a.html

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